第250回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年6月25日

  
 事務局レター【第125号】/2006年6月

 【編集者】倉島 収/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●6月例会(第250回)のお知らせ 

 ピアノ・コンチェルト/弾きどころ、聴きどころ   お話…久元 祐子氏(ピアニスト)

 日時:2006年6月25日(日)午後2時

 会場:荻窪 かん芸館(JR「荻窪」南口下車・徒歩7分)

 例会費:¥3000(会員・一般共)

【かん芸館案内図】


 

今年の久元先生のプログラムは、ピアノコンチェルトというとてもうれしいプログラムです。先生からのメッセージをご紹介します。


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自身、ピアニストであったモーツァルトにとってピアノ協奏曲は、特別のジャンルだったように思えます。ピアノ協奏曲というジャンルは、モーツァルト以前からありましたが、モーツァルトは、それまでのピアノ協奏曲にはない新たな魅力を取り入れた作曲家と言えるでしょう。

 即興ピアニストとしての姿、催眠術師のような作曲技法の技、そのときどきの心象風景と作品の関係などをピアノ協奏曲の中から、探ってみたいと思います。

そして、ピアノ弾きの立場と視点から、ピアノ協奏曲の名曲の聞き所、弾きどころなどを、裏話などもまじえながら、弾かせていただきたいと思っております。

 【プログラム】

・モーツァルト:フランスの歌曲「ああ、お母さん、聞いて下さい」による12の変奏曲 ハ長調 KV265(300e)
・モーツァルト:ピアノ協奏曲 変ホ長調 KV271
・モーツァルト:ピアノ協奏曲 ニ短調 KV466
 「  休  憩 」 
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 KV309 第3楽章
・モーツァルト:ピアノ協奏曲 イ長調 KV488
・モーツァルト:ピアノ協奏曲 ニ長調 KV537 「戴冠式」

 

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アフターコンサートの懇親会も予定しております。もちろん先生も参加されますので、大勢のお越しをお待ちしております。(F) 

 

●今後の例会のご案内

  7月 9日  安田 和信氏(国立音楽大学非常勤講師)
  8月     ――― 夏休み ―――
 9月10日  倉島 収(本会副会長)(他の講師の都合で変更があるかも)
  10月15日 青柳 省三(本会会員)(他の講師の都合で変更があるかも)
  11月12日 (交渉中で未定)
  12月3日  若松 茂生(本会会長)
  
 

●5月例会の報告(第249回/5月14日)

 「リンツ交響曲 vs プラハ交響曲」―― 時間的制約と作曲手法の違いとの関係について ――   江端 伸昭(作曲家)


モーツァルトはいつでも、超スピードで曲を書き上げる事ができました。しかし、いつも彼がそのように曲を書いていたわけではなく、けっこう時間をかけて作ったものも多いという事は、皆様よくご存知の通りです、ということでお話が始まった。

いきなり、先生の言うように声を出す発声練習が始まった。リンツ交響曲第1楽章の第1主題のメロデイラインとベースラインが何とか歌えたら、左右2組に分かれて合唱してみる。そして左右を入れ替えてやってみる。どうやら、このように2組ですぐ歌えるような簡潔な組み立ての主題になっているので、速書きする場合には、繰り返しや引き延ばしもやり易くなると言うことのようである。

プラハ交響曲の第1楽章のほうは、アレグロの第1主題の仕組みがずっと複雑なので、即席の合唱お楽しみをやるのはもっと大変だ、という説明があった。

リンツ交響曲は、1783年10月31日の父宛の手紙において、「11月4日にこの劇場で音楽会を開くつもりです。僕はいま一曲の交響曲も手元に持ち合わせていないため、その日までに仕上げなければならない新しい交響曲を、大急ぎで書いています。」と書かれている。
10月30日にリンツの伯爵邸に到着し、さっそく演奏会を開くことになり、伯爵から交響曲の演奏を所望された後の手紙であり、本来なら手紙を書く時間も惜しい状態の筈であった。手元に何もないところから短時間で書けたことが、時間的な制約のなかったプラハ交響曲と比較するとよく分かってくるという。

 二つの交響曲の第一楽章はいずれも、序奏のついたソナタ形式で書かれている。小節数を対比すると、「リンツ」の第一楽章は、序奏19小節とソナタ形式部268小節(提示部103、展開部40、再現部125)である。一方、「プラハ」は、序奏36小節とソナタ形式部266小節(106、65、95)となっており、ソナタ形式部分の全体小節数はほとんど変わっていない。

しかし、冒頭の発声練習で分かるとおり、「リンツ」では第一主題のベースラインとメロデイラインが単純ではっきりしており、これらを基本として、繰り返しを上手に入れたり、主題の一部を楽器間で入れ替えをしたり、といった単純なやり方で変化を付けながら小節数を稼いでいくことができる。その手法が、作曲者の目にはよく見えるようだ。また、普通は歌謡的な第二主題が現れるのにそれがほとんどなく、提示部の中のメロディアスなものがしぼられている。

 「プラハ」の提示部のほうは、手の込んだ第一主題に続いてとても対位法的な扱いがあり、メロディーラインとベースライン間で入れ替えをするなどしたあとで、はっきりと区別された歌謡的な第二主題が現れる。これで十二分に気分転換してから、ふたたび対位法的なものが出てくる。このように、作りが手の込んだものになっている。

 展開部は、通常は提示部の60-70%の小節数であって、「プラハ」では65/106=約60%であるが、「リンツ」では40/103=約40%と、かなり短い。これも複雑なことをせずにさっと通り過ぎるように書いている現れで、手を抜かないで速書きするときのやり方と言える。

そして再現部では、「リンツ」は型通りの再現部でこれに展開部で用いた旋律をコーダにして長さを伸ばしている。「プラハ」の場合は、まず展開部が複雑で独創的な手法を使った長いものになっていて、そのため、再現部は提示部に比べるとかなりの変化が見られ、圧縮されて密度の濃い内容になっている。

マッケラスの新しいCDで「リンツ」と「プラハ」の第一楽章を、先生の踊るような体と手足の動きで聴きながら、先生のおっしゃる「リンツ」の歌謡的な第一主題に基づく単純で明快な作りと、同じようなソナタ形式でも「プラハ」の複雑で密度の高い対位法的な作りを聞き分けたが、残念ながら、楽譜も余り頭に入っていないわれわれには、お話がやや抽象的過ぎて、「リンツ」の方が同じパターンや繰り返しが多く、聞き易く覚えやすい程度にしか、正直なところ理解できなかった。

 「リンツ」の第二楽章の一部をCDで聴いたあと、ずっと複雑な作りの「プラハ」第二楽章はピアノで全部弾いて、左右の二つのラインを対照させながら、主題を左右で交代させたり、左右で変化させて弾き分けながら、構造的な作りのあり方をピアノで実証していただいた。

フィナーレについては、「リンツ」のは416小節で「プラハ」の350小節よりも長いが、「リンツ」の第四楽章のほうは流れるように軽快に進行し、第一楽章と同様の工夫の他に、速書きに向いているシンコペーションを取り入れたり、第二主題では分散和音を使って変化させたりして小節数を稼ぐようなことが行われているようだ。

これに対して「プラハ」の第三楽章は、小節数は「リンツ」より少ないが、内容はもっと複雑に凝縮されて出来ており、特に、通常は提示部とだいたい同じである再現部においても、展開部のようにいろいろ変化させて凝縮させているというお話であった。

なお、「プラハ」の自筆譜の用紙の研究から、第三楽章が一・ニ楽章よりも早く作曲されたようで、パリ交響曲のフィナーレの取り替え用に書き始めたという説もあるくらいである。

