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11月例会(第397回)のお知らせ 
日時: 2019年11月30日(土)
午後2時開演 (午後1時半開場)
会場: お茶の水クリスチャンセンター415号室
(JR御茶ノ水駅下車・徒歩3分) 
例会費: 2,500円(会員・一般共)
お話: 西川尚生氏
最近のモーツァルト研究から ―オペラ、教会音楽、交響曲を中心に―                西川 尚生

 モーツァルトに関しては毎年、新しい研究成果が学会の口頭発表や学術論文として公表されていますが、一般の愛好家の方々がそうした最新情報を知る機会はほとんどないと言っていいでしょう。今回の講演では、近年発表された研究の中から、とくに興味深いと思われるものを選び、現在、世界でどのような研究が行なわれ、従来の定説が塗り替えられているのかをご紹介したいと思います。ジャンルとしては、オペラ、教会音楽、交響曲の事例をとり上げる予定です。

西川尚生(Hisao Nishikawa)
音楽学者。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院修了。1992~94年までオーストリア給費留学生としてザルツブルク大学に留学。2004~06年までウィーン大学訪問研究員としてウィーンに、2016年~17年まで国際モーツァルテウム財団訪問研究員としてザルツブルクに滞在。現在、慶應義塾大学文学部・美学美術史学専攻教授。専門はモーツァルトを中心とする古典派音楽史。オーストリア、ドイツ、ハンガリー、チェコ、ポーランドなどで、長年にわたりモーツァルトのオリジナル史料の調査・研究をつづけている。著書に『モーツァルト(作曲家 人と作品)』(音楽之友社、2005年)、『進化するモーツァルト』(共著、春秋社、2007年)、論文に「モーツァルト《ト短調交響曲》K. 550の“Corrupt Passage”再考」(『新モーツァルティアーナ』音楽之友社、2011年)、「W. A. モーツァルトの演奏用パート譜に関する一考察 ―「筆写者二七」のミサ曲史料を中心に―」(『芸術学』22号、2018年)など。

 

なお、いつものように.、懇親ディナーはデリ・フランス御茶ノ水店で17:00-19:00の予定で開催されます。
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今後の例会予定 (OCC:お茶の水クリスチャンセンター)
●12月14日(土)15時開演:永峰 高志氏&久元 祐子氏コンサート・会場はベーゼンドルファー・ジャパンに変更されました!

●2020年1月のフェライン例会400回記念パーティ及び新年会
澤田名誉会長より会員の皆様へのお知らせ
 この度、フェラインは目出度く、例会400回記念を迎えることになりました。つきましては会員一同で新年会を兼ねた下記パーティを開催したいと考えております。どうぞ奮ってご参加下さい。

モーツァルティアン・フェライン例会400回記念パーティ
日時:2020年1月19日  12:00-14:00
      12:00-13:00  食事と歓談
      13:00-14:00  特別コンサート
場所:ホテル・グランド・パレス 2階 チェリールーム
特別ゲスト:マエストロ・ジェラール・プーレ+川島余里先生
      久元祐子先生(当会顧問)
      田辺秀樹先生(当会顧問)
会費:9,000円
特別ゲストの先生方には、演奏をお願いしており、今回は特に、マエストロ・プーレと久元祐子先生の初めての共演を予定しております(演奏曲はモーツァルト ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 KV.454 の予定)。他のプログラムは未定ですが、サプライズをご期待下さい。
多数の会員の方々、特に諸先輩の皆さまのご出席をお願い申し上げます。
近いうちに、詳細を書いたチラシがお手元に届くと思います。
参加ご希望の会員の方々は、大変恐縮ですが、事前に会費9000円をフェラインの銀行口座に振り込むか或いは、11月または12月例会時にお支払い頂ければ幸いです。11月または12月の例会時にお支払い頂くのが一番簡便です。
 フェラインの銀行口座は次の通りです。
みずほ銀行東京中央支店 
普通預金 口座番号:2243788
口座名:モーツァルティアン・フェライン
                       
  日時:2020年1月19日  12:00-14:00
      12:00-13:00  食事と歓談
      13:00-14:00  特別コンサート
場所:ホテル・グランド・パレス 2階 チェリールーム
特別ゲスト:マエストロ・ジェラール・プーレ+川島余里先生
      久元祐子先生(当会顧問)
      田辺秀樹先生(当会顧問)
会費:9,000円

     
●2月22日(土)    森垣 桂一氏      (OCC416号室)
●3月14日(土)    山崎博康副会長(OCC415号室)
●4月・日未定        田辺 秀樹氏 (場所未定)
●5月16日(土) コンサート(会場:代官山教会ホール)
         ジェラール・プーレ氏・川島氏
●6月20日(土) 樋口隆一氏 :ハフナー交響曲


会員の皆様へのお知らせ
 人事異動
  この度、松永会長が「医師としての仕事とフェライン会長職の兼務は時間的に難しい。」
とのことで、会長を退任されました。これに伴い下記人事異動を行います。
   会長: 澤田名誉会長が当面緊急措置として兼務
  副会長: 山本博幸(前理事)
  副会長: 澤田正彦(前監事)
  副会長: 山田健二(前理事)
  監事 : 田中成和(新入会員)新入会員ではあるが、野村証券出身であり、監事としての知見は十分にあり。

メール会員の皆様へ

毎月のメールが届いているでしょうか?

