第374回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年10月22日
 
 

 事務局レター【第 247号】/2017年10月

 【編集者】澤田義博/松永洋一/高橋徹/大野康夫/笠島三枝子 

 

●10月例会(第374回)のお知らせ 

♪江端津也子 ピアノリサイタル♪

日時:2017年10月22日(日) 14:00 開演 (13:30 開場)  
←日曜日です! 開始時間に注意! 


会場: 原宿 カーサ・モーツァルト (JR山手線「原宿」徒歩5分、東京メトロ千代田線「明治神宮前」徒歩2分
ラフォーレ原宿裏東京中央教会前 電話03-3402-1756   

 例会費:¥3500(会員・一般共)「お席に限りがありますのでご予約ください」 

チラシ:その1 


《プログラム》

モーツァルト:なんと美しい音楽(オペラ「魔笛」より)
      グラーフの歌謡主題による8つの変奏曲      ト長調K24
      ソナタ イ短調 K310

ハイドン:アンダンテと変奏 ヘ短調(モーツァルトの想い出に)

クープラン:修道女モニカ     ティク・トク・ショク、またはオリーヴしぼり器

フォーレ:夜想曲 第5番 Op.37
     即興曲 第3番 Op.34
  


 「会員各位」

 会員各位 10月例会「江端 津也子ピアノリサイタル」についてご報告と、お願いです。
10月8日現在、予約者が52名になっており、会場であるカーサ・モーツァルトの定員55名に近づいています。更に、当会及び江端さん側に数名の予約希望者がおられます。
  従いまして、まだ、予約をされていない方が当日いらした場合に、お席の準備ができない可能性があります。どうぞ、御理解の上、ご協力をお願い致します。具体的には、物理的に席を準備できない場合は「立ち見」となります。

  また、リサイタル後の恒例のパーティーについてお願いです。会場のレストランから、1日前までに人数を確定してほしいと言われております。
まだ、パーティー参加の意思を表明されていない方は、10月21日午前中までに高橋まで、必ずご連絡をお願い致します。電話は以下の番号のみでお願い致します。090-4661-7525 

「リサイタルのご予約・お問合せ」
モーツァルティアン・フェライン 090-2223-8101(澤田)  090-1682-3496(松永)  EBATA(TEL/FAX)03-3332-4138 


 ♪江端津也子プロフィール♪

東京都出身。3歳の時母の手ほどきでピアノを始める。第22回日本学生音楽コンクール入賞。
 都立芸術高校音楽科を経て東京藝術大学音楽学部器楽科卒。同大学院音楽研究科ピアノ専攻修了。在学中にヴィーンに学び、国際ゼミコンクール第1位。
 1982年に演奏活動を始め、ポーランド大使館招聘演奏など、ソロ、室内楽、伴奏の活動を行い、後進の指導にも力を注いでいる。
モーツァルト生誕250年の2006年のモーツァルトピアノソナタ全曲を完奏。モーツァルト作品、近代フランス作品の演奏を数多く手がけ度々演奏会で取り上げている。
ピアノを安川加壽子、奥村洋子、河村昭三の各氏に、室内楽をアンリエット・-ピュイグ=ロジェ女史に師事。
 現在、日本演奏連盟、日本フォーレ協会、日本ピアノ教育連盟、 モーツァルティアン・フェライン会員。

 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。

 

 


 
●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです) 

  11月18日(土) 伊藤綾氏

  12月23日(土) 西川尚生氏

   1月20日(土)  新年会

   2月17日(土) 黒岩 悠氏♪ピアノリサイタル♪ (場所:代官山教会チャーチ・ホール) 

 

 


●第373回例会報告(2017年9月23日)

 演題:「モーツァルトのパストラーレ -シーンとしての田園、シンボルとしての田園- 」
お話:池上健一郎氏

 1.西欧における田園のイメージ
 ローマ時代、詩人ヴェルギリウスの「牧歌」において、後世理想郷の代名詞となったアルカディアの世界観が歌われた。ルネサンス時代になると、サンナザーロの詩集「アルカディア」(1504年)、タッソ「アミンタ」(1573年)、クアリーニ「忠実な牧人」(1590年)などで、田園は盛んに取り上げられるようになった。
 絵画においても、ティツイアーノは「田園の楽奏」 (1510-1511)が描いている。文芸における田園のシンボリズムは、快適な自然に宿った人間本来の姿を描くことで、田園を人間との対比、都市との対比において捉えようとするものであった。

