第272回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年6月21日

 
  事務局レター【第147号】/2008年6月

 【編集者】大野 康夫/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●6月例会(第272回)のお知らせ 

久元祐子レクチュアーコンサート 「モーツァルトとベートーヴェン」

 日時:2008年6月21日(土)午後2時   
土曜日です


会場:吉祥寺「ラ・フォルテ」
 【アクセス1】JR三鷹駅南口より徒歩10分。ジブリ行きバス5分。万助橋下車。バス停前。
 【アクセス2】JR吉祥寺駅南口より徒歩12分。バス利用5分。丸井前(3)~(8)バス。万助橋下車。バス停前。

 例会費:¥3500(会員・一般共)

 

 

今年も久元先生のレクチュア・コンサートの季節がやってきました。今回は「モーツァルトとベートーヴェン」というテーマでお話しいただきます。先生から次のようなメッセージを頂いております。また、寄せられたプログラム(予定曲)は下記の通りですが、都合により変更の場合もありますのでご了承ください。

 「1792年11月、まもなく22歳になろうとしていたベートーヴェンは、ウィーンに到着 しました。生まれ故郷のボンを後にする若きベートーヴェンに対し、後援者のワルト シュタイン伯爵は、次のように励まし、前途を祝福したと伝えられます。
 「親愛なるベートーヴェン君、久しい間の君の望みがかなって、今やウィーンに旅た とうとしている。モーツァルトの守護神は、その秘蔵の子どもを失って、今も悲し み、そして泣いている。彼は疲れを知らぬハイドンに避難の場所を見いだしはした が、そこに仕事を見つけたわけではない。彼はハイドンを通じて別な人との結びつき を持とうと願っている。たゆみなき努力の助けを借りて、君が、モーツァルトの魂を ハイドンの手から受けるように。」
  ベートーヴェンは、伯爵からの忠告どおり、ハイドンに師事して初期の作風を確立 していき、まもなく、モーツァルトの作品を研究して、自らの中に取り入れていきま した。
  しかし、ベートーヴェンの芸術は、モーツァルトのそれとはまったくと言って良い ほど、異なっています。ベートーヴェンがモーツァルトから何を学び、どのように影 響を受けたのか、そして、ベートーヴェンの芸術は、モーツァルトのそれとどのよう に異なっているのかは、かなり難しい問題ですが、弾いている者としての実感を交 え、いっしょに考えてみたいと思います。」 


【プログラム】
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ WoO.47 第1番
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品2の1
・ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番 ハ長調 作品79 
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ ヘ長調 K280 
・ハイドン:ピアノ・ソナタ ヘ長調 Hob.ⅩⅥ-23 
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」
・モーツァルト:幻想曲とソナタ ハ短調 K475,K457 
・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番ハ長調作品53「ワルトシュタイン」
・モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K397………ほか

 

例会後恒例の懇親会は同じ「ラ・フォルテ」で行います。会員以外の方、ご友人も大歓迎です。 お誘い合わせの上、大勢のお越しをお待ち申し上げております。(F)


 
●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 7月 6日(日)ジェラール・プーレ氏(ヴァイオリン)レクチャーコンサート(会場:お茶の水「山の上ホテル」17:30より。その後懇親会の予定)
 「ジェラール・プーレ、レクチャー・コンサートのチケットは残りわずかになっ ています。申し込み期限はチラシに記載の通り、6月25日です。当日予約なしで来られて も、入場出来ない可能性がありますので、ご希望の方は、早めにお申し込み下さい。
 申込先: 沢田会長代行  090-2223-8101
      石津副会長    090-5191-3404 」

        ―――――― 8月は夏休みです ――――――

   9月20日(土) 安田 和信先生(テーマ未定)クリステイアン・センター、
 10月11日(土)  樋口 隆一先生(テーマ未定)クリステイアン・センター、
 11月       若松会長(日にち・テーマ未定)、
 12月8日(土)  江端津也子サロンコンサート、スタジオ・ヴィルトオージ(新大久保)

  

 

●5月例会の報告(第271回/5月10日)

 「わがまま天才モーツァルト」を見る     宮崎宇史氏(本会会員)

 今回は、「季刊モーツァルティアン」第61号(07/07/01)に掲載された宮崎さんの原稿が好評で、そのモーツァルトの生涯に関する映画鑑賞を楽しむ例会となった。

 「わがまま天才モーツァルト」は、没後200年記念としてオーストリア放送協会とNHKの合作で製作され、1991年12月26日~27日にNHK総合テレビで放送された約2時間半のモーツァルト伝記映画である。1992年6月25日、7月2・9・16・23日にも各30分間NHK教育テレビで再放送された。

 全部は見切れないので、まず冒頭に宮崎さんによる簡単な作品解説のあと、第一部は神童の目覚め、ウィーンへ、イタリア旅行、コロレド大司教との確執、パリ、失恋とベーズレ、結婚、第二部はハイドン邸で、フィガロの結婚、ドン・ジョバンニ、凋落(死とは?)、魔笛、その死、と15分ほどのパートごとにわけて映像を鑑賞し(時間の都合で適宜早送り)、それぞれに宮崎さんが短いコメントをつけた。


 原題:「Wolfgang-Mehr als ein Prinz」は魔笛で「タミーノはかくも過酷な試練に耐えうるだろうか?彼は王子であるとか。それ以上だ。彼は人間である」とザラストロが語る言葉からの引用により「ボルフガングは天才である以上に人間である」という意味と考えられる。この原題も「わがまま天才モーツァルト」もインターネットで検索してもほとんどヒットしない。今日の日本ではあまりポピュラーではないと思われる。

 宮崎さんにとって、社会人になってモーツァルトのCDを買って聴き出した頃で、モーツァルトの入門としての役割を果たした思い出深い作品ということだ。テーマ曲は交響曲第29番 K201 第4楽章で、生気あふれるこの音楽は若きモーツァルトの魅力に満ちている。

スタッフ&キャストは原作:ツェデネーク・マーラー、脚本:アレクサンダー・フェーデルヤック、ユライ・ヘルツ、音楽総監督:マルティン・ハーゼルベック、オーケストラ:ウィーン・アカデミー、合唱:コンセントゥス・ヴォカリス・ウィーン、ウィーン音楽大学室内合唱団、演出:ユライ・ヘルツ、共同制作:オーストリア放送協会(ORF)、NHK(翻訳以外にどの程度の関わりがあるか不明)、出演:モーツァルトはアレクサンダー・ルッツで当時27歳、小柄で「わがまま天才モーツァルト」にぴったりの印象を受ける。

 日本語の声は坂本竜馬を演じた経歴の関俊彦でモーツァルトらしい雰囲気がある。その他、父のレオポルド以下レクイエムのヴァルセク伯爵(友人という設定)に至るまで合計21人以上が出演するため、登場人物が多すぎて1回見ただけではわかりにくいところがある。

 宮崎さんの挙げられた作品の特色としては、(1)合計56曲以上の豊富な背景音楽。(2)比較的史実に忠実であると思われ、モーツァルトの手紙よりの引用が多い。(3)モーツァルトの生涯や当時の時代背景を知っていないと良くわかりにくい。オーストリアの歴史に関する理解が必要と考えられる。(4)善玉と悪玉がわかりやすい。善玉はモーツァルト、ハイドン、シカネーダー。悪玉はコロレド大司教、アロイジア、ランゲ、サリエリ、…等。


 天才の生涯を2時間半のドラマで完結するための工夫と考えられ、事実とは異なる順序や選曲が時々見られた。交響曲第1番 K16はシュラテンバッハ大司教のザルツブルグで初奏されていたが実際はロンドンである。1762年に天然痘にかかってからウィーン訪問になっているが、本当は訪問の5年後等。シェルンブール宮殿に向かって家族で馬車に乗っていくところはピアノ協奏曲第1番第1楽章 K37がさわやかに流れていた。

コロレド大司教との確執により、神聖な儀式の最中に、戴冠式ミサ K317の演奏をはじめて家臣から「モーツァルト、やめろ!やめるんだ!」と制止され、モーツァルトは指揮棒を投げ捨てて「やめてやる!!」と叫ぶ場面、ウィーンでトラブルによりカッとなって口論となりアルコ伯爵に尻蹴りされる場面、サリエリとウィーン宮廷楽長の座を争って敗れる場面など、「わがまま天才モーツァルト」らしい熱演であった。

 宮崎さんのまとめとして以下の列挙があった。(1)非常に思い出深い作品。(2)本物のようなモーツァルト。(3)幼少期、青年期、絶頂期、凋落期、最後の輝きをコンパクトに表現している。史実にも忠実である(時々事件順がひっくりかえったり、作曲年に無頓着だけど)。(4)通好み:野辺送りのエピソードとか自動オルガンの蝋人形館とか。(5)その反面、モーツァルトを知らない人にはわかりにくい。(6)アイネ・クライネも交響曲40番もない。(7)それが諸刃の剣になって、あんなに騒がれた生誕250年でも再放送もされないし、DVDもない原因か?(8)永遠の青年・モーツァルト:澄んだ瞳、天真爛漫、純情、やさしさ、おちゃらけ。最後に「面白いと思った方はぜひNHKへDVD化の運動を」と宮崎さんからコメントがあった。

