第293回 モーツァルティアン・フェライン例会 2010年5月15日
 
 

 事務局レター【第168号】/2010年5月

 【編集者】倉島 収/近藤 光宏/富田 昌孝/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●5月例会(第293回)のお知らせ 

 モーツァルト・オペラと私   お話:杉 理一氏(ニューオペラプロダクション代表、元NHKTVオペラ番組デイレクター)

 日時:2010年5月15日(土)午後2時

 会場: お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 

今月は、映像、演出の専門家にお話をお伺いします。この分野から講師をお迎えするのは本当に久しぶりになります。杉さんからのメッセージをどうぞ。

 


 NHKで、主としてオペラ番組を担当するディレクターを30年。定年退職後、オペラ、コンサートを制作、演出するプロダクションを運営して20年。その場しのぎの付け焼き刃的勉強で、どうやら切り抜けて来た職人なので、モーツァルトに通暁した方達の前で、果たして興味を惹くお話しが出来るかどうか、心配ですが、兎に角、薄れた記憶の糸を辿って、過去の私のモーツァルト体験をお話ししてみましょう。

 私が初めてモーツァルトのナマのオペラに接したのは、おそらく藤原歌劇団が初期の頃、唯一取り上げたモーツァルト作品の「ドン・ジョヴァンニ」だったと思います。後発の二期会は藤原歌劇団より、モーツァルトの作品をよく取り上げましたが、それでも初期の上演作品は、殆ど、「フィガロ」「コシ・ファン・トゥッテ」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」の4作品に限られていました。

テレビのディレクターとして、この二つのオペラ団体の公演以外にも、来日した海外一流歌劇場公演の中継放送に数多く関わりました。その中でモーツァルト作品に限って、特に思い出深い公演は、なんと言っても、カール・ベーム指揮ウィーン国立歌劇場の「フィガロの結婚」です。

 「フィガロの結婚」と言えば、NHKイタリア歌劇公演の第1回目にも上演されましたが、これは来日が1956年で、モーツアルト生誕200年記念の年であり、トップ指揮者ヴィットリオ・グイが最も得意とするレパートリーだったからだと聞いています。この時のシミオナートの颯爽たるケルビーノも忘れられません。残念ながら、映像資料はありませんが、強く思い出に残るモーツァルト・オペラ公演にはゲルハルト・ヒュッシュの「ドン・ジョヴァンニ」(1952年)があります。

 今やオペラは演出家の時代と言われる程、様々な奇抜な演出の舞台が日常茶飯事に見られるようになり、賛否両論、賑やかなことですが、私が最近、神戸のオペラ団体に頼まれて演出した「魔笛」も、市民オペラのこととてレベルは高いとは言えませんが、珍妙な苦心の舞台としてご笑覧いただこうと思っています。 


 懐かしい名前が次々と出て来てとても楽しみですね。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 


●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)

 【ピアノ音楽の歴史連続演奏 第33回】「美しいフランソワ-ズ」による12の変奏曲 K353(300f)/1781~2年ウィーン・25~26歳

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

   6月27日(日) 久元 祐子氏(ピアニスト)「モーツァルトにおけるディナーミク」および 【会場】渋谷・松濤サロン
 7月24日(土) 澤田 義博氏(当会会長)「もう一人のモーツァルト?ーナンネルの光と影」
    ――――― 8月は夏休みです ―――――

 

 


 ●会員の皆様へのお知らせ

7月例会について

7月例会は講師の中村信童先生の急逝により、例会日を7月24日土曜日に改め、当会会長の澤田義博による講演とさせて頂きます。(F)

 


 

●4月例会の報告(第292回/4月10日)

 「私の感動した映像ソフト」-珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ-   お話:倉島 収氏(本会副会長)


1、今回も標題通り、氏がご自身のホームページ 「映像ソフトで見るモーツアルトの諸作品」に掲載済みの評価の高い映像ソフトを中心に、予定通り、珍しい曲(演奏機会の少ない珠玉の作品の映像記録)から順番に、配付資料で簡単な説明のあと、4本のソフトを見ることになった。
 今回は初めてブルーレイデイスク・プレイヤーを使用し、古い備え付けのコンソール型のテレビに接続してみたが、写りは良かったという大方の評価を得たので、この試みは成功したと言える。

 