 

2.バロック時代に確立した牧歌的情景と音楽の「型」
  パストラーレPastoraleは牧歌的な性格を持つ音楽を指し、シチリアーノSicilianoとともにバロック時代に発達した。緩やかなテンポ(アンダンテ、ラルゴ)、6/8拍子(または12/8拍子)、簡潔な旋律とリズムで作曲された。
フルートとホルンを中心とした木管楽器が使用され、保続低音(ドローン)を持つ特徴があった。 シチリアーノは、シチリア島出身のスカルラッティが確立したリズムパターンと言われている。 

3.シーンとしての田園
  モーツァルトが19歳の時に作曲したセレタータ『牧人の王』(1775) を取り上げる。 台本はメタスタージョで、モーツァルトはグリエルミの作曲したオペラの上演をミュンヘンで観たことで曲想を得たと言われる。
  第1幕第3場:アミンタのアリア<親愛なる川よ、僕には聞こえるよ>は6/8拍子・ハ長調で作曲され、典型的なパストラーレ/シチリアーノと言える。アレグロのアリアから宮廷舞曲であるメヌエットに移行し、牧人の暮らしと為政者の暮らしを対比させている。
  続くアレッサンドロのアリアではトランペットとティンパニーを使用し、大きな自然を歌っている。 

 

  4.シンボルとしての田園
  後半生でモーツァルトが、より複雑な田園の解釈を行うようになった例として、『フィガロの結婚』(1786年)を取り上げる。牧歌的風景(ロクス・アモエヌス)のなかに、喜び・幸せ・平穏そして悲嘆をも含む心情を、音楽の「型」であるパストラーレ/シチリアーナを用いて描き出している。
  第4幕第1場:カヴァティーナ<失くしちゃった、困ったわ>は6/8拍子・ヘ短調で作曲されている。短調のパストラーレと言うと希であるイメージがあるが、ヘンデルは短調のシチリアーノを書いている。第4幕の庭の場面は、人工的な田園と言えるだろう。
  第4幕第9場:スザンナのアリア<早く来て、喜びの一瞬よ> は、6/8拍子・ヘ長調で書かれ、典型的なパストラーレ/シチリアーノであるが、夜の庭で歌う常春の楽園世界を意味する「偽りの」パストラーレである。ボーマルシェの台本にはこの場面にスザンナの台詞は無かったが、ダ・ポンテとモーツァルトが挿入した。
  貴族には田園はある意味で精神的逃避の場であったが、市民社会になると田園世界(パストラーレ)は失われ、ロマン派以降は幻世界として描かれるようになっていった。
  第4幕フィナーレ:フィガロとスザンナの最後のアリア<仲直りをしよう、愛する人よ> は6/8拍子・変ロ長調で書かれており、フィガロとスザンナの愛の喜び、すなわち「真の」パストラーレとして歌われている。
  ハイドンは全て長調でパストラーレを作曲しており、モーツァルトとハイドンは異なったパストラーレの認識を持っていたと考えられる。 (以上)

    (文責:松永 洋一) 

 

 

 

 

●例会・懇親会 写真コーナー

 今回の懇親会場は「アルカディア市ヶ谷」2階・フランス料理店「フォッセ」。趣旨に賛同する有志一同で、講師の池上健一郎氏を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

 

第373回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年9月23日
 
 

 事務局レター【第246号】/2017年9月

 【編集者】澤田義博/松永洋一/高橋徹/大野康夫/笠島三枝子/山田健二  

 

●9月例会(第373回)のお知らせ 

演題:「モーツァルトのパストラーレ」  お話:池上 健一郎氏

 日時:2017年9月23日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場: ルーテル市ヶ谷センター 第一会議室 〒162-0842  東京都新宿区市谷砂土原町1-1  TEL 03-3260-8621   