モーツァルトに関する映画は、当作品やおなじみのアマデウス以外にも結構あるとのことなので、また、例会で取り上げて鑑賞するのも楽しいと考える。(Y.O)

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★6/22(日)14:00/東京オペラシティー3F近江楽堂/M:弦楽四重奏曲19番「不協和音」、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲16番他/オブリオン・カルテット/\3000木村045-491-8520

 ★6/25(水)13:00/新宿住友ビル/朝日カルチャーセンター/公開講座『モーツァルト ハ短調ミサ』/講師:寺神戸 亮/\3570朝日カルチャーセンター03-3344-1998

 ★6/25(水)19:00& 6/26(木)19:00/サントリーH/N響1624回定期/M:「コシ・ファン・トゥッテ」序曲、アリア「だれが知っているでしょう、私のいとしい人の苦しみを」K.582、「私は行ってしまう、でもどこへ」K.583、「大いなる魂と高貴な心は」K.578、R・シュトラウス /「セレナード」、「あすの朝」他/リサ・ラルソンS、マッシモ・ザネッティ(指揮)/\8150~3460N響ガイド03-3465-1780

 ★6/26(木)19:00/日本大学カザルスH/「La Romance それは物語の始まり」/M:クローエに寄す、ヘンデル:私を泣かせてください、マルティーニ:愛の喜び他/唐沢まゆ子S、曽根麻矢子Cem/¥6000日本アーティスト03-3944-9999

 ★6/30(月)19:00/東京カテドラル聖マリア大聖堂/日本モーツァルト協会500回記念例会/M:「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、「主の御母、聖マリア」ヘ長調K.273、アダージョとフーガ ハ短調K.546、ミサ曲 ハ短調/レ・ボレアード(Orch)、モーツァルトアカデミー・トウキョウ(Ch)、寺神戸 亮(指揮)/¥4500学生¥2000日本 モーツァルト協会03-5467-0626

 ★7/2(水)19:00/紀尾井H/日本モーツァルト協会500回記念例会共同企画/内容は6/30に同じ/S席¥6500、A席¥5500、学生¥2000/ラ・プティット・ルプリーズ03-6750-9710

 ★7/7(月)19:00東京芸術劇場&7/8(火)19:00サントリーH/読響名曲シリーズ/M:ヴァイオリン協奏曲4番、R・コルサコフ「シェエラザード」他/A・ポゴストキーナ(Vn)、小林研一郎(指揮)/¥8000~\4000(芸術劇場\2000有り)読売日響チケットセンター03-3562-1550(M.K) 

 

 

●フェラインのロゴマークができました

 ご覧のように、すてきなロゴを作っていただきました。プロのデザイナーによるイラストですが、これがなんと、毎月「インテルメッツォ」を弾いてくださっている岩島さんのお嬢さんで、まったくのボランティアでデザインしていただいたものです。

 今月より、レターの右上に載せていますが、どうしても小さくなってしまうので、今回はお披露目を兼ねて大きいものを掲載します。どうぞ、わがフェラインのマスコットとして、末永く可愛がってくださいますように。(F)

 

 

●5月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

  いつもワンパターンですが、慣例の懇談会の写真(今回は5枚)をアップします。

 会場は「デリ・フランス」お茶の水店ですが、半年ほどの試行の結果、このお店にほぼ定着したようです。何かご要望があれば、幹事の方にご意見をお寄せ下さい。
  また、ホームページの「フェラインのご案内」の内容を改訂いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。 

第271回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年5月10日

 
  事務局レター【第146号】/2008年5月

 【編集者】倉島 収/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●5月例会(第271回)のお知らせ 

映画『わがまま天才モーツァルト』を見る   お話…宮崎 宇史氏(本会会員)

 日時:2008年5月10日(土)午後2時   
土曜日です


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

 

 

今月は会員の宮崎さんの解説で映画を楽しみましょう。宮崎さんからのメッセージです。

 


 「わがまま天才モーツァルト」は、1991年の没後200年のときに、NHKとオーストリア放送協会の合作で制作され、二夜にわたって放送されたモーツァルトの伝記映画です。初めてチェンバロを弾く子供の頃から、死を迎えるまでを2時間半にわたって映像化しています。多少わかりにくいところもありますが、モーツァルトの幼年期、青年期、絶頂期、凋落期、そして生涯最後の輝きを良く描いていると思います。

 作中では字幕付きで多くのモーツァルトの音楽が背景に流され(数えてみたら50曲近くありました)、放映当時20代半ばだった私は魔笛や戴冠ミサ、自動オルガンの曲など多くのモーツァルトの曲について教えられましたし、繰り返し録画を見てせりふも覚えていました。以前会報に書いたことで今回発表の機会が与えられましたので、皆さんと一緒に映像を楽しみたいと思います。

 映像で表現されている事実関係については多少の調査を行い、またできるだけ「笑い」も取れるように進めて行きたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 例会後は恒例の懇親会もございます。大勢のお越しをお待ち申し上げております。(F) 

会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 

 ●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)  【第24回】K279 第2楽章、第3楽章(1774年18歳、初めてのソナタ)

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 6月21日(土)久元 祐子氏(ピアニスト)レクチャーコンサート「モーツァルトとベートーヴェン」(会場:吉祥寺ラフォルテ)
 7月 6日(日)ジェラール・プーレ氏(ヴァイオリン)レクチャーコンサート(会場:お茶の水「山の上ホテル」17:30より。その後懇親会の予定)
―――――― 8月は夏休みです ――――――

 

 

 ●4月例会の報告(第270回/4月12日)

コロラトゥーラ・アリアの快楽      田辺秀樹氏(一橋大学教授)

 今回はいつもとは少し目先を変えて、モーツァルトのオペラ、とりわけ初期のオペラに多いコロラトゥーラを多用したアリアに焦点を当てた例会となった。

バロック時代のオペラ・セリアにおいては、カストラートによるアリア中心の声の華やかなオペラが盛んであったが、モーツァルトは9歳の頃からアリアを書き始め、歌手の声や得意な技法を生かしてアリアを作曲する技術を学んでいた。アリアの中でもいわゆる「コロラトウーラ・アリア」は、技巧的で華やかに装飾された旋律が使われており、これを自在に歌いこなす歌手の声や姿を楽しむことは、「オペラの快楽」の重要な要素である。


 始めに1765年9歳の時にロンドンで書かれたテノールの最初のアリア「行け、怒りにかられて」K.21(19c)をCDで聴いたが、この曲は怒りのアリアであった。また、1767年ザルツブルクで書かれた「第一戒律の責務」K.35および「アポロとヒアシンス」K.38から二つのコロラトウーラ・アリアを聴いた。

これら初期の頃のアリアに共通することは、ダ・カーポ形式(A-B-A)をとり、カデンツアが用意され、トリルを用いることが多く、アリアの内容も、極端な怒り、喜び、決意、覚悟、強い主張、苦悩などを表現する場合に用いられることが多かった。

モーツァルトは1770年から毎年3度にわたりイタリア旅行をし、その都度オペラを作曲し上演して成功している。これらのオペラはオペラ・セリアと言われ、カストラートが主役を演じ、主役の声の質や持っている技巧に合わせて作曲されたアリアが多いオペラであり、本日の主題の曲芸的な技巧を必要とするコロラトウーラ・アリアが含まれていた。

これらの例として三つのオペラから二曲づつ取り出して聴いてみた。いずれも06年のザルツブルグ音楽祭の最新のDVDからのものであった。

 1770年のオペラ「ポントの王ミトリダーテ」K.87からは、第2曲のカストラート役シファーレ(次男)のコロラトウーラ満載の決意のアリアと、第11曲の同じくカストラート役ファルナーチェ(長男)のやや低い声の復讐のアリアの2曲を聴いた。

 1771年のオペラ「アルバのアスカニオ」K.111からは、第14曲のソプラノ役のシルヴィアのコンチェルタントなアリアと、第21曲のカストラート役ファウノ(牧神)のアリアを聴いたが、後者は目下売り出し中のデイアナ・ダムロウが何とブランコに乗りながらコロラトウーラの難曲を朗々と歌っていた。

 1772年のオペラ「ルチオ・シルラ」からは、当時の有名なカストラート・ラウッチーニのために書いた第3曲のチェチーリオの超絶技巧的な再会を喜ぶアリアと、当時これも最高だったソプラノ歌手デ・アミーチスのために書いた第11曲のジューニアのアリアを聴いたが、後者は長い前奏を持つ器楽的なコロラトウーラの決意を歌うアリアであった。

 1775年のオペラ「羊飼いの王様」からは、当時ミュンヘンで有名だったカストラート・コンソーリが初演を歌った第3曲アミンタのアリアを聴いたが、この曲はヴァイオリン協奏曲第3番に転用されており、声楽のコロラトウーラ技術を協奏曲の独奏ヴァイオリンの高度な奏法に転用した例として話題が多い曲であった。また、第9曲のアレッサンドロ大王(テノール役)の喜びのアリアを聴いたが、フルートのオブリガートをもつ器楽的なコロラトウーラのアリアであった。

