第368回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年3月18日
 
 

 事務局レター【第242号】/2017年3月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/山崎博康/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449.k*tbz.t-com.ne.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●3月例会(第368回)のお知らせ 

演題:《偽りの女庭師》と《イドメネーオ》、そして《ドン・ジョヴァンニ》
 --セーリア役の変容とオペラ・ブッファの新たな展開--    お話:大津 聡氏

 日時:2017年3月18日(土)午後2時開演(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――――― 大津 聡氏のプロフィール
水戸市生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程音楽学専攻修了。大学院在学中にドイツ連邦共和国、ヴュルツブルク大学音楽学研究所に留学。その後、ベルリン自由大学博士課程を修了。哲学博士 Dr. Phil.(音楽学)。
 音楽学を角倉一朗、土田英三郎、ウルリヒ・コンラート、アルブレヒト・リートミュラーの各氏に師事。専門領域は18、19世紀の西洋音楽史。とりわけモーツァルトの受容史、19世紀の音楽受容の問題を中心に研究を進めている。
 著書にDie Opern in der Mozart-Biographik von 1800 bis 1920. Ideologische Aspekte in der burgerlichen Gesellschaft. 『1800年から1920年までのモーツァルト評伝におけるオペラ-市民社会のイデオロギー的諸相-』(ヴィーン: Mille Tre 社、2013年)。 現在、筑波大学比較文化学類、立教大学、桐朋学園芸術短期大学で講師を務める 

 


例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  4月15日(土) 田辺 秀樹氏

  5月21日(日) 久元祐子氏 伊藤翔氏 2台のピアノ  (会場:立川・セレモア) 

 

 


●皆様へのお知らせ 

 ロヴェレート国際モーツァルト音楽祭ツアーについて。―至急、重要

フェラインでは、イタリア・モーツァルト協会との友好協定に基づき、今年のロヴェレート音樂祭へのツアーを企画しております。 
会員の皆様のご参加を募っております。参加ご希望の会員の方は3月10日までに澤田会長宛、ご連絡下さい。
  携帯は090-2223-8101で、メールアドレスはysawadaamadeus.jp@nifty.comです。

なお、会員の友人の方々も参加可能です。スケジュールはまだ100%固まっていませんが、大体次の通りです。

 9月13日(水)成田或いは羽田発同日夜、ロヴェレート到着
 9月14日(木)-17日(日)音楽祭(なお、当会顧問の久元祐子さんが15日と17日にリサイタルを開催します)
 18日ロヴェレート発 ウィーンへ。 ウィーンでは国立オペラ、ミュージックフェラインザールなどでオペラ、演奏会を鑑賞。予定。鑑賞は18,19,20日の3日の予定。
まだ出し物が発表されていないので、分かり次第ご連絡します。
 費用の概算も同様にご連絡します。朝日旅行社担当です。
 9月21日 ウィーン発
 9月22日(金) 成田或いは羽田着

ロヴェレート音楽祭のスケジュールは変わりませんが、そのほかの日にちは1,2日程度変更になる可能性は多少あります。
なお、締め切り日が早いのはロヴェレートのホテルの予約が極めて難しい事及び安いフライトを予約するためです。皆様のご理解をお願い致します。
また、多数の会員の皆さんのご参加をお願い致します。

モーツァルティアン・フェライン会長  澤田 義博  

 

 

 

●2月例会の報告(第367回/2月11日)

