第352回 モーツァルティアン・フェライン例会 2015年10月25日
 
 

 事務局レター【第 227号】/2015年10月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/笠島三枝子/大野康夫/ 倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●10月例会(第352回)のお知らせ 

江端 津也子 ピアノリサイタル

日時:2015年10月25日(日)午後3時開演(午後2時30分 開場) 
←日曜日です! 開始時間に注意! 


会場: 中野ハーモニーホール (東京メトロ丸の内線、都営大江戸線中野坂上駅下車・徒歩1分) 

 例会費:¥3500(全自由席) 会員以外の方も大歓迎!!

チラシ:その1 

《プログラム》

 【W.A.モーツァルト】

 * ピアノソナタ イ長調 K.331(トルコ行進曲き)

 * 小品 ヘ長調 K.33b

* グレトリのオペラ
  「サムニウム人の結婚」の合唱曲
   「愛の神」による8つの変奏曲 ヘ長調 K.352

【フォーレ】

 * バラード op.19

【ラヴェル】

 * 水のたわむれ

* 道化師の朝の歌(「鏡」より)


 主催 モーツァルティアン・フェライン

後援 公益社団法人、日本演奏連盟、日本フォーレ協会

お問い合わせ モーツァルティアン・フェライン
090-2223-8101(澤田)  090-5191-3404(石津)  EBATA 03-3393-4067(TEL/FAX) 


♪江端津也子プロフィール♪

東京都出身。第22回日本学生音楽コンクール入賞。
 都立芸術高校を経て東京藝術大学及び同大学院修了。在学中にヴィーンに学び、国際ゼミコンクール第1位。
ピアノを安川加壽子、奥村洋子、室内楽をH-ピュイグ・ロジェの各氏に師事。リサイタル、サロンコンサート(パート1-13)、NHK-FMに出演、ポーランド大使館にて招聘演奏など、ソロ、室内楽、伴奏に活躍。
1986年のリサイタル以来モーツァルトのピアノ・ソナタを次々取り上げ、2006年のモーツァルト生誕250年記念リサイタルで全18曲を一巡した。
 日本演奏連盟、日本フォーレ協会、日本ピアノ教育連盟、 モーツァルティアン・フェライン会員。

 今回のプログラムは、おなじみのソナタK331(トルコ行進曲付き)を、2014年9月にハンガリーのブダペストで発見されたモーツァルトの自筆譜の一部を反映させる形で演奏する試みから始めます。
まだ自筆譜のすべてが見つかっているわけではありませんが、現在出来うる限り、モーツァルト自身の書いた形に近づけて演奏してみたいと思います。
 変奏曲への導入の形での小品に続いて、偶然にも今回の例会の回数352にちなんだK352の変奏曲を演奏します。

 後半は生誕170年のフォーレと生誕140年のラヴェルのピアノ曲を取り上げます。どうぞ、秋の午後のひと時、ベーゼンドルファーの音色をお楽しみいただければ幸いです。
 (江端津也子2015年10月) 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。
 会場:未定 

 


 
●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

11月21日(土) 下山静香氏 (ピアノリサイタル Casa Mozart )
12月19日(土) 石津 勝男(本会副会長)
  1月16日(土) 新年会
  2月27日(土) 伊藤綾氏 

 

 


 ★お知らせ★

 ◇モーツァルティアン・フェライン新年会出演者募集

  ◎日時     2016年1月16日(土)

  ◎募集内容

   お話・・・20分程度

   演奏・・・5分~8分

  ◎条件 モーツァルトに限る  新人の方大歓迎! 例会出席率良好の方優先です

 ◎締切   2015年11月21日(土)

  ◎お問合せは
  川口 ひろ子  fortuna-h*kuf.biglobe.ne.jp(スパムメール対策です。*を@にかえてください)  TEL03(3485)4680 

 

 


●9月例会の報告(第351回/9月26日)