オペラの場合について、モーツアルトの作曲のやり方は、全体のプランを立ててから、二重唱や三重唱などアンサンブルの楽曲や、各幕のフィナーレを先に書いていくのが通常のようだ。これも自筆譜の用紙の研究から分かってきているとのこと。その理由は、複数の歌手が登場する曲はお互いのアンサンブルの妙に重点がおかれるので、一人一人の歌手の特性を細部までつかんでいなくても書き進められるからである。ソロのアリアは、初演のときの歌手が決まって本人に会って声域や得意とする表現を確かめてから、それを最大限に発揮させるように書く、というのが通常の手順であった。そして、序曲は一番最後に書いた。

 例えば、「ドン・ジョバンニ」の場合は、マゼットの歌手にプラハで初めて会ったので、マゼットのアリアが最後に書かれ、一番最後に序曲が、オペラの中で出て来るものも使って編集するような形でまとめ上げられたようだ。

 終わりに、会員からの質問で、リンツ交響曲について、ド・サン=フォアのいうように交響曲構想がザルツを発つ前に既にあって書き下ろすばかりになっていたとか、ハ短調ミサ曲の未作曲の素材が頭にあってそれが一挙に爆発したのではないかという説に対しては、先生は作曲家のお立場からこれらを明確に否定されていた。

リンツとプラハの二つの交響曲は、同じ人でも作り方がこうも違うという典型であり、どのような点にそのことがハッキリ現れているのか、そして私たちが実際にCDなどで聴き取る事ができるのかということが大切であるが、熱心な先生の解説や特にピアノを弾きながらお話してくれたにも拘わらず、説明の言葉(対位法のことなど)の意味が分からなかったり、話のレベルが高かったりして、上記の程度のまとめにしかならなかった。お詫びいたします。(O.K) 

 


●情報コーナー

 コンサート情報

★6/29(木)19:00/かつしかシンフォニーヒルズ/久元祐子P講座モーツァルト・生涯と作品第1回/\2800リリオH03-5680-3333
 ★7/2(日)19:15/東京芸術劇場03-5985-1707/有田正広flと東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ/M:FLとハープのための協奏曲、FL協奏曲1番、FLと管弦楽のためのロンドK373他 長沢眞澄hp/\3000~1500
 ★7/5(水)19:00/JTアートH03-5572-4945/M:Pと管楽器のための5重奏曲他/宮本文昭ob、松本和将他/\3000
 ★7/7(金)19:00/東京芸術劇場/M:交響曲35番、FL協奏曲1番、レクイエム/三石精一指揮、ユニーバーサル・フィル、国光智子S、池田香織Ms、小貫岩夫T、黒田博Br/\5000~1000ユニフィル03-3766-0876

オペラ情報

★沼沢竜典&TMP「コシ・ファン・トゥッテ」(演奏会形式)、7/8(日)18:00、三鷹芸術文化C0422-47-5122

CD情報(外盤価格は新宿タワー又は渋谷HMV:違いはわずか) ★こちらからどうぞ(Y)


 

 


●写真紹介

  今回は写真撮影係と講師レポート係が一人で担当したため、難解な話についメモ取りに夢中になってしまい、肝心の講師の写真を撮り忘れるという醜態を演じてしまいました。ここに講師の写真を提供できなかったことを、謹んでお詫び申し上げます。フェラインも例会実施に若い協力者の参加が増えなければ、現体制に問題が出てきましたことを、ご報告しておきます。

  講師の江端先生のお話の後に、「会員タイム」の時間になり、イタリア・モーツアルト協会東京支部事務局長の斉藤正氏が、生誕250周年を記念してイ協会本部に、写真の会員の上野さんが書かれた絵を贈呈することになったことを紹介している様子です。これに答えて、上野さんから絵の説明がありました。

 


  以下の写真はいつもの通りの講師を囲んでの二次会の写真ですが、残念ながらデジカメの電池が切れて、上手く写りませんでした。ごめんなさい。

第249回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年5月14日

  
 事務局レター【第124号】/2006年5月

 【編集者】石津 勝男/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子  bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●5月例会(第249回)のお知らせ 

「リンツ交響曲 vs プラハ交響曲」時間的制約と作曲手法の違いとの関係について   お話…江端 伸昭氏(作曲家)

 日時:2006年5月14日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

今月は昨年に引き続き、江端先生をお招きしました。先生からのメッセージをご紹介します。


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モーツァルトはいつでも、超スピードで曲を書き上げる事ができました。しかし、いつも彼がそのように曲を書いていたわけではなく、けっこう時間をかけ て丁寧に作ったものも多い、という事は、皆様よくご存知の通りです。問題は、それで何が違ってくるかです。

 今回は、モーツァルトが急遽作曲した事がハッキリしている「リンツ交響曲」を例にとります。どのような点にそのことがハッキリ現れているのか、私たちが実際に聴き取る事ができるということが大切です。これと比べるのに最適なものは「プラハ交響曲」です。

こちらが、いかに念入りな構想のもとにゆっくり書き上げられたかは、作曲年代の違いだけからは説明できないことです。オペラの場合などはまた事情が違ってきますが、そのことについてもいくつか例をとって説明したいと思います。できるだけピアノで実際に弾きながら話すようにします。おまけのお楽しみ演奏も予定しています。


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どのようにして曲が出来上がっていくのか、作曲家という視点から興味深いお話を聞かせていただけることと思います。例会後は先生を囲んだ恒例の懇親会へも、どうぞお出かけください。(F) 

 懇親会場:ステージY2(渋谷区神宮前1-13-12 TEL:3478-1031)

 

●今後の例会のご案内

  6月25日 久元 祐子氏(ピアニスト)
  7月 9日 安田 和信氏(国立音楽大学非常勤講師)
  8月     ――― 夏休み ―――

以下年内は、9月10日、10月15日、11月12日、12月10日 の予定です。
  
 

●4月例会の報告(第248回/4月9日)

レーオポルト・モーツァルトとマルシャン姉弟   福地 勝美(本会会員)

 

 第1部「レーオポルト・モーツァルトとマルシャン姉弟」

メイナード・ソロモン著「モーツァルト」(石井宏訳、新書館・1999年)は、単なる伝記ではなく、今まで知られている資料を深く読み込み、思いがけない推理を展開させるなど、画期的な評伝である。福地氏はこの書の中で、特にレーオポルトとマルシャン姉弟との関係に興味を持たれ、検証した結果をお話しいただいた。

 1781年、レーオポルトは「イドメネオ」の初演を観るためミュンヘンに滞在した後、ザルツブルクへの帰途の際、劇場支配人の息子ハインリヒ・マルシャンを連れ帰りヴァイオリンを教え、そして一年後はその姉マルガレーテも連れ帰り、歌手として育てた。更にその翌年には舞踏家G・プロヒャルトの八歳の娘ヨハンナも連れ帰り、3人目の弟子にしたという。

このレーオポルトの計画は、偉大な音楽家として育て上げた息子を失い、もう一度始めから実験をやり直そうとしたものと思われる。自分の訓練と指導があれば、再び天才が出現するということを見せてやろうという気概があった。それと同時に、息子が去ったあとの自分の心の空白を埋めようという思いもあった。3人の内弟子は、1784年9月にはミュンヘンへ戻されたが、その後もレーオポルトは、この子らの将来を父のような目で見つめている。

 1785年レーオポルトはハインリヒを伴いウィーンへ行くが、ブルク劇場での2回のコンサートは失敗し、彼の夢は挫かれてしまう。その後、レーオポルトはナンネルの息子、つまり孫を預かり、その夢の実現を試みようとするが、1787年彼自身の死によって夢は途絶する。

 以上がソロモンの仮説であるが、福地氏の評価は、大変ドラマチックで興味深いのだが、物語の展開がかなり恣意的で、もっとはっきりした資料の裏付けが必要ではないかというものだった。


