2002年 


●2002年12月事務局レター(02/12/01) 講師;三澤寿喜先生、前回例会結果;講師;安田和信先生

●2002年11月事務局レター(02/11/31) 講師;安田和信先生、前回例会結果;講師;井上太郎先生、石津勝男副会長、ピアノ、江端津也子氏

●2002年10月事務局レター(02/10/12) 講師;井上太郎先生、石津勝男副会長、ピアノ、江端津也子氏、前回例会結果;講師;牧野成史氏

●2002年9月事務局レター(08/26) 講師;牧野成史氏、 前回例会結果;講師;野村満男氏

●2002年7月事務局レター(07/03) 講師;野村満男氏、前回例会結果;講師;倉島 収氏

●2002年6月事務局レター(06/10) 講師;倉島 収氏、前回例会結果;講師;久元祐子氏

●2002年5月事務局レター(05/14) 講師;久元祐子氏、前回例会結果;講師;川端 博氏

●2002年4月事務局レター(04/05) 講師;川端 博氏、前回例会結果;講師;田辺秀樹先生

●2002年3月事務局レター(02/25) 講師;田辺秀樹先生、前回例会結果;講師;中村 真・澄江ご夫妻

●2002年2月事務局レター(02/05) 講師;中村 真・澄江ご夫妻;前回例会結果;200回記念特別例会;全員参加型例会

●2002年1月事務局レター(01/09) 200回記念特別例会;全員参加型例会、前回講師;三澤寿喜氏 


第211回2002年12月フェライン例会

 
事務局レター第86号 2002.12.01  モーツァルティアン・フェライン

  

 事 務 局 レ タ ー 2002.12.1 【第86号】
 
 【ホームページアドレス】http://www.geocities.co.jp/MusicHall/4498/

【編集者】山本廣資/古田佳子


♪12月例会(第211回)のお知らせ 

「映画<アマデウス>の楽究的鑑賞法」 

お話…三澤寿喜先生(北海道学芸大学教授)

 日時:12月8日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール (JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員、一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

今年も三澤先生のお話を聴く時期がやってきました。以前に『レクイエム』のお話を伺った際、映画『アマデウス』の最後の部分の解説が大変好評でしたので、改めてこの映画全般について楽究的(!)な解説をお願いしました。先生からは、以下のようなコメントを頂戴しています。 

 <映画『アマデウス』はモーツァルト・ファンならずとも、ほとんどの人が1度は鑑賞している名作であろう。モーツァルトの若すぎる死に対して、種々の他殺説があるなかで、この映画はサリエリ犯人説を基底としている。しかし、多くの人々が最も共感を覚えるのは、この映画の主題(凡庸なる者が抱く、自分より優れた存在に対する嫉妬)のもつ普遍性によってであると思われる。

 今回は、「楽究的鑑賞法」という演題が示すとおり、第一級の娯楽作品である『アマデウス』を、「より多様に楽しむ」ための視点をひとつでもふたつでも提供できればと考えている。

 第1に、事実か否かは別として、ドラマとして割り切って楽しむという観点から、その巧妙なシナリオと、効果的かつ意味深長な音楽使用などについて指摘したい。

 第2に事実との整合性にこだわるという観点から、いくつかのエピソードを間口としてその奥に広がる重要な音楽史的背景に迫ってみたい。たとえば、オペラ《後宮からの逃走》の言語選択(ドイツ語とするか、イタリア語とするか)に関する宮廷での場面は、皇帝ヨーゼフ2世、宮廷催物監督のローゼンベルク、楽長ボンノ、宮廷作曲家サリエリ、スヴィーテン男爵など、それぞれの立場からの発言が興味深く展開されていくが、当時のウィーンのオペラ事情と照らし合わせながら、もう少し深くその背景を探ってみたいと考えている。

 第3に、気になる字幕についてもいくつか指摘したい(「デス・マスク」という決定的な誤訳はディレクターズ・カットではさすがに改められていたが)。

 第4に「ディレクターズ・カット」において初めて登場した場面と、それが果たすドラマ展開上の効果などについて指摘したい。>


この間まで、テアトル・タイムズ・スクエアで上映していたディレクターズ・カヅト版を見た方も(小生は最終日に見ました)、見ていない方も、映画『アマデウス』の愉しさに迫る絶好の機会をお聞き逃しないよう、是非おいでください。

 尚、例会後は近くの「ステージ・Y2」(渋谷区神宮前1-13-12、Tel:3418-1031)で三澤先生を囲んで懇親会(忘年会)を行いますので、是非ご参加下さい。(Y)

 

 

●今後の例会のご案内

2003年1月19日第2回全員参加型例会

2月9日栗田久暉氏(本会会員)「究極の第2楽章コレクション」

3月9日田辺秀樹先生「テーマ未定」

4月13日久元祐子氏「テーマ未定」

 

 

●11月例会の報告(第210回/11月10日)

「モーツアルトの’点と線’-モーツアルト演奏におけるスタッカートの解釈について-」

お話;安田和信先生(杏林大学講師、レコード芸術再発CD評担当) 

  松本清張の「点と線」ならぬ、モーツァルトの「点と線」は、楽譜で音符の上にスタッカートを指示されている点「・」と線「'」(ダッシュ・実際の表示はもっと長い)に関するミステリーである。ミステリーであるからには謎解きがある。この謎に関して昔から研究家・学者の間に色々な意見があり、結論を先に言えば、謎解きは出来ていない泥沼状態にあるとの事である。

モーツァルトの直筆譜のコピーを見せていただいたが、点か線か判別しにくい部分もあり、結論が出せない難しい問題である。今回は「点と線」に関する問題点を皆に認識していただけたら、とのことでお話を伺った。

はじめにスタッカートの定義である。「…原則としては「・」の場合は書かれている音の1/2の長さで奏されるが、演奏者の解釈や楽器の種類によって解釈はさまざまである。『クラシック音楽辞典』(平凡杜)」とあるように、実際には四角四面でなく柔軟に対応されるべきであるとの事。次に18世紀後半の理論書におけるスタッカートの定義には①記号の種類は1種か2種か、②記号の持つ意味の多様性、③コンテクストによる違い等の問題点がある。

これをモーツァルト研究で見ると、点と線を区別している者もいれば、区別を認めない方もいる。区別についても明快に区別する研究者や軽く触れる程度の方、又コンテクストによる意味の探求を強調する論等がある。これについては新モーツァルト全集(NMA)を初めとする色々な音楽家や学者の見解を紹介していただいた。この中では当時は鵞ペンで書いていたため、磨り減ったり筆勢のため点が線になったというミースの説には説得力があった。

その上にこの記号にアクセントの意味付けが加わるとなると事態は混沌としてくる。これに鍵盤楽器の場合と弦楽器の場合の違いがある。18世紀の理論書でもその辺の奏法に区別が示されている。又、同じ音形でもソロと伴奏で違いがある。

 同じ点と線でもその音が長いか短いかの持続性と、アクセントが強いか弱いかによって4種類の組み合わせが発生する。こうなるとカオスの世界であり、人によって言う事が違うので、この時代について研究すればするほどどうして良いか分からなくなってくるそうである。

 楽譜を参照しながら以下の曲のCD演奏を聴いたが、聞き比べると同じ部分でも演奏者によりずいぶん大きな違いがあった。総じて「ピリオド楽器」系の演奏の方が、スタッカートの意味合いを強調している傾向にあった。