 最後に、1781年のオペラ「イドメネオ」から第12曲のイドメネオの英雄的なアリアを聴いたが、このアリアの初演版12aとされるコロラトウーラ技法を強調したカーテイス・レイアムの歌った映像(1991)であった。

 以上の通り、モーツァルトの初期のオペラから、カストラート級の歌手を対象に作曲されたコロラトウーラ・アリアの数々を先生の解説入りで楽しんできた。

ウイーン時代のオペラのコロラトウーラ・アリアの名作とされる、コンスタンツエのアリア、伯爵夫人のアリア、フィオルデリージのアリア、夜の女王のアリア、セストのアリアなどと較べると、これらはともすれば、「機械的で紋切り型」とか「もっぱら技巧誇示」とか「曲芸的」などと悪く言われたりもする。

しかし、先生がとりわけお好きなのはコロラトゥーラ満載の華美で派手なアリアであり、歌手の素晴らしい声を楽しんだり当時のオペラの作曲の仕方などを学ぶには、モーツァルトの初期オペラを知り、楽しむことが早道であるとされた。

この意味で、2006年ザルツブルク音楽祭でモーツァルトの全オペラが上演され、それらのヴィデオ・ソフトも発売されたことで、以前よりずっと容易に近づくことが出来るようになったことは喜ばしいと結ばれた。

 

なお、われわれ一同、先生のお得意のピアノ演奏を期待していたが、終わりに、今年八月の旅行で行く予定とされているザルツ・カンマーグートのオペラ「白馬亭」から楽しいワルツを2曲弾かれ大拍手であった。

 続けていずれもウイーンの香りのするワルツを全部で5曲弾かれたが、先生のピアノは原宿時代から何年も続いており、講演後のピアノはすっかり皆の楽しみとして定着した感があり、これからも機会があればお願いしたいものであると考えている。(O.K)

 

 

●新年度会費納入のお願い

 すでに新年度に入っておりますが、同封の振込用紙での年会費納入をよろしくお願い致します。年会費5000円、家族会員は6000円になります。

 毎年3月にお送りしていますが、諸般の事情で大幅に遅れましたことをお詫び致します。手数料負担ですでにお振り込みくださった方もあり、改めて御礼申し上げます。

なお、今月はこの同封のためレター会員にも等しくお送りしております。Eメールでの通知はありませんのでご了解ください。(F)

 


●情報コーナー

 コンサート情報

★5/11(日)17:00/三鷹市芸術文化センター/モーツァルトとハイドンのト短調交響曲/M:ホルン協奏曲1番、交響曲25番、ハイドン:交響曲39番他/茂木大輔(指揮と話)、丸山勉Hr、オーケストラアンサンブル「風」/\3500学\1800三鷹市芸術文化センター0422-47-5122

 ★5/14(水)14:00/杉並公会堂(大)/日本フィル第5回アフタヌーン・シリーズ/M:ピアノ協奏曲20番、セレナード10番「グラン・パルティータ」他/横山幸雄Pf、日本フィル団員/ \3500~\2500日本フィル03-5378-5911

 ★5/14(水) 19:00/東京オペラシティーCH/東京シティーフィル219回定期『フリーメイソンと大音楽家たちⅢ』/M:フリーメイソンの為の葬送音楽、ピアノ協奏曲20番、交響曲41番「ジュピター」/矢崎彦太郎(指揮)、伊藤恵Pf、吉田進(お話)/\6000~\1000、60歳以上割引あり/東京シティーフィル03-5624-4002

 ★5/15(木)19:00/東京文化会館(小) /豊田弓乃Vn、海老彰子Pfデュオ/M:ソナタK.304、ブラームス:ソナタ3番、ファリャ:スペイン舞曲他/\4000ミリオンコンサート協会03-3501-5638

 ★5/16(金) 19:00/音楽の友H/アルゴス・クァルテット第26回演奏会/M:弦楽四重奏曲14番、フォーレ=ピアソラ:五重奏曲1番他/ゲスト:加納麻衣子Pf/\4000学\2000/アルゴス・クァルテット03-3718-7336

 ★5/18(日)14:00/光が丘美術館/イェルク・デームス ピアノ演奏会/M:幻想曲K.396、ベートーヴェン:ソナタ21番「ワルトシュタイン」、ショパン:バラード4番他/\5000日墺文化協会03-3271-3966

 ★5/18(日)15:00/東京ドイツ文化センターH(赤坂)/新アドニス弦楽四重奏団第12回定期/M:弦楽四重奏曲15番、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲5番他/\3500岩神六平事務所046-876-0712

 ★5/22(木) 19:00紀尾井H/深沢亮子ピアノ演奏会、共演:恵藤久美子Vn、安田謙一郎Vc/M:ピアノソナタ10番K.310、シューベルト:楽興の時Op.94より、ハイドン:ピアノ三重奏曲39番、ドヴォルジャーク:ピアノ三重奏曲4番「ドゥムキー」/\5000新演奏家協会03-3561-5012

 ★5/22(木) 19:00/武蔵野市民文化会館(小)/ウィーン弦楽四重奏団演奏会/M:弦楽四重奏曲17番「狩」、ハイドン「皇帝」、シューベルト「死と乙女」/\7000武蔵野市民文化会館0422-54-2011

 ★5/25(日)14:00/横浜市栄区民文化センター リリス/ウィーン弦楽四重奏団演奏会/M:弦楽四重奏曲17番「狩」、シューベルト「死と乙女」他/¥8000横浜市栄区民文化センター045-896-2000

 ★5/26(月)19:00/浜離宮朝日H/ウィーン弦楽四重奏団演奏会/M:弦楽四重奏曲19番「不協和音」、、シューベルト弦楽四重奏曲12番「四重奏断章」、14番「死と乙女」/\8000~¥7000浜離宮朝日ホール03-3267-9990

 ★5/27 (火) 19:00/ 東京文化会館(小)/日本モーツァルト協会例会03-5467-0626/M:ピアノソナタイ短調K.310、変ホ長調K.282、K.533/494他/相沢吏江子 (Pf)/\4500学2000

 ★5/28(水) 19:00/紀尾井H/ヴィオラスペースVol.17/M:協奏交響曲変ホ長調K.364、ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調他/山田晃子Vn、今井信子Vla、桐朋学園オーケストラ、原田幸一郎(指揮)/\5000~\4000紀尾井ホール03-3237-0061

 ★5/30 (金) 19:00/第一生命H/ハイドン: 弦楽四重奏曲79番「ラルゴ」、M: 弦楽五重奏曲4番ト短調他/ボロメーオ・ストリング・クァルテット、吉田有紀子Vla/\3500、シニア\2500、ヤング\1500/TANチケットデスク03-3532-5702

 ★5/31(土)13:00/新宿住友ビル/朝日カルチャーセンター/公開講座『モーツァルトをピアノで歌う 演奏と鑑賞のヒント』講師:久元祐子Pf/¥3780朝日カルチャーセンター03-3344-1998

 ★6/9(月) 19:00/ミニヨン・サロン・コンサート/M:弦楽四重奏曲5番ヘ長調K.158、ベートーヴェン弦楽四重奏曲9番「ラズモフスキー第3番」/東京ベートーヴェンカルテット/¥2500、中高生¥1500(飲み物付)/名曲喫茶ミニヨン(荻窪)03-3398-1758

 ★6/12 (木) 19:00/東京フィル定期/M:ピアノと木管のための五重奏曲、ストラヴィンスキー「春の祭典」/ダン・エッティンガー(指揮&Pf)/\7500~\3000/東京フィル03-5353-9522(M.K)


CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)


 


●3月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

  いつもワンパターンですが、慣例の懇談会の写真(8枚)をお送りします。

 会場は「デリ・フランス」お茶の水店ですが、半年ほどの試行の結果、このお店にほぼ定着したようです。何かご要望があれば、幹事の方にご意見をお寄せ下さい。
  また、ホームページの「フェラインのご案内」の内容を改訂いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。

 

 

 

 

 

第270回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年4月12日

 
  事務局レター【第145号】/2008年4月

 【編集者】石津 勝男/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●4月例会(第270回)のお知らせ 

 コロラトゥーラ・アリアの快楽   お話…田辺 秀樹氏(一橋大学教授)

 日時:2008年4月12日(土)午後2時   
土曜日です


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 

今年も田辺先生のお話の季節がやってきました。先生からのメッセージをどうぞ。

 


このところ毎年、いずれかのオペラを取り上げてお話ししてきましたが、今年は少し目先を変えて、モーツァルトのオペラ、とりわけ初期のオペラに多いコロラトゥーラを多用したアリアに焦点をあててみたいと思います。

 2006年ザルツブルク音楽祭でモーツァルトの全オペラが上演され、それらのヴィデオ・ソフトも発売されたことで、モーツァルトの初期オペラを知り、楽しむことが、以前にくらべてずっと容易になりました。初期オペラの中で、私がとりわけ好きなのは、ともすれば「紋切り型」とか「もっぱら技巧誇示」とか「曲芸的」などと悪く言われたりもする、コロラトゥーラ満載の華美で派手なアリアです。

 器楽曲のような声楽曲ともいえる、そうした曲の数々を、初期のオペラ・セリアの作品を中心に、映像や音声資料でいろいろ楽しみながら、コロラトゥーラ・アリアの快楽についてお話ししてみるつもりです