 演題:演題《皇帝ティートの慈悲》の悲劇 -市民の意識の高まりとオペラの受容-
お話:大津 聡氏

 モーツァルトの最後のオペラである《皇帝ティートの慈悲》は、20世紀も後半になって、ようやく、彼の主要な7つのオペラの1つに数えられるようになった。しかし、もう1つの最晩年のオペラ、《魔笛》とは対照的に、初演から現在までの、ほとんどの時代において、なぜ、低い評価と不人気に甘んじてこなければならなかったのだろうか、という問いからお話は始まった。
  本論に先立ち、予備的考察として、このオペラの成立時からの宿命が3点あげられた。
 第一に、《皇帝ティートの慈悲》(以下、《ティート》)が、我々の音楽ドラマのイメージとは容易に馴染みにくいオペラ・セーリアであるというジャンル問題。(とりわけ、「ダ・ポンテ・3部作」のようなアンサンブル・オペラに比べ、単調な構成が避けられない)。
 第二に、メタスタージョによる古典が原作であり、既にモーツァルトによって作曲された当時の感覚において、編作は避けられなかったという事情である(台詞の大幅カットによるドラマトゥルギーへの影響)。
 第三に作曲上の時間的制約(「18日伝説」)である。時間がタイトであったが故に、初演に同行した弟子ジュースマイヤーが仕上げに関与したことや、さらに、作曲家自身の体調不良説は、作品のネガティブなイメージにも繋がったとのことであった。
つまり、二重苦三重苦という状況の中でオペラ《ティート》は成立したということである。(ここで、本題の始まりという意味も兼ねて、《ティート》の序曲を、モーツァルト晩年の音楽様式の特徴を意識しながら聴く。(演奏はホグウッド指揮のもの) 

 

 本例会では、上述のようなオペラの成立事情を前提に、今日に至るまでの作品の受容に関してお話し頂いた。考察の視点は、主に次のように整理されるものであった。
 1)モーツァルト最後のオペラでありながら、今日までの不人気と低評価(晩年の「モー ツァルト伝説」とは、およそ無縁)
 2) 偏愛と不遇の特異な受容史
 3) 教養主義市民によるモーツァルト、およびオペラ《ティート》の受容(社会史、政治、市民のイデオロギー、逸話に翻弄された受容の歴史)
 4)“vera opera“「真のオペラ」というモーツァルトの自作品目録に残された言葉(真意は不明であるが、作曲家本人の《ティート》への思いを示唆するとも考えられる)

  これらの問題を切り口として《ティート》の歴史を巡る長いお話が始まった。まず最初に、作品受容の変遷に、以下の4つの時代区分が明確に設けられた。
 1)初演の不評と同時代人によるあいまいな評価
 2)偏愛された時代(約1800年~1825年)。この、言わば「ティート・ブーム」は、上演の統計のみならず、出版されたピアノ・パート譜の数や、編曲譜の数からも裏付けられる。
 3)不遇の時代の幕開け(19世紀半ば~)。この時代は、大規模なモーツァルト評伝が成立し始めた時代でもあり、ウリビシェフや、とりわけO. ヤーンの言説は、本格的な《ティート》批判の礎となった。
 4)1960年代から現在まで。このオペラは1960年代になって、ようやく、再びオペラハウスのレパートリーとして戻ってくることとなった一方で、作品への低い評価は、根底では現在まで続いている。

  次に、上記の4つ時代の傾向をそれぞれ根拠づけるものとして、各々の時代を代表する著名な人物の言説が紹介された。19世紀半ばに始まる、《ティート》に対する否定的な言説史は、このオペラを違和感なく愛好していた我々にはショッキングなものだったかも知れない。が、ここで忘れていけないことは、これらの評価を表明してきた、ほとんどの人物たちは、優れた音楽学者やモーツァルト研究者、一流の知性であり、何よりモーツァルトの音楽に造詣が深い人々であったということであったということだ。
それ故、彼らは《ティート》についても、評価すべきところについては、賞賛を惜しまなかったということが講演の中でも確認された。その例のひとつとして、第1幕のフィナーレが取り上げられた。その音楽表現とドラマ上の効果が説明された後、当該箇所を鑑賞(メスト指揮、チューリヒ歌劇場)し、休憩に入った。 

 