 第2部「モーツァルトに関するイロイロ」

 (1)K488と「ナポリの六」
ピアノ協奏曲第23番K488の第2楽章において「ナポリの六」を使うことによって音がきれいに明るくなる。(第2楽章の9小節目の第1音、「♯ソ」が「ソ」になっている部分)ナポリ楽派が多用していた手法だが、モーツァルトもそれをここで使う意図で作曲したのではないか。会員の岩島さんが実際に弾いて下さり、その効果を確かめることが出来た。

 

 

 (2)レヴィン版「ハ短調ミサ K427」
 欠落していた「アニュス・デイ」に、カンタータ「悔悟するダヴィデ」の第8曲、ソプラノアリアを転用。新録音のリリンク盤で聴くと、大変よく収まっている印象を受け、画期的な補作であるように思えた。

 (3)フリーメイソン異聞
モーツァルト時代にその入会金や年会費はいくらぐらいであったか?という、今まで誰も調べたことのない件について、あるWebサイトで入会金は50F(フローリン)、年会費は12Fという情報を見た。1F=1万円とすれば、それぞれ50万円、12万円とかなり高額である。しかしはっきりした典拠は、明らかではない。

 (4)モーツァルトと落語
 福地氏の得意とする落語から「百年目」の一節を披露。笑いの中の悲哀、音楽の中のペーソス、モーツァルトに通じるものがあるのではないか。

 (5)音楽書紹介
 「モーツァルト」西川尚生著(音楽之友社、2005年)について。最新の研究成果が盛り込まれており、特にジャンル別作品一覧には、コンラートとアイゼン(新ケッヘル目録の編集委員)のデータが入っており大変重宝である。ただし「ジュノム」のいわれについては、ヴィンセント・ノヴェロの娘ヴィクトアールが結婚してヴィクトアール・『ジュナミ』となったものだというNYタイムズの新聞記事が一人歩きしてしまったものが、そのまま採用されている。これについては実証されておらず、きちんとした根拠がないのに引用するのはどうだろうかというのが福地氏の疑問であった。

 福地勝美さんは某都市銀行を早期退職後、更に向学心に燃えて成城大学大学院に入学され、西洋音楽史を研究中とのこと。ホームページを拝見しても、音楽落語のほか、絵画や現代詩にも造詣が深く、これからも色々な角度からのお話をして頂きたいと思った。(I) 

 


●情報コーナー

 コンサート情報

★5/17(水)19:00/東京オペラシティH/M:アダージョとアレグロK594、「魔笛」ハイライト、セレナード12番他/アンサンブル・ヴィーン=ベルリン/\5000カジモト・イープラス03-5749-9960
 ★5/18(木)19:00/四谷区民H/パウル・バドゥラ=スコダPリサイタル/M:幻想曲K475、PソナタK457、シューベルト:13のワルツ他/\5000新宿文化C03-3350-1141
 ★5/20(土)18:00/東京芸術劇場\8000~2000東響044-520-1511、5/21(日)ミューザ川崎シンフォニーH\7000~40000東響044-520-1511/M:オーボエ協ハ長調、ファゴット協、クラリネット協、ホルン協4番、フルート協1番/大友直人指揮、東響、アンサンブル・ヴィーン=ベルリン
★5/20(土)19:00/武蔵野市民文化(小)0422-54-2011/モーツァルト歌曲の夕べ/M:すみれ、夕べの想い、クローエに他/澤畑恵美S、林美智子Ms、黒田博Br、野間春美P、海老沢敏(お話)/\3000
 ★5/22(月)19:00/武蔵野市民文化0422-54-2011/M:交響曲39番~41番/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、ユベール・スダーン指揮/\6000~5000
 ★5/24(水)19:00/サントリーH/M:交響曲31番、36番、38番、V協奏曲5番/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、ユベール・スダーン指揮、川畠成道V/\13000~5000日本交響楽協会03-5721-4621
 ★5/25(木)19:00/王子H03-3567-9990/M:弦楽四重奏曲15番、17番、19番/ヴィーン弦楽四重奏団/\6000
 ★5/29(月)19:00/東京オペラシティH/N響モーツァルトコンサート/フルートとハープのための協奏響、P協24番、交響曲29番/飯森範親指揮、佐久間由美子Fl、吉野直子Hp、清水和音P/\8000~2000学・25歳以下割有、N響ガイド03-3465-1780
 ★6/2(金)19:00/東京芸術劇場/ハイドン:旧交響曲37番(序奏部のみモーツァルト)、M:P協奏曲20番、コンサートアリアK294、新交響曲37番/東京ニューシティ管、内藤彰指揮、小林亜矢乃P、白木あいS、/\6000~3000東京ニューシティ管03-5933-3222
 ★6/11(土)14:00/横浜みなとみらいH/I・ヘブラーPリサイタル/M:きらきら星変奏曲、アダージョK540、ソナタK331、K457、幻想曲K475/\6500~4500神奈川芸術協会045-453-5080
 ★6/16(金)19:00/サントリーH/アンネ・ゾフィー・ムターVリサイタル/M:ソナタ32、41、35、28、40番/\15000~5000学3000ジャパン・アーツ03-5237-7711
 ★6/18(日)14:00/二期会会館/オペラ講座:見てくれのばか娘、ツァイーデ、音楽のサイコロ遊び/青島広志(Pお話)、泉千賀S、鈴木准T、田辺とおるBr/\4000二期会チケットC03-3796-1831
 ★6/18(日)14:00/浜離宮朝日(小)/レクチャー・コンサート:アヴェ・マリアK554、ミャオーミャオーK626、どうしてあなたを忘れられようK505/柏原奈穂、高橋輝美、宮本益光他、お話-田辺秀樹、高橋英郎/\4000モーツァルト劇場03-3338-3773
 ★6/21(水)18:45/東京文化(小)/日本モーツァルト協会(03-5467-0626)例会/M:K307、K579、K391他/小泉恵子S、花岡千春P/\4500学2000
 ★6/24(土)18:00/サントリーH/I・ヘブラーPリサイタル/M:「美しきフランサワーズ」による12の変奏曲、K331、K457、幻想曲K475/\7000~3000カジモト・イープラス

オペラ情報

★オペラ実験工房「イドメネーオ」、グリーンH相模大野、5/26(金)、5/28(日)、チケットMove042-742-9999
 ★メトロポリタンオペラ「ドン・ジョヴァンニ」、東京文化、6/20(火)、6/23(金)、ジャパン・アーツ03-5237-7711
 ★プラハ室内歌劇場「フィガロの結婚」、6/13(火)/かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233、6/20(火)/なかのZERO/プロアルテムジケ03-3943-6677、6/24(土)/所沢ミューズ04-2998-7777
 ★プラハ室内歌劇場「魔笛」、6/14(水)/かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233、6/17(土)/鎌倉芸術館0467-48-4500、6/19(月)/オーチャードH/プロアルテムジケ03-3943-6677

CD情報(外盤価格は新宿タワー又は渋谷HMV:違いはわずか) ★こちらからどうぞ(Y)

 

 

 

 

第248回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年4月9日

  
 事務局レター【第123号】/2006年4月

 【編集者】倉島 収/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

●4月例会(第248回)のお知らせ 

「レーオポルト・モーツァルトとマルシャン姉弟」   お話…福地 勝美氏(本会会員)

 日時:2006年4月9日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

今月は会員の福地さんのお話です。

 今回初登場の福地さんですが、昨年1月の会員参加例会でのお話が大評判。是非もっと時間を取ってたっぷりと、の声に快くお引き受けくださいました。福地さんからのメッセージです。


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天才の名をほしいままにしているモーツァルトですが 当時、その呼称に異を唱える人物が2人おりました。1人は、だれあろう、当のモーツァルト本人。