 

映像も含めた楽しいお話になりそうです。大勢のお越しをお待ち申し上げております。例会後の懇親会にもどうぞご参加ください。(F) 

会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 

 ●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)  【第24回】K279 第1楽章(1774年18歳、初めてのソナタ)

 「例会前のオードブル」と名づけて2004年の2月から始まった岩島さんのピアノ演奏がリニューアルとなりました。その名も「インテルメッツォ」と改め、一部と二部の間に演奏していただきます。また、それに合わせて毎月この欄でプログラムを告知致します。

 K1から始まった岩島さんの演奏も数えて24回。ピアノ曲をK番号順に通して聴くことができる他にはない企画だと思います。これから続々と登場する名曲に期待を込めて、皆さま、毎月の「インテルメッツォ」をどうぞお楽しみに。

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 5月10日(土)宮崎 宇史氏(本会会員)「映画『わがまま天才モーツァルト』を見る」
 6月21日(土)久元 祐子氏(ピアニスト)レクチャーコンサート「モーツァルトとベートーヴェン」(会場:吉祥寺ラフォルテ)
 7月 6日(日)ジェラール・プーレ氏(ヴァイオリン)レクチャーコンサート(17:30より。その後懇親会の予定)
―――――― 8月は夏休みです ――――――

 

 

 ●3月例会の報告(第269回/3月15日)

ダ・ポンテとその時代      田之倉稔氏(演劇評論家)

 今回のお話の概要は3月号事務局レターでお伝えした通りであるが、更に「ダ・ポンテ回想録」(イタリア語版)と「モーツァルトとダ・ポンテ」R・プレッチャッハー著(小岡礼子訳 日本語版)を参考にダ・ポンテの足跡をたどってみる。

 18世紀は、ボーマルシェやカサノヴァのような奇想天外な人物を生みだしたが、ダ・ポンテもその一人に数えてよいだろう。北イタリアのチェーネダでユダヤ人の長男として1749年に生れたエマヌエーレは14歳で改宗した時、司祭の名を頂きロレンツォ・ダ・ポンテと名のり生涯その名を通した。

 司祭の経済的援助を受けて神学校に進み勉学のかたわら女性問題も起すが、トレヴィーゾの神学校教師となる。ここで彼はルソーの思想を支持するようなテーマで論文を書きスキャンダルとなる。更にはヴェネツィアでは既婚女性に手を出すなどトラブルを起こし一通の密告からダ・ポンテは“15年間の追放”を言い渡された。

 

この件について彼の回顧録では別な口実を述べるなど必ずしも真実を伝えていない。その後ダ・ポンテはドレスデンにマッツォラという台本作家を訪ね、一年以上の時間をかけ劇作家の手法を習得する。この地からウィーンへ向うことになったとき、マッツォラは同郷の友人で宮廷楽長のサリエリに紹介状を用意してくれた。

ダ・ポンテはウィーン到着後、メタスタージオからミヒャエル広場にある邸宅に招きを受け、博識の人々の前で自作の一部を朗読するよう依頼された。その詩はPoeta Cesareoであるメタスタージオを感心させやがてはヨーゼフ二世の寵を得ることに成功する。しだいにウィーンの宮廷とオペラの世界で有名になり、ついにはある貴族の家でモーツァルトと出会い、後世にダ・ポンテの名を残す三大オペラのリブレッティストになる。

ところがヨーゼフ二世の死とともにダ・ポンテは宮廷をお払い箱になる。後継者のレーオポルト二世国王の寵を得られず、トリエステに居を移す。

その後ロンドンへ向ったがうまく行かず、1805年ニューヨークに定住した。この地でやっと「ドン・ジョヴァンニ」アメリカ初演を行い、以後死に至るまで三十数年イタリア・オペラの普及に情熱を注ぐ。1836年に死去したダ・ポンテの墓は当初不明であったが1987年カルバリー墓地に墓標が建てられている。

 以上、田之倉稔氏の講演の要旨であるが、このお話の間に18世紀のアヴァンチュイエとしてカサノヴァやボーマルシェのエピソードや即興詩人の当時の様子、さらにはダ・ポンテオペラに登場するワインや料理などについて楽しくご説明を頂いた。

 R・ブレッチャッハーの前述の書の中に「ダ・ポンテ自身が最晩年に、自分の芸術家としての旅程において最高のクライマックスはザルツブルク人の天才音楽家と出会った時だったと認め、感動的な言葉でそれを書き残している。」とある。

 本日の田之倉先生のお話はこのダ・ポンテとその時代を理解する上で大変勉強になりました。厚くお礼を申し上げます。(I)

 

 

●フェライン新体制発足

 1月19日(1月例会時)に行われた会員総会にて承認された新人事についてお知らせ致します。


モーツァルティアン・フェライン新人事(2008年4月1日より)
  
  会長 若松茂生 
  副会長 澤田義博(会長代行、統轄、企画) 
 石津勝男(事務局) 
 倉島収(例会企画・ホームページ運営) 
 山本廣資(季刊・事務局レター編集) 
  理事 川口ひろ子(例会会計) 
 隅田淑子(会員会計) 
 岩島富士江(例会企画) 
 大野康夫(例会企画) 
 佐藤梓(事務局) 
 古田佳子(事務局レター編集、ホームページ) 
  事務局委員 近藤光宏(季刊編集) 
 宮崎宇史(例会企画) 
  監事 青柳省三 

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★4/13(日)14:00/日本大学カザルスH/M:弦楽四重奏曲1番、ブラームス:クラリネット五重奏曲他/ウィハン弦楽四重奏団、大浦綾子cl/¥5000国際芸術連盟03-3356-4140

 ★4/17(木)19:00/カワイ表参道・パウゼ/M:リメイク版「フィガロの結婚」/武田麻衣S、秋山徹T、小助川眞美(Pf)他、青島広志(解説)/\2000(飲み物付)SENZOKUミュージック・ショーケース事務局044-856-2975

 ★4/20(日)14:00/東京文化会館(小)/池本純子モーツァルト・ピアノ協奏曲の夕べ/協奏曲12番、23番/古典音楽協会室内合奏団/4000学3000/コンサートプロジェクト北星03-3381-1523

 ★4/21(月)19:00/めぐろパーシモンH(小)/中島真麗フォルテピアノ演奏会/M:ソナタ13番、「きらきら星変奏曲」、デュセック:ソナタop.10-3、ベートーヴェン:ソナタ1番/\3000オフィスアルシュ03-3320- 2274

 ★4/23(水)19:00オペラシティリサイタルH/M:ピアノ四重奏曲K.493、シューマン:ピアノ四重奏曲他/ \4000フィルハーモニーカンマーアンサンブル03-3704-2559

 ★4/24(木)19:00/東京文化会館(小)/日本モーツァルト協会例会03-5467-0826/M:ピアノ三重奏曲4番、5番/森下幸路Vn、村井将Vc、花岡千春(Pf)/\4500学2000

 ★4/26(土)15:00/鎌倉芸術館(小)/アンサンブル・アマデウス演奏会/M:「魔笛」序曲、パパゲーノのアリア、夜の女王のアリア、クラリネット協奏曲~第1楽章、交響曲25番より、フルートとハープの協奏曲より他/オッテンザマーCl/\4000鎌倉芸術館0467-48-4500

 ★4/27(日)14:00/練馬聖ガブリエル教会/日本フィル練馬市民コンサート/M:弦楽四重奏曲「春」、ハイドン:弦楽四重奏曲「ひばり」他/松本克己ほか日本フィルの団員/\2500小学生以下2000/カフェ・モンターニュ03-3948-1253

 ★4/28(月)19:00/東京文化会館(小)/アンサンブルofトウキョウ86回定期/M:弦楽五重奏曲6番、ハイドン:2本のフルートとチェロの為のロンド・トリオ、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲1番他/金昌国fl他/ \3500アンサンブルofトウキョウ事務局03-3426-2010

 ★5/6(火・祝)17:00/トウキョウ国際フォーラムA/M:レクイエム/コルボ指揮、ローザンヌ声楽アンサンブル他/\3000,2000/「熱狂の日」音楽祭事務局03-5221-9100(M.K)


CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)


 


●3月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

  いつもワンパターンですが、慣例の懇談会の写真(10枚)をお送りします。

また、会員の山田さんから、次の送り状とともに、当日の写真が4枚送られてきましたので、続けて掲示します。ただし、HPアップの都合上、50KBに圧縮しました。

 「先日の懇親会の写真、倉島さんの最新型キャノンの映り具合はいかがでしたか。私が自分のデジカメで撮ったもののうち、公表した方がいいのではないかと思ったものが4枚ありますので、お送りします。各コマ160KBくらいなので扱いは問題ないと思います。それではお元気で、またよろしくお願いします。山田健二 」

 

第269回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年3月15日

 
  事務局レター【第144号】/2008年3月

 【編集者】倉島 収/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメ ールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●3月例会(第269回)のお知らせ 

 ダ・ポンテとその時代   お話…田之倉 稔氏(演劇評論家) 

 日時:2008年3月15日(土)午後2時   
注意!今月は土曜日です


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」 (JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 

