第332回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年12月7日
 
 

 事務局レター【第207号】/2013年12月

 【編集者】澤田義博/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●12月例会(第332回)のお知らせ 

「ヴェルディとモーツァルト」  加藤 浩子氏(音楽評論家)

 日時:2013年12月7日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――――― 加藤先生からのメッセージ

 ヴェルディとモーツァルト、そしてスカラ座~上演の過去と現在を見渡しながら~ヴェルディ生誕200年記念今年生誕200年を迎えたイタリア・オペラの大家ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)は、スカラ座でオペラ作曲家としてのスタートを切った。モーツァルト・ファンならご存知の方も多いように、モーツァルトが本格的なイタリア・オペラ・セリアを初めて書いたのは、スカラ座の前身であるドゥカーレ(大公)劇場のためだった。ヴェルディがミラノでの修業時代に師事したヴィンチェンツォ・ラヴィーニャは、スカラ座のチェンバロ弾きであり、モーツァルトの上演にもかかわっている。そんなラヴィーニャから、ヴェルディは《ドン・ジョヴァンニ》を徹底的に叩き込まれたという。

  残念ながらヴェルディの活動期、スカラ座ではモーツァルト・オペラの上演は少なかった。また他のイタリアの劇場でも、モーツァルトのレパートリーはそれほど愛されたわけではない。それもあってか、ヴェルディがモーツァルトから受けた影響はそれほど大きくはないようだが、一方で彼は、ベートーヴェンやモーツァルトやハイドンの弦楽四重奏曲を枕元において研究したひとでもあった。ヴェルディの第2作目のオペラ・ブッファ《一日だけの王様》や、最後のオペラで究極の喜劇といえる《ファルスタッフ》に、モーツァルトの痕跡を指摘する識者もいる。 今回のお話では、ヴェルディとモーツァルト、そしてスカラ座を介してのこの2大作曲家の関係を、私なりにまとめてみたいと考えています。

  講演の後半では、ここ半世紀あまりで激変したモーツァルト演奏の後を追うように、今始まりつつあるヴェルディ演奏の新しい潮流について、モーツァルト演奏との比較を交えつつ、音源資料(映像含む)を活用してご紹介する予定です。 

 

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  1 月18日(土)    新年会

  2 月 2日(日)17時  ジェラール・プーレ(Vn)リサイタル(会場 銀座十字屋)

  3 月29日(土)    樋口隆一氏

  4 月12日(土)    田辺秀樹氏

 以下、5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。 

 

 


●お知らせ 

会員へのお知らせ

1.訃報:フェラインの活動に永年に亘り、ご貢献頂いた金森比呂尾氏が急逝されま した。
  ここにフェライン一同、ご冥福をお祈りいたします。 金森氏はフェライン創立 メンバーの一人で、ご自身が経営される「憂陀」を会員の集いの場としてご提供いただきました。

 2.フェラインのレターの編集については、この度古田委員から笠島委員に変更にな りました。古田委員の永年に亘るご努力に謝意を表したいと思います。

(会長 澤田義博) 

 

 

 
●11月例会の報告(第331回/11月16日)

 「コンサートでは聴けない名曲を映像で」お話:倉島収氏(当会副会長)

  私の映像のコレクションにより例会の発表をさせていただくようになって今回で7回目になるが、今回もホームページに蓄積している映像のストックの集積を利用して、その一部を紹介させて頂いた。第一部としてコンサートではなかなか演奏されないモーツァルトの隠れた名曲の映像を三曲ご覧頂いた。休憩後、第二部としてモテット「踊れ・喜べ」K165(ソプラノ協奏曲)の映像が8種類ほど集まっていたので、DVDにコピーして、美人歌手たちの見較べ・聴き較べを楽しみたいと考えた。プログラムは下記の通りであるが、当初から、時間不足が心配であった。 

 

「第一部;「コンサートでは聴けない隠れた名曲たちを映像で」

 (1)「デイヴェルテイメントニ長調K.251、」、プレヴィン指揮、NHK交響楽団(1999)、 (13-5-1)、
 (2)フリーメーソンのための小カンタータ「我らが喜びを高らかに告げよ」K.623、アントルモン指揮、NHK交響楽団、東京混声合唱団(1991)、(13-4-2)、
 (3)二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ、K.190、ブリュッヘン指揮、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(2001)、(2-7-2)、

第二部;モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165の映像の見較べ・聴き比べ、

  1、エデイタ・グルベローヴァ;シェークヴィスト指揮ストックホルムCO(8-8-2)1994、
  2、タチアナ・コロヴァーナ;大友直人指揮NHK交響楽団、(8-8-2)、1991年、
  3、チェチリア・バルトリ;ムーテイ指揮ウイーンフイル、(6-4-4)、2006年、
  4、幸田浩子;N響の篠崎アンサンブル、(8-7-2)、2008年、NHK、
  5、クリステイーネ・シェーファー;ハイテインク指揮ベルリンフイル(4-12-2)1999年
  6、アーリン・オジェー、バーンスタイン指揮、バイエルン放送交響楽団(8-6-2)1900
 7、高橋薫子;アルブレヒト指揮読売交響楽団(2-11-1)2002年、
  8、リューナ・オルゴナソーヴァ、コープマン指揮モーツアルテウムO(3-9-1)1994 

 第一部では、コンサートでは演奏機会に乏しく、映像でもなかなか見ることが出来ない優れた作品を取り上げ、単にCDを聴いただけでは気付かない曲の面白さを、映像により再確認して頂くように考えて、適宜、解説を加えながら全曲を通して視聴した。

    第1曲目は、1776年にナンネルの誕生日のお祝いのためにザルツブルグで書かれた6楽章からなるデイヴェルテイメントニ長調K.251である。譜面は弦4部+2ホルン+1オーボエの構成で出来ているので、別称、ナンネル・セプテットと呼ばれている。ナンネルが好きなフランス趣味で書かれており、各楽章でオーボエが活躍するとか、名称や変奏などでフランス風の味付けが随所になされている。プレヴィンの映像では、コントラバス3本を含めた中規模の弦楽合奏で演奏されており、室内楽風の7重奏とは異なったぶ厚い弦楽合奏とオーボエの響きが特徴的なN響による演奏であった。

 第2曲目は、モーツァルトがレクイエムと併行して作曲し、亡くなる直前の1991年11月15日に完成され、自らの指揮で初演されたフリーメーソン・カンタータK.623である。CDでもフリーメーソン全集などスタジオ録音しかなく、現在では全く演奏機会がない曲である。その二日後に病に倒れてそのまま12月5日に亡くなったとされるが、レクイエムと異なって死の予感を全く感じさせない堂々たる力強い祝典的な宗教的作品であることを、皆さんで味わって頂いた。

  第3曲目は、2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネK190であり、5曲のヴァイオリン協奏曲の以前にザルツブルグで作曲された小協奏曲と思われてきた。しかし、映像で確認すると、2つのヴァイオリンの他、オーボエが対等に活躍し、第一楽章のカデンツアでは3楽器が三つ巴で競い合い、第二楽章のカデンツアではそれにチェロも加わるなど、合奏協奏曲風な味わいを持つ異色的な作品であり、その作風を皆さんで改めて確認して頂いた。これらの曲は、日頃、馴染みの少ない曲なので、こういうソフトがあるならもっと視聴してみたいという方が多く、お役に立ったと思われた。

   第二部では、モテット「踊れ・喜べ」K.165の聴き較べであり、この曲は、第3回イタリア旅行において「ルチオ・シッラ」K.135を作曲・初演した際に、主役を歌ったカストラートのために作曲された。「神への讃歌」を歌ったラテン語の歌詞に宗教曲のモテットの形を借りているが、実質的には「ソプラノのための協奏曲」である。  第一・第二楽章は協奏的ソナタ形式を取り、主題ばかりでなくコロラチューラ・ソプラノの声が、楽器のようにパッセージやトリルを歌い、カデンツアでも歌われている。ただし、第二楽章の前には、レチタテイーボがあり、わずかにモテットの形を残している。