ジェラール・プーレ ヴァイオリン・リサイタル

  ピアノ:川島余里

 今回のリサイタルで、マエストロのフェライン例会への出演は6回目となる。文字通り今や、マエストロはフェラインの顔である。今回のリサイタルでは殊の外、マエストロは気合が入っており、リサイタル前にも、ご自分でラヴェルのソナタの解説をお書きになる程であった。これはフェラインにとっては初めての事である。
この度のコンサートでは前回から始めた、ヴァイオリン・ソナタのフラグメンツ(断片のみ残っており、未完成な曲)を前回と合わせて全曲演奏して頂くことが目的の一つだった。
マエストロがフランスのヴォ―ヌ・ロマネのホールで2015年5月にCD録音なさった曲全てである。正確に言うとレヴィンが補筆していない1曲K.402(K.385e)(シュタードラーが補筆したものは現存している)は録音されておらず、また演奏もされなかった。残り7曲は全てロバート・レヴィンの補筆である。
 因みに、このCDの評はフランスのDIAPASON 1月号に出ている。CD録音もマエストロとロバート・レヴィンが行っている。演奏されたのは次の通りである。 

 

 

 

W.A. Mozart=Robert Levin補筆

① Kv372 B-dur 1楽章制のソナタ
提示部の65小節がモーツァルトの作で、残りは補されている。全体で165小節に拡大されている。短い曲だが、最初から、マエストロとピアノの川島さんの意気込みが感じられる名演だった。

② Kv396(385f)c-mollの幻想曲(ファンタジー)
 提示部の終わりの27小節で中断している。ヴァイオリン・パートはたったの5小節(23―27小節)のみである。この曲は川島さんが張り切っているように思われた。シュタードラーも補筆し、かつクラヴィーアの為の幻想曲に変更している。この曲が現在人気曲になっているK.397のクラヴィーアの為のニ短調幻想曲に似ているように感じられる。 K.番号も近く、もしかしたら、K.397 のスケッチだったのかもしれない。この曲の美しさのためか、聴衆も段々盛り上がりを見せ始めた。

③ Kv403(385e) C-dur (3楽章制のソナタ)
この曲の第1,2楽章は全てモーツァルトの作になる。第3楽章は20小節で中断されている。この曲は上述の通り、ほとんどモーツァルトの曲であるせいもあり、お二人の演奏と相俟って、更に会場を盛り上げた。

④ Kv404(385d) アンダンテとアレグレット
 この曲は2pageの小品であり、勿論モーツァルトは前後に曲を加えるつもりであったろうと考えられる。おそらく初心者向けのかわいらしい曲であった。

⑤ K.481 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調
この曲は全て、モーツァルトの手になるもので、ヴァイオリン・ソナタの中でも最も円熟した曲の一つである。第1楽章には交響曲ジュピターのモチーフが何度も顔を出す。第2楽章はロマティックな転調にあふれた美しい曲で、聴衆もそのメロディーに聴き惚れていたように感じられた。 

 

 

 


F.Poulenc / Sonata pour violon et pianoF.Poulenc / Sonata pour violon et piano
プーランク:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ
 この曲はプーランクの友人ガルシア・ロルカ(スペインの詩人)の追悼曲である。第1楽章の冒頭は、映画音楽の“Tea For Two”(ドリス・デイのヒット曲)のメロディーが使われている。第3楽章の終結部では、ピアノがピストルの音を低音部で強い音で出し、友人のロルカが倒れこみ死に至るシーンがヴァイオリンで表現される。この時、マエストロは時々本当に倒れてみせるのだが、今回はその演技はなかった。音楽だけで十分だったと思う。

M.Ravel / Sonata pour violon et piano
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ
 アールデコの真っただ中の時期に生まれたこの非常に変わった曲は、ポップスのような流行曲のように消えてゆくと思われるが、今でも演奏されている名曲の一つになったのはラヴェルの才能によるものと考えられる。
 第1楽章では、様々な高度なヴィヴラートが要求される。後半にはヴァイオリンの早いテンポのトレモロが現れ、それがピアノとの対話となり、クライマックスとなる。第2楽章は突如ブルース的になる。ラヴェルがアメリカから招かれて演奏旅行を行った時に聴いたと思われるブルースを活かしたものと思われる。第3楽章で出現する、見事なヴィルトゥオーゾに聴衆は思わず酔いしれたと思う。マエストロではの聴かせ場だったと感じた。