2、珍しい曲として選ばれた3曲の中から、映像では初めて見ることが出来た曲として、次の2曲を導入曲の形で聴いた。

2-1、デイヴェルテイメント変ホ長調K.113、作曲;1771年11月ミラノ、ヘンヒェン指揮C.P.E.バッハ室内楽団。輸入DVDによる。
 特徴;K.136に似た軽快な曲であるが、4楽章であることと2本のクラリネットが珍しく、むしろシンフォニーのような構成の曲である。
 演奏はC.P.E.バッハのベルリンのプロ集団であり、現代楽器によるピリオド奏法で立って演奏していたのが珍しかった。アレグロを颯爽としたテンポで軽やかに演奏していた。

2-2、コンサートアリアK.418、「神よ。あなたにお伝えできれば」、1783年6月ウイーン、ソプラノ;幸田浩子、N響・篠崎アンサンブル(仮称)、NHKのHVクラシック倶楽部より。
 特徴;オーボエ・フルートとピッチカートによる伴奏(礒山先生の言うマドンナ・セット)で、アロイジアの声に合わせてコロラチューラの技巧を駆使して作曲されたコンサートアリア。アンフォッシのオペラからの代替曲としてランゲ夫人用に書き換えたもので、K.505と並んでコンサートアリアの代表作。

 CDは多いが映像には恵まれていなかった。幸田浩子はハイエンドも何とかこなしており、ハイビジョン映像の美しさが際立っていた。

3、歌手のいないオペラとは;ピアニストのアンドラーシュ・シフが、「モーツアルトのピアノ協奏曲は、歌手のいないオペラである」という信念のもとに、世界最古といわれるヴェチェンツアのテアトル・オリンピコ劇場で、ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466を、自身の指揮とピアノ、彼の楽団であるカペッラ・アンドレア・バルカ楽団で演奏したもの。

   2008年に公開演奏した時の映像でありクラシカジャパン(CS736CH)からの収録であった。冒頭に序曲として「ドン・ジョバンニ」序曲ニ短調を選定して演奏し、続けてニ短調協奏曲を三楽章通して聴いた。
   最後のアンコールには、バッハの半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903が続けて演奏され、ニ短調のファンタジーの世界が繰り広げられていた。第三楽章のカデンツアでは、ドン・ジョバンニ序曲を回想する自作のカデンツアを弾いて盛り上げていた。シフの思い入れ深い独奏ピアノと指揮は、視聴者をオペラテイックなファンタジーの世界へと誘うように仕組まれていたが、ライブで会場で聴いた人は兎も角、このようなビデオ鑑賞では、どう受け止められたか心配であったが、この曲を通して聴けたのは良かったという大方の評価であった。

 

4、ケント・ナガノ指揮、デイター・ドルン演出、バイエルン国立歌劇場O&C、 08年クヴィリエ劇場の「イドメネオ」K.366から、第三幕をほぼ通して聴いた。映像はクラシカジャパン(CS736CH)からの収録であり、改装なったモーツアルト初演の歴史のある劇場で、イダマンテが男性役のウイーン版を用い、衣裳は現代風であったがほぼ伝統的な舞台・演出であった。

 特に、第三幕後半の「声」の劇的な場面で、イダマンテとイリアの言動が他の映像に比し十分に説得力があり、イリアが必死で叫ぶ「私が生贄です」という声が天の神を動かし、「愛の勝利だ」という「地下の声」を生み出した迫力ある舞台が展開されていた。また、エレットラ役のダッシュ(Annette Dasch)が、激情に駆られた迫真の半狂乱のアリアを歌っていたが、この演出では彼女がネプチューンの生贄の身代わりになったと解釈される新しい演出となっていた。

ケント・ナガノの初めてのモーツアルト・オペラ作品であるが、オーケストラを重厚に響かせ歌手に伸び伸びと歌わせる指揮振りは好感が持て、特に神話に基づくこのオペラ・セリアには良く合っていたと思われ、また最後に第33番としてバレエ音楽のシャコンヌが演奏されていたが、オペラの余韻を楽しむものとして適切であったと思われた。(O.K.)

 

 


●情報コーナー

 コンサート情報  ★こちらからどうぞ(K・M) 

CD情報(外盤価格はHMVの一般価格)  ★こちらからどうぞ(T) 

第292回 モーツァルティアン・フェライン例会 2010年4月10日

 
 

 事務局レター【第167号】/2010年4月

 【編集者】澤田 義博/近藤 光宏/富田 昌孝/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●4月例会(第292回)のお知らせ 

「私の感動した映像ソフト」-珍しい曲・歌手のいないオペラ・歌手のいるオペラ-   お話:倉島 収氏(本会副会長)

 日時:2010年4月10日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

 

 


今月は久しぶりに倉島副会長のビデオ・コレクションからご披露いただきます。副会長からのコメントをご紹介します。 

 