  この曲の第1曲目は、最も宗教曲らしいスタンダードな歌い方をしているグルベローヴァの映像で、アレグロ・アンダンテ・ロンドの三楽章を通して聴いた。この演奏は彼女特有の声が安定して良くコントロールされ、宗教的な映像の美しさもあって特別に高い評価となった。
  第2曲目のコロヴァーナの映像は、私が初めて目にしたこのソプラノ協奏曲であったが、若さ溢れる懸命な熱演が今見ても荒削りながら感動ものであった。
  第3曲目のバルトリは、現在、最も期待できるソプラノであるが、ムーテイのオケの前奏のテンポが速過ぎて、最初は戸惑ったが直ぐ慣れた。メゾの声域であるが、それを十分にカヴァーしたカストラートを思わせる力強い歌い方であった。この演奏は、現地でライブで聴いているが、二階席であったので、映像で見た方が表情が豊かで迫力に満ちており、好みがあろうが、彼女の実力の凄さを見せつけられた。
  第4曲目の幸田浩子は、日本人らしい繊細な声を十分に生かした美しい歌い方であり、N響の篠崎アンサンブルは、変則的なオーケストラであったが、この曲の美しさを十分発揮した演奏であった。
   続く第5曲目のシェーファーは、バッハのカンタータなどを多数歌っている正統的なソリストらしく、しっかりと歌っており教会での演奏であったので、最もモテットらしく聞こえていた。オジェーの映像は、バーンスタインのハ短調ミサ曲のLDに含まれていたもので、最も馴染まれている。バーンスタインのゆっくりしたテンポでオジェーはゆとりのある表情で、女王のように堂々と歌っていた。
  続く高橋薫子の映像は、アルブレヒトの指揮で読響の最初にアップロードした映像であった。他の6人よりも線が細めであったが、美しい声できめ細かにしっかりと歌っていた。
  しかし、残念ながら、持ち時間が来て、第8曲目のオルゴナソーヴァは割愛せざるを得なかった。全体として、それぞれが十分に持ち味を発揮した優れた映像が多かったと思われる。懇親会で、オルゴナソーヴァを聴きたかったと言われ、また、森麻紀さんがN響と歌った映像があると教えて頂いた。まるでオリンピックのように国際色が豊かで、それぞれの特徴が出ていたので、楽しい見較べ・聴き較べが出来たと考えられるが、時間不足で、善し悪しの議論が出来ずに残念に思っている。


   「今月のインテルメッツオ」♪
  -ピアノ音楽の歴史連続演奏-第42回-   フーガを持つ幻想曲 K.394(383a)ハ長調 
                  ピアノ演奏:岩島富士江

  前回の例会のフーガに続いて、「インテルメッツオ」と題して、 今回も1782年4月ウイーンで愛するコンスタンツエのために作曲したフーガを会員の岩島さんが弾いて下さった。前奏曲とフーガハ長調K.394は、先にフーガが完成し、後で前奏曲が付け加えられたようだが、フーガの部分だけが唐突に始められると、単純なフーガ主題でも三声で響き出すと、ぎくしゃくして難解に感じてしまう。フーガ主題が良く記憶されないまま先に進んでしまったので、良く分からないまま最後まで来てしまった。岩島さんには申し訳ないが、難しい曲を耳当たりよく弾くのは、大変なことだと思った。 


 (2013/11/18、文責;倉島 収) 

 

 

 


●例会・懇親会 写真コーナー

 今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、趣旨に賛同する有志一同で、講師の倉島副会長を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、倉島副会長を囲んで楽しく質疑・応答、懇親が行われた。懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。

     なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。

  なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから

第331回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年11月16日 
 
 

 事務局レター【第206号】/2013年11月

 【編集者】澤田義博/高橋 徹/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●11月例会(第331回)のお知らせ

「コンサートでは聴けない名曲を映像で」 倉島 収氏(副会長)

 日時:2013年11月16日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥1500(会員・一般共)


――――― 倉島 収氏(副会長)からのメッセージ

映像のコレクションにより例会の発表をさせていただくようになって今回で7回目になりますが、今回も映像の特徴を生かして、第一部としてコンサートではなかなか演奏されないモーツァルトの隠れた名曲を三曲ご覧頂き、第二部として「モテット・踊れ/喜べK165」(ソプラノ協奏曲)が8種類ほど集まっておりますので、美人歌手たちの見較べ・聴き較べを楽しみたいと考えております。 

 第一部;「コンサートでは聴けない隠れた名曲たちを映像で」
 (1)「デイヴェルテイメントニ長調K.251、」、プレヴィン指揮、NHK交響楽団 (13-5-1)
(2)フリーメーソンのための小カンタータ「我らが喜びを高らかに告げよ」K.623、アントルモン指揮、NHK交響楽団、(13-4-2)
(3)二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ、K.190、ブリュッヘン指揮、ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団(2-7-2) 

第二部;モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165の映像の見較べ・聴き比べ 
1グルベローヴァ(1994)、2コロヴァーナ(1991)、3バルトリ(2006)、4幸田浩子(2008)
5シェーファー(1999)、6オジェー(1900)、7オルゴナソーヴァ(1994)、高橋薫子(2002) 


●今月のインテルメッツオ  ピアノ演奏:岩島富士江
[ピアノ音楽の歴史連続演奏 第42回]
 フーガを持つ幻想曲 K.394(383a)ハ長調 1782年4月ウイーン
 (愛するコンスタンツエのために作曲したフーガ)


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  12月 7日(土)    加藤浩子氏(音楽評論家)「ヴェルディとモーツァルト」

  1 月18日(土)    新年会

  2 月 2日(日)17時  ジェラール・プーレ(Vn)リサイタル(会場 銀座十字屋)

  以下、3月・樋口隆一氏、4月・田辺秀樹氏、 5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。 

 

 


●お知らせ 

会員へのお知らせ

「来年、2014年もフェラインのロヴェレート・ツアーを計画しています。9月18日―21日はロヴェレート音楽祭の予定です。日本出発は9月14日前後になると思います。スケジュールが決まり次第、会員の皆様にご案内致します。」

 以上宜しくお願い致します。(澤田) 

 

 


●10月例会の報告(第330回/10月27日)

 「江端津也子 サロンコンサート パート12」

 出演:江端 津也子氏(ピアノ)
ゲスト: 清水 菜穂子氏(ソプラノ) 

 地球温暖化を実感させる季節外れの台風たち。大きな被害のニュースに胸を痛めると同時に、今月の例会は大丈夫?
と台風情報に気を揉む毎日でした。しかし、例会当日は素晴らしい秋晴れ。代々木のアトリエ・ムジカで無事開催されました。 

 今回は、当会会員の江端さんと中学からの友人というソプラノ歌手、清水さんの共演です。江端さんは、2010年12月以来の登場です。澤田会長の紹介に続いて、江端さんがステージへ。 

 

モーツァルトのメヌエットト長調K.1でコンサートの始まりです。この曲は、20世紀後半にK1a~K1dが発見されるまでモーツァルト最初の曲として知られていました。
 江端さんは、1音たりともおろそかにしない丁寧な演奏でこの小品への慈しみが伝わってきました。

 次に、清水さんが登場し、「美しいやすらぎが」K210a(K152)です。イタリア語のカンツォネッタで、新全集では付録扱いになっていますが、往年の名歌手から現在に至るまで広く取り上げられています。清水さんの歌声は、豊かなヴィブラートと明瞭なイタリア語が心に響きます。声量も十分です。特に13小節以降にRidente la calma・・・という最初の歌詞が下降音型で繰り返される所は、16分休符の効果もあり力強い歌唱でとても説得力がありました。