アンコールは、シューマンのロマンスとラフマニノフの「パガニーニの主題によるラプソディ」だった。このアンコールの演奏の素晴らしさもこのコンサートを更に盛り上げることになった。

   以上(文責 澤田) 

 

 

 

●例会・懇親会コーナー

 今回の懇親会では、趣旨に賛同する有志一同で、プーレ氏、川島さんを中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

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第367回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年2月11日
 
 

 事務局レター【第 241号】/2017年2月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/山崎博康/笠島三枝子/大野康夫/ 倉島 収 mozartian_449.k*tbz.t-com.ne.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●2月例会(第367回)のお知らせ 

 ジェラール・プーレ・ヴァイオリン・リサイタル <教会シリーズ10>

価格:5000円   会員価格:4500円

ヴァイオリン:ジェラール・プーレ  ピアノ:川島 余里 

 日時:2017年2月11日(土・祝)午後2時30分開演(午後2時 開場) 
←土曜日です! 開始時間に注意! 


会場: 日本基督教会・代官山教会 チャーチホール 〒150-0034渋谷区代官山14-3
 東急東横線代官山駅より徒歩5分 

チラシ:その1 チラシ:その2 

 【プログラム】

W.A.Mozart=Robert Levin補筆
① Kv372 B-dur 1楽章制のソナタ
② Kv396(385f)c-mollの幻想曲(ファンタジー)
③ Kv403(385e) C-dur (3楽章制のソナタ)
④ Kv404(385d)というたった2pageの曲
⑤ K.481 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調

F.Poulenc / Sonata pour violon et piano
プーランク:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ

M.Ravel / Sonata pour violon et piano 
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ 


 チケットは全て前売制にしております。まだ入手されていない方は当日、お見えになっても席がない可能性がありますので、澤田会長または石津副会長にお電話でお申し込みください。
 支払いは当日で結構です。
 電話番号は次の通りです。 (090-2223-8101澤田、090-5191-3404石津) 

プロフィール

 ジェラール・プーレは指揮者とヴァイオリニストであったガストン・プーレの息子で、天才少年期を送る(父ガストンはドビュッシーのヴァイオリン・ソナタを作曲家自身のピアノで1917年に初演した事で知られている)。11才でパリ国立音楽院に入学し、2年後には審査員全員一致の首席で卒業。18才で、イタリア・ジェノーヴァでのパガニーニ・コンクールで優勝。
ジーノ・フランチェスカッティ、ユーディ・メニューイン、ナタン・ミルシュテイン、とりわけ彼の精神の父となったヘンリック・シェリング等の巨匠達の教育を受けながら、コンサート活動をし、キャリアを世界中に広めた。パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、ストラスブール国立管弦楽団、リール、ボルドー、RAI・トリノのオーケストラ、プラハラジオ交響楽団、リェージュのフィルハーモニック管弦楽団、北京交響楽団、シュツットガルト管弦楽団、読売交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック、仙台フィルハーモニック、大阪シンフォニカーと共演。 

76歳を超えた今も現役の演奏家としてコンサート活動を行っている。そして各国の主要な国際コンクールの審査員(長)に招聘されている。
また偉大な教育者でもあり、長年教授を務めたパリ国立高等音楽院を2003年に退官後、パリCNR市立音楽院のソリストコースとエコール・ノルマル音楽院で教鞭を執り、2005年4月から2009年3月までは東京芸術大学の客員・招聘教授を務める。2010年4月から現在は昭和音楽大学の教授を務めている。

 日本のヴァイオリン界のレヴェルアップに貢献しており、複数の弟子が国内外のコンクールで優勝、上位入賞を果たす。世界中でマスタークラスを行っている。日本では、京都フランス音楽アカデミー、いしかわミュージック・アカデミー、軽井沢国際音楽祭、北海道中札内セミナー他、河口湖音楽セミナー、多数の音楽大学(桐朋、国立、沖縄県芸、愛知県芸、フェリス、作陽、洗足、昭和)に招かれている。1995年フランス芸術文化勲章及び1999年文化功労賞を受賞。