今月は田之倉先生をお迎えしました。メッセージを頂戴しておりますのでご紹介します。

 


 十八世紀は奇想天外な人物を生み出した。ダ・ポンテとの関連で言えば、ボーマルシェやカサノヴァがそうであろう。ダ・ポンテもその一人に数えてよいだろう。

わがダ・ポンテは北イタリアのチェーネダという寒村に一七四九年生まれた。ヴェネツィアから四・五十キロ離れたとろころにあり、いまはヴィットリオ・ヴェーネトという都市名にかわっている。ジェレミア・コネリアーノというしがない皮職人の長男で、エマヌエーレといった。父は妻と死別した後十八歳も若い女性と結婚しようとしたが、ユダヤ人であったために当時の風習ではキリスト教徒のその女性と結婚できなかった。そこでエマヌエーレ十四歳のとき一家をあげて改宗することになった。改宗の儀礼をとりおこなったのが、ロレンツォ・ダ・ポンテという司祭だった。エマヌエーレはそのまま司祭の名をもらって、生涯その名で通した。

 赤貧洗うがごとき小学生だったエマヌエーレは司祭ダ・ポンテの経済的援助を受けて神学校に学んだ。チェーネダからポルトグルアーロの神学校に移って、勉学を続けた。やがて十代の終わりに学校をやめてヴェネツィアに住むが、ここである女性と恋愛に陥り、情事にふける。しかし煮え湯を飲まされ、ヴェネツィアを離れてトレヴィーゾの神学校の教師になる。

ところがある論文でこの小さな町の体制を揺るがせてしまった。ダ・ポンテは論文にルソーの思想を支持するようなテーマを掲げたからだった。その反響はヴェネツィアまで伝わり、彼は再びヴェネツィアに移ってルソーを支持する知識人と保守的思想と戦った。なかでも改革的思想の持ち主であったピザー二と連帯し、彼がヴェネツィアを追放になるとき、ダ・ポンテも亡命を決意した。ヴェネツィアには「十五年入国禁止」の判決を受けることをあらかじめ知ってゴリーツイアという小さな町に移住する。ここで名士となったが、彼のアンビションはそんなことでは満足せず、ドレスデンにマッツォラという台本作家を訪ねる。ここから音楽の都ウィーンを目指した。

 幸いマッツォラがサリエリと親しかったので紹介状をもらうことができた。こうしてウィーンに到着し、メタスタージョの面識を得て、ついにはヨーゼフ二世の寵をうることに成功する。もちろんサリエリの後押しもあったろう、とにかくウィーンの宮廷とオペラの世界でのしあがってゆく。ついにはある貴族の家でモーツァルトと出会い、後世にダ・ポンテの名を残す三大オペラのリブレッティストになる。

ところがヨーゼフ二世の死とともにダ・ポンテは宮廷をお払い箱になる。懸命に居残りを画策するが、後継者のレーオポルト二世国王の寵を得られず、トリエステに居を移す。ここで生涯の伴侶となるナンシーと知り合い、ロンドンへとむかう。ロンドンでイタリア・オペラのプローモートを試みるが、うまく行かず、借財をつくって、結局大西洋をわたる。1805年のことだった。

 苦難の航海のすえフィラデルフィアに着き、すぐにニューヨークに定住した。この地でやっと『ドン・ジョヴァンニ』初演にこぎつけ、以後死に至るまでの三十数年イタリア・オペラの普及に情熱を注ぐ。

 

 先月に続きとても興味あるお話がうかがえるでしょう。皆様どうぞお出かけください。例会後は恒例の懇親会がございます。(F) 

会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 
 ●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 4月12日(土)田辺 秀樹氏(一橋大学教授)演題未定
 5月10日(土)宮崎 宇史氏(本会会員)「映画『わがまま天才モーツァルト』を見る」
 6月21日(土)久元 祐子氏(ピアニスト)会場:吉祥寺ラ・フォルテ

 

 

●2月例会の報告(第268回/2月23日)

サリエーリの役割と音楽の再評価(生涯と作品)   水谷彰良氏(日本ロッシーニ協会副会長) 

 劇と映画の「アマデウス」以降、サリエーリ(1750~1825)作品の演奏や録音が増え、作曲家としての再評価が行われている。「アマデウス」のように天才や傑作のみに価値を置くのではなく、その時代の嗜好や感覚にも価値を認めると、モーツァルトより6年先輩で34年も長生きしたオペラ作曲家、宮廷楽長、ウィーン音楽界の指導者、シューベルトやベートーヴェンの教育者としてのサリエーリの重要性が浮上してくる。

 

1、サリエーリの誕生から初期の作品(1750~1778)
 14歳で両親を亡くしてヴェネツイアのモチェニーゴ家に引き取られ、幸運にもガスマンの弟子となり、ウィーンに移住したサリエーリ。ガスマンの助手として宮廷から報酬を受けるようになると作曲も始め、20歳にして最初のオペラを作曲初演する機会に恵まれた。彼の最初のオペラ・セーリア「アルミーダ」にはグルックの、オペラ・ブッファの成功作にはガスマンの影響が認められ、サリエーリが同時代の最良の師に学んだことが判る。

 1774年2月ガスマンの死により宮廷室内作曲家とイタリア・オペラ指揮者に就任したサリエーリは、作曲家としての実績を重ねていった。中でも76年に作曲したオラトリオ「我らが主イエスキリストの受難」は、台本作者のメタスタージオからも高い評価を受けた。そして多忙なグルックの代わりにミラノ・スカラ座の開場作品「見出されたエウローバ」を作曲すると、イタリア各地の劇場からオペラを求められた。2004年スカラ座の改装記念にムーテイ指揮で蘇演されたことも、サリエーリの再評価の現れのひとつと言える。

2、モーツァルトとの確執と中期の名作オペラ(1779~1791)
ヨーゼフ二世によるドイツ語音楽劇を重視する改革が進められている間に、サリエーリはミラノに次いでヴェネツイア、ローマなどで活躍し、1782年にはミュンヘン、84年にはパリのオペラ座に呼ばれるなど国際的な活動を続けた。ウィーンではヨーゼフ二世の求めでジングシュピール「煙突掃除人」(1781)を初演、82年にはモーツァルトの「後宮からの誘拐」も成功を収めたが、皇帝は翌83年春にはドイツ国民劇場を解散し、イタリア歌劇団の再結成を命じた。

そして、サリエーリに若く有能な歌手を集めさせ、ダ・ポンテを台本作者に任命すると、宮廷劇場の演目をオペラ・ブッファやセミセーリアとする改革も行った。この新イタリア歌劇場はサリエーリの「焼きもち焼きの学校」で83年4月に開場し、モーツァルトもダ・ポンテの台本による「フィガロの結婚」を作曲初演した(86年5月)。

モーツァルトとの関係が浮かび上がるのは、モーツァルトがウィーンに来た1781年以降であるが、モーツァルト父子の書簡にみられる「サリエーリの陰謀」は、モーツァルト側の一方的な思い込みによるものと思われる。1786年2月には、ヨーゼフ二世の命により、シェーンブルン宮殿オランジェリーでモーツァルトとサリエーリのオペラ同時初演が行われた。これは両者の対決のようにも見えるが、モーツァルトはジングシュピール、サリエーリはイタリア語の喜歌劇の作曲を求められており、同じ土俵で腕試しをしたのではない。

 1787年6月サリエーリは再び革命前のフランスに赴き、ボーマルシェ台本のオペラ「タラール」を初演して成功を収めた。これは革命思想をもつ作品であったが、ヨーゼフ二世はイタリア語でのウィーン上演を求めた。台本の改作を行ったダ・ポンテは危険思想を取り除くと題名も「オルムスの王アクスール」と改め、88年1月にブルク劇場で初演した。2月にはトルコとの戦争が始まり、3月には宮廷楽長ボンノの引退によりサリエーリは37歳の若さで宮廷楽長に就任、ウィーン音楽界の頂点に立った。

しかし、1790年2月にヨーゼフ二世が崩御、弟のトスカーナ大公がレーオポルド二世として即位すると、サリエーリは宮廷楽長の地位を継続するもののイタリア・オペラ指揮者を解任され、ダ・ポンテも台本作者の職を失った。91年秋のレーオポルド二世のボヘミア王としての即位を祝うオペラ「テイートの慈悲」はモーツァルトが作曲したが、戴冠式と一連の行事で演奏を行ったサリエーリは、自作ではなくウィーンから持参したモーツァルト作品を積極的に取り上げた。サリエーリが敵対者なら、そんなことをするだろうか。

3、後期作品とオペラ作曲家引退、教育者としてのサリエーリ(1792~1825)
 1791年12月にモーツァルトが亡くなった後、サリエーリはオペラの数こそ減ったものの作曲活動は旺盛であった。ウィーンの音楽家協会の副会長として毎年の慈善演奏会を指揮し、ハイドンのオラトリオ「天地創造」のウィーン初演やベートーヴェン作品の紹介にも尽力した。シューベルトを含む多くの弟子を教育、ウィーン楽友協会の設立に協力し、貧しい境遇の音楽家の寡婦と遺児の救済を嘆願するなど、サリエーリは公的私的な活動を通じて音楽界に多大な功績があり、周囲の尊敬を集めていた。

