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第288回 モーツァルティアン・フェライン例会 2009年12月12日

 
 

 事務局レター【第163号】/2009年12月

 【編集者】若松 茂生/佐藤 浩/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●12月例会(第288回)のお知らせ 

「三大交響曲の成立」   お話:西川 尚生氏(慶応大学准教授)

 日時:2009年12月12日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 


 

今月は新進気鋭、かつモーツァルト研究の最先端にいらっしゃる西川先生に初めておいで頂きます。 先生の名著「作曲家 人と作品 モーツァルト」をお読みになった会員の方も多いかと思います。先生からのメッセージをお届けします。 

 


モーツァルトの最後の3曲の交響曲(K. 543、550、551)は、謎に包まれた作品群として知られています。モーツァルト自身が作成した『自作目録』には、それぞれ1788年6月26日、7月25日、8月10日の日付とともに記入されており、夏の間に、3曲が次々に完成されていったことはたしかですが、これらの曲がいったいどのような目的で作曲されたのかという点に関しては、ほとんど資料が残されていません。

また各曲の初演についても不明で、3曲ともモーツァルトの生前には1度も演奏されなかったという説が、長い間、信じられてきたほどです。

 三大交響曲が完成された1788年は、モーツァルトにとって一つのターニングポイントとなる年でした。1788年2月、同盟国であるロシアを助けるため、オーストリアが対トルコ戦争に突入したことにより、ウィーン市民は数年間にわたって苦しい生活を強いられることになります。戦費調達のための増税、物価の高騰、二大宮廷劇場の一つであるケルントナートーア劇場の閉鎖は、モーツァルトの活動にも大きなダメージを与えました。

 危機的状況の中で、モーツァルトはそれまでとは異なる、新たな音楽活動の模索を始めますが、三大交響曲は、まさにそうした晩年の新しい活動を象徴する作品として位置付けられます。

 三大交響曲の作曲理由については、これまで3つの仮説が提起されてきました。
①ロンドンでの演奏を想定して作曲されたという説
②ウィーンでの演奏を想定して作曲されたという説
③ウィーンでの出版を想定して作曲されたという説です。
 講演では、1788年頃のモーツァルトの音楽活動とウィーンの社会状況を踏まえた上で、これら3つの仮説を検証し、三大交響曲成立の謎にせまってみたいと思います。 

 

 多数の方々のお越しをお待ちしております。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  1月16日(土) 第9回会員参加例会
  2月20日(土) 幸松 肇氏(作曲家)「バリリ弦楽四重奏団を中心としたウィーンの弦楽四重奏団について」
  3月13日(土) 田辺 秀樹氏(一橋大学教授)
  4月10日(土) 倉島 収氏(本会副会長)

 

 


●11月例会の報告(第287回/11月7日)

 第1部:オペラはモーツァルトの真髄(続)/第2部:モーツァルトをとりまく女性―モーツァルト最初のパトロン・ヴァルトシュテッテン男爵夫人   お話:若松茂生氏(本会会長)

 講演者本人が例会報告を書くというのはどうもやりにくい。締め切りが二日後に近づいて慌ててしまった。そこで急きょ会員の佐藤浩さんにメールを出して、何とかご感想を書いていただけないかとお願いした。するとありがたいことにすぐに感想をお送りいただいた。以下で佐藤さんのご感想を紹介して報告の代わりといたしたい(汗)。佐藤さんに感謝!

第1部:オペラはモーツァルトの真髄(続)
 大学生の頃、ある青春の出来ごとがきっかけとなり(?)、そのレコードを聴いて、聴いて、擦り減るほど聴いて、魔が差したかのようにビートルズからクラシック、就中モーツアルトにハンドルを切ってしまった演者のコシ・ファン・トゥッテ(K588)論である。その筆名はドン・アルフォンソ。

 

 私はこのオペラを見たことが無いので講演が進むにつれ、その話術に幻惑され、フィオルディリージ・ドラベルラがとびきりの美女姉妹、トムクルーズばりの格好良い士官候補生達とのからみを想像した。

 我々がかつてそうだったように4人とも互いの貞節を信じる、可愛そうなぐらい純情な若者達である。その恋路に掉さす役が老哲学者とデスピーナである。アルフォンソの役割は非常に重要と思えるが老人で且つ哲学者とした意図が未だ判らない。棟割長屋の大家さんのようなものでしょうか?

デスピーナの役割は古今東西を問わず非常に明確であり非西洋人でも想像できる。確かに男が権力を握っていた中世でさえ女性にこけにされている内容だが、現世を顧みれば男性はもっとずっと情けなくなる。嗚呼!!