 後半は、休憩前に紹介された《ティート》の特異な歴史、言わば、「偏愛と不遇の受容史」の背景には何があったのかという、大きな問題について考えさせられるものであった。
とりわけ、《ティート》批判の先駆けともなったオットー・ヤーンの批判的記述については、具体的に紹介、分析され、お話は、19世紀の教養主義市民層のイデオロギーと音楽受容の問題にまで及んだ。
 (説明の文脈で、19世紀以降の市民社会では大変忌み嫌われることになったカストラートの歌声をイメージするために、20世紀初めに残された、最後のカストラートの録音を聴く。)
まとめとして、《ティート》の評価の変遷と、作品を受容した社会や市民の変容が対比の形で示され、その特殊な受容史を巡る様々な可能性が説明された。そのキーワードとなったのが、演題のサブタイトルにも示された市民の意識の変容であった。
 中でも最も典型的な教養市民の理念こそがモラル観であったことから、最後はモラル(倫理)という観点から、《ティート》の「影の主役」であるヴィテッリアのキャラクターにスポットが当てられ、ウリビシェフ、ヤーンの記述例から考察した。
しかし、どんなに《ティート》やヴィテッリアの劇中のキャラクターに批判的であった者も抗しがたい音楽であったのが、ヴィテッリアの2番目のアリア「花で愛のかすがいを」(第2幕、第23番)であった。その長いレチタティーヴォとロンド、その直後に訪れるフィナーレの合唱までを鑑賞(メスト指揮、チューリヒ歌劇場)し、お話も締められた。
 講演の後には、質疑応答の時間も設けられ、数人の方がご質問に立った。個人的には、「ダ・ポンテ・オペラ」など、モーツァルトの他のオペラの受容史についても、別の機会にお聞きしたいと思った。このオペラを美しいと感じているものにとっては、とても視野の広がるお話を聞くことが出来た貴重な例会であった。
(以上、(2015/10/08)文責、倉島 収) 

 

 

 

 

●例会・懇親会 写真コーナー


 今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、趣旨に賛同する有志一同で、 講師の大津 聡氏を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

     なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、 いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。 

  なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の 右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、 下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、 Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから 

第351回 モーツァルティアン・フェライン例会 2015年9月26日
 
 

 事務局レター【第226号】/2015年9月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●9月例会(第351回)のお知らせ 

演題《皇帝ティートの慈悲》の悲劇-市民の意識の高まりとオペラの受容- お話:大津 聡氏

 日時:2015年9月26日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――――― 大津 聡氏からのメッセージ

 モーツァルトの最後のオペラである《皇帝ティートの慈悲》は、20世紀も後半になって、曲がりなりにも、彼の主要な7つのオペラの1つに数えられるようになりました。
が、なぜ、もう1つの最晩年のオペラ、《魔笛》とは対照的に、初演から現在までの、ほとんどの時代において、低い評価と不人気に甘んじてこなければならなかったのでしょうか。
もちろん、このような問いに対する、完全な説明は不可能です。そこには複数の要因が潜み、またその理由も各時代によって様々だからです。
 今回は、そんな《皇帝ティートの慈悲》について、オペラのジャンル問題や過去のモーツァルト評伝における記述、さらにはその背後にあった社会史やイデオロギーの問題など、多角的視座からお話してみようと思います。 

――――― 大津 聡氏のプロフィール

水戸市生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程音楽学専攻修了。大学院在学中にドイツ連邦共和国、ヴュルツブルク大学音楽学研究所に留学。その後、ベルリン自由大学博士課程を修了。哲学博士 Dr. Phil.(音楽学)。
 音楽学を角倉一朗、土田英三郎、ウルリヒ・コンラート、アルブレヒト・リートミュラーの各氏に師事。専門領域は18、19世紀の西洋音楽史。とりわけモーツァルトの受容史、19世紀の音楽受容の問題を中心に研究を進めている。
 著書にDie Opern in der Mozart-Biographik von 1800 bis 1920. Ideologische
 Aspekte in der burgerlichen Gesellschaft. 『1800年から1920年までのモーツァルト評伝におけるオペラ-市民社会のイデオロギー的諸相-』(ヴィーン: Mille Tre 社、2013年)。
 現在、筑波大学比較文化学類、立教大学、桐朋学園芸術短期大学で講師を務める。 

 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

10月25日(日)  江端 津也子氏 ピアノリサイタル(中野ハーモニーホール) 
  チラシ:その1 

11月21日(土)  下山 静香氏 ピアノリサイタル(Casa Mozart)
  チラシ:その1 

12月19日(土)  石津 勝男(本会副会長)

  1月16日(土)  新年会

  2月27日(土)  伊藤 綾氏 

 

 


●事務局よりお知らせ 

1、下山静香さんのピアノリサイタルの日程が間違っていました。リサイタルは21日です。申し訳ありませんでした。

2、夏休みを利用して、今年度の会員名簿の更新を行っております。8月末日までに本年度の会費のお振込の確認が出来ていない方に、振込用紙を同封し、レターをお送りします。10月末までにお振込下さい。

お振込確認後に今年度の会員証をお送りしています。 一般の年会費は5,000円となっております。退会される場合は、一言お知らせいただければ幸いです。
また年会費の費用のほとんどが、季刊誌発行の費用です。皆様の年会費で季刊誌を発行することが出来ています。未納のままですと季刊をお送りすることができなくなります。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