・交響曲イ長調K201第1楽章
・交響曲ハ長調K200第1楽章
・ピアノソナタ変口長調K330第2楽章
・交響曲ハ長調K551第4楽章
・ヴァイオリン協奏曲二長調K211第1楽章
・《ドン・ジョヴァンニ》K527より’Della sua pace'

先生自身はこういう演奏家の演奏も好きだが、演奏家がいろいろな事を知りたがり理論的な方向へ行き過ぎているとの事であった。理論書は原則・方法の教科書としてみるべきで、楽譜と違った演奏でも良いものは良いし、勉強したから良い演奏ができるわけではない。(楽譜が)正しいかどうかは分からない。アレグロのテンポひとつとってもパリ・ウィーン等各都市によって違っているが、夫々皆良いといっている。

(演奏家に)良い趣味が本来的に備わっていれば、良い演奏になる。モーツァルト(に関する詳しい事)をしらず、教わった事もない人の演奏が良いのはモーツァルトが良いからだというのが先生の結論であった。(文責Y)

 

 

●若松会長のお話

 若松会長からは近況の報告とモーツァルトに関するお話を伺った。現在、ザースロ一の「交響曲」の翻訳が終わり、来年の3月に出版されるとの事。その他会長のホームページ掲載のモーツァルトの問題集に、さらにいろいろな問題を加えて単行本にしたものが、来年6月ごろ出版されるとの事で楽しみである。若松会長には最低年一回は帰国してまとまったお話をしてもらいたいと思う。(Y)

 

 

●情報コーナー

「コンサート情報」
★12/10(火)19:00紀尾井H/M:ピアノ四重奏曲第1番、シュ一ベルト:ピアノ五重奏曲「ます」、アヴェ・マリア、野ばら他/ウィーン・シューベルト・アンサンブル\5~4000,Tel日本交響楽協会03-5721-4621
 ★12/13(金)19:00王子ホール/カール・ピノレス:八重奏曲、M:クラリネット五重奏曲K.581、シューベルト:八重奏曲D.803/ウィーン八重奏団\6000、Tel王子ホール03-3567-9990
 ★12/18(水)19:15第一生命ホール/M:弦楽四重奏曲第16番K428、ラヴェル:弦楽四重奏曲、メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番Op13 /ダイダロス・クァルテット\3~2500、Telトリトン・アーツ・チケットデスク03-3532-5702
 ★12/20(金)18:30,21(土)14:00東京文化会館/M:魔笛/ワルシャワ室内歌劇場オペラ管弦楽団・合唱団\13000~5000、Tel光藍社03-3943-9999 


「CD情報」※外盤価格は新宿タワー価格

★ピアノソナタK.310,330,331,457.545/(P)G.グールドSonSMK87860\1190(!)(グールドのモーツァルトを聴いてみようかなという方には非常に手ごろなお値段)
★モーツァルト(ディヴェルティメントやセレナード等の編曲物。非常に愉しい)/コンソルティウム・クラシクムMDG MDG301 11402\6790(7枚組)
★弦楽四重奏曲No.17「狩」ドビュッシー:弦楽四重奏曲/ヤナーチェックSTQR,ARIOSOARBR502\1690


 

●あとがき

日本の12月といえば「第9」の季節である。クラシックのコンサート情報誌「月刊ぶらあぼ」で調べたら、東京を中心とした関東圏で70回!もの「第9」演奏会がある。早くも12月1日に「響の森・桶川市民ホール」と「かずさアカデミアホール」で年末最初の「第9」が聴ける。このように各地の市民・区民の合唱団や第9を歌う会が、地元のコンサートホールで演奏を行う例がたくさん見られる。オーケストラまで地元というところもある。

 都内に限ってみても区民の合唱団が歌うのは、渋谷(12/7・渋谷公会堂)、北(12/8・北とぴあ)、杉並(12/8・杉並公会堂)、豊島(12/8・東京芸術劇場)、墨田(12/15・トリフォニーホール)、板橋(12/15・区立文化会館)、荒川(12/15・サンパール荒川)とたくさんある。その他館林、横須賀、川口、南房総、足利、前橋、横浜・緑区、多摩、横浜、川崎、伊勢崎、海老名、高崎、鎌倉、習志野、佐野の各地で「第9」が聞かれる。 

 元気なお年よりパワーも健在で「東京高齢協合唱団」というのも日本フィルのバックを勤める(12/17・東京芸術劇場)。アマチュアの合唱団にとっては「第9」出演は一大イヴェントである。プロのオーケストラの「第9」でも、アマやセミプロの合唱の方が元気が良い事がよくある。不況を吹き飛ばすような元気な合唱が各地で聞かれることを期待したい。

こんなにあると目移りして困るが、筆者の地元杉並公会堂が建て替えとなるので、ここでのファイナル「第9」(佐藤功太郎指揮:日本フィル)と、ピアノデュオ十ソロによる「第9」(12/15・トッパンホール)は聴きたいと思う。(Y)

 


第210回2002年11月フェライン例会

 
事務局レター第85号 2002.11.01  モーツァルティアン・フェライン

  

     事 務 局 レ タ ー 2002.11.1 【第85号】
 
 【ホームページアドレス】http://www.geocities.co.jp/MusicHall/4498/

【編集者】山本廣資/古田佳子


♪11月例会(第210回)のお知らせ 

「モーツァルトの‘点と線’---モーツァルト演奏におけるスタッカートの解釈について---」

お話…安田和信先生(杏林大学講師、レコード芸術再発CD評・海外盤試聴記担当)

 日時:11月10日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール (JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員、一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


  今月は「レコード芸術」誌上で、再発CD評と海外盤試聴記で活躍しておられる安田和信先生と、久々に若松会長が帰国されるので、安田先生の講演後30分ほどお話ししていただきます。安田先生からは以下のような概要を頂きました。 


 『音符の上や下に付される点や線(または楔)は、現在の楽典の一般的知識ではスタッカート記号として知られています。その意味は、ふつう、記譜された音符のもつ音価よりも短く切って演奏するというものです。しかし、18世紀においては、点や線の記号に様々な意味を持たせ、場合によっては記号の種類にさえ3つ以上のヴァリアントを主張する理論家が存在したのでした。

 現在のモーツァルト演奏家たち、特に歴史的な情報に基づく演奏解釈(最近、英語圏では‘Historically-Informed Performance’と呼ばれている解釈。いわゆる‘ピリオド楽器演奏’がその端的な例です)を実施する演奏家たちにとっては、スタッカートの解釈は、実際にどのようなニュアンスの音を出すべきかに直接的にかかわり、音を出す前に解決をしなければならない、まさに切実な問題の一つと言っても良いのではないでしょうか。

  今回の話では、1980年代以降の一部の演奏家たちによるスタッカート解釈を検証し、その解釈の由来を推理してみたいと思っています。 だが、その過程における不可避な困難として、18世紀の理論家たちの間での用語法および使用記号についての混乱、モーツァルト自身の用語法と使用記号が概して解読不能であるという点が挙げられます。  また、『新モーツァルト全集』を筆頭とする現代の批判版においても、当然のことながら、校訂担当者独自の資料批判による結果という意味合いが強く、統一された解決法などは望むべくもありません。従って、私の話では、何か結論めいたことをお話するというよりも、問題の根深さ、解決の困難さを共有していただければ、このうえない幸いと考えています。