 講演の中で “モーツァルトは「遊び」に満ちた楽しさの中で、「憂い」の影が射すという交錯した綱渡りの人生を音楽で描いた。純粋な人生ドラマが《コシ》。聴き手の《コシ》への思い入れ、人生に対する考え方が、聴き方にも反映。「遊び」と「憂い」の自ら錯綜した関係に翻弄されるという自然体の聴き方が一番”とあるが全く同感である。

“フィオルディリージとドラベルラの二重唱:第2幕第20曲《私はブルネッティにするわ》男性の品定めの二重唱。不道徳な歌だが、はずむようなリズムで生き生きと期待にあふれて歌いだされると、こちらも幸せ一杯になる。不真面目な歌が、人をうきうきさせ、幸せにさせるというモーツァルト独特の世界。”これもそうなんだと合点した次第。

若松コメント 《コシ》は僕が最も愛するオペラ。何回聴いてもワクワクする。是非皆さんに聴いていただきたい、という僕の気持ちが会場の方々に伝わったようなので嬉しかった。なお、講演ではドン・アルフォンソは「老哲学者」ではなく男盛りの壮年哲学者と考えた方がよい。初演時のデスピーナ役とアルフォンソ役が夫婦だったというのは面白い。フィオルディリージ役とドラベルラ役も実際の姉妹と説明している。

 魔笛 K620 私もモーツアルト本人がそう断言したら兎も角、この内容を全てフリーメーソンに帰結させることには疑問を感じている。フリーメーソンは日本で考えているほど欧米では秘密のにおいを感じさせる団体では無いし地下組織でも無いと思う。私は魔笛では夜の女王のアリアが1番好きである。

若松コメント 講演では、フリーメーソンとの関係について、モーツァルトは啓蒙主義的で自由、平等、寛容、友愛などを理想とし愛と理性による救済を目指すフリーメーソンの思想にひかれ1784年12月に入会。その思想を示すオペラが《魔笛》であるといわれている。→「魔笛」を聴くにはまずフリーメーソンについて理解していないといけないのではないか? しかし、モーツァルトの音楽が伝えるメッセージが、フリーメーソンの真理であって、フリーメーソン的歌詞の内容を定義しているのは、モーツァルトの音楽。モーツァルトはフリーメーソンの教義からインスピレーションを受けたが、その音楽が逆に真のフリーメーソンの精神を定義。モーツァルトの聖書では、まず「音楽ありき」、フリーメーソンというよりモーツァルト教と考えた方がよい、と説明した。

第2部:モーツァルトをめぐる女性(4)ヴァルトシュテッテン男爵夫人
これはフェラインでは演者しか出来ない項目であり、その優れた研究成果は過去の季刊に詳しく述べられているが、今回のヴァルトシュテッテン男爵夫人考は新たな視点で女性を分析したものである。

若松コメント ヴァルトシュテッテン夫人についての講演原稿を季刊「モーツァルティアン」第72号に掲載予定。なお、例会当日に配布した24枚のスライド(ウィンドーズ・パワーポイント)をお読みになりたい方は事務局までご連絡ください。メールでファイルをお送りします。

 

 


●モーツァルティアン・フェライン新人事

 去る11月7日の会員総会にて以下の人事が承認されましたのでご報告します。(任期:2010年4月より2012年3月末まで)

名誉会長 若松茂生(季刊編集)
会長 澤田義博(統轄、企画)
副会長 石津勝男(事務局)/倉島収(ホームページ運営、新入会員)/川口ひろ子(例会会計)
理事 隅田淑子(会員会計)/大野康夫(会員増強)/佐藤浩(会員増強・新任)/富田昌孝(新任)/山崎博康(新任)
事務局委員 岩島富士江(例会企画)/佐藤梓(季刊編集補佐)/古田佳子(事務局レター編集、ホームページ)/宮崎宇史(月刊レター)/笠島三枝子(月刊レター、受付)
監事 青柳省三

 

 

 

 


●情報コーナー

 コンサート情報  ★こちらからどうぞ(K・M) 

CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格)  ★こちらからどうぞ(Y)

第287回 モーツァルティアン・フェライン例会 2009年11月7日

 
 

 事務局レター【第162号】/2009年11月

 【編集者】沢田 義博/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

●10月例会(第286回)のお知らせ 

「オペラはモーツァルトの真髄(続)/モーツァルトをとりまく女性(4)」

お話:若松茂生氏(本会会長)

 日時:2009年11月7日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥1500(会員・一般共)

 


 

今年も年に一度、ニューヨークから帰国される若松会長のお話をお聞きします。会長からのメッセージどうぞ。 

 


 今回の例会では2部に分けてお話をする予定です。第1部は、昨年行った「オペラはモーツァルトの真髄」の後半で、《コシ》と《魔笛》をとりあげ、モーツァルティアン歴40年以上になった僕のこれまでのオペラの楽しみ方をご紹介したいと思っています。40年以上聴いてきて、いまだに《コシ》にはワクワク・ドキドキし、《魔笛》では音楽の深遠さに感動しています。

 第2部は「モーツァルトをとりまく女性」シリーズの第4回目で、モーツァルト最初のパトロンであるヴァルトシュテッテン男爵夫人をとりあげます。これまでご紹介してきた女性は、「スザンナ歌手ナンシー・ストレース」(季刊第51号2004年12月に講演原稿掲載)、「エルヴィラ歌手カヴァリエリ」(第55号2005年12月)、「生涯の友ドゥーシェク夫人」(第61号・第62号2007年6月・9月)とすべて歌手でしたが、今回は歌手ではなく、モーツァルトの音楽に影響を与えた女性でもありません。しかし、モーツァルト父子と彼女の関係を通じてモーツァルトの素顔をリアルに思い出させてくれるという意味で非常に興味深い女性です。

 彼女はどんな女性だったのか? コンスタンツェとの結婚でどのような重要な役割を果たしたのか? をお話し、モーツァルトやレーオポルトの彼女宛の手紙、そして彼女について叙述した手紙を通じて得られる貴重なモーツァルト情報をご紹介してみたいと思います。 

 