      事務局 笠島 三枝子 

 

 


●7月例会の報告(第350回/7月4日)

♪ジェラール・プーレの世界♪ ヴァイオリン リサイタル

  本日のコンサートは第350回と言う記念すべき例会 だった。その記念すべき会にマエストロ・プーレと川島先生をお招きし、かつ特に過去にも余り演奏された事の無い、モーツァルトの未完の曲、3曲を演奏して頂いた。
いずれもアメリカのピアニスト、作曲家、そして音楽学者として、つとに有名なロバート・レヴィン氏の補筆により完成されたものである。なお、イ長調の最初のソナタは本邦初演。
また、今年3月マエストロ・プーレはロバート・レヴィン氏と共に今日演奏される3曲を含む断片のソナタ(レヴィン氏の補筆により完成)を超1流ワインで有名なロマネ・コンティのホールで、CD録音を完了された(現時点では未発売)。
 本日の例会350回記念を飾るに相応しい3曲であり、コンサート全体としても予想に違わぬ素晴らしい、会心の出来栄えだった。 

 

  モーツァルト
 ・ヴァイオリン・ソナタ   K.Anh 50(526a)  イ長調(1787?) 単一楽章
  クラヴィアのパートのみ16小節書かれていて(自筆譜)、未完となっている曲。おそらく同じ調性で書かれている、K.526の第1稿ではなかったかと言われている。本邦初演。 

・ヴァイオリン・ソナタ   K.Anh 47(546a)   ト長調(1778?) 単一楽章
  自筆譜に、31小節が書かれており、これにはヴァイオリンのパートも部分的に書き込まれている。おそらくは、初心者のためのヴァイオリン・ソナタK.547の第1稿と考えられている。 

・ヴァイオリン・ソナタ   K.Anh48(385E)  イ長調(1782?) 単一楽章
  34小節書かれているアレグロの楽章の一部である。クラヴィアの美しい第1主題は素晴らしい楽章を予想させるが、途中で放棄されている。 

 3曲の未完曲の補筆版では最初のK.Anh50の美しさが際立った。この未完曲はK.526の第1稿だったと考えるとこの曲の美しさも当然と思えてくる。 

・ヴァイオリン・ソナタ   K.377(374a)   ヘ長調(1781)
   弟子のアウエルンハンマー嬢に献呈された、いわゆる「アウエルンハンマー・ソナタ」6曲の内の第3番である。第1番のソナタも同じ調性のヘ長調であるが、対照的と思われるほど、曲の感じは異なっている。特に第1楽章 アレグロは溢れそうなエネルギーに満ちている。言うまでもなくこの曲はモーツァルトの完成曲である。 

 

Gabriel Faure
フォーレ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ長調、作品13
若きフォーレのすがすがしい作品。初演後サン=サーンスは「形式の新しさ、転調の探求、興味をそそられる響き、思いがけないリズムなど、どんな気難しい人でも魅了できる全てがこのソナタにある」との賛辞を送っている(川島余里さんのプログラムノートから引用)。 

B.Smetana
スメタナ:我が故郷より ~2つの二重奏曲~
チェコを代表する作曲家の1人であるスメタナ晩年の作品のひとつ。50歳の時に長年のストレスから体調を悪化させ失聴したスメタナは作曲に専念し、交響詩「我が祖国」や弦楽四重奏ホ短調「我が人生より」などの一連の傑作を残した。まさにその豊作期である1880年に書かれたこの作品は題名の通り、チェコの民族音楽を感じさせるものとなっており、ノスタルジックで彼の祖国を愛する気持ちが存分に表されている作品となっている(松浦瑠奈 さんのプログラム・ノートからの引用)。 

なお、アンコールはドビュッシーの「月の光」及びフォーレの「子守歌」であった。 前述のフォーレのヴァイオリン・ソナタ1番と相俟って、フランス音楽の神髄を堪能させて頂いた。

(文責:澤田義博) 

 

第350回 モーツァルティアン・フェライン例会 2015年7月4日
 
 

 事務局レター【第 225号】/2015年7月

 【編集者】澤田義博/石津勝男/川口ひろ子/笠島三枝子/大野康夫/ 倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●7月例会(第350回)のお知らせ 

♪ジェラール・プーレの世界♪

ヴァイオリン リサイタル <教会シリーズ6>

 会員価格 4500円
 連絡先:  澤田 090-2223-8101、石津 090-5191-3404 

 日時:2015年7月4日(土)午後2時開演(午後1時30分開場) 
←土曜日です! 開始時間に注意! 