  このように書いてくると、重箱の隅をつつくような、些末なお話という印象を持たれてしまうかも知れません。しかし、CD録音の試聴、自筆楽譜や初版譜のファクシミリなどをなるべく多く駆使して、少しでも楽しく聴いていただけるように、努力したいと思っています。』 モーツァルトについてのこの方面からのアプローチは初めてですね。大いに期待されます。

 尚、例会後は近くの「ステージ・Y2」(渋谷区神宮前1-13-12 ℡3418-1031)で安田先生や若松会長を囲んで懇親会を行いますので是非ご参加下さい。(Y)

 

 

*今後の例会のご案内

 12月8日 三澤寿喜先生(北海道学芸大学教授)「映画『アマデウス』の学究的解説(仮題)」

2003年1月19日 第2回全員参加型例会

 2月9日 栗田久暉氏(本会会員)「究極の第2楽章コレクション」

 3月9日 田辺秀樹先生「テーマ未定」


 

♪10月例会の報告(第209回/10月20日)

 「モーツァルティアン・フェライン創立20周年記念例会」
①「フェライン創立20周年を迎えて」お話・石津副会長
② 記念演奏:江端津也子氏(ピアノ)
③ 記念講演:「モーツァルトの調の選択と転調のやり方」
お話・井上太郎先生(湘南モーツァルト愛好会会長)


 「モーツァルトの音楽を日々真摯に聴きつづけ、生活の糧としているモーツァルティアン(若松会長の創刊の辞より)」の集いが20周年を迎えた。この日は記念集会とあっていつもより参加者が多かった。 

 

 

[Ⅰ]石津副会長からは、創立以来の色々なエピソードを伺った。発会以前のこと、若松さんとの出会い、『憂陀』での夜の例会、初期のメンバー高橋一彦氏・佐藤剛介氏の活躍、井上先生のこと(フェライン講演17回)、世話人会のいきさつ、最近のホームページ、までに話が及び中村ご夫妻への謝辞もあった。2006年の生誕250年は静かになるのではないか、それまでモーツァルトを聞いていきたいとのことであった。
 尚、当日は上記佐藤剛介氏も出席、昔からの会員と旧交を温め、新しくフェラインに入会されたのは喜ばしい事であった。

 

 

[Ⅱ]記念演奏:江端津也子氏(P)(演奏曲目は先月号参照)


  珍しい曲も多く、いずれもこの日にふさわしい選曲と演奏であった。ナンネルのための作品と、モーツァルトが影響を受けたと思われる、似たような作品を並べて演奏したのは大変面白い企画であった。始めて聴く井上先生の作品も楽しかった。

 

 

 

[Ⅲ]記念講演:井上太郎先生(湘南モーツァルト愛好会会長)『モーツァルトの調の選択と転調のやり方』

  米国のラリューという研究家によると18世紀に作られた約16,000曲のシンフォニーの内、短調の曲は6%だそうである。又、ニ長調5000曲、ハ長調2200曲、ト長調1983曲、ヘ長調1700曲、変ロ長調1590、変ホ長調1543、イ長調1526に対しニ短調319曲、ト短調206曲で、この傾向はモーツァルトとハイドンについても当てはまるとの事。

 

 


  これについては、井上先生が折角調べて表にまとめられたので一寸見難いが御紹介する。先月の先生のレジュメにあるように演奏される曲がほとんど現代音楽であった二人の時代では、作曲から実演まで十分に時間が取れない状況にあり自分たちの楽団の演奏家のことを考えて調を選んでいることがこの表でよくわかる。

 


表ー1、モーツァルト(M)とハイドン(H)がシンフォニーの楽章で選んだ調

 

 

    
調性 M H 調性 M H 
ハ長調 26 65 ヘ長調 22 32 
イ短調 0 1 ニ短調 0 8 
ト長調 29 61 変ロ長調 14 48 
ホ短調 0 5 ト短調 7 6 
ニ長調 40 82 変ホ長調 16 45 
ロ短調 0 1 ハ短調 4 13 
イ長調 13 28 変イ長調 1 1 
嬰ヘ短調 0 2 ヘ短調 0 5 
ホ長調 0 6 変ニ長調 0 0 
嬰ハ短調 0 0 変ロ短調 0 0 
ロ長調 0 4 変ト長調 0 0 
嬰ト短調 0 0 変ホ短調 0 0 
嬰ヘ長調 0 1 -   


 実例の曲はモーツァルトが使った調性の交響曲楽章を聞いた。モーツァルトが使っていない調性についてはハイドンのものを聞いた。交響曲には使われていなくても、オペラや協奏曲、ソナタに使われている調性もあり、個々の調性とモーツァルトの関係についてもお話を伺った。 転調については最も複雑な40番のシンフォニーの終楽章の展開部を聞きモーツァルトの転調の妙技を味わった。意外な発見だったのは、ハイドンの作品の面白さであった。聞き比べに先生が選んだのは僕達が比較的耳にする事が少ない若い番号の交響曲の楽章。それだけでなくモーツァルトが使わなかった調性だったのでより新鮮に聞こえたのかもしれない。「告別」交響曲第1,3楽章には嬰へ短調と嬰へ長調が使われておりハイドンの何かの意図が伺われた。

 調性に関しては素人の筆者でも、♯や♭がたくさん入った楽譜はいかにも弾くのが難しそうに見える。時代が下っていろいろな調が使われるようになったわけであるが、数少ない調を組み合わせてかくも魅力的な曲を作るのだから、さすがモーツァルトであるといえる。 (Y) 


 

♪情報コーナー

 コンサート情報

★11/15(金)19:00、11/16(土)14:30 北とぴあ・さくらH 《モーツァルティッシモ-1983.3.23モーツァルト自身の企画プログラムの再現!-》/M:交響曲ハフナー、ピアノ協奏曲K.175+K.382、セレナーデ《ポストホルン》他/寺神戸亮他 \5~3000 ℡プロ・アルテ・ムジケ03-3943-6677・・・「モーツァルティアン-創立20周年記念号」で倉島副会長が書かれた「夢のザルツブルグ・コンサート」の再現である。
★11/15(金)19:00 紀尾井H/シューベルト:弦楽四重奏曲第12番 「四重奏断章」、M:弦楽五重奏曲第6番 K.614、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番Op59-3「ラズモフスキー第3番/(Va)ウルスラ・ブラインヒンガー、ウィーン弦楽四重奏団 \6000~5000 ℡カメラータ・トウキョウ 03-5790-5560
 ★11/16(土)17:00 エプタ・ザール(狛江)/「河原奈美ピアノリサイタル」M:小時計仕掛けオルガンのためのアンダンテ K.616、ピアノソナタK.332、フルートとピアノのためのソナタK.376(Fl・大田哲弘)、~白夜への憧憬~シベリウス:即興曲Op.5-5、グリーグ:夏の夕べOp.71-2他 \4000 ℡042-721-4723 大田
★11/17(日)13:30 神奈川県立音楽堂/M:交響曲第13番K.112、オッフェトリウムK.117、VnとVlaの為の協奏交響曲K.364、井上太郎!:「レクイエム」よりイントロイトゥス、キリエ、M:ミサ曲ハ短調K.427/(T./指揮)牧野成史!:モーツァルト・アカデミー管弦楽団、(合唱)横浜モーツァルトアカデミー! \3500 ℡090-9826-5937 古田
★11/19(火)19:00 紀尾井H/M:弦楽四重奏曲「狩」、ピアノ四重奏曲第1番K.478、シューベルト:「死と乙女」/(P)遠山慶子、ウィーン弦楽四重奏団 \6000~5000 ℡カメラータ・トウキョウ 03-5790-5560
 ★11/20(水)19:00 三鷹市芸術文化センター/M:ピアノ協奏曲第1番K.37、第19番K.271、交響曲第40番K.550/(P)久元祐子、大沢健一:ハーツ室内合奏団 \4000 ℡0422-79-7307ラ・フォルテ ハーツ事務局
★12/6(金)19:00かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトH/M:K.525、ピアノ協奏曲第12番K.414、第14番K.449/(P)エリック・ハイドシェック!田部井剛:新日本pho. \5000~3000 ℡コンサート・イマジン03-3235-3777