プーレ氏の言葉は、「今が人生の最高。こんなに良い生徒達を持ったのは生涯で初めて。多くの素晴らしい友人、同僚に恵まれ、日本にいる幸せを常に感じている。日本人の心(思いやり)、丁寧さ、規律の正しさ、日本の食事が大好き。」日本とフランスをほぼ半々に生活している。 

 

 

 例会後は5時頃から恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。
イタリアン「シャッターズ代官山」 ラ・フェンテ代官山B1 TEL:03-3461-3371     会費 4,000円 

 

 

 
●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  3月18日(土)  大津 聡氏

  4月15日(土)  田辺 秀樹氏 

 

 


●会員の皆様へのお知らせ  「ロヴェレート旅行」について。

 9月14日ー17日までの音楽祭に合わせ、まだ詳細は決まっていませんが、おそらく、ウィーン経由かスイス経由でロヴェレートに入ります。
 出発は9月10日頃、ロヴェレート発は18日、日本着は19日になる可能性が高いです。
ロヴェレートのホテルの予約の期限が2月末なので、取り敢えず、参加ご希望の方は2月末までに澤田会長にお申し込みください。
 現在3名が参加予定で、7名程度はご参加頂きたいと考えております。 

 

 


●1月例会報告( 第366回 /1月21日)

モーツァルティアン・フェライン会員参加による新年会

 会員有志によるお話と演奏で構成される1月例会「モーツァルティアン・フェライン新年会」は、15回目を迎え、今年も賑やかに開催されました。以下、要旨を報告致します。
 前半のお話の部は倉島副会長の司会で始められました。 

 

 


 《お話の部》

 1)澤田会長挨拶  モーツァルティアン・フェラインの今年のキーワードを「変革と飛翔」とするとのお話がありました。
 具体的には
①役員の定年制を導入し若返りを図る。今年4月より実施の予定。
②ザルツブルクの国際モーツァルト財団より公式の会員と認めるとの連絡を受け、名誉なことであると感じている。
 日本では、モーツァルトの愛好会はたくさんあるが、モーツァルテウムの公認団体はフェラインと日本モーツァルト協会の2団体だけだと思う。5月上旬に来日予定のモーツァルテウム財団の皆さんとの交流などを計画している。
③今年は我々の機関誌である“モーツァルティアン・フェライン”が100号となるので年刊とし、豪華なものにするつもりである。現在山崎編集長が奮戦中である。
④9月中旬にロヴェレートへのツアーを行い、イタリアモーツアルト協会との親睦を深める
⑤日経新聞電子版よりフェラインの活動を取材したいとの申し出があったので、皆様にお伝えします。
おそらく5月か6月の久元先生と伊藤先生のduoの時にお願いする予定である。フェラインがより更に良い方向に変化するように、会員各位のご協力をお願いします、ということでした。

 

 


 (2)清水沙織里さん  ピアノとお話
  ピアノソナタK310 について昨年9月に入会の若手会員・清水さんのレクチャーコンサートは以下の通りです。かねてから抱いていたモーツァルトのイメージは無邪気でユーモアたっぷりの音楽であったが、このK310番のピアノソナタは全く違う印象なので、モーツァルトの才能の多様性に驚いた。
この曲について清水さんは、入念に譜読みをして自分なりの解釈をし、その結果をピアノを弾きながら解説してくれました。アマチュアといえども、堂々と自分の頭で考え、懸命に表現しようとする姿勢が素晴らしく、会員各位からも好感度を持って迎えられたのではないでしょうか。続編を期待しています。

 

 