 多数の方々のお越しをお待ちしております。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●会員総会のご案内     11月7日(土)午後1:30-2:00(例会前に行います) 

 

 


●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)

 【第31回】 <08、09年の未発表譜3曲>
 (1) ナントスケッチ ソプラノ、キリエ楽章のスケッチとクレド未完の断片
 (2) 前奏曲 Klavierstuck in G ナンネルの音楽帳から(NMA Nr. 50)
(3) 協奏曲 Konzertsatz in G ナンネルの音楽帳から(NMA Nr. 51)

 

 


 ●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 12月12日(土) 西川 尚生氏(慶応大学准教授)「モーツァルト研究の現在~史料研究を中心に~」
  1月16日(土) 第9回会員参加例会
  2月20日(土) 幸松 肇氏(作曲家)「バリリ弦楽四重奏団を中心としたウィーンの弦楽四重奏団について」 

 

 


●10月例会の報告(第286回/10月10日)

モーツァルトの見たナポリ ~ ナポリのオペラ製作の伝統を中心に   お話:山田高誌氏(音楽学者)

 今回は現在ナポリでナポリ樂派について、最先端の研究を進めていらっしゃる山田高誌先生をお招きし、「モーツァルトの見たナポリーナポリのオペラ製作の伝統を中心に」というタイトルでご講演頂いた。

まずプラハ、スタヴォフスケー劇場で上演されたイタリア語版の「魔笛」(1794)をご説明された。ドイツ語版との相違点はイタリア語版の韻がドイツ語版とは微妙に異なる点。レチタティーヴォ・セッコが台詞部分の替わりに使われている事。また冗長な部分の回避の為、一部場面の統合も行われている事などである。

 因みにレチタティーヴォを作曲したのは「ドン・ジョヴァンニ」初演時にチェンバロを担当したKucharzであった。彼は「フィガロ」のチェコ初演時にも参加している。

 

ナポリのオペラは元々はヴェネティアからもたらされ、モーツァルトの時代にはナポリ樂派として独自の発展を遂げ、ヨーロッパでのオペラの中心地の一つになった。当時、ナポリのオペラ製作の特徴はレチタティーヴォ・セッコを別の作曲家が担当した事で、なかんずく、ジュゼッペ・ベネヴェントが活躍した。

 但し、レチタティーヴォ・アコンパニャートは作曲家自身が作曲した。モーツァルトがなぜレチタティーヴォ作曲家を利用しなかった理由は分かっていない。

ナポリ樂派のオペラはスカルラッティの時代に曙を迎え、その後18世紀前半のペルゴレージ、18世紀後半のピッチンニ、パイジェッロ、チマローザ、そして19世紀前半のベッリーニへと至る。モーツァルトはナポリ旅行時に、サン・カルロ劇場でパイジェッロの「ゼルミーラ」を観ていると思われる。

またモーツァルトの手紙によれば、ヨメッリの「アルミーダ」も観ている。このオペラについてのモーツァルトのコメントは「見事だけど、あんまり良く出来過ぎていて、しかも芝居として時代遅れです。」というものであった。モーツァルトがナポリでは一曲も作曲していないのは誠に残念である。

レチタティーヴォ作曲家として一番有名だったベネヴェントは、ブッファ、セリアの両方を書いた。現在108曲が特定されている。取り分け有名なオペラはパイジェッロの「フェードラ」、チマローザの「アルミーダ気取り」などである。

チマローザのオペラの殆ど全て、パイジェッロは半分程度、彼のレチタティーヴォである。但しこの分業体制はグリュックのオペラ改革以来終焉に向かった。但しロッシーニはこの分業を多用している。なお、イタリア語圏以外では作曲家がレチタティーヴォを書くのが通常であった。

 19世紀のナポリでも異国趣味は盛んで、音楽にも取り入れられている。例えば、パイジェッロのトルコ・オペラ「ゼルミーラ」などである(モーツァルトの「後宮」へとつながる)。またフリーメイソンについても18世紀半ば頃会員が増え始めている。

 第一資料に当たる場合、ナポリでは銀行の資料保管庫が充実しており(18世紀の元帳なども保管されている)、手がかりを得られることの多い大変貴重な情報源である。誰が誰にいつ、いくら払ったか等を確認 できる。山田先生のお話をお聴きし、現在の音楽学研究のフロンティアを伺い知ることができたのは、大きな収穫だった。

 

なお先生のご講演終了後、岩島さんにモーツァルトの未発表新譜2曲を披露して頂いた(本邦初演?)ト長調のKlavierstuck 及び同じくト長調のピアノ協奏曲である。岩島さんは特に「第二曲の協奏曲の左手伴奏が10度飛び、右手が10,12,14度と飛んだりして遊んでいるようで楽しい」と感想を述べておられた。こういう形で未発表曲が披露されるのはフェラインとしては大歓迎である。(文責:YS)

 

 


●お知らせ

1月例会出演者募集は締め切りました。ご協力に感謝申し上げます!(KH)

 

 


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●10月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。 

  10月例会は、久し振りに蝶ネクタイ姿の若い山田先生から、音楽学の最先端のアカデミックなお話しを伺うことが出来た。モーツアルトの時代のイタリアでは、何とイタリア語のレチタテイーボを書く専門の作曲家がいたなんて初耳。イタリア語になった「魔笛」の話を中心にお話しいただいたが、ナポリで収集されている古文献の解読作業で、大変ご多忙なご様子で、直ぐまたナポリに戻ると仰有っておられた。「チマローザの世界」という最先端の文献資料を頂いた。(O.K.)