 

♪お知らせ・新しいコラムの設置 

  このレターを皆様により身近なものとするため、新たなコラムを設置する事としました。

①最近のコンサートから:会員の皆様が最近聴かれたコンサートで良かった・つまらなかったその他についての感想。

②最近のCDから:同様に皆様が最近手に入れた又はどこかで聴いたCD/LP/ビデオ(新譜・旧譜不問)等について。

 内容・規定:勿論モーツァルトに関するもので400字以下。

 投稿方法:E-Mailで山本まで。お待ちしています。

 

  
第209回2002年10月フェライン例会

 
事務局レター第84号 2002.10.01.  

  

 事務局レター 2002.10.1 【第84号】 

 【編集者】山本廣資/ 古田佳子


●10月例会(第209回)のお知らせ 
「モーツァルティアン・フェライン創立20周年記念例会」

①「フェライン創立20周年を迎えて」お話・石津副会長
② 記念演奏:江端津也子氏(ピアノ)
③ 記念講演:「モーツァルトの調の選択と転調のやり方」
お話・井上太郎先生(湘南モーツァルト愛好会会長)

 日時:10月20日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ・モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員、一般共)
例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

今月はモーツァルティアン・フェラインの創立20周年の記念例会で、盛りだくさんな内容です。

 (1)まず初めは石津副会長の「フェライン創立20周年を迎えて」というお話です。創立以来のメンバーである副会長からはいろいろ面白いお話が伺えることと思います。

 (2)記念演奏は、例会場カーサ・モーツァルトのオープニングと同じく、江端津也子さんのピアノ演奏。

・モーツァルト:ピアノソナタ ヘ長調 K.332
・モーツァルト:カプリッチョ ハ長調 K.395
・ナンネルのための楽譜帳より 数曲
・井上太郎:「モーツァルトの主題による7つの変奏曲」 (K.606-1による)
・井上太郎:「A Portrait of Mozart」-わが73歳の誕生日(1998.7.14)- 

 (3)記念講演として、おなじみの井上太郎先生から「モーツァルトの調の選択と転調のやり方」というお話しを伺います。先生からは次のようなコメントを頂きました。 

 『今のコンサートの曲目は、150年から200年以上昔に作られたものが中心です。この事実をもしモーツァルトが知ったら、驚きあきれるに違いありません。なにしろ当時は書かれたばかりの曲がプログラムの中心であり、たまに旧作が演奏されることはあっても、それは極めて例外的だったからです。教会音楽でもグレゴリオ聖歌のようなものは儀式の中で唱われたものの、ミサ曲などは新作が演奏されました。

そのような状況にあっては、今のように練習時間を充分に取ることは難しく、オーケストラ曲などでは、作曲家が書いたスコアのインクも乾かぬ内に、コピーストが手分けしてパート譜を作り、初見同然で演奏に臨んだと考えられます。

それですから、オーケストラのメンバーが弾きやすい調を選択することが多かったと考えられます。弦楽器が弾きやすく、響きもよいニ長調がザルツブルク時代のセレナードやディヴェルティメントに多いのはそのためでしょう。管楽器が活躍する曲にはフラット系のヘ長調や変ロ長調が多くなります。

 短調の曲は長調の曲に比べて非常に少ないのですが、ウィーン時代に入ると、3曲とか6曲の単位で注文を受けた曲集には、短調の曲を入れて変化をつけております。

 又長調の曲でも、ソナタ形式の展開部では必ず短調の部分が現れて、緊張感を高めております。モーツァルトの高度な作曲技法はこの部分に多く見られますが、中でも転調のやり方の最も複雑な例は、有名な40番のシンフォニーの終楽章です。

このようにモーツァルトの調の選び方と転調のやり方の特徴を、実例を上げながらお話したいと思います。』

  今月もまた井上先生による興味深いお話で楽しみですね。尚、例会後は近くの「ステージ・Y2」(渋谷区神宮前1-13-12 ℡3418-1031)で井上先生や江端さんを囲んで懇親会を行いますので是非ご参加下さい。(Y)


 

●今後の例会のご案内 

 11月10日 安田和信氏(杏林大学講師、レコード芸術再発CD評担当)「モーツァルトの‘点と線’――モーツァルト演奏におけるスタッカートの解釈について――」 

 12月8日 三澤寿喜先生(北海道学芸大学教授)「映画『アマデウス』の学究的解説(仮題)」

 2003年1月19日 第2回全員参加型例会 

 2003年2月9日 栗田久暉氏(本会会員)「究極の第2楽章コレクション」


 

●9月例会の報告(第208回/9月8日)

 「ザルツブルク、モーツァルトあれこれ」 お話…牧野成史氏(横浜モーツァルトアカデミー、所沢バッハアカデミー主宰)

  海外で活躍している日本人音楽家はたくさんいるが、モーツァルトの本場ザルツブルクで、しかも大聖堂の専属歌手として20年にも亘って活躍された方はいない。その活躍ぶりの片鱗は聴かせて頂いたテープでも十分うかがわれた。

  聴かせて頂いた曲は、牧野氏がテノールを歌ったザルツブルク大聖堂その他での演奏と、ご自身主宰のYMA・TBA等を指揮された、モーツァルト中心の宗教曲やオペラで、普段聴けない曲が多かった。スペースの関係で珍しいものだけをあげるが、若き日の牧野氏の声と、日本の合唱団のレベルの高い演奏を楽しんだ。(番号は当日の配布資料のNo.による)

 (4)アドルガッサー(この人の3回目の結婚式にレオポルトが立ち会った):テノールのためのモテット「アヴェ・マリア」、1986.8.17(Salz.フランチェスカーナ教会)/フランチェスカーナ教会合唱団・管弦楽団(Ten)牧野氏(以下S.M.)。・・・日本で聴く機会は全くない曲。当時27歳の牧野氏は若く溌剌とした良い声である。

 (7)サリエリ:ミサ曲ニ長調よりグロリア、(Ten)S.M.。・・・レコードもなければ出版もされていない。したがって手書きの譜面。このような曲の譜面が倉庫にたくさんあるとの事。これは大変良かった!モーツァルトと比べ格下扱いされるサリエリであるが、どうしてどうしてこんな素晴らしい曲を書いていたとはさすがであり、認識を新たにさせられた。

 (6)テ・デウムK.141(1999.10.24、神奈川県立音楽堂)/東京アカデミア・シンフォニカ、合唱:YMA、指揮:S.M.・・・モーツァルトのものに手を加えた版(ザルツブルクの楽譜に赤字で記入された物がある)による本邦初演。

 (10)アルマ・ディ・クレアトーリス(創造主の魂)K.277、(1989.7.19ベルヒスガルテン聖アンドレアス司教区教会)/同教会聖歌隊、管弦楽団、(Ten)S.M.・・・これも普段は余り耳にしない曲であるが、いい演奏であった。