 3)佐藤梓さん  フェラインと私、入会の動機とエピソード。私をモーツァルティアンにした曲。
モーツァルティアン・フェラインの会員になったきっかけとして、30年前のエピソードをお話して下さいました。当時飯田橋で繁盛していた酒場「憂陀」で若松さんや小滝さんに会いその場で入会を申し込んだとのこと。
その頃めちゃめちゃ好きになった曲がクラリネット協奏曲K622で、今回はその第2楽章アダージョをCDで聴きました。演奏はベーム*プリンツ*ウィーンフィルのコンビ、梓さんいちおしのディスクです。余分なものをすべて削ぎ落した端麗な調べに、陶然とした気分になりました。 

 

 


 4)大野康夫さん ギターで弾くモーツァルト
   お話の部の小池佳広さんが急病で不参加となった為、ギターの大野さんが前半に繰り上げとなりました。年毎に上達の著しい大野さん、以下の曲が演奏されました。
①ナンネルの楽譜帳からK6メヌエットハ長調 岩見谷洋志編曲
②ソルの第2ソナタ メヌエット ハ長調
  フェルナンド・ソルは1778年生まれのギター作曲家でギターのモーツァルトと言われている。ハイドンとモーツァルトを学んで作曲した。オールヨーロッパの作風が多い。代表作は「魔笛の主題による変奏曲」。
③K492フィガロの結婚からケルビーノが歌う「恋とはどんなものかしら」 岩見谷洋志編曲。
 伯爵夫人の前でスザンナがギターを弾きながらケルビーノが歌う。ギターで弾きやすいメロディに作曲されている。 

 

 


 以上でお話の部を終了し、15分程の休憩の後、第2部へ。 司会は石津副会長に代わりました。

 《演奏の部》


 1)笠島三枝子さん*松永洋一さん フィガロの結婚K492よりスザンナとの小2重唱「5・・10・・20・・」ピアノ伴奏 富田愛佳さん
 オペラ「フィガロの結婚」の幕開けで歌われる2重唱です。婚礼も間近な朝、部屋のレイアウトウィ考えるフィガロとレースの花嫁帽子を試着して喜ぶスザンナ、会話も弾みます。しかし、この部屋には他に何やら良からぬ企みが……。
 意欲満々の松永さんと気品のある着物姿が美しい笠島さんの軽快なデュエット。華やかな新年会のムードいやがうえにも盛り上がり、何故か嬉しい気分です。

 

 


 2)松永洋一さん バス独唱 「ドンジョヴァンニK527」よりレポレロのアリア「奥様これが」 ピアノ伴奏富田愛佳さん。
 豊かで力強い低音の持ち主松永さんはオペラ「ドンジョヴァンニ」より、従者レポレロのアリア「カタログの歌」に挑戦です。「……スペインでは1003人!」と、主人「ドン」の女遍歴を次々と読み上げている内に気分が高ぶり、どうだ!とばかり見得を切るレポレロ、その過程が実に滑稽です。
 松永さんは、痛快ではあるが、かなり意地悪いこの名アリアを、情感豊かに歌って下さいました。コミカルな演技もなかなかのものです。
 富田さんのピアノ伴奏も、レポレロの一喜一憂を見事に表現していました。

 

 


 3)笠島三枝子さん ソプラノ独唱「すみれK476」 ピアノ伴奏真部淳さん
野に咲くすみれの愛らしいつぶやき、ドイツ語歌曲の傑作「すみれ」はゲーテの詩によるものです。羊飼いの乙女がやって来てすみれを踏みつけてゆきます。すみれは死んでしまいますが、あの人のせいで死ぬのならそれで良いと言います。
 笠島さんは「ドイツ語も綺麗に発音で来てよかった」と言われていましたがなかなか難しい曲のようです。真部さんの爽やかなピアノの調べに上手に乗って、いとも軽やかに歌われ見事でした。 

 

 