 彼は、自分ほど勉強と研鑚に励んでいる者はいない、と語っています。そして、他の1人が、父レーオポルトです。

メーナード・ソロモンは、著書の中でモーツァルトを作り出したのは自らの教育の成果と考えたレーオポルトは、モーツァルトがウィーンに移住した後、第二、第三のモーツァルトを作ろうとの計画を実行しようとした。

それが不調とみるや、次にはナンネルの息子、つまり孫をそれにしようと図ったが、その計画は、彼が病死したことで途絶した、と述べています。

このソロモンの見解を検証し、あわせて別の解釈を模索してみたいと思います。

 以上を1時間くらいで、CDを聴いたりして説明した後、残った時間でR・レヴィンによる《ハ短調ミサ曲》の最新改訂版のスコア・CDや、最新原書のご紹介などをしたいと思っています。 


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例会後は恒例の懇親会がございます。どうぞお出かけください。(F) 

 懇親会場:ステージY2(渋谷区神宮前1-13-12 TEL:3478-1031)

 

●今後の例会のご案内

  5月14日 江端 伸昭氏(作曲家)
  6月25日 久元 祐子氏(ピアニスト)
  7月 9日 安田 和信氏(国立音楽大学非常勤講師)
  8月     ――― 夏休み ―――

以下年内は、9月10日、10月15日、11月12日、12月10日 の予定です。
  
 

●3月例会の報告(第247回/3月12日)

 「コシ・ファン・トゥッテ」の魅力   田辺 秀樹(一橋大学教授)
 

1.『コシ』は、ひょっとすると私のもっとも好きなモーツァルト・オペラなのかなあという 気がしますという言葉でお話が始まった。聴くたびに、見るたびに、いろいろ思うところがあり、感銘をあらたにするオペラですとおっしゃる。以下は、メモと記憶を頼りにした、沢山のお話の中の一部である。

2.最近見たオペラについて
最近のコンヴィッチユニーの「魔笛」は、演出が過激であったと言う評価であるが、彼はいつも新しい方向性を打ち出しており、内容的に考えさせられる演出である。むしろ、昨年8月のザルツブルグ音楽祭でみたヴィック演出の「魔笛」は、ザラストロが独裁者で住民を支配する疲れ果てた管理社会を意味し、怖い母親を持つ閉じこもり青年のタミーノがザラストロの世界に引きずられていくといったポリシーの演出で、過激な印象を得た。

 最近の「魔笛」では、ザラストロの世界を、昼の世界=近代的社会=管理社会、女王の世界を、夜の世界=古い社会=人間的社会、というように解釈するのが流行のようだ。コンヴィッチユニーの「ドン・カルロ」などは、過激ではあったが、彼なりの筋を通した演出であった。

 「コシ」については、一昨年の8月にザルツブルグ音楽祭で見ているが、ヘルマン夫妻の新しい現代的な演出で、姉妹が相手の変装を見破っていて、逆に恋愛ゲームを楽しんでいるというタイプの演出であった。

ヘレン・ドナートというヴェテラン歌手がデスピーナを演じ、姉妹を上手く操る「トゲのある女」(女盛りを過ぎた脇役の年増が若い女性を妬んでチクリと刺すこと、フィガロのマルチェリーナもこのタイプである。)を演じていた。この演出は、昨年8月のザルツブルグ音楽祭でも同じように行われていた。

3.「コシ」についてのさまざまな側面や背景など
「コシ」については、高校時代にオペラアワーでオープンリールに収録したものを、レコーダーで繰り返し聴いたものである。メロデイが馴染むにつれて音としての美しさを知り、アンサンブルの素晴らしいオペラと感じてきた。初めて舞台を見たのは大学時代で日生劇場であったが、内容はあまり覚えていない。

 「コシ」の初演は1790年1月22日であるが、父の手紙がなくなった時代であり、89年の後半あたりの資料が全くない。この時代の手紙といえば、プフベルグに宛てた借金の依頼の手紙とバーデンにいたコンスタンツエへの手紙だけである。

プフベルグ宛の手紙で、ハイドンとプフベルグを呼んで「コシ」のプローベ(恐らくピアノによる試演会)を行ったようであるが、ハイドンを呼んだことは彼の自信作であること、プフベルグを呼んだのは音楽の分かる人であったこと(彼に献呈した三重奏曲を考えると)などを推測できる。

コンスタンツエへの手紙は、バーデンでの彼女に貞節を説くものが含まれており、自分にとっては他人事で済まされないテーマであった。モーツアルトのオペラは、作曲時の自分の問題とオペラのストーリーとが微妙に重なることが多い(初期のバステイアンから、「後宮」、「ドン」など)ので、手紙に残された妻の不貞の問題が作曲者本人には特に重要であったかも知れない。

 「コシ」のストーリーは、1790年頃のナポリでの出来事であり、彼が少年時代に1ヶ月ものんびりと観光や音楽で明け暮れた楽しい地であって、それが音楽の背景にある。「波よ、穏やかに」と願うアンダンテは、ナポリ湾の海を描いていたであろうし、姉妹の燃えるようなハートは、ヴェスヴィオ火山のように燃え上がっていたに違いない。私はナポリの海を思わせる演出でなければ、「コシ」の本当の良さを味わえないと思う。

 「コシ」の姉妹といえば、モーツアルトの頭の中にあるアロイジアとコンスタンツエの姉妹像と重なるものがあろう。モーツアルトは1781年5月16日の手紙で、アロイジアはやはり僕にとって無関心でいられない存在だと書いており、夫のランゲが嫉妬深く監視しているので、有り難いとしている。

ウイーン時代においても彼女に未練を残した証拠に、劇場支配人のヘルツ夫人(ハートのある役)を、パントパイムではコロンビーナの役を、「ドン」のウイーン初演では、ドンナ・アンナの役を与えているし、アロイジアとコンサートに出演したりしている。

 最近の「コシ」の演出の傾向としては、ハッピーエンドで元のさやに収まる演出ではなく、白けて収まらない演出やケンカ別れに終わるものがある。これから見るポネルの演出(アーノンクール・ウイーンフイル)も、ハッピーエンドではなかった。

また、当初のフィオルデリージとグリエルモ、ドラベッラとフェランドのF-G、D-Fのカップルよりも、ロマンチストで夢見がちなF-Fと、道化的で軽率・剽軽なD-Gのカップルの方が本来お似合いであるという解釈もある。当初から相応しくないカップルが遊び心で試験をしたところ、遊びの方に真実があったという皮肉な結果に終わる話である。

モーツアルトのいろいろなカップルの二重唱では、フォーマルな男女の組み合わせよりも、インフォーマルな男女の組み合わせの方の二重唱(例えばオスミンとブロンテ、パミーナとパパゲーノ、ドンとツエルリーナなど)の方が、概して面白いことが多いようだ。

 


4.終わりに、最近出版されたアニー・パラデイ著の「魔法のオペラ」(白水社4200円)が面白いという話があり、幾つかの例を紹介された。また、DVDで再販されたポネル演出の「コシ」(3150円は安い)から上記の話の部分などを抽出して見せていただいた。

 最後に「酒席ピアニスト」としてウイーンの名曲を楽しませていただいた。毎年聴くたびに上達なさっているようなので、先生のこれからが楽しみである。先生のピアノに興奮したか、思わぬ飛び入りが入った。

5.講演後の「会員タイム」で梶浦さんから18世紀のピアノ演奏用燭台のお話があり、2本のローソクによる譜面の明るさで、ピアノが弾けるかどうかの実験が岩島さんのピアノで行われた。ローソクは初めは意外に暗く感じたが、慣れるにつれ見える感じであった。

 


※この様子はホームページの掲載付写真(フラッシュあり、なし)の通りであり、珍しい実験であった。(K)

 