  その他、牧野氏の先月のレター以外のお話をあげると…

○合唱団には200年前から歌っている家系もあるということで、モーツァルトの凝縮度の高いザルツブルクでは昔から温存されている音がある。したがって、いわれなくてもやってしまうという日本では考えられない体験をし、幸せだなと感じたそうである。 

○毎週日曜日のミサの他にも、例えば1984年8月のザルツブルク音楽祭では7/29孤児院ミサ、8/3同曲、8/5チェザーレ・ブレスゲン:ミサ曲、8/5雀ミサ、8/9レクイエム、8/19クレド・ミサと大活躍で、皆さんの中にはこれを聴かれた方もおられることと思う。 

○教会音楽は実用音楽として実際に使われている。「モーツァルトは今でも実用に足る物であり」、信者はこれによって心が慰められるとの事であった。又少ない楽器で演奏できるようモーツァルトの苦労の跡も解説していただいた。 

○大聖堂の響きはコンサートホールと違い特殊な環境で残響が長く、一番前にいる司教様に届かさなければいけないが、力んでみても届かない。この響はモーツァルトの頭の中に入っており、これに則して作曲されているので、指揮するときは独特のテンポ感が必要との事であった。

○普通の指揮者は歌い手の気持ちがわからない。生き物に接するようにしなければならない。生理的なテンポがあるのでそれをつかんであげる事が必要。

○19世紀を習った人から教わった音楽は無形の遺産、これを残しておきたい。

○宗教曲も音楽の一部であり思い入れの多いほうがうまくいかない。音楽以外に背景等考えない方が良い。オーディションでも宗教の事は聞かれなかった。よい演奏をする事が宗教であり信仰であるという、含蓄ある言葉でお話を終えた。

  ご自分の経験に基づいたお話しは大変面白く、ここにその一部しかご紹介できなかったが残念である。

  牧野氏の自宅のダンボール箱には、ザルツブルク時代の記録をはじめとして、多数の曲のテープが保管されているとの事。この中には、上記のサリエリの作品のようにCD化はおろか、出版されていない曲もたくさんある。どなたかボランティアで、これらをCD化する御手伝いをする方はおられないだろうか。

  又、今日紹介されたような、私たちが聞いた事のない曲や、余り演奏されない曲を今後も聞かせていただきたいですね。(Y)


 

【当日の使用曲】(全てライヴ録音)

◆ミサ ブレヴィス 変ロ長調 KV275 より「クレド」
 1995年11月5日 ザルツブルク大聖堂
 大阪モーツァルトアンサンブル/大聖堂合唱団/指揮:牧野成史

◆レクイエム K626 より「レコルダーレ」
 1984年5月20日 フランス・ランス 聖レミ大聖堂
ザルツブルク市、ランス市姉妹都市20年記念公演
ザルツブルク モーツァルト合唱団/カメラータ・アカデミカ ザルツブルク
 テノール:牧野成史 指揮:エルンスト・ヒンライナー

◆アドルガッサー テノールのためのモテット「アヴェ・マリア」
 1986年8月17日 ザルツブルク フランチスカーナ教会
ザルツブルク フランチスカーナ教会合唱団・管弦楽団
テノール:牧野成史 指揮:ベルンハルト・グフレラー

◆教会ソナタ KV336
 1999年5月30日 所沢ミューズ アークホール
東京アカデミア・シンフォニカ/オルガン:ベルンハルト・グフレラー/指揮:牧野成史

◆テ・デウム KV141
 1999年10月24日 神奈川県立音楽堂
 東京アカデミア・シンフォニカ/合唱:横浜モーツァルト・アカデミー/指揮:牧野成史

◆アントニオ・サリエリ ミサ曲ニ長調より「グロリア」
 1985年8月4日 ザルツブルク大聖堂
 大聖堂合唱団・管弦楽団/テノール:牧野成史 指揮:アントン・ダヴィードヴィチ オーストリア放送協会ライブ録音

◆コシ・ファン・トゥッテ KV.588より 冒頭の三重唱
 1989年4月16日 ドイツ パッサウ市立歌劇場
パッサウ市立歌劇場管弦楽団/フェランド:牧野成史/指揮:ヘルベルト・モラシュ 

◆アルマ デイ クレアトーリス(創造主の魂)KV277
 1989年7月19日 ドイツ ベルヒテスガルテン聖アンドレアス司教区教会
ベルヒテスガルテン聖アンドレアス司教区教会聖歌隊、管弦楽団
テノール:牧野成史 指揮:ウルバン・ハーフェンマイヤー
◆モーツァルト編曲、ヘンデル作曲「メサイア」K572より 第29曲
 1999年1月17日 所沢ミューズ アークホール
東京アカデミア・シンフォニカ/バス:クルト・ヴィドマー/指揮:牧野成史

◆「ツァイーデ」 KV344より 第3曲 ツァイーデのアリア
2000年7月9日 所沢ミューズ アークホール
東京アカデミア・シンフォニカ/ソプラノ:シャルロッテ・ピストア/指揮:牧野成史 

◆ミサ曲 ハ短調「グレートミサ」 KV.427より「キリエ」
 2002年7月7日 所沢ミューズ アークホール
合唱:所沢バッハアカデミー/バッハアカデミー管弦楽団/ソプラノ:本島阿佐子 指揮:牧野成史

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★10/28(月)19:00第一生命H/ディヴェルティメントK.136、Cl協奏曲/(Cl)武田忠義、フィルハーモニック・カメラータ・ベルリン \5500~3500 ℡ムジーク・レーベン 03-5458-7777
 ★11/6(水)19:00 サントリーH/Pと木管のための五重奏曲K.452、P四重奏曲第1番K.478他/(P)M.ポリーニ!アッカルド弦楽四重奏団 \12000~4000 ℡カジモト・イープラス03-5749-9960
 ★11/7(木) 19:00 第一生命H/アンダンテK.616、アダージョとアレグロK.594、幻想曲K.608、セレナードNo.12「ナハトムジーク」K.388、シェーンベルク:五重奏曲/アンサンブル・ウィーン=ベルリン \8~5000 ℡カジモト・イープラス03-5749-9960
 ★11/7(木)18:30 オーチャードH/歌劇「イドメネオ」(演奏会形式9/福井敬、吉田浩之、緑川まり、幸田浩子、荻原潤他、沼尻竜典:東京フィル \7500~4500 ℡東京フィル 03-5353-9522

CD情報 ※外盤単価は新宿タワー価格

★ディヴェルティメントK.138、Vn協奏曲K.219、アダージョK.261、ロンドK.373、ロンド K.269、セレナーデ K.525/W.シュナイダーハン(V・指揮)ウィーンpho.(1973.4.4ザルツブルク音楽祭!) ORF SF 010 \1390
 ★Vn協奏曲第1,3,4番/ムローヴァ(P・指揮)O. of the Age of Enlightenment PHIL 28947 02922 \1750
 ★FL/Ob協奏曲集K.285,298,370,285a,285b/レザディユ(ハツェルツェット(Fl)、ヴェシュテルマン(ob)他) DHM05472 77846 2 \990
 ★Pソナタ第1~7番/(P)パトリック・コーエン GLOSSA 2K0503 \3390(2CD)(Y)


 

●あとがき


 季刊「モーツァルティアン」第42号-創立20周年記念号-に、例会記録があったので、筆者がいつからモーツァルティアン・フェラインに入会したのか古い手帳で確認したら、1988(昭和63)年5月22日の高橋邸での第51回例会で、お話しは砂川しげひさ氏による「モーツァルト漫談」であった。自分から言うのもおかしいが、結構古顔になっていたわけである。