 

第286回 モーツァルティアン・フェライン例会 2009年10月10日

 
 

 事務局レター【第161号】/2009年10月

 【編集者】倉島 収/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●10月例会(第286回)のお知らせ 

「モーツァルトの見たナポリ ―― ナポリのオペラ製作の伝統を中心に――」

お話:山田高誌氏(音楽学者)

 日時:2009年10月10日(土)午後2時>

会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 


 

今月は、山田高誌先生をお招きしました。山田先生はオペラ史が専門で、現在はナポリにお住まいで、研究活動中。10月初めに帰国されます。先生からのメッセージをご紹介します。 

 


フランスを除く各地の宮廷でのオペラ上演は、常にイタリア語でなくてはならなかったモーツァルトの時代、1791年にウィーンの民間劇場で初演されたドイツ語オペラ《魔笛》は、1794年のプラハのスタヴォフスケー(貴族)劇場での上演のために、イタリア人台本作家ジョヴァンニ・デ・ガメッラ(1756-1791)による新たなイタリア語翻訳台本とともに、同地の作曲家ヤン・キティテル・クハルツJan Kititel Kucharz(1751-1829)によってレチタティーヴォ・セッコが付けられ、 新たに「イタリア・オペラ」として上演されました。

 2006年にヴィチェンツァのオリンピコ劇場で復活初演&録音が行われるまで、このイタリア語版《魔笛》が注目を集めることはほとんどありませんでしたが、本発表では、これを当時のヨーロッパにおけるオペラ製作と上演のありかたをめぐる良い例としてこのイタリア語版にみられる変更点に注目します。

そしてこのイタリア語版の検討を出発点に、イタリアでのオペラの多くは、この時期多くが「分業制」のもと製作され、レチタティーヴォは多くの場合別の作曲家が作曲していたことを、1770年にモーツァルト親子が訪れたオペラの先端地、ナポリのオペラ製作の現場を、ピッチンニ、パイジェッロ、チマローザの自筆譜、そして興行史料の紹介と検討を通して明らかにし、ドイツ語圏で製作されたオペラとの異なり、そしてプラハで上演された《魔笛》イタリア語版の位置づけを試みます。

また、おそらくはモーツァルトがナポリで見たと推測される、1770年6月に上演されていたパイジェッロ作曲《ゼルミーラ》というトルコ・オペラについても注目しながら、イタリアにおける「異国オペラ」の伝統をたどり、モーツァルトが後に発表するジングシュピール《後宮からの誘拐》(1783)のコンテクストについても明らかにしたいと思います。 

 

 多数の方々のお越しをお待ちしております。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●会員総会のご案内     11月7日(土)午後1:30-2:00

 

 


●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)

 【第30回】 <09年夏新発見譜2曲の初演?>
 (1) 前奏曲 Klavierstuck in G ナンネルの音楽帳から(NMA Nr. 50)
(2) 協奏曲 Konzertsatz in G ナンネルの音楽帳から(NMA Nr. 51)

 ※09年7月23日発見。8月2日モーツアルトの家で初演された新譜。モーツアルトの即興を父レオポルトがナンネルの音楽帳に書いて、作者不定となっていたもの。1763~64、7歳~8歳作曲と推定。

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 11月 7日(土) 若松 茂生氏(本会会長)「モーツァルトをめぐる女性(4)―― ヴァルトシュテッテン男爵夫人」(予定)
 12月12日(土) 西川 尚生氏(慶応大学准教授)
 2010年1月4日(土) 第9回会員参加例会

 

 


●9月例会の報告(第285回/9月12日)

 歌劇「フィガロの結婚」――気づきやすいところ、気づきにくいところ   お話:礒山雅氏(国立音楽大学教授)

  昨年、音大で「フィガロの結婚」に特化した作品研究の授業を行った際、あらためて台本と楽譜を見直すことによって、これまで気づかなかったさまざまなことに気づきました。その中には、一般に言われていないことも含まれているように思われます。そこで今回の講演では、そのことをお話しさせてい頂きたいとうことからお話が始まった。 


1、アリアのいろいろ、
  「アリア」と称されている曲も、オリジナルのタイトルを調べてみると、①「レチタテイーヴォとアリア」とされる最も本格的な曲が4曲、②単に「アリア」とされる曲が6曲、③「カヴァテイーナ」とされる曲が3曲、④「アリエッタ」とされる曲が1曲あり、モーツアルトは 意識的にこれらの概念を使い分けている。また、6曲ある二重唱は、全て「ドウエッティーノ」(小二重唱)と呼ばれ縮小形で、全ての曲にスザンナが関与していた。2曲の三重唱、1曲の六重唱は、縮小されていないが、他のオペラには縮小形がある。

2、テンポ、調性、声種、などについて、
  「フィガロ」は早いテンポの曲が多く、冒頭部分を比較すると、プレスト1、アレグロ系12、アレグレット4、モデラート系2、アンダンテ7、ラルゲット3、であり、「ドン」と似た構成であるが、「コシ」はアンダンテが多く、アダージョが2曲もあり、「魔笛」も同様であった。調性については、長調が圧倒的(27:2)に多く、♯系と♭系はほぼバランスしている。「ドン」は短調曲は1曲、「コシ」「魔笛」は2曲であり、モーツアルトは長調でドラマを構成している。声種については、オリジナルでは女声は全てソプラノであり、男声にはテノールが2人、バスが4人であり、バリトンがない。