 私がフェラインのホームページを立ち上げるための練習台として、自分のホームページ 「映像ソフトで見るモーツアルトの諸作品」を始めて以来、2010年4月で約10年になります。2001年3月から、毎月オペラを含む3本のソフトをアップロードするようになり、旅行に行くたびに 写真集をアップして今日に至っておりますので、今では大変な集積となってきました。これまで例会で担当になるたびに、チェックしてきた映像ソフトの中から面白そうなものを取り上げて参りましたが、今回も最近1~2年で収録しためぼしいものを中心にご紹介したいと思います。 

 最初はモーツァルトの小品集ですが、恐らく映像で見るのは初めてという珍しい曲を3曲お届けします。第一曲がデイヴェルテイメント変ホ長調K.113、(9-2-1)、第二曲が幸田浩子とN響篠崎アンサンブルによるコンサ ートアリアK.418「神よ。あなたにお伝えできれば」(8-7-2)、です。第三曲は吉野直子のハープと五重奏による「アダージョとロンド」ハ短調K.617(9-12-4)、です。滅多に聴くことが出来ないモーツァルトの珠玉の作品集です。

 「モーツァルトのピアノ協奏曲は歌手のいないオペラである」と言われますが、第二番目は、世界最古のイタリアのオリンピコ劇場で、アンドラーシュ・シフの指揮とピアノ、彼のカペッラ・アンドレア・バルカ楽団により、その気になった思い入れ深い珍しい演奏を、序曲とともにピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、(10-3-4)を聴いていただきます。

 終わりにケント・ナガノによるオペラセリア「イドメネオ」K.366(9-8-3)の素晴らしい最新映像を入手しましたので、時間の都合で第三幕の迫力ある場面を抜粋して見ていただきます。この映像はモーツァルトが初演したミュンヘンのクヴィリエ劇場で演奏され、イダマンテが男性役のウイーン版を用い、最後にはバレエ音楽K.367も組み込まれた見どころが多く、オペラ・セリアとしては最高の傑作ではないかと改めて感じさせるものです。

この20年間にビデオテープを経てレーザーデイスクからDVDに、さらにDVDもブルーレイデイスク(BD)へ とメデイアがドンドン変化して、ハイビジョンの高度な映像も当たり前になってきました。私はブルーレイデ イスクを使いこなして重宝しておりますので、今回はBDプレイヤーを持参し、その使い良さも見ていただきたいと考えています。 

 

ブルーレイによるハイビジョン映像、楽しみですね。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 

 


●今月のインテルメッツォ(ピアノ演奏:岩島富士江)
 【ピアノ音楽の歴史連続演奏 第33回】「美しいフランソワ-ズ」による12の変奏曲 K353(300f)/1781~2年ウィーン・25~26歳

 

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  5月15日(土) 杉 理一氏(ニュー・オペラ・プロダクション代表、元NHKTVオペラ番組デイレクター)
  6月27日(日) 久元 祐子氏(ピアニスト)「モーツァルトにおけるディナーミク」【会場】渋谷・松濤サロン
 7月24日(土) 澤田 義博氏(当会会長)「もう一人のモーツァルト?ーナンネルの光と影」
    ――――― 8月は夏休みです ―――――

 

 

 

●会員の皆様へのお知らせ

7月例会について

7月例会のご講演をお願いしておりました中村信童先生が急逝されました。フェライン一同、心からお悔やみを申し上げます。例会は日にちを変更して、7月24日土曜日に当会会長の澤田義博が『もう一人のモーツァルトーナンネルの 光と影』というタイトルで講演させて頂きます。(F)


2010年度理事会について

4月より以下のメンバーで理事会を運営します。任期は2012年3月までの2年間となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 若松茂生(名誉会長:新任)、澤田義博(会長:新任)、石津勝男(副会長)、倉島収(副会長)、川口ひろ子(副会長:新任)、隅田淑子(理事)、大野康夫(理事)、佐藤浩(理事:新任)、富田昌孝(理事:新任)、山崎博康(理事:新任)、岩島富士江(事務局委員:新任)、佐藤梓(事務局委員)、古田佳子(事務局委員:新任)、宮崎宇史(事務局委員)、笠島三枝子(事務局委員)、青柳省三(監事)退任:山本廣資(前副会長)、近藤光宏(前事務局委員)

ご退任された山本、近藤ご両氏に対し、長期間にわたりフェラインにご貢献頂き、理事会一同より深謝申し上げます。(F) 


アンケートについて

 まだ未提出の方は、早めにお送り下さいます様お願い致します。(F)

 


 


●3月例会の報告(第291回/3月13日)