  記念号の記事で圧倒されるのは会報の記録と例会の記録である。1人の作曲家を巡ってこんなにもたくさん話のネタがあるというのも驚きである。どこの会でも何をやったかという記録はあっても、この事務局レターのように講師の方による事前のコメントと事後の報告をまとめている所は少ないのではないか。これも続ける事に意義があるので今後も頑張るつもりであるが、技術系の雑誌にも毎月連載しているので、事務局レターと合わせ、締め切りのある原稿を毎月2つ書かねばならないのが一寸辛い。ちょっとした流行作家並(?)の忙しさを楽しんでもいるが、交代で「例会の報告」を書いてくださる方がどなたかおられないだろうか。(Y)

 

  
第208回2002年9月フェライン例会

 
事務局レター第83号 2001.08.26

  

 事務局レター/2002.9.1 【第83号】

 【編集者】山本廣資 hiro-yamamoto@jcom.home.ne.jp/古田佳子bxp00423@nifty.ne.jp 


 ●9月例会(第208回)のお知らせ 

「ザルツブルク、モーツァルトあれこれ」

お話…牧野成史氏(横浜モーツァルトアカデミー、所沢バッハアカデミー主宰者 )

 日時:9月 8日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ.モーツァルト(原宿医院)3Fホール(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員、一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

 鑑賞派が多数の我が会でも、日常的にコーラスに参加して音楽表現する方面でも 活躍している方々がおられる。今月はこの方々(横浜MA:廣政・西岡氏、所沢 BA:古田氏)の合唱団を主宰され、バッハやモーツァルトの名曲を積極的に紹 介されている牧野成史氏のお話をうかがいます。牧野氏から頂いたコメントは下 記のように「ザルツブルク・モーツァルト、あれこれ」という多方面に亘るお話 です。


 『 ①オーケストラ合わせで驚いたこと :数年前、ザルツブルク大聖堂の専属ソリ ストになって10年とすこしたったころ、指揮活動を始めてまもない私に、大聖 堂の祝典ミサを振る機会が与えられました。曲は「雀のミサ」という20分前後 の短いけれど、とてもモーツァルトらしい名曲でした。そのオーケスト合わせの 時、なんと一度も止めることなく最後まで通ってしまったのです。この練習で私 にやることはありませんでした。確かに大聖堂オーケストラはモーツァルテウム 管弦楽団の若手メンバー達で名手ぞろいなのですが、ちょっと普通には考えられ ないことです。

  驚くべきことに、彼らのようにモーツァルトやハイドンを弾きなれている人たち は、無意識的にその音楽を作りだしているのです。そのような世界があることを 私はあらためて実感したものです。 《以下は牧野氏から頂いたコメントを編集者 がまとめたものです。》

②モーツァルトのDNA:モーツァルトが生まれた人口20万人の小さな町ザル ツグルクには「モーツァルトの音楽のDNA」をもった人たちが間違いなく存在 する事。そしてこの町ではモーツァルトが演奏され、技術が受け継がれ、そのよ うな宝が無数に存在しているが、しかしその価値を人々がどんどん忘れていって いる事。 

③半年で20曲以上:ザルツブルクに16年以上も住み、大聖堂専属歌手として モーツァルト、ハイドンを中心にバロック古典のミサ曲を演奏。毎週木曜日に楽 譜をもらっては日曜日に歌うという課題が課せられ、わずか半年の間に20曲以 上のミサ曲を勉強された修業時代のお話。

④大聖堂の音 :モーツァルトの宗教曲のほとんどが初演された大聖堂の音響の独 特な事。そこでの歌い方と、モーツァルトの作曲について。

⑤教会の書庫で:ある教会の書庫で見たモーツァルト時代の、手にとると今にも 崩れてしまいそうなパート譜(自筆譜からの写譜らしい)を目にした時の感想。

⑥所沢、横浜 両アカデミーの創立:日本にもともと無かったものを自分の手で ひとつひとつ積み上げてゆく作業とその苦労と試行錯誤について。

⑦これから考えて:今日の情報化という流れにあって、伝統や歴史について考え る事。』


  一度に聞くのは勿体無いような豊富な内容で楽しみですね。尚、例会後は近くの 「ステージ・Y2」(渋谷区神宮前1-13-12 ℡3418-1031)で牧野氏を囲んで懇親 会を行いますので是非ご参加下さい。(Y)

 

●今後の例会のご案内

 10月20日 「モーツァルティアン.フェライン創立20周年記念例会」
①「 フェライン創立20周年を振り返って」石津副会長 
② 記念演奏:江端津也子氏 (ピアノ)
③ 記念講演:「モーツァルトの調の選び方と転調の仕方」井上太郎先生

 11月10日 安田和信氏(杏林大学講師、レコード芸術再発CD評担当)「レコ ード録音の分析を通して見えるモーツァルト演奏の歴史(仮題)」

 12月8日 三澤寿喜先生(北海道学芸大学教授)「映画『アマデウス』の学究 的解説(仮題)」


 

●7月例会の報告(第207回/7月14日)

 「モーツァルトのクラヴィア曲に調和する調律法」 お話…野村満男氏(チェン バロ研究家.東邦音大元講師)

  お話の始まる前から先生は持参の楽器の調律に時間をかけておられた。聞けば、 早く着きすぎて車の中で待機していたため楽器が暖められてしまい、遠赤外線が 出ている程だとの事。調律とはそれほど微妙なものである。

この日は、クラヴィコード(シュタイン製に似た山野辺暁彦氏製作のモデル、旅行者用のもの)、チェンバロ(野村先生製作、ジルバーマン・ファミリー製作のもののコピー)、会場のアップライト型ピアノの3種類の楽器を使って、調律法による音色の違 いを聴き比べた。


 楽器の紹介の後、3種類の楽器に別々の調律を行ったモーツァルトのK.330の 第1楽章を聴いた。演奏は東京音大大学院の井上裕子さんであった。

 初めにキルンベルガー・第Ⅲ調律によるクラヴィコードの演奏。これは耳慣らし 。音の小さいせいもあってこの段階では調律の違いが分かるというものではなか った。

 次に等分律(いわゆる平均律)によるピアノ演奏。不思議な事にモーツァルトが 鳴ってはいるのだが、いつもと違って美しく響かない。(演奏のせいではない。 響きの問題である。)普段はこのような調律で聴いても別に気にならないのだか ら、どうもKirmberger・第Ⅲ調律を聴いた後のせいかも知れない。モ ーツァルト以外の作曲家の作品のように聞こえた。

この後がヴァロッティ律によるチェンバロ演奏。これには驚いた。絶対音感を持 っていない筆者でもはっきり分かるほど美しい響きである。調和が取れていると 如何に美しく響くかと言う先生のお話を身をもって(耳でもって)証明された感 じであった。

 

このあとは先月のコメントにあるようないろいろな調律法についてのお話をうか がった。

バッハの平均律ピアノ曲集にある平均律という言葉についても、「12等分に分 割されているもの」と言うふうにイメージされるが、原題の「WELL TEMPERED」は 「程よく調律された」という事すなわち“調律があった”ことを意味し、程よく 調律でされていれば何でも美しく弾けるという趣旨であるとの事であった。

 