3、楽器編成について、
  基本系はフルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦合奏であり、これが基本セットとなって、曲によりトランペット2+テインパニが加わり、祝典セットとなる。クラリネット2は使われる頻度が少ないが、効果的に使われている。例えば、第二幕の伯爵夫人のカヴァテイーナで、クラリネット2+ファゴット2+ホルン2の伴奏形(=セレナード・セット)が、効果をあげている。また、管の伴奏形では、第三幕の冒頭のスザンナと伯爵の二重唱でお色気セット(=フルート2+ファゴット2+ホルン2)が現れる。さらに、第4幕のスザンナのアリアは、女性から男性への逆セレナードでフルート、オーボエ、ファゴット各1のマドンナセットが現れ、これはハ短調ミサ曲のエト・インカルナートゥス・エストでも現れると、これらをDVDやCDで聴かせていただいた。

4、もっと指摘されるべきこと、(マルチェリーナと伯爵夫人)
  マルチェリーナを低い声で歌わせ、年増の役とすることが多いが、これは第4幕のアリアが省略される慣習から始まっているようだ。しかし、このアリアは音域が高く優れたアリアなので、この役を若作りにしてこのアリアを歌わせるようにした方が効果がありそうである。また、伯爵夫人について、受動的なイメージが抜けないが、第三幕以降は、作戦の主導権を握っており、彼女の変身は第三幕のアリア(主人公の成長を映し出す発展するアリア)で集約されている。真の主役は、伯爵を心から謝罪させた伯爵夫人であるとも言える。従来のダ・カーポ・アリアに変わって、モーツアルトが後期のオペラに取り入れた発展するアリアは、「ドン」ではエルヴィーラに、「コシ」ではフィオルデリージに現れている。この第三幕のアリアについて、スコアをパソコンからの拡大映像で見ながら、CDとDVD(アーノンクールとエヴァ・メイ)により、アンダンテからアレグロへと進み、アレグロでの「希望」から「確信」に発展する成長の過程を詳しくお話しいただいた。

 

5、第一幕から第四幕まで、それぞれを考える
 以上のそれぞれの切り口から、各幕の聴きどころについてもお話しいただいているが、これはとても2000字程度の要約メモには載せられない。先生のパソコン用のレクチャーノートを配布していただいたので、是非、これを見ながら、このオペラを注意深く改めて見直すことをお奨めしたい。例会参加者以外の方々には、その代わりに先生にお願いして、このノートを季刊に掲載させていただくことになった。

6、終わりに、
  前回の先生のレクチャーは01年6月例会(第195回)であったので、実に8年ぶりの例会であった。短い時間の中に凝縮された「フィガロ」に関する耳新しいお話しがとても新鮮であり、一同、深く感銘を受けたと思う。ヤーコプスの「フィガロ」の映像以来、若い伯爵夫人ロジーナが重視されてきたが、今日の先生のお話しで第三幕以降の作戦の司令塔たる伯爵夫人の重要性や「発展するアリア」の意味合いなどの裏付けが加わって、このオペラへの新たな視点が確立されてきたように思った。今後も先生に毎年は無理としても、二年に一回ぐらい来ていただきたいとお願いしたいものである。(倉島収)

 

 


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●9月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。 

  9月例会は、久し振りにお茶の水で礒山先生の「フィガロの結婚」を巡るお話しでとても参考になった一日でした。その後の懇親会は「デリ・フランス」店で、先生に最後までご出席いただき、フィガロを含む音楽談義に花が咲きました。夏休み後の2ヶ月ぶりの再会だったので、話題が最後まで尽きなかったようです。なお、今回会員として初参加の遠座公一郎さん、大野さんの妹さんの井上ご夫妻のお顔が見えておりますので、ご紹介しておきます。(O.K.)

第285回 モーツァルティアン・フェライン例会 2009年9月12日

 
 

 事務局レター【第160号】/2009年9月

 【編集者】近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願 います)

●9月例会(第285回)のお知らせ 

「《フィガロの結婚》気づきやすいところ、気づきにくいところ」

お話:礒山雅氏(国立音楽大学教授)

 日時:2009年9月12日(土)午後2時  
←日にちが変更になっています。ご注意ください


会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 


 

皆さま、夏休みはいかがお過ごしでしたか。今月は久しぶりに礒山先生にお越しいただけることになりました。先生からのメッセージをご紹介します。 

 


 《フィガロの結婚》は、モーツァルトのオペラの中でも、古典というべき地位を占めています。上演回数も多く、モーツァルト・ファンの方々はどなたも、「知っている」という感じをお持ちの作品であろうかと思います。

 私も、これまで《フィガロの結婚》に一定のイメージを抱き、それに基づく解説を、何度も書いてきました。しかし、昨年国立音楽大学で《フィガロの結婚》に特化した作品研究の授業を行った際、あらためて台本と楽譜を見直すことによって、これまで気づかなかったさまざまなことに気づきました。その中には、一般に言われていないことも含まれているように思われます。そこで今回のフェラインの講演では、そのことをお話しさせていただきたいと思います。 