 4)田中進さん バリトン独唱 魔笛K620よりパパゲーノのアリア「そうとも、俺は鳥刺し」
  ピアノ伴奏真 部淳さん
陽気な民謡風の調べに時々パーンの笛の合いの手が入ります。(今回は真部さんのピアノです)鳥を売って暮らす自然児・屈託のないパパゲーノのキャラをよく現しているアリアです。
 美声は衰えず、若々しい田中さんは、いつも一寸した小道具を上手に使って雰囲気を盛り上げてくれます。今回は派手な色の鳥の羽を2本帽子に挿して、いつも陽気なパパゲーノになりきっていました。

 

 


 5)笠島三枝子さん*田中進さん 2重唱 「魔笛」K620よりパミーナとパパゲーノの「愛を感じる男なら」
ピアノ伴奏 真部淳さん
今回は、モーツァルトの分身ともいえるパパゲーノといつか自分を救いに来てくれる人がいると信じている無垢な乙女パミーナとの2重唱です。
 笠島さん、田中さん、お2人の共演は今回で何度目でしょうか? 息のあったお2人の重唱は、男と女が愛し合うことの素晴らしさを歌います。
 「愛は全ての苦しみを甘美にし あらゆる生き物は愛に身を委ねる」簡素で素朴なメロディが心に響きます。

 

 


 6)ピアノとお話 モーツァルトとト長調 真部淳さん
 モーツァルトの場合、ト長調は大規模な曲よりも室内楽に多く使われた。また、譜読みがしやすく弾きやすいが余りにも平明な印象があるため、ピアノやヴァイオリンにはあまり使用されなかった。
その他、トランペットとクラリネットの使用に関しては、ハ長調から変ホ長調まで、短調も織り混ぜて10の調について解説して下さいました。更に交響曲とピアノ協奏曲合計12の曲の楽器編成について語り、ト長調の名曲としてヴァイオリン協奏曲K216から歌曲すみれK476まで17の曲について、ピアノを弾きながら解説して下さいました。
ト長調は全体に軽快で鳥のイメージを持っています。酉年の新年会に相応しい楽しいレクチャーコンサートでした。

 

 


 7)木村好伸さん フルートソナタFdurK13
   ピアノ伴奏 石黒裕丈さん
木村さん*石黒さんお2人方の御出演は3年ぶりです。今回演奏された曲名は「ヴァイオリン又はフルートの伴奏で演奏できるクラヴサンの為のソナタ」今日では「フルートソナタ」又は「ヴァイオリンソナタ」として演奏されます。
この曲はモーツァルト8歳の時西方への大旅行の際にロンドンで作曲されました。私は平素ヴァイオリンの演奏をCDで聴いておりますが今回はフルートでの演奏です。これが8歳の子供の作品とは驚きです。若書きながら、曲のそこかしこにモーツァルトならではの個性を感じることが出来ます。
 私のすぐ目の前で生まれた明るく少しやんちゃなフルートの音たちが、部屋一杯に飛びたってゆきます。ライヴならではの愉しみ、木村さんの名演奏をじっくりと味わいました。

 

 


 8)石黒裕丈さん ピアノ独奏 ロンドイ短調K511
こちらのピアノ曲はモーツァルトの晩年にあたる31歳の時に作曲されました。この上もなく深い哀愁を湛えたこのイ短調は、同世代の親友ハッツフェルト伯爵の急逝の知らせを聞いた1カ月後に書かれたといわれています。
アンダンテ、シチリアーノのたゆたうような調べの向こうに、悲しみのあまり、もの思いに沈んでいるモーツァルトの姿が見えて来るように思えます。豊かな音楽性に恵まれた石黒さんの奏でるピアノの音の美しさは格別です。この世の煩わしいあれこれは全て忘れて聴き入りました。

 

 


 9)全員で合唱 Ave verum corpus ニ長調K618  ピアノ伴奏 真部淳さん
真部さんに伴奏をして戴き、全員で「アヴェ ヴェルム コルプス」 を歌って、目出度く、2017年、モーツァルティアン・フェラインの新年会を終了しました。