 3曲目は「すみれ」K476です。モーツァルトのリートの中では「夕べの想い」K523と双璧。大詩人ゲーテの詩に曲を付けた事でも知られています。
また、6月には例会で上田真樹先生の解説も有りました。今日の演奏で印象的だったのは、娘の活発な歩行が歌われた後、江端さんのピアノでその様子が同じニ長調で表現され、27小節目Ach denkt das Veilchenからのト短調~変ロ長調~ト短調で歌われるすみれの心情=愛の苦しみや嘆きを清水さんが絶妙に表現した事です。その後、踏み潰されたすみれ、死んでも娘に踏まれたからと喜ぶすみれを劇的に表現し、モーツァルトが追加した省察を最後に曲は終わります。お二人の演奏は、改めてこのリートがオペラを凝縮した様な密度の濃い作品である事を証明してくれました。

 4曲目、5曲目は皆さんご存知の2曲「フィガロの結婚」K492より「恋とはどんなものかしら」と「ドン・ジョヴァンニ」K527より「ぶってよ、マゼット」です。

 「恋とはどんなものかしら」では52小節からのSospiro e gem Senza voler以降ケルビーノ自身自覚していないが心ときめき震えてしまう様子が巧みに表現されていました。「ぶってよ、マゼット」ではテンポがアレグレットになる61小節からのPace,pace o vita mia以降に完全にマゼットをなだめようとするツェルリーナの心情が手に取るようにわかりました。この2曲では、江端さんのピアノは歌にぴったり寄り添うような伴奏で好感が持てました。次から3曲はフォーレの作品が続きます。「マンドリン」と「月の光」はともにヴェルレーヌの詩に曲を付けた歌曲です。「マンドリン」は飛び跳ねるようなピアノの伴奏とヴォカリーズが印象に残り、「月の光」は冬を連想させる透明感や冷たさがありました。ピアノが伴奏ではなく歌と別の旋律を奏でているようで不思議な魅力のある曲でした。

 次は、江端さんのピアノ独奏で「ヴァルス・カプリス」第1番 op30です。19世紀にショパンが開拓していったピアノ・ワルツの影響を感じます。しかし、単なるワルツではなく即興的なパッセージが続いたり、曲想がどんどん変化したり非常に華やかな印象でした。

 休憩を挟んで、モーツァルトの曲に戻り、「アレグレットの主題による12の変奏曲」変ロ長調K500です。 モーツァルトの実演が聴けない今となっては、変奏曲が彼の即興演奏を想像する手掛かりになるのではないでしょうか?主題の提示に続いて、第1変奏では、右手の3連符、第2変奏では左手での3連符で変奏が進みます。第7変奏で変ロ短調に転調してアクセントをつけ、第8変奏では高い音域に和音が連続して置かれ効果を上げます。第12変奏はアレグロで快調に演奏した後、珍しく主題を再現して終わります。江端さんの演奏は、音が大変良く揃っておりどの変奏も心地良く聴く事ができました。次は、「ピアノソナタ」ハ長調K330です。
 1783年作曲でK331. K332. K333と続く円熟のピアノソナタ群の始まりと捉える事ができます。演奏前に江端さんご自身から繰り返しの完全敢行が宣言され、18世紀当時のオーセンティックな演奏形式再現への期待も高まりました。

 第1楽章アレグロ・モデラートは軽快そのもの。
 「とにかくテンポだけは遅くならないように」と後述された 江端さんは「軽い羽根のような筆致」(チャールズ・スットーニ)の表現がぴったりです。
 第2楽章はヘ長調のアンダンテ・カンタービレ。モーツァルトの緩徐楽章らしい慰めてくれる音楽です。
しかしヘ短調に転調する21小節からは悲痛な感じ。季節に例えると秋から晩秋と言ったところでしょうか?
 江端さんの弾くベーゼンドルファーから鮮やかに表現されていました。
 第3楽章アレグレットは弾むような楽しい楽想。粒立ちの良い音が十分に楽しめました。
こうして繰り返しが実行された演奏は24分に及ぶ熱演となり聴衆一同大拍手でした。

このあと2曲のアンコール。まずは、映画「アマデウス」の神童時代のシーンに挿入されていた「ピアノ小品」ヘ長調K33Bです。そして、清水さんが登場して「すみれ」再演で大喝采のうちに終了となりました。ピアノと歌の魅力が満載のコンサート。今後のお二人の活躍を祈念するとともに、他のモーツァルト作品もこのコンビで聴きたいという思いを強くしました。                (文責:髙橋)

                    

 

 


●例会・懇親会 写真コーナー

  懇親会は、ホール近くのイタリアン・レストラン「トスカーナ」代々木駅前店(03-3372-3400)で、本日の演奏者のお二人、江端津也子さんとソプラノの清水菜穂子さんをお招きして、盛大に行われた。本日の演奏会場は、狭い上に天井が低く、少し心配であったが、ベーゼンドルファーは、とても良く響き、一音・一音、丁寧な演奏がクリアに聴き取れ、またソプラノの声が良く通って、とても良い会場の雰囲気であった。この雰囲気が懇親会の会場にも引き続き持ち込まれたようで、写真のように、皆さん、和気藹々のとても賑やかな様子であった。


      なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。

     なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから

第330回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年10月27日
 
 

 事務局レター【第205号】/2013年10月

 【編集者】澤田義博/笠島三枝子/大野康夫/古田佳子/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●10月例会(第330回)のお知らせ 

江端津也子 サロンコンサート パート12

ピアノ:江端津也子 

     ソプラノ・スーブレット:清水奈穂子(ゲスト)

 日時:2013年10月27日(日)午後2時30分(午後2時開場)
←日曜日です。開始時間にも注意!


会場:アトリエ・ムジカ (JR「代々木」下車・徒歩5分) 

 例会費:¥3000(会員) ¥3500(一般)


――――― 江端津也子さんからのメッセージ

  今回は、中学以来の友人の声楽家、清水菜穂子さんをゲストにお迎えして、モーツァルトとフォーレの作品を演奏いたします。

  ピアノ・ソナタは、フェラインの第330回例会に因んでK330を選曲してみました。皆様のご来場を心よりお待ちしております。 

   《プログラム》

      モーツァルト        メヌエット ト長調 K.1 
 モーツァルト(歌とピアノ)   美しい安らぎが K.210a
                    すみれ K.476
                    恋とはどんなものかしら K.492
                    ぶってよ、マゼット K.527
 フォーレ               マンドリン Op.58-1
                    月の光  Op.46-2 
                    ヴァルス・カプリス第1番Op.30
            《休憩》

  モーツァルト     アレグレットの主題による12の変奏曲変ロ長調K.500
              ピアノ・ソナタ ハ長調 K.330

         ♪―――――♪―――――♪

  例会後は恒例の演奏者を交えた懇親会を開催しますので、ご参加をお待ちしております。
 会場は、ホール近くのトスカーナ代々木駅前店(03-3372-3400)です。 

 

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 11月16日(土)  倉島収氏(当会副会長)「コンサートでは聴けぬ隠れた名曲を映像で/モテットK.165の見較べ・聴き比べ」 
 12月 7日(土) 加藤浩子氏(音楽評論家)「ヴェルデイとモーツァルト」 
  1月18日(土) 新年会
 2月2日(日) 17時 ジェラール・プーレ(Vn)リサイタル
 以下、3月・樋口隆一氏、4月・田辺秀樹氏、 5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。

 

 


●9月例会の報告(第329回/9月28日)

 「コンスタンツェ悪妻説とレクイエム伝説の真相に迫る」
               お話:澤田義博(本会会長/帝京大学経済学部教授)

 Ⅰ. コンスタンツェ悪妻説の根拠:
・モーツァルトの葬儀、埋葬、墓碑等に係る態度 ・経済観念の欠如 ・性格的な欠陥、コケティッシュな仔猫で浅薄、モーツァルトの才能を理解できなかった。