ポイントは、3つあります。まず、遠くにフォーカスを引いたときに見えてくる、作品の全体像、あるいは構成について。第2に、モーツァルトが曲ごとに行っている、楽器編成の工夫について。第3に、モーツァルトの音楽の具体的な書き方についてです。私は、上記の見直しを通じて、オペラに対してもつ伯爵夫人の重要性が、自分が今まで考えていたよりもはるかに大きい、と思うに至りました。そこで、伯爵夫人に付された音楽をとくに注意して分析し、彼女の変貌、私の呼ぶ成長を、モーツァルトがどのように描き出したかをたどってみたいと思います。 

 

 大勢のお越しをお待ちしております。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 10月10日(土) 山田 高誌氏(音楽学)「モーツァルトの見たナポリ―ナポリのオペラ製作の伝統を中心に ―」
 11月 7日(土) 若松 茂生氏(本会会長)
 12月12日(土) 西川 尚生氏(慶応大学准教授)
 2010年1月4日(土) 第9回会員参加例会

 

 


●7月例会の報告(第284回/7月4日)

 「クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタに見るモーツァルトの調性感」ヴァイオリン:大関博明/ ピアノとお話:久元祐子

 7月例会は会場を吉祥寺のラ・フォルテに移し、講師は久元先生、テーマは「クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタに見るモーツァルトの調性感」で、前半がレクチャー、後半がコンサートであった。

この日のテーマに採り上げられた曲の呼び方であるが、「ヴァイオリン伴奏付きのクラヴィーア・ソナタ」が相応しく、ヴァイオリンのオブリガート付き・・・という呼び方は適切ではないとのこと。

モーツァルトの時代は調が大切にされた時代で、調によるカラーの違いが今よりもっとはっきりしていた。転調は旅に譬えることが出来、全く転調しない音楽というものは、退屈で聴く人に何の感銘も与えない音楽になってしまうようである。

 5度上の調、ドミナント(この言葉には支配するという意味があり、属調という日本語訳は適切でないとのこと)への転調は強い変化を求めた時で、5度下のサブ・ドミナントへの転調は柔らかい変化を求めた時である。調の動きで音楽の形が決まるので転調の手法、その経路は大変重要である。

 

この日のゲストはバンベルク響、群響を経て現在は紀尾井シンフォニエッタでご活躍中のヴァイオリニスト、大関博明先生。

 休憩を挟んで3曲のソナタが演奏された。以下は久元先生がお話しされた各曲のポイントを交えた演奏に関するレポート。

1曲目はソナタ ハ長調K.296(旧全集番号24番)でハ長調という調性は「後宮からの誘拐」を始め、多くの曲で用いられ、輝かしさと平明さを象徴している。

 第1楽章はピアノソナタ ハ長調K.309と共通した、底抜けの明るさがあり、展開部はト長調で始まるが、その後ト短調→ニ短調→イ短調と次第に緊張感が増す転調を重ねている。再現部前4小節の巧みな処理でハ長調に戻り、聴き手に安心感をもたらすのである。快活さに溢れ、溌剌とした演奏だった。

 牧歌的なヘ長調で書かれた第2楽章は大関先生の柔らかな音色と伸びやかな歌いまわしによる平和で安らぎに満ちた演奏だった。

 第3楽章はA→B→A→C→B→Aのロンド形式で書かれているが、ハ長調のAから、ト長調のBに移ることで喜びの感情が増し、その後のAへのつなぎの部分では、たった1音、嬰へ音をヘ音にするだけでスムーズな回帰を図っている。次のCではイ短調に変わり、光から影への転換である。

 

 2曲目はモーツァルティアンに人気の高い、ソナタ ホ短調K.304(旧28番)でモーツァルトには珍しいホ短調で書かれている。

♯1つのト長調の曲を短調に変化させる時、ト短調を用いる事が多いが、この曲でホ短調を選んだことについて大関先生は「ヴァイオリンが加わるということで、弾きやすさを考えてホ短調を選んだのではないでしょうか。もしト短調で書かれていたら弾きにくいでしょう」と仰っていた。

この曲は、母の死と結び付けて語られることが多かったが、そういう見方は一面的に過ぎるかも知れない。むしろモーツァルトが長年、心の中で育んできた普遍的な悲しみの感情が、ホ短調を選択したことでクローズ・アップされたと考えるのが妥当ではないだろうか?

 第1楽章ではテーマがヴァイオリンとピアノのユニゾンで出てくる冒頭は呟くように弾いて寂寥感を出し、2回目にヴァイオリンがテーマ、ピアノが伴奏に回るところでは朗々と歌うように弾き分けていたのが印象的だった。展開部はドミナントのロ短調(これもモーツァルトには珍しい)で始まるが、これも、より緊迫感のある変化をモーツァルトが求めたのであろう。

 再現部では型通りに主題が戻ってくるように見せて、ヴァイオリンがト音を引っ張っている間にピアノが嬰イ音をぶつけてくる。モーツァルトがよく用いる手法だが、スパイスのように一瞬鋭い不協和音を使うことで前後のシンプルな協和音が、より一層美しく響くのである。

 悲歌風のテーマで始まる第2楽章(メヌエット)は、トリオにホ長調のエピソードを挿入し、ホ短調の主部を引き立てている。ピアノソナタ K.310の第3楽章でもイ短調の中にイ長調のエピソードを挿入し絶妙の対比を作る、同じ手法を用いている。K.304のトリオは明るい希望の光が差してくるような演奏だった。