 「『フィガロの結婚』の魅力再考」   お話:田辺 秀樹氏(一橋大学教授)


今回、田辺先生はウルス・フェスラーの著書をベースとしてお話された。まず、モーツァルトの「フィガロの結婚」成立の歴史的背景が説明された。この戯曲の政治的な効果を出来る限り取り除く努力をしたのはダ・ポンテであったようだ。又モーツァルトはボーマルシェ3部作の「セビリアの理髪師」(パイジェルロ作曲)はパリで観ていた。当時ハプスブルクの皇帝が啓蒙君主ヨーゼフII世であった事も幸いした。

 

 本日はミラノ、スカラ座で上演された、コルステン指揮、ストレーレル演出の「フィガロ」をDVDで鑑賞した。筆者も「フィガロ 」ではストレーレルの演出がエレガントで、かつ気品があり一番好きである。この公演では全てのアリアがノーカットで上演されている。キャスティングも良く、特にダムラウのスザンナは抜群の出来。第1幕の出だしの部分でモーツァルトはヴァイオリンが下降音型を示す時、幕を開ける意図だったようだ。但しこの公演ではそうはしていない。

 次に主要なアリアについての分析となった。肝心なところでは実際にピアノを弾きながら、ご説明頂いたので、大変理解しやすかった。

まずケルビーノの二つのアリアである。第1幕目のアリアは「直接的な告白」である。交響曲第40番と同じリズムを用いていることが注目される。第2幕目のアリアはこのオペラの中では、ケルビーノが作詞、作曲したものを披露することになっている。モーツァルトはdesire(欲望)を示したい時には半音進行を用いている。二つのアリアに共通するのは前奏部分が殆どないことである。ところで、2番目のアリアがパイジェルロの「セビリアの理髪師」における伯爵のセレナード(フィガロがギターで伴奏)に良く似ている事を、実際にDVDで確認できた。この曲をケルビーノが歌い終わった時、伯爵夫人は“Che bella voce !”(何ときれいな声でしょう)と彼の意図をうまくかわしてしまう。

 次に第1幕でフィガロが歌うアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」であるが、このアリアにも殆ど前奏がない。ケルビーノのアリアと比べると、リズムが似ているが、このアリアでは付点音符を使用することにより、アイロニーを表現している。ファンダンゴのリズムで始まるが、後半部はマーチとなる。この曲は一面ではフィガロのケルビーノに対する当てこすりであるが、実はこの場に同席している伯爵に対する皮肉でもある。オケの下降音型は蝶の落ち行く様を表現しているとも考えられる。

 第2幕の伯爵夫人の美しいカヴァティーナ“Porgi amor”(愛の神様…)では、出だしのたった3つのトゥッティで、この場面の豪華さを表現している。オケの下降音型は伯爵夫人のあきらめを示している。途中クラリネットとファゴットの掛け合いがあるが、これはまさに伯爵夫婦の会話と解釈される。

 

 第4幕のスザンナの有名なアリアでは、彼女は最初はフィガロに対するからかいから、わざとコケティッシュに歌うが、徐々にフィガロに対する真剣な気持ちに変化して来る。このアリアをモーツァルトは3回書き直し、第4稿が実際には使われた。第4幕ではモーツァルトには珍しく、音楽が写実的な描写をしているところが多い(夜の場面の中で聴こえる様々な音等)。

お話をもっともっと聴きたくなるような、時間の有限さを痛感させられた名講演であった。最後に先生お得意のウィーン風ピアノをご披露頂いた。(文責:澤田義博 )

 

 


●情報コーナー

 コンサート情報  ★こちらからどうぞ(K・M) 

CD情報(外盤価格はHMVの一般価格)  ★こちらからどうぞ(T) ※今月より富田昌孝さんがご担当くださいます。どうぞよろしくお願いします。

季刊「モーツアルテイアン」2010年3月第72号のアップが出来ました ★こちらからどうぞ(K)

 

 

 

●3月例会の田辺秀樹先生の例会風景と、その後の楽しい先生を囲んでの賑やかな懇談会の様子の写真が出来ました。 

  
   今回の写真は、担当の倉島のカメラで撮影しておりますので、焼き増しを希望する方は、倉島までお申し出、お願いします。    (O.K.)