会場: 日本基督教会・代官山教会 チャーチホール 〒150-0034渋谷区代官山14-3
 東急東横線代官山駅より徒歩5分 

チラシ:その1 チラシ:その2 

 本日の例会は第350回と言う記念すべき会となります。その記念すべき会に マエストロ・プーレと川島先生をお招きしました。
このコンサートでは、特に過去にも余り(あるいは全く)演奏された事の無い、モーツァルトの未完の曲、3曲が演奏されます。いずれもアメリカのピアニスト、作曲家、そして 音楽学者として、つとに著名なロバート・レヴィン氏の補筆により完成された ものです。なお、イ長調の最初のソナタは本邦(おそらく世界)初演です。 フェラインにとっても大変名誉なことです。
また、今年3月マエストロ・プーレ はロバート・レヴィン氏と共に今日演奏される3曲を含む断片のソナタ (レヴィン氏の補筆により完成されています)を超1流ワインで有 名なロマネ・コンティのホールで、CD録音を完了されました(まだ未発売)。 
 本日の例会350回記念を飾るに相応しい3曲です。本日のプログラムは次の通りです。いずれも楽しみな曲ばかりです。 


・・・プログラム・・・

 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ KV Anh 50 (526a) イ長調 (1787?) (単1楽章) レヴィン補筆

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ KV Anh 47 (546a) (1789) ト長調 (単1楽章) レヴィン補筆

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ KV Anh 48 (480a/385E) (1784) イ長調 (単1楽章) レヴィン補筆

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ KV 377 ヘ長調 (374a) (1781)

- 休憩  -

フォーレ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番 作品13 イ長調

スメタナ:わが故郷より(1880)

                  以上(文責:澤田) 

 

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。
シャッターズ代官山 03-3461-3371

 

 

 
 ●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

8月         お休み
9月26日(土)  大津 聡氏
10月25日(日)  江端 津也子氏 (ピアノリサイタル 中野ハーモニーホール)
11月14日(土)  下山静香氏 (ピアノリサイタル Casa Mozart )
12月19日(土)  石津 勝男氏(本会副会長) 

 

 


●上野優子さん自主公演についてのフェライン後援依頼。

10月4日(水)14時から王子ホールにて

 フェライン会員のかなり重要な演奏会ですから、フェラインとしても積極的に協力したいと考えます。但し特にチケットのノルマはありません。
ただ、出席できる会員は是非応援頂きたいと考えています。私は出席予定です。 

 (文責:澤田) 

 

 


●6月例会の報告(第349回/6月7日)

♪久元祐子レクチャー・コンサート♪

 テーマ;「モーツァルトの楽譜」を読み解く ピアノとお話し
久元祐子先生(ピアニスト、国立音大准教授) 

 日曜日の午後二時半、久し振りで訪れた、新改装で新たな出発を始めた 中村先生の小ホール、 原宿の「カーサ・モーツァルト」で 、久元先生のレクチャー・コンサートが一年ぶりで開かれた。
 前回は「楽器とモーツァルト」ということで、ワルター・モデルとシュタイン・モデルの違いを奏者のお立場でお話し頂いたが、今回は「楽譜とモーツァルト」というテーマで、実演を交えながら、譜面の全てを読み尽くしておられる奏者のお立場から、先生ならではの貴重なレベルの高いお話しを、丁寧に優しい言葉でお話し下さった。
お話しの前に先生はK.1で知られる「メヌエット」ト長調をサラリとお弾きになった。この曲は、K.16の交響曲第1番などと並んでモーツァルトの神童ぶりを示す名曲であるが、小型のベヒシュタインのピアノの澄んだ音が実に快く響い て、名講義の前奏曲となった。
 話しは、第一部と第二部の休憩後のお話しに分けられて、第一部では楽譜にはいろいろあるというお話しから、自筆譜と初版譜、また原典版と実用版など「モーツァルトの楽譜」について、 奏者の立場からいろいろな事例を交えてお話し頂いた。
 後半の第二部では、K511を例に、音型やアーティッキュレーションから伝わる息遣い、音符の向こうにあるモーツァルトの心模様、ハーモニーから感じる光と影の移ろいについて演奏を交えてお話しくださった。また昨年発見されたK.331(トルコ行進曲付)のソナタの自筆譜の一部についての話題にも言及された。 

 