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――― お話:池上 健一郎氏

シーンとしての田園、シンボルとしての田園 
ヨーロッパの文芸において、牧歌は古代ギリシア・ローマ時代から連綿と続く重要なジャンルの一つです。そこでは、小川がせせらぎ、小鳥が歌い、森がさざめく常春の中、牧人たちが音楽を奏でながら自然と共に暮らす、慎ましくも清らかな世界が描かれてきました。こうしたアルカディア的な田園世界は、ルネサンス時代以来、音楽の題材としても多くの作曲家によって繰り返し取り上げられ、次第に「パストラーレ」の名で総称される定型的な書法が確立されてゆきます。
モーツァルトは、オペラ作曲家としてこうした伝統的な書法を早い段階から自家薬籠中の物にし、場面(シーン)を演出するためばかりでなく、ドラマの展開や登場人物の感情の象徴(シンボル)としても巧みに用いています。様々な局面で召喚される田園のイメージとそのドラマ上の意味について、映像を交えながらお話ししようと思います。《牧人の王》(1775年)と《フィガロの結婚》(1786年)を主に取り上げる予定です。 

 「池上 健一郎(いけがみ けんいちろう)
1978年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部史学科日本史学専攻および同哲学科美学美術史学専攻卒業。同大学院文学研究科で修士号(音楽学)を取得後、ドイツのヴュルツブルク大学音楽研究所に留学し、ウルリヒ・コンラート教授に師事。ハイドンとその時代のシチリアーノ作品に関する研究で哲学博士号(Dr.phil.)取得。専門は、18~19世紀のドイツ音楽。特に、ハイドンおよびブルックナーの作品とその文化的背景について重点的に研究している。現在、京都市立芸術大学音楽学部専任講師。」 

 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:17時15分から「アルカディア市ヶ谷」2階・フランス料理店「フォッセ」

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

10月22日(日) 江端津也子氏 「ピアノ・リサイタル」 カーサモーツァルト
 チラシ:その1 

11月18日(土) 伊藤綾氏

12月23日(土) 西川尚生氏

  1月20日(土) 新年会

 

 


♪新年会のお知らせ♪

 ◇モーツァルティアン・フェライン新年会出演者募集

  ◎日時     2018年1月20日(土)
  ◎募集内容  お話・・・20分程度    演奏・・・5分~8分
  ◎条件     モーツァルトに限る
   新人の方大歓迎!   例会出席率良好の方優先です

 ◎締切     2017年11月25日(土)
  ◎お問合せ
    高橋 徹  メール takat2*siren.ocn.ne.jp(スパムメール対策です。*を@にかえてください)  TEL:090(4661)7525 

 

 


♪ 7月例会報告(第372回 2017/7/15) ♪

演題「イドメネオ」の過去と現在
お話:加藤浩子氏

 1. はじめに

「イドメネオ」K.366は以前はあまり評価されていなかったが、最近は高く評価されるようになった。その一因としてピリオド楽器の人気の高まりや演出の多様化がある。本日は作曲の経過、演奏・演出の変遷というテーマで話を進める。 

2. 作曲の経過

1780~1781年(24~25歳)。題材はギリシャ神話の「イドメネウス」伝説で、直接の下敷きになったのはフランス人カンプラが作曲したオペラ「イドメネオ」。パリからザルツブルグに戻り悶々としていた時に、マンハイムからミュンヘンに移っていたバイエルン選帝侯カール・テオドールから依頼されて書いた。台本はザルツブルク在住のイタリア人神父ヴァレスコ。作曲の完成はミュンヘンに移動してからで、台本の手直しは父を介して進行した。もとは悲劇だが、イタリア語によるオペラセリアの依頼なので、結末はハッピーエンドに変えられた。曲については初演の直前にカットされたものもあり、決定稿といえるものがない。生前にスコアの出版はなく、このことが本作の認知を遅らせた面がある。 

 

 

3. 演奏、演出の変遷

 本格的復活は20世紀後半から。1978年に批判校訂版が成立するまでにいろいろなヴァージョンが存在した。
1982年、アーノンクールとポネルによるチューリッヒ歌劇場でのプロダクションがその後メトロポリタンでも上演され定番となった。(第3幕のエレットラのアリアなど幾つかのアリアが削られている。)

視聴 モーツァルトが好きだった第3幕の4重唱(グラインドボーン音楽祭)