よろしければ、一度何も書かなくても返信いただくと有難いです。

事務局 笠島 三枝子

第396回例会報告 (2019.10.26) 
加藤先生から、指揮者クルレンティスのお話を伺ったのは2015年2月の例会だったと思う。当時新進気鋭のクルレンティスの「フィガロの結婚」の演奏は確かに鮮烈な印象を与えたことを良く記憶している。筆者がパリ滞在中、彼はまだ無名であったので、その演奏を聴いたのはこの時が初めてだった。そして4年が経過。今や、クルレンティスは今後最も活躍が期待される指揮者の一人に成長した。今年は初来日を果たし、筆者も実際に彼のコンサートのライヴの演奏を聴き、この指揮者の将来は楽しみだと感じさせられた。今回のご講演では、「テオドール・クルレンティス ダ・ポンテ3部作一挙上演」というタイトルで、ルツェルン音楽祭における「演奏会形式」によるダ・ポンテ三部作一挙上演についてお話し頂き、この時のライヴではなく既に発売された彼とムジカエテルナのCDを他の指揮者の演奏と聴き比べをしながら、クルレンティスの特徴を浮き彫りにして頂いた。彼の特徴は、加藤先生の言葉をお借りするならば、
1.    装飾、即興を演奏の中で徹底するため、具体的にモーツァルト
の自筆譜は勿論、ルネッサンスにまで遡り研究し、実践したこと。
2.    結果として他の演奏家に比べ、自由度が高く、レチタティーヴが装飾の多用により非常に充実し、聴きごたえのある出来栄えになっていた。特にアリアと重唱などとの落差が少なくなっており、連続性が強くなっていた。
3.    歌手は全て、古楽唱法をマスターしておりルネッサンス、バロッ
ク音楽の延長線上にあるモーツァルトという側面が明確になっている。
4.    更に、細部へのこだわり、大胆な演奏、立奏、などによりエネル
ギーと集中力に富んだ演奏を展開した。
いずれにせよ、過去の古楽奏法とは大きく異なる演奏だった。
聴き比べに使用された主なCD,DVDは次の通りである(詳細は先
生のレジュメをご参照下さい)。
1.「フィガロの結婚」
CDクレンペラー(1970)等
2.「コジ・ファン・トゥッテ」
   DVDアーノンクール(1988)等
3.「ドン・ジョバンニ」
   DVDフルトヴェングラー(1954)等
なお本公演は、「演奏会形式」と銘打っていたが、単なるコンサー
ト形式ではない上演だった。アリアやソロの演奏などの場合、クルレ
ンティスは指揮台から降りて、その演奏者の前にまで行って指揮を
していた。オケは舞台上で立奏していたが、歌手や合唱団はその
前後左右を駆け回って演技し、時には客席から突然現れることも
あった。
加藤先生のおっしゃる通り見事な演奏であったに違いないと感じた。おそらく従来の上演方法に一石を投じる独創的な(決して奇を衒ったものではない)公演だったと思う。もし、筆者のスケジュールが合えば、飛んで行って観たかった演奏である。上記以外にモーツァルトオペラの古楽器演奏の歴史的流れ(エストマン、ガーディナー、ヤーコプス)とその特徴について解説された。(文責:澤田義博)
筆者注)実はダ・ポンテ3部作を一つの作品と捉えた古楽による同
時公演は、既に1997年にパリのシャンゼリゼ劇場で、ジャン=クロ
ード・マルゴワール指揮・王室大厩舎・王室付楽団により演奏され
ており、CDも発売されている。 当時パリでかなりの反響を呼んだ
公演であった。筆者も実際にこの上演を観たが、当時はとても新
鮮に感じられた。3部作の主たる役では全て同じ歌手がそれぞれ
のオペラの役を演じ、統一性を持たせていた。何故マルゴワールが
ダ・ポンテ3部作を一つの作品と考えるようになったかを補足したい。
3部作の共通点は次の通りである。
1.いずれも、ウィーン、プラハの為に作曲されている事。
2.結婚式が物語の中心に据えられている事。
3.社会の諸制度、通念に対する反抗がテーマになっている事。
等々
しかし、マルゴワール本人も最終的には彼の「直感」であると述べて
いる。鋭い直感かもしれない。もう1点興味を引く彼の発言は、「ド
ン・ジョヴァンニ」が3部作の最後に上演されるべきであるという指摘
である、なぜなら、もはや「ドン・ジョヴァンニ」には何も付け加えるも
のがないから。(詳しくは、「モーツァルティアン」第21号に拙稿が掲
載されているので、頂ければ幸いである。)
                                   以上

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