●情報コーナー

 コンサート情報

★4/14(金)19:00/東京芸術劇場/M:VnとVaの協奏交響曲、交響曲39番、35番/バルシャイ指揮、読売日響、長原幸太Vn、鈴木康浩Va/\8000~2000読売日響03-3562-1550
 ★アンドレイ・ピサレフ-モーツァルトPリサイタル/横浜みなとみらいH/4/16(日)13:30-ソナタ8番、10番、11番/4/19(水)13:30-ソナタ12番、13番、幻想曲K475及び14番/4/21(金)13:30-ソナタK533、K494、15番~17番/1回券\3800、セット券\9900神奈川芸術協会045-453-5080
 ★堀米ゆず子V&児玉桃PモーツァルトVソナタの夕べ/4/20(木)19:00、浜離宮朝日H03-3267-9990、\5000/4/22(土)18:00、フィリアH045-982-9999、\5000~4000/M:ソナタ43番、24番、33番、34番
★4/22(土)18:00/紀尾井H/M:交響曲32番、41番、P協奏曲23番/金聖響指揮、東京フィル、久元祐子P/\5500~4500プロアルテムジケ03-3943-6677
 ★4/24(月)19:00/サントリーH/1786年のモーツァルト・コンサート/M:交響曲36番、「フィガロの結婚」より、P協奏曲21番より/磯山雅(お話)、大山平一郎指揮、フェスティバル・オケ、野平一郎P、高橋薫子S、宮本益光Br/\5000~2000日本演奏連盟03-3437-6837
 ★4/25(火)19:15/かなっくH(JR東神奈川駅前)/M:ミサ・ソレムニスK337他/牧野成史指揮とお話、石原千歳S、小関奈々Ms、坂本貴輝T、井口和彦Br、栗島和子オルガン、横浜モーツァルト・アカデミー、バッハ・アカデミー管弦楽団/\2800アカデミー事務局04-2922-8429
 ★4/27(木)18:45/東京文化(小)/日本モーツァルト協会例会第2夜/M:PソナタK310、K570他/\4500学2000日本モーツァルト協会03-5467-0626
 ★5/2(火)19:00/東京オペラシティリサイタルH/四手のためのPソナタ演奏会/M:K19d、K357、K521他/宇川真美、揚原祥子/\4000学3000、043-290-2684
 ★5/7(日)14:00/紀尾井H/マタイを歌う会演奏会/M:レクイエム、ダヴィテの悔悟/辻秀幸指揮、東京バッハ・カンタータ・アンサンブル、佐竹由美S、松井亜希S、小川明子A、望月哲也T、田代和久Bs/\2500広瀬03-5486-9139
 ★A・シュタイアー(フォルテ・ピアノ)プロジェクト/トッパンH03-5840-2222/5/9(火)19:00、M:交響曲33番、P協奏曲9番、ハイドン:P協奏曲ニ長調、寺神戸亮指揮&V、\6500学3500、セット券(5/11共\10000)/5/11(木)19:00、M:K282、幻想曲K475他、\5500学2500
 ★5/11(木)19:00/紀尾井H/M:幻想曲K397、Pソナタ11番他/深沢亮子P/\5000新演奏家協会03-3561-5012
 ★5/14(日)14:00/東京文化/B・ヘンドリックスわが心のモーツァルト/「魔笛」序曲、イドメネオより、交響曲40番他/川本統脩指揮、東京ニューシティ管/\12000~8000学3000MIN‐ON、03-3226-9999(H)

オペラ情報

★東京二期会オペラ「皇帝ティトの慈悲」(ベーレンライター版)、4/20(木)18:30、4/21(金)18:30、4/22(土)15:00、4/23(日)14:00、新国立劇場、二期会チケットセンター03-3796-1837

 ★★「熱狂の日」音楽祭2006 モーツァルトと仲間たち/5/3(水)~6(土)、東京国際フォーラム/4/29(土)~5/6(土)丸の内・周辺エリア/東京国際フォーラム03-5221-9100 、http://www.t-i-forum.co.jp

CD情報(外盤価格は新宿タワー又は渋谷HMV:違いはわずか) ★こちらからどうぞ(Y)

 

第247回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年3月12日

  
 事務局レター【第122号】/2006年3月

 【編集者】石津 勝男/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

●3月例会(第247回)のお知らせ 

「コシ・ファン・トゥッテ」の魅力  お話…田辺 秀樹氏(一橋大学教授)

 日時:2006年3月12日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

田辺先生のオペラシリーズ講演も6回目になりました。今回は先生自ら一番好きかもと知れないとおっしゃる「コシ」が登場します。先生からのメッセージをご覧ください。


  ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


昨年はモーツァルトの名作オペラの(5)として『ドン・ジョヴァンニ』を取り上げました。6回目の今年は、順番で『コシ・ファン・トゥッテ』ということになります。

 『コシ』は、ひょっとすると私のもっとも好きなモーツァルト・オペラなのかなあという気がします。聴くたびに、見るたびに、いろいろ思うところがあり、感銘をあらたにするオペラです。近年いろいろな『コシ』を舞台やヴィデオで見て、思ったこと、感じたことなどを、ヴィデオ等でご紹介しながら、私がなぜ『コシ』が好きなのか、考えながらお話ししてみたいと思います。

 後半では、また例によって、顰蹙をかえりみず、「酒席ピアニスト」としての怪しい活動の一端を披露させていただこうかとも考えております。 


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例会終了後の懇親会へもどうぞお出かけください。(F) 

 懇親会場:ステージY2(渋谷区神宮前1-13-12 TEL:3478-1031)

 

●今後の例会のご案内

  4月 9日 福地 勝美氏(本会会員)
  5月14日 江端 伸昭氏(作曲家)
  6月25日 久元 祐子氏(ピアニスト)
  7月 9日 安田 和信氏(国立音楽大学非常勤講師)

  
 

●2月例会の報告(第246回/2006年2月12日)

モーツァルトとソナタ形式(その3)     三澤 寿喜氏(北海道教育大学教授)
 

 三澤先生によるソナタ形式シリーズの第3回として「協奏曲におけるソナタ形式」についてお話し頂きましたが、その要旨をお伝えします。


 古典派のソロ・コンチェルトの楽章形式は、急-緩-急、第1楽章(協奏ソナタ形式)第2楽章(歌謡形式)第3楽章(ロンド形式、時にソナタ形式)で、モーツァルトの協奏曲を楽器別に見ると、ピアノが27(内初期の4曲は他人の編曲)、ヴァイオリンが5、ホルンが4、フルートが2で、他はオーボエ、クラリネット、ファゴットなどほとんど1曲ずつである。

◎第1楽章の協奏ソナタ形式
 (1)第1提示部におけるソロ楽器の処理・・・ヴァイオリンではオーケストラの第1ヴァイオリンと重複、ピアノでは通奏低音(左手は弦の低音と重複、右手は和音でアナライズ)

 (2)A:第2提示部の第1主題の提示で初めて登場といった型が一般的だが、それを装飾、変形して提示する例もある(ピアノ協奏曲9、10、14、27番)。
   B:第1提示部と第2提示部の間について、ヴァイオリン協奏曲第5番の第1楽章を例に取ると、本当の主題が出てくるのは第2提示部だが、その5小節前のアダージョ部分で、独奏ヴァイオリンが早くも登場してくる。
   C:冒頭でソロ楽器が登場してくる例として、ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」の第1楽章を聴くが、冒頭からすぐに独奏ピアノが主題に関わるという開始の仕方は、モーツァルトの協奏曲では初めてで、類似したものはベートーヴェンまで待たなければならない。

 (3)カデンツ、通常は楽章の終始部分・・・多くはモーツァルトによってカデンツ例が残されている。いくつかの作品ではそれ以外の場所でも。[例]第2提示部の前:ピアノ協奏曲22番。展開部の終り:ヴァイオリン協奏曲3番、ピアノ協奏曲12番、13番