1.新たに発見された資料による事実、或いは状況証拠等に基づく推察

 (1)モーツァルトの葬儀等に対するコンスタンツェの行動:
・コンスタンツェは葬列と葬儀には参列した。参列者は次の通り(Brauneisの資料):コンスタンツェ(従来コンスタンツェは参列しなかったとされており、反コンスタンツェ派の重要なポイントがこれで崩れたことになる)、その家族、ヴァン・シュヴィーテン男爵、フライシュテットラー、ジュスマイヤー、アルベルヒツベルガー、サリエリ等
(2)モーツァルトの墓についての彼女の態度:悪妻説に有利。
・コンスタンツェはモーツァルトの死後17年経って、初めて墓参に行っている。・当時はヨーゼフ2世の勅令により、経済的及び衛生上の理由から埋葬場所はウィーン市外に限られ、また墓標認められたが、その場所は墓地の壁に沿ったものでなくてはならなかった。コンスタンツェはこの墓標すら建てなかった。こうしたコンスタンツェの冷淡さの原因は何であろうか?私はおそらくしばしば起きた、モーツァルトのアヴァンチュール(後述)ではなかったかと考えている。
(3)モーツァルトの追悼ミサ:
・1791.12.10 聖ミヒャエル教会でシカネーダー主催の追悼ミサが催され、レクイエムが演奏された(初演)。但しIntroitusとKyrieのみ。従って、かつて主張されていたウィーンはモーツァルトに冷たかったという説は覆された。

 

2.コンスタンツェの二面性
    (1)モーツァルトの生前: ・ごく普通の主婦だったが、ザルツブルクでハ短調ミサの第1ソプラノかパートを歌えるだけの音楽的素養はあった。モーツァルト自身がバーデンに滞在する妻に手紙で苦言を呈していることから、やはりある程度の浅薄性は否定できない。ジュスマイヤーとの関係:フランツ・クサーヴァーはジュスマイヤーとの間にできた子供であるという説は未だに覆されていない。ドイッチェが過去モーツァルトの耳が奇形だったと述べている文献はニッセンの伝記のみであると証言し、モーツァルトの奇形の耳だとされた図は実は息子フランツ・クサーヴァーの物だと証明されている。以上により、私は彼女は悪妻ではなかったが、良妻賢母でもなかったと主張したい。
(2)モーツァルト没後:・彼女のモーツァルト没後の最大の目的は次の3つだった。
i. 「レクイエム」には夫以外の作曲家が関与していることを依頼主ヴァルゼック伯爵に隠し通すこと。
ii. 収入を確保する事。例えば「レクイエム」を始めモーツァルトの自筆譜をビジネス(収入)の対象として最大限活用する事。彼女にはかなりの商才があった。
iii. 次男フランツ・クサーヴァー(後に彼女ははヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト2世と呼ばせた)を夫の様な偉大な音楽家に育て上げる事。

3.奢侈な生活:モーツァルト夫妻には経済観念がなかった。相対的に収入が減ってしまう時期もあったが、困窮していたというのは誤り。コンスタンツェは9年の結婚生活中、6回の出産で体調を壊しており、特に脚の病気がひどくウィーン郊外のバーデンの温泉治療に通い生活を圧迫する。しかし一応、収入に見合った生活はしていた。

4.モーツァルトと女性たち:ナンシー・ストラーチェ、ドゥーシェク夫人、フォン・トラットナー夫人。ホーフデーメル夫人、アロイジア等々少なくとも20人前後の女性と特別な関係にあった。モーツァルトはよくパパゲーノに譬えられるが、ドン・ジョヴァンニでもあったと考えられる。18世紀のヨーロッパの宮廷ではこうしたことに寛容だった。

 


II.レクイエム伝説

 1.コンスタンツェは何故先ずジュスマイヤーに補筆を依頼しなかったのか?
Mary Novelloによれば、当時コンスタンツェは「ジュスマイヤーに対して怒っていたから」と答えている。考えられる理由としては
(1)ジュスマイヤーはコンスタンツェの愛人であったにも拘らず、プロポーズしなかった。
 (2)ジュスマイヤーはレクイエムの背景について知りすぎていた。サリエリの弟子でもあった為、サリエリへの情報漏洩を恐れた。

2.補筆者の順番:
 彼女がまず依頼したのは、弟子のFreystädtler だった。彼は12月10日の追悼ミサに間に合わせるべくKyrie Fugueから始めたが早くも行き詰った。
・次に同じく弟子のEyblerに助けを求めた。彼はSequenceの中の5曲のオーケストレーションまでで同じく放棄。
・更に彼女はMaximilian Stadlerに依頼した。まずOffertoryのオーケストレーションは完成したが、ここで中断。
・結局、最後にジュスマイヤーが補筆を担当した。彼は補筆の際、モーツァルトの指示、彼が残した草稿あるいはスケッチも利用した。更に先輩たちの補筆も一部改訂している。 ・補筆部分についてのジュスマイヤーの主張:彼の作曲は
  i.KyrieからHotiasまでのオーケストレーション(Eybler等の補筆を取り入れつつ)。
 ii.Lacrymosa完成。
iii. Sactus, Benedictus, Agnus Deiの3曲。
・実際はどうだったのか?:
i.モーツァルトのスケッチは重要なパッサージュに限定されていた。具体的には4声部の作曲を最優先していた。逆に、オーケストレーションはミニマムにしておいた。
ii.SanctusからAgnus Dei迄については、声部の主要部分のみを取り出すと、モーツァルトの他のセクションと同じ作曲上のコンセプトが感じられる。
iii. モーツァルトが残したスケッチや多くの草稿が、完成された自筆譜と共にジュスマイヤーに渡された。更にスケッチにもなっていないが、モーツァルトが作曲中にジュスマイヤーと共に歌っていたものもジュスマイヤーに多くのガイダンスを与えたと思われる。結果的に、出来上った曲は驚くほどの素晴らしいアイディアと失敗に終わっている部分のミックスになってしまった。すなわち、ジュスマイヤーの作曲部分はほんの一部分に過ぎなかったのではないだろうか(おそらくは失敗と考えられる部分)?
iv. 自筆譜の第1ページ右上の記述“di me W:A:Mozart “はジュスマイヤーの偽造。
 v. Lacrymosaが8小節で終わっていた理由:通常SequenceにおけるLacymosaの節はIntroict及びAgnus Deiと同じ祈りの言葉“donna eis requiem”で終わっているので、音楽的にも関連付ける必要性を感じていたからであると考えられる。モーツァルトはLacrymosaについては、“Amen Fugue”で終わらせるつもりだっ事実Amen Fugueのスケッチは残っている、更にLacrymosaについては短い曲にするつもりだったようである。Sanctus,Benedictus, Agnus Deiについても未完稿やスケッチが残っているはずである(ジュスマイヤーが廃棄していない限り)。 

  (3)レクイエムの音楽的考察:
・Introitusの主題はヘンデルの「キャロライン女王の葬送曲」HMV264 から取っている。 ・Kyrie:主題はヘンデルのDettingen AnthemHMV265からとられている。
・BenedictusとAgnus Deiにはモーツァルトのスタイルが明確に感じられ、ジュスマイヤー作曲説に対する大きな疑問となる。
・SanctusとDies Iraeの最初の数小節は非常によく似ている。
・Benedictus:シュタットラーが貴重なモーツァルトの自筆譜を所有していた。モーツァルトが1784年にシュタットラーの従妹でもある、弟子のバルバラ・プロイヤーの作曲のレッスンのために書いたもので13葉ある(K.453b)。最初の一枚の主題がBenedictusと文字通り各音符が同じなのである。