        川口記 

 

 

 

 


 ●例会・懇親会 写真コーナー

 今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、趣旨に賛同する有志一同で飲み会 に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

     なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。 

  なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、 懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、 Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから 
 

 
 

第366回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年1月21日
 
 

 事務局レター【第240号】/2017年1月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/山崎博康/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449.k*tbz.t-com.ne.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●1月例会(第366回)のお知らせ 

 モーツァルティアン・フェライン新年会

 日時:1月21日(土)午後2時 (午後1時30分 開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2000(会員・一般共)


 「出演順ではありません」

 第1部 お話しの部 

 1 沢田義博  新年のご挨拶   今年も宜しくお願い申し上げます。

 2 小池佳弘 私の愛聴盤 ワルター・クリーンのカデンツァ春への憧れ ピアノ協奏曲K545第3楽章

 3 清水沙織里ピアノとお話 ピアノソナタK310について

4 佐藤 梓 CDとお話  フェラインと私 入会の動機とエピソード。私をモーツァルティアンにした曲   

 演奏の部  (出演順ではありません)

 1 大野康夫 ギター独奏 ギターで弾くモーツァルト メヌエットハ長調K6 「恋とは・・」K492  F・ソルの曲

 2 松永洋一 バス独唱ドン・ジョヴァンニK527よりレポレロのアリア「奥様これが」(ピアノ伴奏冨田愛佳)

 3 笠島・松永 フィガロの結婚K492よりスザンナとの小2重唱「5・・10・・20・・」(ピアノ伴奏冨田愛佳)

 4 笠島三枝子 ソプラノ独唱すみれK476 (ピアノ伴奏真部淳)

 5 田中 進 バリトン独唱 魔笛K620よりパパゲーノのアリア「そうとも俺は鳥刺し」 (ピアノ伴奏真部淳)

 6 笠島・田中 二重唱 魔笛K620よりパミーナ&パパゲーノの「愛を感じる男なら」(ピアノ伴奏真部淳)

 7 真部 淳 ピアノとお話  モーツァルトと調性(1)ト長調 

 8 木村好伸   フルート独奏 フルートソナタFdur(ピアノ伴奏石黒裕丈)

 9 石黒裕丈  ピアノ独奏 ロンドイ短調K511 

 10 全員で合唱  Ave verum corpus ニ長調K618(ピアノ伴奏真部淳)

  司会と会場準備  石津勝男
  司会とオーデオ  倉島 収
  企画進行     川口ひろ子 

 

 

例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。
 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

2月11日(土)ジェラール・プーレ氏 ヴァイオリン・リサイタル(代官山教会ホール)

 

 

 

●会員の皆様へのお知らせ 

 新年会で会長がご説明いたしますが、本年9月にロヴェレート訪問を企画しております。ロヴェレートの国際モーツァルト音楽祭は9月14日ー17日まで開催されます。
  音楽祭の後、数日イタリア、スイス辺りを訪れる予定です(詳細未定)。 どうぞ奮ってご参加下さい。 


●季刊誌についてのお知らせ
【お詫びと訂正】季刊誌第99号(2016年12月1日発行)掲載の「天国のハルノンクール」(加藤文夫さん執筆)の記事中、2カ所に誤りがありましたので、お詫びして訂正します。 19ページ左段下から3行目「①人といえる人たち」を、「①恩人といえる人たち」と訂正。 23ページの末尾「(写真はいずれも筆者撮影)」を削除して訂正します。確認が不十分でした。
 (編集担当 山崎博康)   

 

 


 

●12月例会報告( 第365回 /12月10日)