 (4)主題について・・・ピアノ協奏曲では多主題型が多い。26番は主題が4つある。

◎モーツァルト以降の協奏曲について
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番から3番までは、基本的にモーツァルト型で、第2提示部への導入として独奏楽器が登場してくるが、第4、5番(皇帝)で新しい工夫が見られるようになった。[例]ソロ楽器で開始:ピアノ協奏曲4番、5番、終始以外のカデンツ:5番(冒頭、展開部と再現部の間、終始)、カデンツの固定化:5番、楽章連結:4番、5番(第2から3楽章)

さらにメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲では、全楽章(第1から3楽章)が連結されている。また、当時の演奏会では、器楽曲や協奏曲の各楽章を別々にして、その間に声楽を挟んだり、雑多な型が多かったが、次第に交響曲や協奏曲など、それぞれ単独の型で演奏されるようになっていった。


 三澤先生のお話は、譜面を見たりピアノで実際に音を聞かせて頂いたりしながら進行するので、私達アマチュアにとっても大変分かりやすく、とても勉強になりました。(I)

 


●情報コーナー

 コンサート情報

★3/15(水)18:45/東京文化(小)/日本モーツァルト協会例会03-5467-0626/M、ハイドン:弦楽4重奏曲4番「狩」~6番「不協和音」/古典四重奏団/\4500学2000
 ★3/22(水)19:00/大田区民Hアプリコ/混声合唱団コール・ミレニアム定期/M:「魔笛」ハイライト、レクイエム/小松一彦指揮、フィルハーモニックアンサンブル/\3000団コール・ミレニアム事務局03-5932-4012
 ★3/26(日)15:30/オーチャードH/フィガロの結婚序曲、P協奏曲20番、交響曲41番/G・ビヒラー指揮、N響,P・ドゥヴァイヨンP/\7500~3000Bunkamura03-3477-9999
 ★4/1(土)18:30/東京芸大奏楽堂/バッハ:カンタータBWV104、M:ヴェスペレ他/佐藤功太郎指揮、アンサンブル・アルス・ノヴァ、鈴木美登里S、小川明子A、鈴木進T、池田直樹Br、草間美也子Og/\3000矢野03-3928-0892
 ★4/4(火)18:45/東京文化(小)/日本モーツァルト協会例会03-5467-0626/モーツァルトと周辺作曲家の鍵盤音楽/小倉喜久子Fp、司会安田和信
★4/6(木)19:00/東京芸術劇場/M:セレナード6番、交響曲25番、41番/宇宿允人指揮、フロイデフィル/\7000~4000学2000東京芸術協会03-3333-7278
 ★狂言風オペラ「フィガロの結婚」、3/25(土)19:00、東京オペラシティH、茂山千之丞、茂山あきら、茂山宗彦、ドイツ・カンマーフィル・ブレーメン、\8000~5000メリットコーポレーション0426-79-1357(「狂言風」ということでコンサート情報に掲載しました)(H)

CD情報(外盤価格は新宿タワー又は渋谷HMV:違いはわずか) ★こちらからどうぞ(Y)


 

●新年度会費納入のお願い

来月より新年度となりますので、同封の振込用紙による会費納入をよろしくお願い致します。(一般会員は¥5000、家族会員は¥6000になります。募集内容の詳細はホームページトップから「入会案内」をご覧ください。)

 同時に、ご自分のK番号(会員番号)を変更したい方、また、昨年4月以降に会員になられた方で、まだK番号の登録を済ませていない方の希望を受け付けます。

 新年度の会費を振り込まれる際に、同封の振込用紙の『通信欄』に希望曲名とK番号を記入してください。変更を希望される方は「旧:K492から、新:K620へ変更」のようにお書きくださると助かります。振込みの締切りは5月末日としますが、変更希望の方はなるべく早めの手続きをお願いします。

 会員のK番号は決して強制ではありませんので、必要のない方は通信欄に「K番号不要」とお書きください。また、どちらとも意思表示のない方は、事務局が適宜ほかの人と重複しない曲目(K番号)を選定させていただきます。もちろん従来通りでよい方は記入の必要はありません。

 今年度の会員名簿の発行が遅れご迷惑をおかけしております。今年はなるべく早い発行を心がけますので、何卒ご協力をよろしくお願い申し上げます。その他、ご意見ご希望などございましたら、振込用紙の通信欄にお書きください。よろしくお願い致しします。(F)

第246回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年2月12日

  
 事務局レター【第121号】/2006年2月

 【編集者】栗田 久暉/塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

●2月例会(第246回)のお知らせ 

 モーツァルトと「ソナタ形式」その3(協奏曲のソナタ形式)

 日時:2006年2月12日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

今月は三澤先生によるソナタ形式シリーズの3回目になります。先生からのメッセージをご紹介します。


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過去2回にわたって「幼少期の作品におけるソナタ形式」と、「1768年から1772年までの交響曲におけるソナタ形式」を検証し、モーツァルトがソナタ形式(特に展開部の動機労作)に素早く習熟していく過程を観察しました。

 今回は「協奏曲におけるソナタ形式(=協奏ソナタ形式)」を検証します。

 「協奏ソナタ形式」の構造は基本的には交響曲、ピアノ・ソナタ、弦楽四重奏曲などにおけるソナタ形式と同一ですが、部分的にそれらとは異なる独特の形式構造を持っています。モーツァルトの協奏曲の第1楽章のほとんどは典型的な「協奏ソナタ形式」に拠っていますので、まずは、そのような具体的例をいくつか鑑賞し、理解を深めます。

ところで、モーツァルトの協奏曲のほとんどは、自ら独奏部分を演奏するために作られた「ピアノ協奏曲」です。しかし、独奏協奏曲の歴史においては、鍵盤楽器を独奏楽器とする協奏曲は他の弦楽器や管楽器を独奏楽器とする協奏曲より、はるかに遅れて誕生したものでした。そこで、今回は話を少し敷衍して、バロック時代における独奏協奏曲の起こりとその形式、鍵盤楽器を独奏楽器とする協奏曲の起源にも触れてみたいと思います。

また、モーツァルト以降の「協奏ソナタ形式」についても検証します。ベートーヴェンは音楽上の多くの点において「改革者」でしたが、「協奏ソナタ形式」においても斬新な改革を敢行しています。後の作曲家達に多大な影響を与えたベートーヴェンの改革の具体例も併せて検証してみます。

 前回は話が細部に入り込みすぎましたので、今回は分かりやすい話を心掛けます。


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例会終了後は懇親会へもどうぞお出かけください。(F) 

 懇親会場:ステージY2(渋谷区神宮前1-13-12 TEL:3478-1031)

 

●今後の例会のご案内

  3月12日 田辺 秀樹氏(一橋大学教授)
  4月 9日 福地 勝美氏(本会会員)
  5月14日 江端 伸昭氏(作曲家)
  6月25日 久元 祐子氏(ピアニスト)
  7月 9日 安田 和信氏(杏林大学講師)

  
 

●1月例会の報告(第245回/2006年1月15日)

 第5回会員有志による参加型例会
 

 本年はモーツァルト生誕250年に当たり、これを記念した例会となった。カーサ・モーツァルトでの今回の会員有志による会合では、メインの出席者総数17名による演奏会。

 


①まず最初は舩木元氏によるK503(ピアノ協第20番)のフンメルが編曲した珍しいCD。同氏はあまり特徴がないというご意見であったが、中々ユニークな作品。但しいささか一癖ある編曲のようにも思えた。

②塚本正人氏。モーツァルトからベートーベンへというタイトル。ベートーベンの曲にはモーツァルトの影響が非常に多いとされ、K379等をCDとVTRを使用された。

 


③田中進氏。児玉ゆかりさんのピアノに併せてK196(愛の女庭師)とK492(フィガロの"もう飛ぶまいぞ")のパートを登場人物の仮面をつけられ、ユーモラスなしぐさで素晴らしいバリトンを歌われ、一同大笑いの拍手喝采。