まず、楽譜と言ってもいろいろあるとのお話しから、先生らしく言葉の定義から始まった。まず、作曲家本人の「自筆譜」、続いてそれを写譜師や身近な人物が浄写した「筆写譜」があり、次いでそれを最初に印刷した「初版譜」があり、そのうち、作曲家本人が存命中に出版されたものは、「オリジナル譜」と呼ぶ。これらをもとにして、研究者たちの見解により「原典版」が作られたり、解釈や奏法を加筆した「実用版」が作られている。モーツァルトの場合は、ピアノ曲の原典版には「ウイーン原典版」と「ベーレンライター版」が有名であるが、後者は「新モーツァルト全集NMA」としても知られている。
 原典版でも、それぞれの版によって異なる音になっていることがあるが、その違いは、どれを第一次資料として扱うかによって生まれる。それらについては、校訂報告などに詳しく書かれている。また「自筆譜」と「初版譜」の音が異なる例をあげてくださった。K457 ハ短調ソナタの第3楽章の一部をお弾きになり、自筆譜では両腕を交差させて広げるのが大変なので、初版譜では1オクターブ狭めている箇所を示された。また、第6番のソナタK284の第3楽章の変奏曲の「初版譜」では、自筆譜にはないフォルテfやピアノpなどの強弱記号が付けられたり、こまかな装飾が付加されており、それぞれを演奏してくださった。さらに、ソナタ第12番K332の第二楽章でも、「初版譜」では、さらにこまやかな装飾音が付加されており、先生が両方を弾き比べて、説明して下さった。初版譜と自筆譜の違いをたどることで、モーツァルトの装飾法について学ぶことができ、演奏上、非常に参考になるということであった。
 「書き直しが一つもない・・・」と言われるモーツァルトの自筆譜であるが、実際には、 大きな訂正のあとがあるものもあり、その例として協奏曲第23番K488の自筆譜に大きなバツ印の入った部分を見せてくださった。当初のアイディアと訂正後の現在の譜面の両方弾いて下さり、モーツァルトの作曲過程の一端を知ることが出来興味深かった。
また、未完で終わっている作品もあり、そのあと、何を続けようとしていたのかわかっていない曲の例として、「幻想曲 ニ短調K397」を挙げられた。現在は、モーツァルト没後にミュラーによって10小節が補筆されるのが、慣例版となっている。今回は、新たに幻想曲ハ短調K475の最後の部分を引用した「久元補作版」をお弾きになった。内田光子のCDでは、K397の冒頭部を引用して結んでいるが、どちらも慣例版よりも実感がこもっているように思われた。
 休憩後は、晩年の名作「ロンドK511」について、楽譜をどう読み解くか、という切り口で演奏を交え、お話しくださった。調性、テンポ、音型、フレーズ、リズムなど様々な要素が、どのように演奏として結実するか、という過程をお話しくださった。またK331の初版譜(オリジナル譜)の演奏が行われ、現在出版されている「原典版」と大きく異なる箇所の比較も行われた。ハンガリーの図書館で昨年自筆譜の一部が発見された経緯についても言及されたが、今後の全容公開を待ちたいと思う。
 先生はこのトルコソナタK331をお弾き下さったが、久し振りで聴くカブリ付きのピアノの快い音を聴いてとても楽しい思いをした。安心して大好きな曲の音だけに集中して浸ることの幸せをしみじみ感じながら聴いていた。どうやら、先生もこのようなサロン風のレクチャー・コンサートでお話しするのは楽しいとおっしゃっておられ嬉しく思った。 

 

アンコールは、祖国ポーランドで「モーツァルトの再来」と称されたショパンの「子犬のワルツ」を弾いて下さったが、勿論、大拍手。そしてモーツァルティアン・フェラインに大きな貢献をされた森治夫さんへの追悼の想いをこめて「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を弾いて下さった。リスト編曲の実に美しく素晴らしい演奏であったが、CDではカツァリスの「モーツァルティアーナ」という名盤で聞くことができるのを思い出したので、附記しておく。
 二次会の中華料理もとても美味しく、和気藹々とした雰囲気で盛り上がった。先生に心から御礼申し上げると共に、とても楽しい例会であったことをご報告して結びとする。

 (以上、文責;倉島 収) 

 

 

 

 

●例会・懇親会 写真コーナー


 今回の懇親会場の中華料理店南国酒家で、趣旨に賛同する有志一同により、 久元祐子先生を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが 出来た。

     なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、 いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。 

  なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の 右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、 下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、 Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから 

 

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