 晩年に浮上したモーツァルト毒殺疑惑は彼の名声を傷つけたが、精神異常や告白騒ぎを証明する確かな史料はなく、「アマデウス」で歪められたサリエーリ像も改められつつある。(08/02/25)(OK) 

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★3/18(火)18:45/東京文化(小)/日本モーツァルト協会例会03-5467-0626/M:K155、K173、K464、K499/クヮルテット・エクセルシオ/\4500学2000

 ★3/19(水)19:00/王子H(03-3567-9990)/ヒロ・クロサキ(バロックV)&リンダ・ニコルソン(FP)/M:ソナタ35番、41番、28番、40番

★3/21(金)19:00/紀尾井H/ヴィーン室内合奏団/M:ディヴェルティメントK136、クラリネット五重奏曲「シュドラー」、シューベルト:八重奏曲/\8000~4000学3000、NBS03-3791-8888

 ★3/22(土)18:00/サントリーH/東響554回定期/ハイドン:交響曲82番、M:ミサ曲K427/J・スダーン指揮、森麻季S、谷口睦美Ms、福井敬T、久保和範Br、東響コーラス/東響044-520-1511

 ★3/22(土)18:00/府中の森芸術劇場/「クール・ドゥ・シャンブル」第6回定期/M:ヴェスペレ、ドミニクス・ミサ/小泉明子指揮、文屋小百合S、平川千志保S、藤長静佳Ms、岡本泰寛T、栗原剛Bs、川原千真Vn他/\3000熊野谿042-482-5815

 ★3/22(土)18:00/ミューザ川崎SH(044-520-0200)/ヴィーン・フィルハーモニー・アンサンブル11/M:「コシ・ファン・トゥッテ」より、セレナード「ポストホルン」より、トルコ行進曲、J・シュトラウス:「こうもり」序曲、「ハンガリー万歳」他/\5000~3000(H)


CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)


 


●2月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

  いつもワンパターンですが、慣例の懇談会の写真をお送りします。 今回の懇談会会場は、最近利用が定着してきた「デリ・フランス」お茶の水店です。 比較的空いていたせいか、会員だけ集まれるように仕切られた部屋の一角となり、若い水谷先生を中心に楽しい会となりました。いかがでしたでしょうか。会場と駅に近いのが何よりですね。いろいろな会場をテストしておりますが、飲み物・食事の内容・雰囲気などご意見をお寄せ下さい。

第268回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年2月23日

 
  事務局レター【第143号】/2008年2月

 【編集者】澤田 義博/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●2月例会(第268回)のお知らせ 

 サリエーリの役割と音楽の再評価(生涯と作品)   お話…水谷彰良氏(日本ロッシーニ協会副会長・国立音楽大学非常勤講師)

 日時:2008年2月23日(土)午後2時   
注意!今月は土曜日です


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 

今月は水谷先生のお話をおうかがいします。先生からのメッセージをどうぞ。

 


モーツァルトが宮廷楽長サリエーリによって毒殺されたと信じるモーツァルティアンは、一人もいないでしょう(書簡で述べられた「陰謀」を信じる方がおられても)。でも、劇と映画『アマデウス』に描かれたサリエーリ像は、役者の風貌とともに強く記憶されているに違いありません。作曲家としても二流、ないしは凡庸と思われていることでしょう。 

しかし、そんなイメージは過去のものとなりつつあります。サリエーリ作品の演奏や録音が増え、作曲家としての再評価が起きているのです。とりわけオペラのジャンルは2004年12月スカラ座リニューアル・オープンを記念した《見出されたエウローパ》の蘇演、バルトリによるサリエーリ・アルバム録音など、復興の歩みが顕著です。

では、サリエーリ作品の復活によって『アマデウス』の根本テーマである「天才と凡人の相克」「才能(神の恩寵)の不平等」は解消されたのでしょうか。近代の評価基準ではモーツァルトの特別な才能、音楽に備わる普遍的価値は疑うべくもありません。とはいえ現代を生きる私たちは歴史的視点からより多様な音楽を享受し、「天才」以外の作品にも別種の価値と美質を見出しています。

 近代の音楽史観による「大作曲家」や「傑作」のみに絶対的価値を置くのではなく、それぞれの時代や社会に固有の嗜好や感覚にも価値を認めているのです。モーツァルトも先達や周辺作曲家、同時代の聴衆との係わりの中で音楽を生み出してきました。

 当時ヴィーンで最も影響力のあった作曲家がサリエーリです。16歳でヴィーンに来たサリエーリは、オペラの分野で経験を積みながら宮廷人として生き、38歳で宮廷楽長に就任するとヴィーン音楽界全般の管理者として誠実に働きました。そしてモーツァルトの死後もシューベルトやベートーヴェンの師として周囲の尊敬を集め、ヴィーン音楽界の発展に寄与しました。

この講演では、モーツァルトとは別種の才能に恵まれ、異なる人生を歩んだサリエーリの生涯と作品を、録音や映像を用いて詳しく紹介したいと思います。

 

 記憶にある限り、例会でサリエーリのお話を詳しく聞く機会はこれが初めてではないかと思います。大勢のお越しをお待ち申し上げております。例会後は恒例の懇親会にもぜひご参加ください。(F) 

会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 
 ●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 3月15日(土)田之倉 稔氏(演劇評論家)「ダ・ポンテとその時代」
 4月12日(土)田辺 秀樹氏(一橋大学教授)演題未定
 5月10日(土)宮崎 宇史氏(本会会員)「映画『わがまま天才モーツァルト』を見る」
 6月21日(土)久元 祐子氏(ピアニスト)会場:吉祥寺ラ・フォルテ

 

 

●1月例会の報告(第267回/1月19日)

 第7回 会員参加型例会

まだ、お正月気分覚めやらぬ19日に恒例の会員参加型例会が開催されました。今回で7回目です。以下その模様をお知らせします(敬称略)。

1.相川宥子 「トルコ行進曲と私」お話と演奏・・・初登場の相川さんはご自身のK.NoであるK.136のCDの冒頭部から開始された。地中海の明るさを感じさせる名曲である。その後、「トルコ行進曲」のライブ演奏とご自身の録音版を聴かせて頂いた。相川さんの演奏は緊張感の中にも遊びがありデュナーミクもしっかりしていて、トルコ軍が今にも行進して来そうな感じであった。

 

2.楢崎 経右「コンスタンツェは悪妻だったか?」お話・・・楢崎さんは、巷でよく言われるコンスタンツェ悪妻説に真っ向からチャレンジされた。悪妻説の俗説性は既にかなり知られているところであるが、一つずつ丁寧に俗説を論破された。そこまでは筆者も殆ど異論はない。しかし、モーツァルトが晩年彼女の行動にひどく悩まされた事も彼の手紙からは感じられるし、フランツ・クサーヴァーの父親は誰かと言う問題もある。時間が足りず、そこまで進めなかったのが残念であった。

3.笠島三枝子 「幻想曲 ニ短調 K.397」 演奏・・・初舞台の笠島さんは、この難曲の「哀しさ」を上手に表現していた。 特に間の取り方、休止符の使い方に工夫が感じられた、フォルテも効果的に用い、この曲の悲劇性を強めていたように思う。次回が楽しみである。

 

4.真部 淳、真部 洋 「ヴァイオリン協奏曲 K.219 トルコ風」演奏とお話・・・演奏曲がトルコ風と言う事で、トルコ風を表現する楽器は何かと言う事になり、それはとりわけ、シンバルとトライアングルであり、モーツァルト以外のトルコ風の曲を書いた作曲家も紹介された。同じくトルコ行進曲を書いたベートーヴェン、更には、マーラー、それにブラームス、聴衆の中から近藤さんの「4番」と言う声が飛び、真部さんも嬉しそうにうなずく。今日はあたかもトルコ・デイのようであった。肝心の演奏はとても微笑ましく、父子ならではのチームワークで楽しい演奏だった。

5.田中 進 独唱 K152「静けさは微笑みながら」K492「フィガロの結婚」より、「恋とはどんなものかしら?」 お話「トルコ行進曲にまつわる雑学的アプローチ」・・・ピアノ伴奏は礒山さんという贅沢な演奏で、通常はソプラノの歌曲K.152が歌われた。突然、田中さんの姿が消え、再び現れたのは本物のかつら姿でバルトロかと思われる紳士。しかも口にはうっすらと紅をさしている。そして、ケルビーノを歌いだしたので、満場は爆笑! 間違いなく本日の大努力賞だった。


 次に田中さんがトルコで買われたCDで本場のトルコ行進曲が演奏された。おそらくモーツァルトも似たような行進曲を耳にしたかもしれない。聴きながら、ワールドカップでトルコが日本を破った時のパリでの情景を思い出した。途方もない数のトルコ人がシャンゼリゼを埋め尽くしたのである。行進曲どころではなく、喧騒以外の何物でもなかったが、確かにトルコ風の音楽が聞こえていた。(筆者注)ところで、皆様はクロワッサンの起源をご存知でしょうか?実はウィーンがトルコ軍に包囲された時、あるウィーンのパン屋がイスラムのシンボルである三日月をかたどったパンを焼いたのである。このパンをマリーアントワネットがフランスにもたらした。今やクロワッサンと言えばフランスだが、実はルーツはトルコのウィーン包囲なのである。