(4)その後の改訂版:
 従来から、多くの学者が、ジュスマイヤーの多くの基本的な誤りを指摘していた。改訂版の主なものは次の通り。
・1971年 フランツ・バイヤー版 モーツァルトのオーケストレーションを大幅に改訂。この点が最大の功績。
・1996年 ロバート・レヴィン版:モーツァルトのスタイル、書法を残しつつ、濃密すぎるオーケストレーションなどを改訂。Lacrymosaには無転調のAmen Fugueを加えた。特にSanctus以降のジュスマイヤー作曲と言われている部分を徹底的に研究し改訂した。

(5)伝説の誤り
 ・コンスタンツェとニーメチェクがレクイエム伝説を作り上げた張本人。
・ヴァルゼック伯爵との契約で、依頼主を明かすこと、自筆譜のコピーは禁じられていた。然しコンスタンツェは写本の販売には、ためらわなかった。彼女はレクイエムを5回販売している(フリードリッヒ・ヴィルヘルム2世を含め出版社等)。ゾフィーの証言による、モーツァルトの死の床でのリハーサルやジュスマイヤーへの指示などは単なるロマンティクな作り話でコンスタンツェが同情を誘うための試み。
・おそらく、モーツァルトはレクイエムが誰の依頼かは分かっていた。プフベルクの家の所有者はヴァルゼック伯爵であった。プフベルク、モーツァルト夫妻は勿論彼を知っていた。Herzog(教師)によれば、モーツァルトは謎の使者がフランツ・ライトゲープ(弁護士)であることも知っていた。


III. 結論
 1.コンスタンツェは欠点の多かった女性であったが、悪妻と言われる程の悪女ではなかったと思われる。彼女のモーツァルトに対する冷淡さの原因はモーツァルトの女性たちとの奔放な生活にあったのではないか? しかしこの点は永遠の謎かもしれない。決定的な証拠が今後出現する可能性は少ない。

 2.レクイエム伝説については、コンスタンツェがこの曲はモーツァルトの「白鳥の歌」だとして、世間の同情を買う為ミステリアスな味付けをしたものであり、実際は上述の通り、単純な話であった。永遠の謎は結局どこまでモーツァルトが作曲したのか?と言う点に尽きると思われる。曲の断片、スケッチなどの今後の新発見を待ちたい。それにしてもこの曲は人類最大の遺産の一つではないかと思えてならない。     (澤田記) 


◎今月のインテルメッツォ・・・ピアノ演奏:岩島富士江

 4手か2手のためのフーガ K.401((375c)(1782年春・ウイーン)
  二人で連弾する曲をよくお一人で演奏されたと感心した。楽しいピアノ曲に会場おおいに楽しみました。

 


 


●例会・懇親会 写真コーナー

  今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店に戻り、ビールで乾杯後、講師の澤田会長を囲んで楽しく質疑・応答、懇親が行われた。懇親会においては、以下の写真の通り、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。


      なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。

     なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから

第329回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年9月28日
 
 

 事務局レター【第204号】/2013年9月

 【編集者】川口ひろ子/澤田義博/古田佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●9月例会(第329回)のお知らせ 

「コンスタンツェ悪妻説とレクイエム伝説の真相に迫る」 澤田義博氏(当会会長)

 日時:2013年9月28日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥1500(会員・一般共)


――――― 澤田会長からのメッセージ

 このテーマは今までに様々な学者がかなり異なった意見を述べています。 

 真実は当事者に直接聞かないと分からないと思いますが、ある程度の実証的な推論は可能です。更に時間の経過に従い、新たな資料が発見され、我々は、かなり真相に迫りつつあると言えるのではないかと思っております。少なくとも「外堀」程度は埋まっているのではないでしょうか? 

 今回は写真、肖像画、CD, DVDを駆使して、皆様にお楽しみ頂けるような講演にしたいと考えております。 

 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051 

 

 


●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江) 

 【ピアノ音楽の歴史連続演奏 第41回】 

 「4手か2手のためのフーガ K.401(375c)」1782年春・ウイーン 

(はじめてのフーガ、コンスタンツエと連弾?) 

 

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  10月27日(日)  江端津也子リサイタル ※会場:アトリエ・ムジカ(代々木)

  11月16日(土)  倉島収氏(当会副会長)「コンサートでは聴けぬ隠れた名曲を映像で」

  12月 7日(土)  加藤浩子氏(音楽評論家)「ヴェルデイとモーツァルト」

   1月18日(土) 新年会        

   2月2日(日/17:00)ジェラール・プーレ(Vn)コンサート

以下、3月・樋口隆一氏、4月・田辺秀樹氏、5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。 

 

 

 
 ●7月例会の報告(第328回/7月20日)

ウィーンのモーツァルト  ピアノとお話:久元祐子氏

  久元祐子先生のレクチャー・コンサートは、梅雨明け早々の猛暑も納まり涼風の心地よい7月半ばの土曜日、原宿のアコ・スタディオで開催されました。
  以下、その概要を報告いたします。

  今回は、モーツァルトの作曲技法と様式美の解説を中心に、彼の音楽の魅力はどこにあるかを探るレクチャーで、取り上げられた曲は、ウィーン時代初期の名曲、KV332とKV333です。

  まずはピアノ・ソナタ12番 ヘ長調 KV332。

★第1楽章 ソナタ形式とは
 この曲はソナタ形式で書かれていますが、ソナタ形式についての説明がありました。
  ソナタ形式は、2つ以上の主題を提示する部分と、展開する部分、テーマを再現する部分の3つの部分で構成されています。
 第1楽章の提示部が演奏され、以下のような説明がありました。
  この曲の提示部では初めにヘ長調の優雅な第1主題が提示され、この主題が、穏やかに→楽しげに→悪魔的に→風のようなモチーフ→方向の変わった風に、と、明と暗、様々な対比を示しながら登場します。そして、スパッと空間を切るように空気が変わり、ハ長調の第2主題が登場、第1主題のレガートに対し、スタッカートの始まり方になっています。リズミカルにたたみかけるような音型に変わり、不安をかきたてるような半音階からすうっと空が晴れるようにやすらぎのテーマが現れます。
  ソナタ形式の枠におさまらないほど、次々に魅力的なテーマが現れますが、それによってストーリーに揺れが生まれ、音楽が活き活きとしてきます。
  様々な葛藤の末、対立する2つの主題が溶け合って、美しい「環」を描いて1楽章が終了。
  全てが納まるべきところに納まり、心がすっきりする「予定調和」の世界が描かれています。

★第2楽章 2種類の楽譜と装飾法
  この曲の第2楽章はモーツァルトが書いた自筆譜と最初に出版された初版譜が残されています。ベーレンライター版、ウィーン原典版などにもその両方が掲載されていますが、両者を比べることによって、モーツァルトの装飾法について学ぶことができます。
  40小節のうち、後半の20小節に関して、初版譜では装飾が施されています。その両者の比較が行われました。ほんの少し音を加えることで息遣いを変えたり、ニュアンスの細やかさが出ているのがわかりました。いくらでも指が回ったモーツァルトなのに、駆け上るような派手な装飾はたった1回しか使わない。そのあたりが大変お洒落な感じがして、決して厚化粧しないのがモーツァルトの音楽の魅力だと思いました。

★第3楽章 対照的な2つの主題
  稲妻のような激しいパッセージが一気に提示され、この第1主題に対して、柔らかく優しいテーマが現れ対峙します。続いてこのテーマに対して多くのキャラクターが現れて、めくるめく展開となります。稲妻が色を変えて何回も現れ、大きなソナタなのに小さな音で終りとなります。
  情感豊かな第2楽章と音符が奔放に駆け巡るような第3楽章が演奏され、レクチャー・コンサートの前半が終了しました。 

 