 又、モーツァルトのクラヴィーア作品に使われた調性についても、ヘ長調・ハ長 調をピークに調性の選択に偏りが見られ、どんな調の作品でも作曲されたわけで はない事を教えられた。これは当時の調律法で美しく響く調性をモーツァルトが 選んでいた事を示している。この他にも5度の循環だけを使った曲の紹介等面白 い話がたくさんあった。

 調性・音律に関する基礎知識が不足しているため、先生のお話についていけない ところもあったのが残念であるが、調律法の違いでこんなに響が美しくなる事を 教えられたのは「目からウロコの落ちる」思いであった。(今回の場合は「耳か ら何かが取れる」とでも言えばよいのでしょうかね。)
 昔から骨董品や絵画の素晴らしい物を見た時の表現に「眼福」という言葉がある がこの日は「聴福」のひと時であった。

 古楽器の演奏会があるのだから、Vallotti音律の演奏会というものもあ っても良いのではないかと思った。(Y)

 

 

 

 

 

 

●情報コーナー

 コンサート情報

★9/3(火)、9/5(木) 18:30、9/7(土)、9/8(日)15:00 オーチャードH《エクサン ・プロヴァンス国際音楽祭・東京公演》/歌劇「フィガロの結婚」/指揮:マル ク・ミンコフスキー 演出:リチャード・エア \34000~24000(以下売り切れ) ℡ :BUNNKAMURA3499-9999
 ★9/13(金)浜離宮朝日H/M:幻想曲K.397、Pソナタ第8番、シューベルト:P ソナタ第16番、ベートーヴェン:Pソナタ第28番/(P)イリーナ・メジューエ ワ \4000 ℡:朝日H03-3267-9990
 ★9/18(水)19:00 JTアートHアフィニス/クラリネット五重奏曲 K.581、 同K.Anh91(K.516c)、弦楽四重奏曲第16番「狩」 \3000 (Cl)カール・ライスタ ー、(Vn)徳永二男、漆原啓子、(Va)豊島泰嗣
★9/19(木)19:00紀尾井H/コントルダンスK.267、交響曲第40番、ベートーヴ ェン:ピアノ協奏曲第2番/(P)イェルク・デムス、堤俊作:ロイヤルCho. \5000 ~1500 ℡:ロイヤルCho 03-54435031
 ★9/20(金)19:00音楽の友H/シューベルト:12のドイツ舞曲、3つの小品、き らきら星変奏曲、Pソナタ第4番、リスト:巡礼の年第2年補遺《ヴェネティアと ナポリ》/(P)揚原祥子 \3500(前売り\3000) ℡:音友出版部DP 03-5227-7640
 ★9/21(土)15:00 国立音大講堂《モーツァルト・シリーズ2002》/セレナード第 6番《セレナータ・ノットゥルナ》、同第7番《ハフナー》より第2~4楽章、同第9 番《ポストホルン》\2000 ℡:国立音大042-535-9535
 ★9/28(土)18:00紀尾井H/交響曲第34番 K.338、ピアノ協奏曲第9番「ジュノ ーム」、セレナード第9番《ポストホルン》/(P)レイフ・オヴェ・アンスネス、 尾高忠明:紀尾井シンフォニエッタ東京 \5500~3500 ℡:紀尾井H 3237-0061
 ★10/10(木) 19:00サントリーH/ピアノ協奏曲第27番 K.595、マーラー:交 響曲第7番「夜の歌」/(P)仲道郁代、沼尻竜典:東京フィルハーモニーso、\11000 ~3000 ℡東京フィル03-5353-9522
 ★10/15(火)19:15 第一生命H/交響曲第29番 K.209、ヴァイオリン協奏曲 第4番、ドヴォルザーク:弦楽セレナード、他/(Vn)寺沢希美、チェコ・フィル ハーモニーCho. \8000~6000
 ★10/17(木) 19:00 東京オペラシティ・コンサートH/交響曲第29番 K.209 、ヴァイオリン協奏曲第5番、ドヴォルザーク:弦楽セレナード、他/(Vn)小林 響、チェコ・フィルハーモニーCho. \8000~4000


CD情報 ※外盤単価は新宿タワー価格

★交響曲全集/H.グラーフ:ザルツブルク・モーツァルテウムo.Cappritio 49 232 \6990 (13枚組)
★交響曲No.28,29,30/O.スイトナー:ドレスデンシュターッカペレBerlin Classics 0094732BC \990
 ★交響曲No.31,32,33,34 /演奏同上BC 0094742BC
 ★交響曲No.35,36,38 /演奏同上BC 0094752BC
 ★交響曲No.39,40,41/演奏同上BC 0094762BC
 ★《夕べのセレナード》モーツァルトのハルモニームジーク(K.375、魔笛、他)/ エリック・ホープリッチ&ナハトムジークGLOSSA GCD 2K0601 \1690(2枚組)
★ピアノ協奏曲全集/M.ペライア(P・指揮):イギリスCho. SONY SX10K 89500 \5980 (10枚組)
★2台のピアノ協奏曲K.365、3台のピアノ協奏曲/(P)T.ニコラエワ、E.ヴィルサ ラーゼ、N.ルガンスキー サウリウス・ソンデキス:リトアニアcho Yedang YCC- 0089 \1290(Y)


 

●あとがき

 こと音楽に関しては、「百聞は一見にしかず」ならぬ「百読は一聴にしかず」と いったところでしょうか。実は、先月の事務局レターの野村先生のコメントを読 んで、かなり尻込みしていたのです。ところが、事前の先生の丁寧な説明と、同 じ曲を違う楽器で聴き比べるという素晴らしい方法で、難しい理屈は分らなくと も、それぞれの楽器の音色の違いを明確に聴き取ることができたのです。特にヴ ァロッティ律によるチェンバロの響きは素晴らしく、その音の違いに、会場から は思わずざわめきが起こり、比較された現代ピアノがちょっと可哀想になってし まうほどでした。(F)


 

第207回2002年7月フェライン例会

 
事務局レター第82号 2002.07.01

  

 事務局レター/2002.7.1【第82号】 

 【編集者】山本廣資 hiro-yamamoto@jcom.home.ne.jp/古田佳 子 bxp00423@nifty.ne.jp


 ●7月例会(第207回)のお知らせ

「モーツァルトのクラヴィア曲に調和する調律法」

お話…野村満男氏(チェンバロ研究家.東邦音大元講師)

 日時:7月 14日(日)午後2時

 会場:原宿カーサ.モーツァルト(原宿医院)3Fホール/(JR「原宿」下車・徒歩5分/地下鉄「明治神宮前」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員、一般共)

例会会場;原宿【カーサ・モーツァルト案内図】


 

 今月はチェンバロ研究家の野村先生の登場です。モーツァルト の時代の調律法はどんなものであったか、先生自作のチェンバ ロと会場のピアノと聴き比べることになります。先生のコメン トは以下のようにやや専門的で長いものですが、予備知識とし て是非読んでおいて下さい。

 <「単純かつ容易なため、使用できる最小の器楽奏者に用いら れる」 Sauveur1707年。
「和声はごくお粗末で不 愉快」R.Smith1759年。

  これは、我が国で一般に平均率といわれている12等分律に対 する往時の人の見解である。和声はごくお粗末で...という 評価に至っては理解に苦しむ現代人は多いであろう。しかし、 我々現代人の音楽的感覚が失ったものが何であるのか考えさせ られる言葉である。今日普及している12等分律は、理論面で の認知は十六世紀に遡ることができる。リュート、ガンバ等の フレット楽器は別として実践面での普及は遅れ、長所である実 用性のゆえに十八世紀になっても支持者はいたのに用いられな かったことは事実である。