 


④端直明氏。同氏のアルト・リコーダーとチェロを次女の船田佳子さんのピアノ伴奏に併せてクラリネット五重奏の一部を演奏。中々珍しい編曲演奏と感じた。

 


⑤真部親子によるヴァイオリン・ソナタは、K454の第3楽章の一部であった。同親子の出演は数回目なるも、何とも微笑ましい音楽親子の家庭的合奏風景。お父上の淳氏ピアノとご子息・洋君のヴァイオリンには心が豊かになりました。

 


⑥礒山秀子さんのピアノ協第20番第2楽章の一パートをピアノ独奏で、引き続きK339をヘ長調に移調されたものをご自身のピアノ伴奏に併せてソプラノで歌われ、他にK492のパートを数ヶ所、同様に古田佳子さんの飛び入りに併せて一緒に歌われたのも印象的であった。

 


⑦菅原徹男氏。同氏がご出版された「息子アマデウス」(文芸社)の出版体験を「父から見たモーツァルト・音楽と人間の声」としてご紹介された。

⑧宮崎宇史氏によるモーツァルト歳時記として(1)元旦の空から(17)冬の深夜までとされ、K167、K451、K137、K238、K17、K453、K143、K543、K595、K385、K335-1、K203、K503、K136、K459、K488、K243、K138、K605、K299の夫々の一部を何れもフェイド・インにて次の曲に、という専門家そこ負けの趣向を凝らした中々興味深い内容。

 


⑨谷口真氏。私の至福の瞬間(モーツァルトのオペラ・ブッファ)と題したヴィデオが雪の為に山形の自宅へ届かず、それに変えてK136の第二楽章及びK165の第二楽章の導入部を御披露下さった。

⑩船矢久樹氏。K516の第四楽章のパートをご自身の編曲でピアノ演奏。"これは自分としては涙なしでは聴けない心奥深い名曲"と話され、実に見事なゆったりとした演奏振りに筆者自身もジーンとしてしまった。

 


⑪ここでは、河原奈美さんのピアノとご主人の大田哲弘氏のフルートに合わせて古田佳子さんのソプラノ、小滝博氏のバリトンで"ドン・ジョヴァンニ・アラカルト"というより主なるパートをメドレーにて御披露。大田氏の明るい澄み切った金管フルートと河原さんのピアノの響きはなんともいえない、最高のミュージック・セラピー。生涯忘れ得ぬ名曲会のひとときであった。

 


⑫最後に出席者全員でモーツァルトのK618(Ave Verum Corpus)を礒山秀子さんのピアノ伴奏にて"祝!モーツァルト誕生日"として合唱。

 今回は、演奏者諸氏のヴァラエティに富んだ大熱演にて一同興奮のウズに巻き込まれ、万雷の拍手にて無事終了。あとは恒例のパーティと相成った次第。(H.K)

第245回 モーツァルティアン・フェライン例会 2006年1月15日

  
 事務局レター【第120号】/2006年1月

 【編集者】塙 雅夫/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp(スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

●1月例会(第245回)のお知らせ 

第5回 会員有志による参加型例会(生誕250年記念例会)

 日時:2006年1月15日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

あけましておめでとうございます。会員参加例会も、好評の内に回を重ねて5回になります。この日のために練習された演奏やお話に、どうぞ盛大な拍手をお送りください。

 以下、出演者のプログラムですが、順不同です。出演順ではありませんので、ご注意ください。

 【演奏】
●大田哲弘、河原奈美、小滝博、古田佳子/ドン・ジョヴァンニ・ダイジェスト
●田中進/愛の女庭師より(伴奏:児玉ゆかり)
●船矢久樹/贈向田邦子さん~K516(第4楽章をピアノに自分で編曲)
●端直明/K229・K581(アルトリコーダーとチェロ、伴奏:船田佳子)
●礒山秀子/そよ風の二重唱(歌とオケ(P)を1人で演じます)
●真部淳・洋/ヴァイオリンソナタK454より第3楽章

 【お話】
●塚本正人/モーツァルトからベートーヴェン
●舩木元/フンメル編曲によるピアノ協奏曲25番
●萱原徹男/私の出版体験(父から見たモーツァルト、音楽と人間の声)
●谷口眞/イタリア人狂言師とモーツアルトのブッファ
●宮崎宇史/モーツァルト歳時記

 【おまけ】全員で合唱/祝!誕生日「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(ピアノ伴奏:礒山秀子)
 【司会進行】石津勝男、倉島収

 例会終了後は懇親会へもどうぞお出かけください。(F) 

 懇親会場:ステージY2(渋谷区神宮前1-13-12 TEL:3478-1031)

 

●今後の例会のご案内

  2月12日 三澤 寿喜氏(北海道教育大教授)
  3月12日 田辺 秀樹氏(一橋大学教授)
  4月 9日 福地 勝美氏(本会会員)
  5月--日 江端 伸昭氏(作曲家)
  6月25日 久元 祐子氏(ピアニスト)
  7月 9日 安田 和信氏(杏林大学講師)

  
 

●12月例会の報告(第244回/2005年12月11日)

 「悔悟するダヴィデ」とその周辺       お話…牧野 成史氏(横浜モーツァルトアカデミー主宰)
 

お話は『・・・その周辺』の演題の通り、ダヴィデと同時期に書かれた名曲、ピアノ協奏曲 K466を聞いて始まった。

 


 K466の完成が1785年2月10日で初演が翌日の11日。続くピアノ協奏曲 K467の完成がわずか1ヵ月後の3月9日で初演が翌日の10日。そしてその合間を縫うようにして、ダヴィデのための新曲のアリア2曲が書き下ろされている。(第6番が3月6日、第8番が3月11日)

わずかの間でこれらの傑作を作り上げたモーツァルトの天才性には心底驚かざるを得ないと牧野先生はおっしゃる。またこれより少し後の「フリーメイスンの喜び K471」を取り上げ、ダヴィデから晩年の名曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」までキリスト教の宗教曲が書かれていない事を指摘。

 

コロレド大司教に疎まれ未完成のハ短調ミサを演奏した翌日、逃げるようにザルツブルクを出たモーツァルトの宗教心を埋めるのに最適な機関がフリーメイスンだったのではないか。

モーツァルトのメイスン入会は前年の12月で、入会間もないモーツァルトの頭の中はフリーメイスンのことで一杯だったのではないだろうか。「喜び」と題されたK471はその気持ちがよく表れた秀曲だと思う。

ダヴィデについてアインシュタインは「ハ短調ミサの単なる編曲」と酷評しているがそれはまったく違う。モーツァルトは未完のハ短調ミサに満足していなかったはずである。

だからこそダヴィデの話があった時に、これは完成させるチャンスだと思ったに違いなく、ウィーンの名歌手、名演奏家のために新曲を書き下ろし、全体の構成を見直して教会の典礼用ではない純然たる演奏会用の作品を作り上げたのだ。

 新曲を歌ったソプラノは『後宮』の初代コンスタンツェのカヴァリエリ、テノールは同じく初代ベルモンテのアダムベルガー、さらに新曲のみクラリネットが追加されていることからもそのことが推測できる。

またアタッカ(曲間を続けて演奏する方法)による第6番と第7番、第8番と第9番のそれぞれの部分だけを聞いても、多忙な中でここまで完璧に旧作と新作を繋げたモーツァルトの天才性に改めて感嘆せざるを得ない。 

もちろんハ短調ミサのエト・インカルナトスは名曲中の名曲であるけれども、それを省いてまで完成させたダヴィデにモーツァルトはきっと満足していたはずだと思う。

 

 