  休憩の後、後半はピアノ・ソナタ13番変ロ長調 KV333。
  KV333の形式と流れについての解説がありました。

★第1楽章 気品と円熟味
  モーツァルトソナタの中でも群を抜いて円熟した作品であると思われるこのソナタについても詳細なアナリーゼが展開されました。またある音楽月刊誌上の44小節目の音に関して起こった1985年の大論争のお話がありました。1年半に亘ったこの論争は、中田喜直氏の問題提起が発端でした。中田氏は「モーツァルトの音が間違っている」と指摘。これに対して海老沢敏氏が反論、島岡譲氏、小林仁氏らも意見を述べました。
  たった一つの音に執着するのがクラシック音楽の世界で、最終的に、中田氏が折れるかたちで決着がついたようですが、残された楽譜の音をモーツァルトの「意図」と見るか「間違い」と見るかは、この個所に限らずモーツァルトの作品の様々な箇所に発見できます。

★第2楽章 ピアノによるアリア 
  オペラの中の2重唱、3重唱を聴く雰囲気で楽しめる。展開部の始まりの部分で突然不協和音が現れるが、心の痛みや苦しみを表現していると想像できる。多くの音がぶつかったり融け合ったりしながら歌うように(アンダンテ・カンタービレ)前に進みます。
  歌には歌詞があるがピアノにはそれがありません。喜び? 悲しみ? 作曲家はどのような想いで音符を書いたのか? 奏者はそれをどのように表現しようとしているか? それらに思いをよせることは、鑑賞の歓びの原点と言えるかもしれません。 

★第3楽章 ロンド・ソナタ形式
  ピアノ・コンチェルトのスタイルで書かれた第3楽章はロンド・ソナタ形式で書かれています。
モーツァルトが愛したというロンド・ソナタ形式とは、ロンド形式とソナタ形式を足して2で割ったようなもの。
  ここでロンド・ソナタ形式の解説がありました。
  先生のピアノ演奏に合わせて音大生のR子さんが次々とA・B・・・のカードを掲げる紙芝居形式です。
  A-変ロ長調 B-ヘ長調 C-ト短調、変ホ長調、変ロ短調、変ホ短調、変ロ長調
  A→B→A→C→A→B[変ロ長調]→Cadennza→A→Coda
                    
  以上のような流れとなり、Bがソナタ形式の第2主題の役目を持ち、再現するときにV度調ではなく原調に戻ることが特徴です。またCの部分にAやBの要素(リズムや音型)が持ち込まれていることで、全体として有機的な結びつきと統一感を感じることができます。
  曲の後半に頂点が来るように出来上がっていて、また、調が変わる前の細かい音符の変化など、演奏効果を高めるために様々な工夫がなされています。思わぬところに切り替えポイントがあり、たった1個の音符を見落すと、全く違うレールに乗って走ってしまう危険が待っています。
   
  この他に、先生は、モーツァルトの楽譜を通じて見えてくる色や感情、形式美の世界、ドラマなど、様々な魅力について語って下さいました。
  ウイットに富んだお話と、軽快に演奏された第3楽章に、満員のスタディオは、モーツァルトへの熱い想いに満たされ、喝采の嵐に包まれました。
  アンコールです。前夜、先生がIMSLP(※)から譜面を起こされたという現代フランスの作曲家Boullet氏の第3楽章のカデンツァの部分が演奏され、これは、恐らく本邦初演だろうという声が上がり、一同大喜びです。
  久元祐子レクチャー・コンサートは大勢のお客様にお運びいただき、大成功のうちにフィナーレとなりました。
   
    
※IMSLP
国際楽譜ライブラリープロジェクト(International Music Score Library Project、)
 無料で使用できる楽譜などのバーチャルな図書館を作成しようとする、インターネット上のプロジェクト。(川口記)

 

 

 


●情報コーナー

CD情報(外盤価格はタワーレコードの一般価格)  ★こちらからどうぞ(M) 

 

 

 


●例会・懇親会 写真コーナー

  今回の懇親会場は、原宿駅の近くの「カフェ・ラティア」で行われ、ビールで乾杯後、久元先生を囲んで楽しく質疑・応答、懇親が行われた。懇親会においては、以下の写真の通り、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。


      なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。

     なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

 容量不足のため、09年の3年前の写真から、順番に削除しています。

お問い合わせ:ホームページ担当;倉島 収: メールはここから

第328回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年7月20日
 
 

 事務局レター【第203号】/2013年7月

 【編集者】石津勝男/澤田義博/古田佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●7月例会(第328回)のお知らせ 

「久元祐子レクチュアーコンサート“ウィーンのモーツァルト”」

 日時:2013年7月20日(土)午後2時30分(午後2時開場)
←開始時間に注意!


会場: 原宿:アコスタディオ(JR「原宿」竹下口下車・徒歩2分)

 例会費:¥3500(会員・一般共)
 当日券あり。自由席。一般の方大歓迎です。多数のご参加お待ちしております。


――――― 久元先生からのメッセージ

 モーツァルト絶頂期に作曲された円熟と洗練の極みである両作品取り上げます。K332の2楽章は、自筆譜と初版譜の両方が残されており、それらを比較することは、モーツァルトの装飾法について知る大きな手がかりになります。 

 K333の3楽章は、ピアノ・コンチェルトのスタイルになっており、カデンツァも挿入されています。モーツァルトの持つ優雅さ、華やかさ、歌心 形式美、はつらつとした魅力にあふれた2曲のソナタについてお話を交え ながら演奏させていただきます。 

 


《プログラム》

♪ピアノソナタ第12番 ヘ長調 K.332 

♪ピアノソナタ第13番 変ロ長調 K.333  

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 

会場:「カフェ・ラティア」(Cafe Ratia)03(5414)5033 ※原宿駅より徒歩1分 

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

        ― ― ― 8月は夏休みです ― ― ― 

 9月21日(土)   澤田義博氏(当会会長)「モーツァルトとコンスタンツェ、そしてレクイエム伝説の真実」

  10月27日(日)  江端津也子リサイタル ※会場:アトリエ・ムジカ(代々木)

  11月16日(土)  倉島収氏(当会副会長)

  12月 7日(土)  加藤浩子氏(音楽評論家)

 

 


 
●第7回会員総会議事録 

 日時:2013年6月29日 12時30分~13時30分 

 場所:クリスチャン・センター 811号室 

 議事の内容
 1.川口副会長より会計報告
・澤田会長より補足:年会費が一見減っているように見えるが、これは会則変更により、1年間会費の支払がないと退会とみなすとしたためで、実際には繰越金は若干ながら、増加している。
・小川監事より決算内容は適切かつ適法である旨、報告あり。会計報告について、ご承認頂いた。 

 2.澤田会長より昨年度から今月までの活動報告、および来年及び再来年の予定について説明。 講師、演奏者の質が明らかに上がっており、会員の皆様の好評を博する例会が増えている。また昨年9月には久方ぶりにロヴェレート・ツアーを成功裏に行った。更に今年1月会長がザルツブルク・モーツァルテウムで開催された世界モーツァルト協会の総会に出席、フェラインの名前を国際的に知らしめた。因みに日本からの参加団体はフェラインのみだった。 

 来年2月2日(日)17時から銀座十字屋でジェラール・プーレ氏のコンサートが予定されている。目玉となる例会の一つである。 

 2013年、2014年6月までの講師、演奏家は次の通り。(敬称略)
  9月      澤田会長
  10月27日  江端津也子リサイタル
 11月     倉島副会長
  12月7日   加藤浩子
  2014年1月 新年会
  2月2日(17:00)ジェラール・プーレ
 3月      樋口隆一
  4月      田辺秀樹
  5月      山田高誌
  6月      久元祐子 

 3.新役員候補をご紹介し、ご承認頂いた。 

 新年度(2013年4月)からの理事会メンバー 

名誉会長:若松茂生(留任)
 会長:澤田義博(留任)
 副会長:石津勝男(留任)、倉島収(留任)、川口ひろ子(留任) 理事:大野康夫(留任)、山崎博康(留任)、佐藤浩(留任)、真部淳(新任)、高橋徹(新任)
 監事:小川恒雄(留任)
 顧問:田辺秀樹(留任)、久元祐子(留任)、森治夫(留任)
 事務局委員:隅田淑子(新任)、木村好伸(新任)、佐藤梓(留任)、古田佳子(留任)、宮崎宇史(留任)、笠島三枝子(留任)、山田健二(新任) 