  Wolfgangの誕生の年に出版されたLeopoldの『 ヴァイオリン教本』には、「フラット音はシャープ音より1コ ンマ高い・・・」明らかに55等分分割法で説明のできるミー ントン音律、またはそれに近い音律による音程の取り方を教示 している。異名同音が当たり前の等分律で日々過ごしている現 代の我々には理解されにくいくだりである。ついでに、当時の 音程説明文に頻出するが現代楽徒にはすぐ理解していただけそ うもない関連用語を挙げるなら、それは「大きい半音」と「小 さい半音」であろう。

  ヴァイオリンという楽器は奏者の感覚によって音程が微妙に左 右されるので、音律談義にとりあげる楽器としては心許ないが 、鍵盤楽器つまりクラヴィーアはすべて事前の調律によって音 律は固定されてしまうため、かえって音律論中に登場願う楽器 として適している。ただし、ミーントンの軛から抜けかかった 十八世紀楽曲に、ヴァイオリン向けの「大きい半音.小さい半 音・シャープ音より1コンマ高いフラット音」などなどを鍵盤 楽器のキイボードで表現するには多分割鍵盤が必要であり現実 的ではない。ここでは「妥協させ歩み寄らせた」ウエル・テム ペラメントに論を絞る必要がある。

  Wolfgangは1777年11月13日付けで「まだお父 さんはVogler(フォーグラー)の本を読んでいない・・ ・、僕はCannabichに借りて読みました」と書き、マ ンハイムの宮廷付き司祭Georg Josef Vogler の名前が父子の書簡にしばしば登場してくる.。翌年春、よう やくパリに到着(1778年3月23日)して2ケ月半ほど経 た(6月11日付)Leopoldの書簡でも、Vogler 師がプファルツの宮廷の出版所から新しく出した『マンハイム 音楽学校の諸考察』に言及している。その本はクラヴィーア奏 法・歌唱法・作曲法の多岐にわたる巨匠達のアドヴァイスを要 約したもので、Wolfgangにも「レッスンをする上で便 利・・・もってなければいけない」本だと誉めている。

  Vogler本に引用された巨匠達のうち、当時の音律技法を 探る上でヒントを残した音楽家がC.Ph.E.BachとPier Francesco Tosi (トージ 1653?-1732)である。

  歌手であり音楽理論家でもあったTosiは1723年、理論 上9コンマからなる全音の「9分の5が大きい半音」、「9分 の4が小さい半音」で、大きい半音と小さい半音のさが1コン マの差であると説明している。これは同時に彼の使用音律の五 度が「1/6コンマ」技法によるものであることを示唆している 。当時、55等分分割理論や1/6コンマ・テムペラメントによ る音律の解析は一般的なものだったようで、多方面から関連記 述を示すことができる。便宜的な理論的枠組みでしかないはず の55等分分割理論だが、当時の音楽家は1コンマの差を「目 で見える精密な音程の物差し」であるモノコード使用を旋律楽 器奏者に勧めている。

  Wolfgang時代の「Mozartの音楽」は、今日、1 2等分律で聴かされるものとは異なる表情を帯びていたに違い ない。それにしても、傍証に傍証を重ねてリファインしたり統 計学の手法を援用するなど、いくつかの推論を生んだ「バッハ 音律研究史」がものがたるように、具体的な手順や数値の示さ れていない往時の記述から音律像を浮かび上がらせるのは容易 ではない。「泥沼」の領域といわれる所以である。ここでも傍 証を重ねることになるが、Wolfgangのクラヴィーア作 品に適用されたと思われる調律法を実施することで現代の12 等分律より調和的な響きが得られる事実を紹介したい。>

  古楽器愛好家の方からは、モーツァルト時代の音はこんなんじ ゃなかったといわれていたが、調律法まで違っていたとは驚き である。聴きなれた曲が当時の調律法によりどのような響きと なるのか大いに楽しみである。

  尚、例会後は近くの「ステージ・Y2」(渋谷区神宮前1-13-12 ℡3418-1031)で野村先生を囲んで懇親会を行いますので是非 ご参加下さい。(Y)

 

●今後の例会のご案内

 8月 お休み

9月8日 牧野成史氏(横浜モーツァルトアカデミー、所沢バ ッハアカデミー主宰者)「ザルツブルク、モーツァルトあれこ れ」

 10月20日 「モーツァルティアン.フェライン創立20周 年記念例会」井上先生・石津副会長・江端津也子さん

11月10日 安田和信氏(杏林大学講師/レコード芸術再発CD 評担当)「レコード録音の分析を通して見えるモーツァルト演 奏の歴史」(仮題)

 

 

●6月例会の報告(第206回/6月16日)

 「私のビデオコレクションから-その1」/お話・・・倉島 収氏(本会副会長)

  当会副会長の倉島収さんのたくさんのビデオの中から、初めに ①91年のモーツアルトイヤーの年のフェラインの例会風景( 高橋英郎当時の会長宅、講師:村松英子氏)と、いまはない飯 田橋『憂陀』での集まりを、NHK放送録画のビデオを見た。 さすがNHKで、“熱烈なファンです。「私のモーツァルト」 ”と題された映像では現在より若干若い会員諸兄の生き生きし た雰囲気が良く伝わっていた。当時フェラインの会員がずいぶ ん増えたがこの放送の影響も大きかったようである。

  この放送では、モーツァルト作品の補作をする三枝成彰氏、六 本木「ウェーブ」のモーツァルト・コーナー、モーツァルト全 集編纂の大原哲夫氏、SPレコードをかけるレコード店「パパ ゲーノ」店長等をとりあげてあった。

  ②97年ザルツブルク・モーツァルト週間での「コンサート. ロンドK.382」。ホグウッド指揮、レヴィンのフォルテ.ピア ノによるもので即興演奏も豊富、カデンツァも自作のものであ った。③2001年3月モーツアルト週間の内田光子(ピアノ と指揮)のピアノ協奏曲第20番は放映された時ご覧になった 方もあると思うが、「タンノイ・GRFメモリー」(会場のア ンプ経由で聴けるように繋ぎ変えた)で聴くとなかなかの迫力 。第2楽章の表情の豊かさも良く表れていた。手よりも顔の表 情で指揮している部分が多かったが大変楽しめた。詳細は倉島 さんのホームページにあるのでそちらをご覧下さい。

  休憩の後は懐かしいビディオから、④シュワルツコップとジェ ラルド・ムーアのリート集。1968年BBC放送によるもの 。ここではシューベルト、シューマンのほかにモーツァルトの K.433(416c)「人は元来うまいものが好き」とK.53 9「私は皇帝になりたい」の珍しい2曲を聴いた。曲も珍しい が、この二人の映像が見られるなんて信じられない。倉島さん のホームページを良く見て面白そうなものは次回にリクエスト したい。

  ⑤ガッザニーガの「ドン・ジョバンニ・テノーリオ」はモーツ ァルトの初演8ヶ月前にヴェネチアで初演された。映像は19 88年ウエックスフォード・フェスティバルのもの。これも面 白かった。

 当日配布の資料によればホームページ「モーツァルティアン4 49」は大変な充実振りである。この他にモーツァルティアン .フェラインの公式ホームページも維持されておられるのであ るから大変である。改めてご苦労様とお礼を述べさせていただ く。尚、今回は第1回ということであるので、2回目以降も大 いに楽しみである。

 
 
 
 
 

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