 3曲目はソナタ ト長調K.379(旧35番)でアダージョ→アレグロ→アンダンティーノの3つの部分からなる。アダージョは次のアレグロとアタッカで演奏されることや、独立の楽章としては弱すぎる点などから序奏と考えられるが、『全曲の精神的な本質を成すト短調楽章を2つのト長調楽章が挟んでいる』という見方をする学者もおり、この辺は意見の分かれるところのようだ。

 久元先生がこの曲を初めて聴かれた時には涙が出たそうであるが、何と優しい慰めに満ちた音楽なのだろう。2曲目が悲哀と詠嘆の和音で閉じられた後だっただけに、ト長調ソナタのしっとりとした情感が胸に沁るようで、それまでの張り詰めていた会場の雰囲気が、この曲が始まると、たちまち和らいでいくのが感じられた。

 演奏会に於いて選曲は勿論だが、曲目の演奏順序も非常に大事だと思う。この日はホ短調K.304→ト長調K.379という順序だった為、其々の曲の魅力が一層鮮やかに浮き彫りとなった。幻想曲風に書かれたアダージョの最後はト短調のドミナントに終止するのだが、フェルマータで奏される、たった1小節のシンプルな和音の中に久元先生は、次のアレグロの嵐のような音楽への期待を抱かせるのである。

 音楽がガラッと変わり、「運命の動機」のような♪♪♪|?というリズムや、アラルガンドで急ブレーキをかけるようなところはベートーヴェンを先取りしているようである。久元先生も『この曲からベートーヴェンは多くのヒントを得ている』とのこと。

 変奏曲形式のアンダンティーノは第4変奏のみにト短調を使い、前後と鮮やかな対照を作っている。演奏会の最後を飾る楽章は大変味わい深い演奏だった。

この日は大変湿度が高く、弦楽器には決して好条件と言えない陽気であったが、大関先生は実に真摯で心のこもった演奏を披露して下さり、久元先生との掛け合いも見事で、聴き終わった後、幸福感に包まれる演奏会だった。

そして久元先生のお話によって、音楽が高揚感を増したり、緊張感を強めたり、また聴き手が解放感を味わったりして大きな感銘を受けるのは、巧みな転調によるものだということが実に良く分かり、啓発されることの多い、有意義な例会であった。次回はどのような切り口で我々を啓発して下さるのであろうか、楽しみである。(近藤)

 

 


●第9回会員参加型例会出演者募集!(モーツァルティアン・フェライン新年会)

お正月恒例となりました会員参加型例会のお知らせです。今回の募集人員は、前回より繰延の会員の方が居られますので少なめです。希望者多数の時は時間の短縮をお願いすることがありますのでご承知おきください。

 大勢の皆様と楽しく新年をお祝いしましょう!よろしくご協力の程お願い申し上げます。

   ◎日時     2010年1月16日(土)
   ◎募集内容  【1】お話:日ごろの想いを熱く!【2】CD&映像:お気に入りやお勧めを!【3】演奏:楽器や歌(ソロ・アンサンブル)
   ◎持ち時間  【1】【2】お話部門20分以内 【3】10分以内。応募時におおよその出演時間をお知らせください。
   ◎条件     モーツァルトに限る
  ◎締切     2009年11月10日
   ◎連絡先   川口ひろ子 fortuna-h*kuf.biglobe.ne.jp( スパムメール対策です。*を@にかえてください)

 

 


●情報コーナー

 コンサート情報  ★こちらからどうぞ(K・M) 

CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格) ★こちらからどうぞ(Y)

 


 

●7月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。 

  7月例会は、吉祥寺のラ・フォルテに於ける久元先生のレクチャーコンサート、前半がピアノを交えたレクチャー、後半はヴァイオリンの大関博明先生をお迎えして、ヴァイオリンソナタの演奏会でした。懇親会は引き続きこの会場を利用して、写真のように貸し切りの形で行われました。パーティーでは、久元先生と大関先生を中心に、時間の許す限り、楽しい雰囲気の集まりとなりました。(O.K.)

 

 

 

第284回 モーツァルティアン・フェライン例会 2009年7月4日

 
 

 事務局レター【第159号】/2009年7月

 【編集者】澤田 義博/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●7月例会(第284回)のお知らせ 

「クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタに見るモーツァルトの調性感」

ヴァイオリン:大関博明   ピアノとお話:久元祐子

 日時:2009年7月4日(土)午後2時

 会場:吉祥寺「ラ・フォルテ」
   【アクセス1】JR三鷹駅南口より徒歩10分。ジブリ行きバス5分。万助橋下車。バス停前。
   【アクセス2】JR吉祥寺駅南口より徒歩12分。バス利用5分。丸井前③~⑧バス。万助橋下車。バス停前。

 例会費:¥3500(会員・一般共)

 


 

今年も井の頭公園の緑の中、久元先生のレクチャーコンサートの季節になりました。今回はヴァイオリニストの大関博明さんと共にお送りいたします。先生からのコメントをどうぞ。 

 


 今回のレクチャー・コンサートでは、クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタをとりあげます。

 K296ハ長調、K304ホ短調、K379ト長調の名曲を題材にモーツァルトがそれぞれの曲の中で行った転調の妙について探っていきたいと思っております。

モーツァルトの時代のピアノフォルテは、現代の調律である平均律と違い、古典調律が行われていました。それぞれの調の響きや個性が、今よりはるかにはっきりしていた時代です。