 

 


●お知らせ

♪来年2014年も、9月下旬にロヴェレートを訪問する事になりました。詳細は決まり次第ご連絡いたします。 
なお、来年も久元先生のコンサートが既にロヴェレート音楽祭のプログラムに予定されています。 

♪お詫びと訂正
 季刊「モーツァルティアン」第84―85合併号の目次に印刷所の手違いで誤植がありました。「モーツァルト・後期のシンフォニーより」の筆者名「森垣一」は「森垣桂一」の誤りです。お詫びして訂正します。 

 印刷所が作成した訂正シールは6月例会出席の方々には配布しましたが、ほかの会員の方々には次号季刊誌郵送の際に同封いたします。また、一部に落丁乱丁がありました。お気づきの方は山崎宛にご連絡ください。(山崎) 

 

 


●6月例会の報告(第327回/6月29日)

 『魔笛』におけるモーツァルトの音楽的試み  お話:上田真樹氏(作曲家)

 上田真樹先生のプロフィールについては、6月号の事務局レターでご紹介の通り作曲活動の傍ら、国立音大や桐朋学園大などで講師もなさる若くチャーミングな女性であります。 

 本日の演題に入る前に、アプローチとしてモーツァルトがゲーテの詩につけた歌曲「すみれ」の楽曲分析から始められた。この歌曲は牧場に咲く一本のすみれの立場から描かれている。自分が好きな羊飼いの少女、彼女が軽やかな足どりで歌いながら近づいてくる。ト長調から二長調、そして“自分がもっときれいな花だったら”の部分からト短調になり妄想にふける。それなのに少女はやってきたもののそのすみれには眼をくれず踏みつけてしまった。 

 

この踏みつける所では「滅七の和音」が使われているが、この残念な気分を表わす響きは古典派の時代やバッハ等にもみられるという。そしてすみれはつぶされ息絶えたが、それでも嬉しがっていた。後世の人々にとってモーツァルトはまるで泉がわくようにひらめいて作曲していると思いがちであるが、実際の譜面をみると、内容にそって和音をつけ詩の世界を増幅して作られていることがわかるという。 
 「魔笛」というオペラについて楽曲分析をする。作曲家モーツァルトとしての視点から作品を考える時、まずフリーメイソンとの関わりがある。このオペラには初めから三人の待女、三人の童子、トロンボーン3本と木管による三つの和音、扉が3つ、3回の試練などフリーメイソンにとって大切な「3」という数字が使われている。 

 序曲を聴いてみるとこのオペラを象徴するフラット三つの変ホ長調で始まるが、王子の登場はフラット三つのハ短調、三人の待女の登場のあとタミーノによって「絵姿のアリア」が変ホ長調で歌われる。この曲についても楽曲分析があり、タミーノの心の動きや高揚させ方にモーツァルトの工夫がみられるという。 

 上田先生はこの「魔笛」を巨視的に捉え、またその一部を分析するために第一幕から第二幕まで全体の調性構造を表わす方法として、横長の五線符を用意された。左端に中央から上にシャープ1つから#4つ、中央から下にフラット1つから3つの列、そして左端から右端へとフラット3つの序曲に始まり重要なアリアや重唱、合唱などを各調性の位置に点在させて、一目で全体の調性構造がわかる様に作製して下さった。 

これにより、例えば第一幕パパゲーノの「鳥刺しのアリア」ト長調と「夜の女王のアリア」ト短調とは同主調であること、第二幕の第15番ザラストロのアリア「この神聖な殿堂には」は#4つという当時としては新鮮な響きであったこと、武装した兵士による重々しいハ短調のフーガ、それに続くユニゾンの響きは異様な雰囲気であるなどの説明があった。 

 

また譜面を見ながらの解説では、第二幕第17番パミーナの死を決意するアリアに於いて「増六の和音」「減七の和音」「ナポリの六の和音」など、パミーナの心情を表現する作曲上の技法が使われているとのことであった。 

そして第二幕フィナーレでパミーナとタミーノの再会する場面では「タミーノ、マイン!」の音型と「絵姿のアリア」の冒頭の音型が対応していること、更に「私のパミーナ、おお、なんという幸福」と歌う場面あたりから美しいデュエットが続き、低音楽器のピチカートにのせて、音楽が上昇してゆく。 

モーツァルトはこの様に音楽的に聴いている人々に対して説得力をもって受け止められるように作曲の努力をしているのではないかとのことでした。一般に、自由に作曲していたと考えられるモーツァルト。しかし実際の作品においては和声、音型、調性、構成など、大変緻密に計算し練られており、古典派以前の音楽に盛んに用いられていたフィギュールfigurも、多数散りばめられている。 

この度未熟ながら講演記録を書かせて頂いた筆者にとって、この「魔笛」というオペラは日頃LPやCD、DVDなどで視聴したり、実際の舞台上演に接しても演奏の比較や演出の出来映えのこと、「魔笛」の成立事情や背景などに気をとられていたと思います。 

 本日の上田先生のお話を伺い、譜面をよく読んで分析することによって「作曲家モーツァルト」としての視点から作品を考える大切さを学ぶことが出来ました。当日はテノールとソプラノの音大生のお二人による素晴らしいアリアやデュエットも加わって大変貴重な講演会になりましたことを厚くお礼申し上げます。(石津勝男記) 

 

 

 

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●例会・懇親会 写真コーナー

  今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店において、趣旨に賛同する有志一同で、講師の上田真樹先生を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、上田先生を囲んで楽しく質疑・応答、懇親が行われた。今回はお弟子さんのタミーノとパミーナもご出席いただき、賑やかであった。懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。


      なお、写真を削除して欲しい方がおられたら、直ぐに担当宛てメールして頂くか、電話でもよいので、いつでも連絡して欲しいと思います。削除するのは実に簡単なので、作業は直ぐ実施します。

     なお、写真が欲しい方は、原版はHP担当の倉島が全て保管していますので、例えば、懇親会4列の右側の写真の場合は、例えば、懇上から4・右と言うように写真を特定して、下記にメールしていただければ、次回例会までにお届けするようにしたします。ただし、恐縮ですが、Lサイズで30円/枚のご負担をお願い致します。

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第327回 モーツァルティアン・フェライン例会 2013年6月29日
 
 

 事務局レター【第202号】/2013年6月

 【編集者】澤田義博/大野康夫/古田佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●6月例会(第327回)のお知らせ 

「『魔笛』におけるモーツァルトの音楽的試み」   上田真樹氏(作曲家)

 日時:2013年6月29日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――――― 上田先生からのメッセージ

一般に、自由に作曲していたと考えられているモーツァルト。しかし実際の作品においては和声、音型、調性、構成など、大変緻密に計算し煉られており、古典派以前の音楽に盛んに用いられていたフィギュールfigurも、多数散りばめられています。 

 今回は、『魔笛』を巨視的に捉え、またその一部を分析することにより、「作曲家モーツァルト」としての視点から作品を考えてみたいと思います。そして、フリーメイソンと関わりの深いこの作品を、彼がどのように作曲したのか、音楽的見地からその軌跡を辿ります。 

また、モーツァルトの作品を理解する上で知っておきたい音楽理論や用語、その音楽的背景をご紹介したいと思っています。 

 


上田真樹(うえだまき)先生プロフィール 

東京生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学大学院音楽研究科音楽学(ソルフェージュ)博士課程修了。作曲を高橋裕、加藤徹也、川井學の各氏に、ピアノを秋庭津代子、森正、小林睦子の各氏に師事。第12回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第二位入賞。第18回朝日作曲賞(合唱組曲)受賞。 

