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季刊第99号

季刊「モーツァルテイアン」第99号

 
2016.12.01 モーツァルテイアン・フェライン発行

  


 季刊「モーツァルテイアン」(第98号) (2016年12月1日発行) 


………も く じ……… 

 *宮沢賢治と音楽~彼の作品に流れる音楽性について・・・・・・・・・・・・・・・ 石津勝男

 *映像によるオペラ「偽りの女庭師」K.196の全て -全7組のアップを終えて-・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 倉島 収

 *天国のハルノンクール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 加藤文夫

 *宇野功芳さんを偲ぶ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田中啓介

 *オーケストラの楽器配置について(第19回)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 真部 淳

 *モーツァルト研究、ここに始まる!  オットー・ヤーン『モーツァルト』序文の試訳 解題に代えて(下)・・・・・・・・ 福地勝美

 表表紙: ウィーン・グラーベン通り 「後宮からの逃走」を作曲した家や度々演奏会が開催されたトラットナー・ホーフ(館)があった。(カール・シュッツ 銅版画 1781年)
裏表紙: 「魔笛」の一場面。リブレット第1版より。(イグナーツ・アルベルティ 銅版画)
出典 The British Library Board 1984 (目次の口絵も含め、いずれも石津勝男氏提供) 

 

 宮沢賢治が1924年に聴いたという「ジー調シンフォニー」(モーツァルトの40番ト短調)の演奏者は明らかではない。
しかし後に発売されたR.シュトラウス指揮ベルリン・シュターツカペレのレコード(1927年録音独ポリドール)は入手し聴いていた可能性が高いと思われる。
(写真はSPから復刻されたDGのCD) 本文をご参照下さい。  石津勝男 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エディターより


■モーツァルト没後225年の締めくくりに第99号をお届けします。11月例会は「『魔笛』とフリーメイソンリー」と題した澤田義博会長の興味深い講演がありました。10月例会では当会会員のチェロ奏者、平野玲音さんがこの作品から主題を採ったベートーヴェンの変奏曲などを演奏しました。その中でモーツァルトの末息子フランツ・クサーヴァーが作曲したチェロ・ソナタも取り上げられました。ことしはモーツァルト2世を名乗った末息子の生誕225年にちなむ特別展がザルツブルクで開催されたこともあり、関心を持っていましたが、実際に演奏を聴く機会に恵まれたのは幸運でした。

■特別展の資料を見ると、サリエリやニーメチェクら身近に接した関係者の証言も多数紹介されており興味が尽きません。これを機にモーツァルト2世の音楽をもっと聴いてみたいと思っています。

■いつも滋味あふれるエッセーをお寄せいただいている石津勝男副会長の今回のテーマは宮沢賢治。小学校の時代から親しんだ宮沢作品のルーツを探ろうと、ゆかりの地を直接訪ねた紀行文です。たいへんな音楽好きだったこの作家にモーツァルトとの接点が!このくだりには思わず引き込まれます。図版と併せてお読みください。

■石津さんは「セロ弾きのゴーシュ」との関係にも詳しく触れています。作家はチェロをことのほか愛し、演奏法まで習得しました。愛用の楽器がいかに立派なものかは、ヨーヨー・マが弾いたエピソードでも明らかです。今春出版の「チェロと宮沢賢治」によると、この楽器との橋渡し役を務めたのは詩人、尾崎喜八でした。

■倉島収副会長からはご自身のライブラリーからオペラ「偽りの女庭師」に関する読み物をお寄せいただきました。ここまで映像作品をくまなく収集、それぞれを比較、分析した解説は類を見ないものです。ここで紹介されている一押しの映像作品をいつか鑑賞したいものです。

■加藤文夫さんの「天国のハルノンクール」は、今春亡くなった巨匠追悼の続編。仮想の座談会というユニークな着想に脱帽します。そうそうたる顔ぶれとのやりとりは、一貫してフォローしてきた方でなければ書けない文章です。うなずける言葉が散りばめられています。

■田中啓介さんにお寄せいただいたのは、6月に亡くなった音楽評論家で指揮者としても活躍した宇野功芳氏との「一期一会」を綴る追悼文です。モーツァルトとの関わりについても、濃密な交流の中で語られた楽しいコメントが「肉声」で紹介されています。

■真部先生の連載は勤務先の病院で設立された通称、聖ルカフィルの物語。その演奏活動は院内にとどまらない国際的な広がりを感じさせます。オケが並みのレベルでないことは、世界的に著名な指揮者が飛び入り参加したことにも、うかがえます。思わず拍手、ブラボー!です。

■最後は、本格的なモーツァルト伝の作者と知られるオットー・ヤーンの本書序文訳に取り組む福地勝美さんの論考と試訳後半です。文献学者としてのヤーンの緻密な作業、誠実な姿勢がうかがえますし、資料的な価値も満載です。モーツァルトの末息子フランツ・クサーヴァーがヤーンの労作に多大な貢献をしたことも、この序文を読むと分かります。その中で登場する女性は、10月例会報告で触れた「貴婦人」です。

■表紙の図版と目次の口絵は今回も石津勝男さんにご提供いただきました。厚く御礼申し上げます。もう年の瀬。  良いお年をお迎えください。(2016.11.27山崎博康) 

 

 

 

 

季刊「モーツァルティアン」第100号原稿募集

モーツァルト関係の音楽論、音楽随想、音楽評論など自由

    第100号は季刊4冊分の年刊型になります。

締切目:2017年7月31日  発行予定:2017年11月15日

*原稿は原則ワードファイル(標準設定フォーム)をEメールにてお送り下さい。

*送り先は山崎hyrynx@gmail.com

 *郵送の場合は編集部まで:〒279-0014浦安市明海4-2-5-608  山崎博康方

 

 

 

モーツァルティアン・フェライン新会員募集中 

名誉会長:若松茂生、会長:澤田義博、副会長:石津勝男、倉島収、川口ひろ子

顧問:久元祐子(国立音楽大学准教授)、田辺秀樹(一橋大学名誉教授)

主な活動:季刊「モーツァルティアン」と月報「事務局レター」の発行、月例会の開催

年会費(入会金なし):正会員5,000円、学生会員2,500円、*例会費は別途実費が必要

お問い合わせ:倉島収:04-7191-0500(TEL&FAX)

ホームページ:http://www.geocities.jp/mozartian_vere/ 

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