6.舩木 元 K.222 オッフェルトリウム「主の憐れみを」 お話・・・ブラームスの専門家舩木さんが本日はK.222にまつわるお話をされた。この曲がベートーヴェンの歓喜の歌に似ていると言う事はモーツァルティアンの間では良く知られている。 ベート-ヴェンの「合唱幻想曲」に歓喜の歌の萌芽がある事も同様。そのほかメンデルスゾーンの「宗教改革」第4楽章などが引用された。

 

7.塚本 正人(ヴィオラ)とその友人(1stVn:河田、2nd Vn:小牧、Vc:五十嵐)による「弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調」から第3楽章と第4楽章・・・昨年のお嬢様との共演に引き続き、今年はご友人達とのカルテットだった。きっと毎日こうして、豊かな時間を過ごされているのだなと感じさせられた。

8.近藤 光宏「夜明けのピアニスト」、田中希代子演奏「ピアノソナタヘ長調K.332,ピアノ協奏曲ハ短調第24番」 CDとお話・・・歴史の彼に忘れ去られかけていた田中希代子というピアニストの記憶を、この世に残そうという運動が起こり、1987年に最初のCDがリリースされた。安川加壽子さん、遠山一行さん等も発起人の一人だった。彼女は若き日にジュネーブやパリのコンクールでトップないしは上位に入賞し、将来を大いに嘱望されたピアニストであったが、病魔に犯され、その活躍は長くは続かなかった。彼女はハスキルを一番好んでいたようだが、病魔と闘う姿を自分と重ね合わせていたのかもしれない。日本のハスキルと言われる大ピアニストになる潜在性を備えていた人だったと思われる。

 

9.礒山 秀子 「フィガロの結婚」より「手紙の二重唱」、「エクスルターテ・ユビラーテ」より「ハレルヤ」、「ドン・ジョヴァンニ」より「メヌエット」 弾き語り・・・礒山さんはフェラインの1月例会には欠かせない方である。今日も歌唱指導、伴奏、それにご自身の演奏、それも一人何役もの超人的なご活躍であった。特に「手紙の二重唱」はこの曲の美しさを損なわずに一人三役を軽々とこなされた。もし衝立が置いてあれば、3人の方が演奏していると誰もが思ったに違いない。今日の実質的なフィナーレであった。

 

10.船矢 久樹 「K.453a 小葬送行進曲ハ短調」「K.617aグラス・ハーモニカのためのアダージョハ長調」  ピアノ独奏・・・ 船矢さんらしい、とても端正なかつ淡々とした弾き方で、この2曲の魅力を十分に引き出していた。なかんずく、「グラス・ハーモニカの為のアダージョ」では、グラス・ハーモニカの音を彷彿とさせる演奏だった。

 最後に、礒山さんのピアノ伴奏により、恒例の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を全員で歌い、今年のフェラインの幕開けとなった一月の会員参加型例会は和やかかつ華やかな雰囲気の内にその幕を閉じた。 (S)

 

 

●お知らせ

当会会則と先日の臨時会員総会の議事録を同封しました。

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★2/24(日)14:00/東京オペラシティコンサートH/オペラの華コンサートシリーズ/「フィガロの結婚」「ばらの騎士」ハイライト/本名徹次指揮、東京シティフィル、佐々木典子S、澤畑恵美S、林美智子Ms、成田 博之Br/\6000~4000東京音協03-3201-8116

 ★2/29(金)19:00/HAKUJU H/海老沢敏レクチャーコンサート、モーツァルト賛美/M:「魔笛」より、ソル:「魔笛」の「こりゃなんと素晴らしい響きだ」の主題による変奏曲他/篠崎功子Vn、倉田澄子Vc、小川京子P、福田進一G、吉田珠代S、町英和Br、共/石野真穂P/\4500ミリオンコンサート協会03-3501-5638

 ★3/1(土)14:00/三鷹芸術文化/ロッシーニ:「ブルスキーノ氏」序曲、M:「魔笛」より、交響曲40番/木村康人指揮、中村初恵S、ジェフリー・トランブリーBr、チェンバー・フィル東京/\1000TCP事務局090-1157-1155

 ★3/6(木)19:00/東京芸術03-5985-1707/M:「フィガロの結婚」序曲、P協奏曲21番、交響曲40番/有田正広指揮、クイケンFp/\4000~2000(H)

オペラ情報

★サントリー・ホール・オペラ03-3584-9999「フィガロの結婚」、3/6(木)11(火)18:3012(水)、9(日)16:00

 ★新国立劇場研修所「フィガロの結婚」、3/13(木)18:30、15(土)14:00、新国立(中)03-5352-9999

 ★東邦音大オペラ公演「フィガロの結婚」、3/23(土)14:00、24(日)14:00、東邦音大グランツザール049-235-2157(H)


CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)


 


●08年1月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

  慣例の懇談会の写真をお送りします。今回のカメラマンは、例会の本番は宮崎宇史さんに、懇談会会場は山田さんのカメラで撮っていただきました。沢山の写真が溢れるように多く記録され、カットするのが残念なので、工夫して出来るだけ多くの写真を載せようとして、ご覧の通りのアルバムとなりました。本来なら、小さな写真をクリックすれば、大きく拡大されるはずなのですが、CD-Rの決まった小さなフォーマットに収まった写真を、アップロードしていますので、残念ながら小生の技術力では、拡大できませんでした。少し、研究いたしますので、お許し下さい。パソコンで見るCD-Rの原画は、大きく拡大できる素晴らしい写真でしたので、真に残念です。
  宮崎さん、山田さん、お手伝いいただき、誠に有り難うございました。これからも宜しく、ご協力のほどをお願い申し上げます。(K)

第267回 モーツァルティアン・フェライン例会 2008年1月19日

 
  事務局レター【第142号】/2008年1月

 【編集者】若松 茂生/楢崎 経右/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子bxp00423*yahoo.co.jp(スパ ムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●1月例会(第267回)のお知らせ 

第7回 会員参加型例会

 日時:2008年1月19日(土)午後2時   
注意!今月は土曜日です


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」811 号室(8F)(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

 

 

 年明け恒例の会員参加例会も7回を迎えました。初めての方ありおなじみの方もあり、プログラムは盛りだくさんです 。以下順不同でご紹介します。(敬称略。出演順ではありません)

 【お話とCD】
●楢崎経右 「コンスタンツェは悪妻だったか?」
●舩木元 宗教音楽小品 K222 モテット「主の憐れみを」
●近藤光宏 「夜明けのピアニスト田中希代子」ピアノソナタへ長調 K332、ピアノ協奏曲24番ハ短調

 【演奏】
●真部淳(P)・洋(V)ヴァイオリン協奏曲第5番とお話(K219・第1又は第3楽章)
●田中進(バリトン独唱とお話)K152・K492 静けさは・恋とは&トルコ行進曲についてのお話(P・礒山秀子 )
●礒山秀子(P弾き語り)K492手紙の二重唱(1人2役)、K165「アレルヤ」、K527メヌエットより「永遠なる愛」
●笠島三枝子(P独奏)幻想曲ニ短調 K397
●相川宥子(PとCDとお話)「トルコ行進曲と私」K331より
●船矢久樹(P独奏)幻想曲ハ短調 K475
●塚本正人(他3名)弦楽四重奏曲15番・K421第3楽章&第4楽章(繰り返しなし)

 【全員合唱】「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(P伴奏・礒山秀子)
 【司会進行】石津勝男/倉島収

 例会後は新年会にもぜひご参加ください。(F)

会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 

 ●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 2月23日(土)水谷彰良氏(西洋音楽史・日本ロッシーニ協会)「モーツァルトと同時代の作曲家サリエリの音楽性の役割の再評価」

 (以下3月15日、4月12日、5月10日の予定です)

 


●臨時会員総会開催のお知らせ

開催日時:1月19日(土)13:00、1月例会と同会場

 下記議題について会員の皆様にお諮りしたいので、多数の会員のご参加をお願い致します。

・モーツァルティアン・フェライン会則の制定
・世話人会の組織変更

 

 

●12月例会の報告(第266回/12月15日)

ザルツブルクと日本の間で   お話…牧野 成史氏 (横浜モーツァルトアカデミー主宰)

 今から23年前、23歳のときザルツブルクに行き、国立モーツァルテウム音楽大学に学んだ。カラヤンが元気で活躍中のころである。テノール歌手として、毎週日曜日に大聖堂でミサを歌った。当時、教会は景気がよく、勉強ができたばかりでなくギャラももらえた。また、ヨーロッパ・ツアーにも参加し、イタリア、バチカン、パリ、ポルトガル、スペインなどヨーロッパ各地を巡ることができた。

ザルツブルクでは、モーツァルトだからといって特別な意識はなく、モーツァルトはこういう風に演奏すべきだと教えられることもなかった。ただ、教会には200年にわたるモーツァルトが体の中に残っていて、特に意識しなくとも、皆やりたいようにやってそれでうまくいっている。門前の小僧として、私は何かを得ることができた。