 最近の主な作品に、混声合唱とピアノのための組曲『夢の意味』(東京混声合唱団委嘱作品、2007;Fontec/全音楽譜出版社)、『抒情小組曲』~フルートとピアノのための~(2007;Diskart/全音楽譜出版社)、混声合唱とピアノのための組曲『鎮魂の賦』(朝日作曲賞受賞作品、2007;Fontec/全音楽譜出版社)、オーケストラのための「あけぼの」(横浜シンフォニエッタ委嘱作品、2008)、童声合唱組曲『あらしのよるに』(NHK東京児童合唱団委嘱作品、2008;全音楽譜出版社)、男声合唱組曲『終わりのない歌』(早稲田大学グリークラブ委嘱作品、2011;全音楽譜出版社)、合唱組曲『遠くへ』(名古屋大学医学部混声合唱団委嘱作品、2012;全音楽譜出版社)など。 

 2010年にはNHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲の編曲を担当、2011年には同コンクール高等学校の部課題曲「僕が守る」の作曲を行うなど合唱作品が多い。『心に花を咲かせようプロジェクト』では作品(「心に花を咲かせよう」2012;KING RECORDS/全音楽譜出版社)を提供し、被災地キャラバンツアーに参加するなど音楽を通しての震災復興活動も行っている。 

 作曲活動の傍ら、日本における音楽用語についての研究も行い、現音機関誌『New Composer』に「明治楽語事始」を執筆。 

 現在、国立音楽大学、桐朋学園大学、東京藝術大学附属音楽高等学校、都立総合芸術高等学校、各非常勤講師。 

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03( 5283)3051

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  7月20日(土)   久元祐子レクチャーコンサート  ※会場:アコ・スタディオ(原宿)

        ― ― ― 8月は夏休みです ― ― ― 

 9月28日(土)   澤田義博氏(当会会長)「モーツァルトとコンスタンツェ、そしてレクイエム伝説の真実」

  10月27日(日)  江端津也子リサイタル ※会場:アトリエ・ムジカ(代々木)

  11月        若松茂生氏(当会名誉会長)

  12月        加藤浩子氏(音楽評論家)

 

 


 
●お知らせ 

♪今月は例会の前に恒例の会員総会を開催いたします。 

  時間:12:30~13:30。内容は 

 1.会計報告
  2.2012年度活動報告
  3.2013年度、14年度の活動予定
  4.新役員のご承認
  5.その他


  です。 

 

 


●5月例会の報告(第326回/5月18日)

 「18世紀後半のピアノの発展とモーツァルト」  お話:渡辺順生氏(チェンバロ・フォルテピアノ奏者)

 5月例会はチェンバロ・フォルテピアノ奏者の渡邊 順生(わたなべ よしお)氏からご講演を頂いた。先生のプロフィールは事務局レター【第201号】2013年5月参照。 

モーツァルトは一般的に考えられるより人生の後年でピアノ奏者になった。モーツァルトの生涯の途中でフォルテピアノ(ドイツ語圏ではハンマークラヴィーア、または、ハンマーフリューゲル)の改良が徐々に進化して、出会い演奏できるようになった為である。 

 父レオポルトはモーツァルトがヴァイオリンの大家になることを目指して教育した。生まれ育ったザルツブルクはウィーンを中心とするカトリック圏であり、イタリアのオペラが盛んなヴァイオリン主体の音楽が中心であった。オルガンは演奏できたが、プロテスタントではないので、プロのオルガン演奏者として自立することは難しかった。従って、カトリック圏のモーツァルトとしてはヴァオリニストからコンサートマスター、さらに、宮廷楽長へと登りつめることが考えられた。 

 

 一方、フォルテピアノ開発の先進地域はイギリスや中北部ドイツであり、初期フォルテピアノのジルバーマンは1747年バッハが即興演奏をして1749年フリードリッヒ大王が同型を購入した。従って、18世紀までの大作曲家はヴァイオリンやオルガンの名手が多く、ベートーヴェンなど19世紀以降の大作曲家はピアノの名手が多い。 

モーツァルトは19歳の1775年までに5つのヴァイオリン協奏曲を作曲した。モーツァルト自身がヴァイオリンの名手としての演奏を目指した為と推察される。また、23歳の1779年に傑作「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」を作曲して、それらの目的を完了したと考えられる。【ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K211(ヴァイオリン:クレーメル、アーノンクール指揮ウィーンフィル)、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K364のCDを試聴】 

モーツァルト幼年時代のヨーロッパ西方大旅行のとき、父レオポルトの故郷であるアウクスブルクで小さなクラビコードを購入して持ち歩いていた。モーツァルトは結構これが好きであった。1775年オペラ「偽りの女庭師」上演のため、ミュンヘンを訪れた。そこで、シュヘート&シュマールによるタンゲンゲンフリューゲルに出会った。また、同年クリスチャン・バウマンのスクエアピアノをコロレド大司教が購入した。独奏曲は弾けるが、音量が小さくピアノ協奏曲の演奏は無理であった。 

 1777年9月、21歳のモーツァルトは母親同伴でパリ旅行へ出発した。父レオポルトの同伴は許されなかった。再びアウクスブルクに立寄りヨーハン・アンドレアス・シュタインを訪れ、シュタイン作製のフォルテピアノに出会った。モーツァルトはこのピアノを気に入り、この時以来、ヴァイオリンの名手からピアノの名手へと進路変更したと考えられる。これは、レオポルトにとっては大誤算であった。【4手のピアノのためのソナタニ長調K381(ホッグウッド)、きらきら星変奏曲ハ長調K265(スクエアピアノによる演奏)、ピアノソナタ第8番イ短調K310(渡邊順生氏のフォルテピアノによる演奏)のCDを試聴】 

モーツァルトのピアノ協奏曲でフォルテピアノによる演奏を想定して作曲されたものは、1777年の第9番K271ジュノムが最初と考えられる。シュタイン作製のフォルテピアノに出会ったためと推察される。スケールの大きい第5番K175も3台のピアノによる第7番K242他もチェンバロ協奏曲として作曲されたことになる。なお、モーツァルト自身がお気に入りの第5番はウィーン時代にフォルテピアノ使用により何回も演奏されている。 

 2台のピアノによる第10番K365はウィーンに移って直後、おそらくトゥーン伯爵夫人とアウエルハンマー嬢の父親所有の2台のフォルテピアノにより、アウエルハンマー嬢と共演している。 

ウィーンではモーツァルトより4歳年上のアントン・ヴァルターが1782年よりフォルテピアノの作製を始めた。モーツァルトはヴァルターの中古フォルテピアノを購入した。足鍵盤のついたペダルピアノであった。ヴァルターは大きな音がでるため、ピアノ協奏曲の演奏に適していた。そのため、シュタインは購入しなかった。ウィーンの音楽は、それまではイタリアオペラ中心であったが、鍵盤音楽を盛んにしたのはモーツァルトの功績と考えられる。 

 今回は、渡邊順生氏から非常に興味深いお話を頂いた。ピアノ協奏曲が交響曲に比べて初期に曲数の進捗が遅かったのは、モーツァルトのフォルテピアノへの出会いと改良の速度が影響しているという、チェンバロ・フォルテピアノ奏者ならではの詳細な見識に感心させられた。(大野康夫記) 

 

 

 

●情報コーナー

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●例会・懇親会 写真コーナー

  今回の懇親会場は、いつもの「デリ・フランス」お茶の水店において、趣旨に賛同する有志一同で、講師の渡辺順生先生を中心に飲み会に早変わり。ビールで乾杯後、渡辺先生を囲んで楽しく質疑・応答、懇親が行われた。懇親会においては、皆さん元気いっぱい、話題も豊富で、楽しい賑やかなひとときを過ごすことが出来た。


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