 最後に2005年10月1日の横浜モーツァルトアカデミー演奏会でのライブ録音を聞いてお話は終了したが、生誕250年を控えたザルツブルクから帰ってきたばかりの先生の当地でのこぼれ話など話題は盛り沢山だった。(F)

 

 

 

 

 

 

 

 


 


●情報コーナー

 コンサート情報

★1/20(金)19:00/東京文化(小)/テレマン協会定期/M:チェンバロ協奏曲K107-1~3他/中野振一郎cm、コレギウム・ムジクム・テレマン/\3500、学1500、高校生以下・65歳以上1000日本テレマン協会0120-332-869
 ★1/21(土)16:00さいたま芸術劇場(048-858-5511)\6000~5000学2000、1/22(日)15:00大田区民H(03-5744-1600)\5000~3000 22才以下1000/N響モーツァルト生誕記念/M:セレナード12番、P協奏曲25番、交響曲40番/田部京子p、司、柴辻純子
★1/25(水)19:00/サントリー/モーツァルト生誕記念/M:2台のPのための協奏曲K365他/C・アルミンク指揮、新日本フィル、グレールhp、吉野直子fl、ツォン&菊池洋子p、山田晃子vn、コセva/\9000~4000カジモト・イープラス03-5740-9960
 ★1/27(金)19:15/三鷹芸術文化(0422-47-5122)/沼尻竜典&トウキョウ・モーツァルト・プレーヤーズ/M:2台のPのための協奏曲K365、コンサートアリア、交響曲36番他/田部京子P、飯田みち代S/\3500学1800
 ★1/27(金)19:00/浜離宮朝日(03-3267-9990)/オーケストラ・リベラ・クラシカ定期/M:フィガロの結婚序曲、セレナード7番、踊れ喜べ汝幸いなる魂よ/鈴木秀美指揮、若松夏美vn、鈴木美登利s/\6000~5000学1500
 ★1/27(金)18:45/東京文化(小)/モーツァルト協会(03-5467-0626)/M:K20、19a、22、23、299他/アンサンブル・アマデウス・メトロポリタン、小林恵子S、佐久間由美子fl、吉野直子hp、東京クラシカルシンガーズ他/\4500学2000
 ★1/27(金)19:00/東京オペラシティ/寺田悦子 渡辺規久雄デュオ・コンサート/M=ブゾーニ:魔笛序曲、2台のPのためのソナタK448他/\6000~3000ジャパン・アーツぴあ03-5237-7711
 ★1/27(金)19:00/自由学園朝日館/M:すみれ、Vソナタ ホ短調、2台のクラヴィーアのためのフーガ ハ短調他/伊藤深雪、小倉喜久子、崎川晶子、筒井一貴、山名敏之、渡辺順生 (以上fp)、松堂久美恵S、桐山建志vn/\3500梅岡03-3952-9099
 ★1/29(日)15:00/浜離宮朝日(03-3267-9990)/オーケストラ・リベラ・クラシカ定期/M:FL協奏曲ト長調、交響曲35番他/鈴木秀美指揮、有田正広fl/\6000~5000学1500
 ★2/3(金)19:00、2/4(土)15:00/NHK/M:交響曲34番、ミサ曲ハ単調/ブロムシュテット指揮、N響/\8150~1500学1500N響ガイド03-3465-1780
 ★2/4(土)14:00、みなとみらい、\6000~3000学1000、2/5(日)14:00、小田原市民会館、\4000~2000学割有/M:アヴェ・ヴェルム・コルプス、レクイエム他/H・Mシュナイト指揮、神奈川フィル、沢田恵美S、竹本節子Ms、近藤政伸T、黒木純Bs、神奈川フィル合唱団/神奈川フィル045-331-6699
 ★2/7(火)19:00/浜離宮朝日(03-3267-9990)/M:ソナタK533+K494、小さなジーグK574他/三輪郁P/\4000学2500(H)

オペラ情報

★プラハ国立劇場オペラスタヴォフスケー劇場「フィガロの結婚」1/17(火)18:30、府中の森芸術劇場、チケットふちゅう042-333-9999、1/21(土)17:00、オーチャードH、コンツェルト・ハウス・ジャパン03-3538-8188、 「ドン・ジョヴァンニ」1/18(水)、1/20(金)18:30、オーチャードH、コンツェルト・ハウス・ジャパン03-3538-8188、1/22(日)17:30、茅ヶ崎市民文化、茅ヶ崎楽友協会0467-82-3744
 ★新国立劇場「魔笛」1/21(土)15:00、22(日)14:00、24(火)18:30、28(土)15:00、29(日)14:00「コジ・ファン・トゥッテ」2/4(土)17:00、2/6(月)18:30、2/9(木)18:30、2/11(土・祝)15:00新国立劇場03-5352-9999(H)

CD情報(外盤価格は新宿タワー又は渋谷HMV:違いはわずか) ★こちらからどうぞ(Y)


 

●若松会長より新年の挨拶

 年 年 歳 歳

 「年年歳歳花相似たり」ということばがあるが、グレン・ロックの自然は「相似たり」でありながら年年歳歳新しい。年年歳歳毎週近くのウラヤマ歩きを二時間。同じ山道を歩きながら「相似た」景色でありながら、行く度に新しい感動を与えてくれる。同じことのくり返しがこれ程新鮮である土地に住んでいることを幸せに思っている。

 2005年10月7日に還暦を迎えた。還暦はお目出度い年だと勘違いしていた。男の厄年である。小事はあったが大事に至らず無事年が越せそうである。これは目出度い。

その日はアップルパイとミルクティのおやつ。あいにく外は霧雨で緑の芝生の上で食べられないのが残念だが、サクッとした皮のあつあつアップルパイに舌鼓を打つ。何回食べてもうまい。春先に作って密かに冷凍していたものだそうで、予想外のアップルパイである。夕食は特別に部厚いビーフステーキ。それに赤ワインという豪華版。一年に1回か2回だけ食べるステーキは口惜しいがおいしかった。

しかし、負け惜しみのようだがもう5年以上続けている野菜中心の食生活が長くなるとステーキの魅力もだんだん薄れていくような気がする。丸ごとトマトの乗ったシソスパゲッティの方がどうも僕達の性にあっている。

 寝る前にバスタブにお湯をためてゆっくりとつかっていると電話。バスルームに持ってきてくれた受話器に耳を当てると、孫の2歳になったばかりの耕一君の声で「ハッピーバースディおじいちゃん」というたどたどしいお祝いの言葉が聞こえてきた。

 続いて4歳間近の文ちゃんが「ハッピーバースディ」の歌を全部上手に歌ってくれた。還暦のおじいちゃんにはうれしい贈り物である。最後にまた耕一君のたどたどしい「ハッピーバースディおじいちゃん」でしめくくられた。かくて記念すべき日が終った。

この60年、20歳の時に初めてモーツァルトを聴き始め、モーツァルティアンになった。30歳の時三鷹に一家を構えた。

 40歳の時初めての海外勤務となりカナダのトロントに転勤し、2年半後にニューヨークに転勤、グレン・ロックに住み始めた。50歳の時はスイスのチューリッヒに駐在していて、本格的にアルプスの山歩きをはじめた。55歳の時に畑仕事をはじめ、その年の秋に退職。

その翌年2001年9月11日の世界貿易センタービルの惨事に遭遇、2003年8月14日にはニューヨーク大停電でマンハッタンを右往左往して道路で寝ることを覚悟した。そのあと9月19日のハリケーンでは裏庭の大木が倒れ、大変なことになった。アルプスの山道のように細く曲がりくねった危なっかしい道を歩いてきて還暦を迎えた。やれやれ。

 年年歳歳毎日モーツァルトを聴いてきて、モーツァルトは人の心を爽やかにし人の命を豊かにする音楽であることを日々感じている。

 年年歳歳 皆様の御多幸をお祈りいたします。若松茂生


  


 

 
 
 
 
 

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