 視聴 第2幕のフィナーレの3重唱。管楽器を多用し、ドラマティックに仕上げている。(メトロポリタン)

その後初演版が一つの流れとなり、ピリオド楽器での上演も増加した。
2008年にアーノンクールが指揮したものは、フランス的であることにこだわり、楽器の響きを意識したり、最後のバレエは多数のダンサーが白い衣装をまとい、大団円で終わる形式とした。一般の上演ではしばしばドラマティックソプラノが歌うエレットラは、リリカルなコロラトゥーラソプラノが担当した。

2009年ヤーコプス指揮、ミキエレット演出のものは、ピリオド色の強い演奏と現代風の演出で話題を呼んだ。時は湾岸戦争でイリアはイダマンテの子供を妊娠しており超音波で胎児を映す。エレットラは最後は木が倒れるように死んでいく。最後に子供が生まれるのは、作品のテーマである世代交代の体現。ヤーコプスはモーツァルト・オペラの上演においてエポックメーキングな演奏を常に行ってきた。彼はイドメネオをモーツァルトのオペラの最大傑作と評価している。  

 

 

YouTubeで視聴

2009年のエクサンプロヴァンス音楽祭における、ミンコフスキ指揮、ピイ演出も話題を呼んだ。エレットラが自殺する演出だったが評判はあまり良くなかった。
イダマンテ役は、初演ではカストラートが歌ったが、現在ではメッゾ・ソプラノが歌うのが一般的である。だが最近のバロック・オペラやモーツァルトのオペラ・セリアでは、カストラートの役をカウンターテノールが歌うこともよくある。2014年のロイヤルオペラにおける公演は、初めてカストラートがイダマンテを歌ったことも話題になった。

 視聴 シュターデの独唱で、第3幕最初のイリアのアリア。(メトロポリタン) 

             (文責 山田健二) 

 

 

 

●例会・懇親会 写真コーナー

 今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、趣旨に賛同する有志一同で、講師の加藤浩子氏を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、楽しく質疑・応答、懇親が行われた。 懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

 

 

 

 

    

 

 



 

 

第372回 モーツァルティアン・フェライン例会 2017年7月15日
 
 

 事務局レター【第245号】/2017年7月

 【編集者】澤田義博/松永洋一/大野康夫/山崎博康/笠島三枝子  

 

●7月例会(第372回)のお知らせ 

演題:「イドメネオ」の過去と現在  お話:加藤浩子氏

 日時:2017年7月15日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


オペラ・セリア(正歌劇)という古典的なジャンルであることもあって、モーツァルトの傑作オペラのなかでは上演に恵まれない時期が長かった《イドメネオ》。
しかし近年は、モーツァルトの若き日の傑作としてゆるぎない評価を得ており、演奏も、アーノンクールなどをきっかけに、さまざまなアプローチが試みられるようになってきました。
 今回は《イドメネオ》について、作品の背景、過去と現在の演奏の変化などについてご紹介してゆきたいと考えています。

 

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)


 8月  お休み

9月23日(土) 池上健一郎氏「ルーテル市ヶ谷・第一会議室」

10月22日(日) 江端津也子氏 ピアノ・リサイタル「カーサ・モーツァルト」
チラシ:その1

11月18日(土) 伊藤綾氏 

 

 

 
  6月例会報告(第371回 2017/6/24) 

 演題「医学からみた、モーツァルトの才能、病と死をめぐる謎」
お話:松永洋一氏

 モーツァルトの死にまつわるミステリーは、音楽史上最大級の謎とされてきた。今月の例会では、疑われるモーツァルトの病気と死因をまとめるとともに、作品を視聴したい。
 父レオポルドの教育方針は、息子をヨーロッパの音楽中心地へと連れて行き、人前に立たせて才能を知らしめる一方で、現場で最先端の音楽に触れさせるという方法であったため、モーツァルトは旅行三昧の少年期を送り、人生の三分の一近くを旅行に費やした。父の目論み通りに、演奏旅行と舞台経験が少年期のモーツァルトの音楽的才能を開花させたことは明白だが、幼少期の旅による過度の疲労と緊張感、伝染病の罹患が成長障害と成人後の体調不良の原因にもなったとも考えられる。 
 

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