それらの調のイメージをモーツァルトは、感情を表現する際、見事に使い分け、転調を駆使しながら、次々に音楽を展開してまいります。

すっきりとした古典形式をふまえたソナタというジャンルの中で、その技と感性がいかに生かされたのか、またヴァイオリンとクラヴィーアのアンサンブルの中で作られていくハーモニーや旋律のかけあいが人の心にどのような印象を与えていくのか、転調の経路、そしてモーツァルトが持っていた類まれな調性感を辿ってみたいと思います。

ヴァイオリンには、大関博明先生をお迎えし、素晴らしい演奏をご披露いただきます。大関先生は、ロッテルダム、マンハイムなど豊かなヨーロッパでのご経験を通じ、あたたかく美しい響きをお持ちのヴァイオリニストです。

ラ・フォルテでのひととき、皆様とともに、モーツァルトのヴァイオリンソナタの名曲をお楽しみいただけましたら幸いです。 

 

 例会後恒例のパーティーは同会場で予定しています。ぜひご参加ください。(吉祥寺「ラ・フォルテ」TEL:0422-79-7307)


 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

       ――――― 8月は夏休みになります ――――― 
 9月19日(土)  礒山 雅氏
 10月10日(土)  山田 高誌氏
 (11月 若松茂生会長、12月 西川尚生氏、日程は追ってお知らせします)


 


●6月例会の報告(第283回/6月19日)

 「世界的巨匠ジェラール・プーレの世界」

 昨年に引き続き今年もマエストロ・プーレを当会にお迎えできました。マエストロは今もなおフランスを代表するヴァイオリニストで、つい先日もアリオン、サフィール・レーベルでシューベルト、メンデルスゾーン、リヒャルト・シュトラウス、ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタのCDをパリで発売しています。

 今回のMUSICASAのホールは音響も良く、その音色の美しさがより鮮明になりました。とにかく一小節聴いただけで、本物のプロの演奏だと言う事が直ちに分かると同時に、その音楽性に圧倒されました。彼の身体全体が音楽という感じで、やはり世界でも稀有な音楽家だと思います。その円熟味を堪能させてくれたコンサートでした。

 

 今回はロシア人の曲が二曲入ってますが、チャイコフスキーやラフマニノフが生活したロシアでは宮廷ではフランス語が話され、フランス文化の強い影響下にありました。また多くのロシア人音楽家はパリで活躍しています。

 1. モーツァルト 「ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 K.306」:1778年にパリで作曲。ソナタですが、協奏曲的な性格を持ち、スケールが大きく華麗です。第一楽章は華麗かつ格調高く、第二楽章はその展開部が特徴的で劇的です。第三楽章はフランス趣味をふんだんに取り入れています。とてもフランス的な演奏でした。

 2.チャイコフスキー 「懐かしき土地の想い出」:チャイコフスキーのヴァイオリン曲は有名な「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」含め三曲しかありません。ヴァイオリンとピアノの為に書かれたのはこの曲のみです。作曲当時の彼の苦悩や悲痛な一面を窺わせる曲でした。

 3.ラフマニノフ 「サロンのための2つの小品」:ラフマニノフがヴァイオリンの為に書いた数少ない曲。弱冠20歳の作品。ロマンス、ハンガリー舞曲の二曲ともニ短調で、3拍子でピアノの分散和音の上で歌われるしっとりとした第1楽章、民族色たっぷりの速い第2楽章が印象を深めてくれます。1,2楽章のコントラストが見事でした。

 4.モーツァルト 「ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526」:モーツァルトが作曲したヴァイオリン・ソナタの内、最高傑作と言われています、今日のコンサートのフィナーレを飾るにふさわしい曲です。アインシュタインは「完璧な諸様式の融和に到達している」と激賞していますが、第1楽章はいきなり6/8拍子で輝かしく開始されます。第2楽章はシューベルトを予見させるアンダンテであり、この曲の白眉です。会場では聴衆が息を飲む様子が感じられました。第1主題は二長調でバロック的ですが、第2主題はイ短調で書かれ、とても美しい珠玉の旋律です。第3楽章はダイナミックなロンド・フィナーレです。

 

 演奏者も感動した聴衆の拍手に応え、2曲アンコール曲を弾いてくれました。いずれもラフマニノフで、最初は「ヴォカリーズ」、2曲目は「パガニーニの主題によるラプソディー」より第18変奏のアンダンテ・カンタービレでした。涙を流しながら、聴いている聴衆の方が多かったように感じられました。

   なお、コンサート後のパーティーには演奏者の他に元N響コンマスの澤様、N響現第1Vnの窪田様、出口様、芸大教授ローラン・テシュネ様なども参加され、華やかな雰囲気でした。(Y.S.)

 

 

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●6月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。 

  6月例会は、巨匠ジェラール・プーレさんの演奏会でしたので、会場は代々木のMUSICASAのホールで行われ、懇親会も引き続きこの会場を利用してパーテイ形式で行われました。パーティーには演奏者の他に元N響コンマスの澤様、N響現第1Vnの窪田様、出口様、芸大教授ローラン・テシュネ様なども参加され、華やかな雰囲気でした。

  講師を囲んでの楽しい懇親風景は、今回は石津副会長が撮影してくれました。お客さんが多く、パーテイ形式でしたので、当日の華やかな様子が写されておりました。写真が必要な方は、今回は石津副会長にお願いして頂きたいと存じます。(O.K.)

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