 10年前、1997年日本に帰って、横浜モーツァルト・アカデミーと所沢バッハ・アカデミーとを結成した。以来、毎年2回で20回、所沢と合わせると50回にわたり、オーケストラ付きで演奏を行ってきた。今日は、それらの中からいくつかのライブ録音を聴いていただきます。

まず、1998年5月、最初の鎌倉での演奏会から、《エクスルターテ・イゥビラーテ》 K.165 と《ミサ ハ短調》 K.427 より Jesu Christe を聴く。ザルツブルクのソプラノ歌手、シャルロッテ・ピストアを連れて来ての演奏。今、あらためて聴くと未熟で、若いなと思う。出だしはソプラノ歌手のテンポに合っていない。

 次に、1999年10月、横浜での《荘厳ミサ》 K.337と《バスとコントラバスのためのコンサート・アリア》K.612 を聴く。K.337 は 私の師匠であるツィフラ先生が大聖堂で演奏したものとを合わせて聴く。演奏そのものは師匠のものと大差ないが、大聖堂では大変よく響いているのに対し、横浜でのはあまり響いていないのがお分かりでしょう。残響の効果を考慮することは重要です。

 《魔笛 序曲》 K.620 を聴く。所沢バッハ・アカデミーというオーケストラを持っているので、オーケストラの演奏が多くなってきた。優秀な演奏者が多く、外国人と日本人との差はなくなっている。

 《悔悟するダヴィデ》 K.469 よりテノールのアリア。これは、ハ短調ミサのキリエとグローリアに、新たにアリア2曲を追加して、ヴィーンで演奏したもの。

 次は、モーツァルト・イヤーの2006年7月、ザルツブルクのフランチスカーナ教会で行った《レクイエム》K.626のライブ録音。日本人だけ60人で演奏した。教会の残響が大きいでしょう。日本の合唱団の歌い方は皆レガートで、もしあちらの教会で歌うと、何と言っているか分からなくなる。私たちは初めからザルツブルクの大聖堂で歌えるように練習している。なぜならば、モーツァルトの宗教音楽は、教会で演奏するための実用音楽であるからだ。私たちはザルツブルクへ行って、演奏当日の朝、9時から30分練習しただけで、10時からの教会本番に出ることができる。

 次に、少年モーツァルトの作品を聴いていただく。2006年横浜での《ガリマティアス・ムジクム》K.32 と《聖墓の音楽》 K.42 です。それぞれ、10歳、11歳の作品。どうしてこんな子供にこのような曲が書けるのか、と思わせるような作品である。これからも、このような初期の作品を紹介してゆきたいと思っている。

 《交響曲 第41番 ジュピター》 K.551 より第1楽章。モーツァルトのシンフォニーはジュピターで終わっているが、もうこれ以上のものはありえないのではないかと思われる。これは、2003年11月、神奈川県立音楽堂でのライブで、私の好きな演奏の一つです。

 最後に、先月演奏したばかりの《オーボエ協奏曲》 K.314 より第3楽章を聴いていただく。ソリストは、バッハ・アカデミーの佐々木亜京美さんです。女性らしい名演奏です。この曲は、聴くには楽しいが、指揮はとても難しい。

 日本に帰って指揮をはじめて10年になる。初めは宗教音楽をやろうと思った。しかし、いろいろなものをやらないと、モーツァルトは分からないということに気がついた。以来、シンフォニーや協奏曲なども演奏するようになった。

モーツァルティアン・フェラインの皆様のように、モーツァルトの音楽を愛好する人がどんどん増えてきているのをうれしく思っている。

なお、講演の最後に、1月例会で皆で歌う予定の《アヴェ・ヴェルム・コルプス》 K.618の歌唱指導をしていただいた。(N)

 

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★1/26(土)18:30/代々木アトリエムジカ/モーツァルト252バースデーコンサート/M:アヴェ・ヴェルム・コルプス 他/伴野陽子S、井村照美P他/\2000及川音楽事務所03-3946-7189
 ★1/27(日)14:00/東京文化(小)/日本モーツァルト協会(03-5467-0626)1月例会/M:K204他/オーケストラ・シンポ シオン/\4500学2000
 ★1/27(日)17:00/さいたま市文化/さいたまアンサンブル定期/ベートーヴェン:「レオノーレ」3番、M:戴冠ミサ 曲他/金昌国指揮/\3000学2000SaCLaインフォメーション048-866-4600
 ★2/6(水)14:00/杉並公会堂/日本フィル杉並アフターヌーン・シリーズ/グリーク:ホルベルク組曲、M:ホルン協 奏曲1番、3番、ハイドン:交響曲101番/沼尻竜典指揮、丸山勉hr/\3500~2500日本フィル03-5378-5911
 ★2/8(金)19:00/浜離宮朝日H/ワイマール・ゲーテ弦楽四重奏団を迎えて/M:ピアノ四重奏曲1番、クラリネット五 重奏曲、シューベルト:ピアノ五重奏曲op44/村田麻里子P、中野恵子P、白川毅夫Cl/\4000J&Jコンサート・エージェ ンシー072-733-2711
 ★2/10(日)14:00/HakujuH/マルティーヌ:弦楽3重奏曲2番、M:フルート四重奏曲1番~4番/斉藤友紀fl、チェコ 弦楽3重奏団/¥5000国際芸術連盟03-3356-4140
 ★2/15(金)18:30/護国寺、同仁キリスト教会/M:クレドミサ曲他/鈴木恵里奈指揮、アンサンブルアマデウス、和田 薫、大森寿枝、富塚研二、大森敏子p、関口将史vc/\2500モ連044-988-8384
 ★2/16(土)14:00/東京文化(小)/日本モーツァルト協会(03-5467-0626)2月例会/モーツァルト四大オペラの主役たち< 二期会21>/宮本益光Br、石野真穂P、赤星啓子S/\4500学2000
 ★2/20(水)、21(木)19:00/サントリーH/N響定期Bプロ/M:セレナード10番、「イドメネオ」バレエ音楽、交響曲 40番/H・シェレンベルガー指揮/\8150~3460学・25歳以下1500N響ガイド03-3465-1780(H)

オペラ情報

プラハ国立劇場「フィガロの結婚」、1/20(日)16:00、東京文化、都民劇場03-3572-4311 オペラ・アクターズ03-5942- 5165「フィガロの結婚」、2/10(日)18:00、2/11(月)14:00、北区滝野川会館(H)


CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)


 


●若松会長より新年の挨拶

 年年歳歳

 年年歳歳という言葉が好きである。好きな安藤鶴夫のエッセイ集「年年歳歳」からとった。装丁の色合いがよくって、 中の写真がいい。やはり長年愛読している福原麟太郎にも「年々歳々」という小さなエッセイ集がある。「年々歳々、 花相似たり、年々歳々、人同じからず」という漢詩の一句があるが、今日では、毎年毎年同じようなことを繰り返して 、いつの間にかまた新年を迎えているというような時に用いると福原麟太郎が書いている。

 毎年毎年同じようなことを繰り返して、平穏無事でいることが我々の願いであるが、そうもいかない。しかし、毎年、 毎日のようにモーツァルトを聴いてきて、新鮮な気持ちで毎日を過ごすことができる。モーツァルトの音楽は人の心を 爽やかにし、人の命を豊かにしてくれるからである。

2007年にモーツァルティアン・フェラインは25周年を迎えた。2008年10月に、僕はアメリカに来て10年になる。という ことは、「会長不在」が10年続いてしまったということでもある。毎年一回講演をさせていただき、季刊誌に投稿する くらいしか会に貢献できず、まことに申し訳なく思っている。インターネットの力で、僕がモーツァルトとともにどの ような生活を送っているのか情報発信できて、以前よりも親近感が増したと感じられる方もおられるかもしれないが、 会は事務局の石津副会長、例会の倉島副会長、季刊誌の山本副会長、新たに加わっていただいた企画の澤田副会長、そ して世話人の方々に任せきりで内心忸怩たるものがある。

そこで、フェラインを一回り大きな会にするために来年度から新たに会則を定め、その中で会長代行制度を作り、会長 代行のもとで積極的な会の運営を目指していきたいと考えている。この25年間は会則なしでやってきたが、フェライン が次の25年に向けて大きく飛躍するためにはきちんとした組織にするべきであると考えたためである。世話人の方々は 、理事と名前を変え、理事会が最高決定機関となる。フェラインにとって大きな改革であるが、どうか会員の皆様のご 賛同をいただき、新年度から新体制で再出発いたしたく、よろしくお願い申し上げる次第である。

2008年もモーツァルトとともに素晴らしい年でありますよう、会員皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。 
2008年頌春  若松茂生


 


●12月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。

いつもワンパターンですが、慣例の懇談会の写真をお送りします。  今回の懇談会会場は、新装なった「デリ・フランス」お茶の水店で、前回好評だったのでここに定着しそうな場所です。前回と同じ横長の会場が用意され、会員だけ集まれるように仕切られた部屋の一角であり、まずまずの雰囲気とお食事・飲み物が得られました。いかがでしたでしょうか。会場と駅に近いのが何よりですね。いろいろな会場をテストしておりますが、飲み物・食事の内容・雰囲気などご意見をお寄せ下さい。

 
 
 
 
 

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