 「モーツァルト1788年――頂点の年を追う」
お話:礒山 雅 氏 

 モーツァルト像を新しい研究の見地から見直すにあたり、鍵を握るのは1788年である。この年モーツァルトは、目録記入30という最大の作品数を、三大交響曲を中心に達成した。その意味でこの年は、創作活動の頂点と見なすことができる。
 一方この年は、借金申し込みの手紙が書き始められた年であり、彼の晩年を貧困・失意とみなす考え方の根拠ともなっている。この一件矛盾した状況は、何を意味しているのであろうか。
モーツァルトをめぐる資料や記録は最後の4年間において少なく、1788年から伝えられる手紙は、わずか4点にすぎない。しかもその3通が、プフベルクへの借金依頼である。それらは6月、交響曲第39番の創作と平行して書かれている。
 作品数が30の大台に乗る一方で、収入はウィーン時代を通じて最少となった(ソロモンの推定で1385~2060フロリーン、最多は1791年の3762~5672フロリーン)。この矛盾は、対トルコ戦争の影響によるウィーンの経済不況で、演奏活動が減少し、作品も「すぐお金にならない」状況が生まれたためにほかならない。しかしモーツァルトは作曲に打ち込み、環境整備にも気を配った。借金依頼の手紙には、長期的な融資の申し込みも含まれている。モーツァルトは当時、明らかに高いモチベーションのもとにあった。 

その原因を探るにあたって、クリストフ・ヴォルフは、1787年末の「宮廷(貴賓室)作曲家Kammermusikus」への任命を見直すべきだとする。
この任命は形だけで実りのないものであったというのが通説だが、作り出された作品は、モーツァルトが新体制の栄誉を誇らしく受け入れ、新しい境地を開くべく意欲を燃やしたことを物語っている。就任後最初に作曲・出版されたクラヴィーア・ソナタヘ長調K.533の壮大な規模とヘンデル風ポリフォニーの横溢は、それなしでは考えられない。以後、一連の出版作品には、「皇帝陛下にお仕えしている」という趣旨の肩書きが添えられている。 

 


  30曲の内容は多岐にわたるが、もっとも重要なのは三大交響曲の創作である。第39番変ホ長調K.543、第40番ト短調K.550、第41番ハ長調K.551《ジュピター》は、この年の6月から8月にかけて、3曲をセットとする意図の下に、入れ替えようのない順序で作曲された。
すなわち、序奏をもつ第39番が曲集の門となり、短調による第40番が緩徐楽章の役割を果たし、第41番の巨大なフーガ・フィナーレが、三大交響曲を締めくくるのである。そのフィナーレは、大きな発展を遂げた彼の交響曲ジャンルの掉尾をも飾るものともなっている。以降モーツァルトは、交響曲を書こうとしなかった。

 講座では、3つの交響曲の内容、表現、志向の違いを具体的に掘り下げ、正統的なワルター、ロマンティックなジュリーニ、斬新なアーノンクールの演奏比較を通じて、演奏家が視点を変えることにより同じ音楽がまったく違って聞こえてくること、それを許容することに三大交響曲の時代を超える傑作性があることを論じた。
ジュピター交響曲の発散する巨大なエネルギーは、モーツァルトが優雅流麗な持ち味を大きく超えて、たくましく雄大な音楽の書き手として成長したことを示している。これ以降、モーツァルトの音楽からは肩の力が抜け、簡素化の傾向があらわれてきた。
そうした方向への一歩も、9月の作品、弦楽三重奏のためのディヴェルティメント変ホ長調K.563に記されている。ちなみに三重奏は、四重奏から五重奏へと展開してきたモーツァルトの室内楽において、88年、とくに試みられたた編成であった。 

 (文責 倉島 収) 

 

 

 

●例会・懇親会 写真コーナー

 今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、趣旨に賛同する有志一同で、講師の 礒山 雅氏を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが 出来た。

     なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、 いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。 

  なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列 の右側の写真の場合は、例えば、 懇上から4・右と言うように写真を特定して、 下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、 Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから 

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