第291回 モーツァルティアン・フェライン例会 2010年3月13日

 
 

 事務局レター【第166号】/2010年3月

 【編集者】大野 康夫/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●2月例会(第290回)のお知らせ 

『フィガロの結婚』の魅力再考   お話:田辺 秀樹氏(一橋大学教授)

 日時:2010年3月13日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 


今年も田辺先生のお話をお伺いする3月がやってきました。先生からのコメントをどうぞ。 

 


これまでなんど観たり聞いたりしたか知れない『フィガロの結婚』ですが、観るたび、聴くたびに新たな魅力や面白さに気づかされます。原作戯曲との違い、登場人物たちの人間像、音楽による描写の見事さ…ほんとうに魅力のつきないオペラです。

 今回は、私のもっとも気に入っているヴィデオ映像のひとつである2006年ミラノ・スカラ座のプロダクション(ジェラール・コルステン指揮、ジョルジュ・ストレーレル演出)を部分的に見ながら、いくつかの楽曲を中心にその面白さ、魅力についてお話ししてみたいと思います。 

 

どうぞお楽しみに。例会後のパーティにもぜひご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  4月10日(土) 倉島 収氏(本会副会長)
  5月15日(土) 杉 理一氏(ニュー・オペラ・プロダクション代表、元NHKTVオペラ番組デイレクター)
  6月27日(日) 久元 祐子氏(ピアニスト) 【会場】渋谷・松濤サロン
 7月10日(土) 中村 信童氏(フルーティスト)
    ――――― 8月は夏休みです ―――――

 

 


 ●2月例会の報告(第290回/2月20日)

 「バリリ四重奏団を中心としたウィーンの四重奏団の誕生と闘争の軌跡」   お話:幸松 肇氏(作曲家) 

 新年2月例会は作曲家で室内楽に造詣の深い幸松肇先生にお話をして頂いた。先生は早稲田大学商学部出身で、ヴァイオリンと作曲を池譲氏に、室内楽を浅妻文樹氏に、指揮法を紙谷一衛氏に師事。東芝EMI株式会社プロデューサーとして弦楽四重奏曲のレコード、CDを制作。今回お話の中心になった、1957年に来日したバリリ四重奏団のリーダー、ワルター・バリリや他団員のアテンドをされた。特に同氏著の「世界の弦楽四重奏団とそのレコード―ドイツ、オーストリア編」は名著の誉れが高い。

 

ウィーン系弦楽四重奏団の系譜を中心にご説明があった。1882年に、その後50年以上もヴィーン・フィルのコンサート・マスターを務めることになるアルノルト・ロゼーが、ロゼー弦楽四重奏団を結成。ロゼーが、ナチによってロンドンに追放されることにより、ヴォルフガング・シュナイダーハンがヴィーン・フィルのコンサート・マスターに就任。シュナイダーハン弦楽四重奏団を結成した。

 1945年にヴィーン・フィルのメンバーであったワルター・バリリがバリリ弦楽四重奏団を結成したが、当初メンバーが安定せず途方にくれていた。1951年シュナイダーハンがソリストに転向するため自分の弦楽四重奏団を手放すことになった。バリリが他のメンバーを引き継ぎ、自分はリーダーの座に収まる幸運を射止めた。第2ヴァイオリンにオットー・シュトラッサー、ヴィオラにルドルフ・シュトレンク、チェロにリヒャルト・クロチャックという最高のメンバーであった。素晴らしい録音によるLPレコードが作成された。

その後、バリリが右腕関節麻痺という職業病に冒されたため、ヴィリー・ボスコフスキーがリーダーを引き継ぎヴィーン・フィルハーモニー弦楽四重奏団となったが長くは続かなかった。バリリ四重奏団は虚飾を排した優雅な音色で冷静さを失うことなく本質に迫ってゆく演奏であった。

もうひとつヴィーン・コンツェルトハウス四重奏団のお話があった。1934年ヴィーン交響楽団のメンバーだったアントン・カンパーにより結成され、1960年と62年に来日した。堅実な技量を持つと同時に、懐かしいヴィーン情緒を湛え、エレガントな演奏振りで知られている。

 

その後、ミュンヘン国際コンクールで優勝したワルター・ヴェラー(ヴァイオリン)により1959年、ヴェラー四重奏団が結成された。1962年にヴェラーはヴィーンフィルのコンサートマスターに昇格して将来を嘱望されたが、1969年ベームの代役として指揮者に転向し、これが音楽界全体のムードを室内楽嗜好から、オーケストラ嗜好へと転換させる口火となった。200~300人収容程度の室内楽演奏に適したホールから4000~5000人の大ホールで演奏するため音量の大きい楽器を使用しなければならず、室内楽の良さが減衰してしまった。

 試聴CDはモーツァルト:弦楽四重奏曲第14番ト長調K.387(バリリ弦楽四重奏団)、ベートーヴェン「セリオーソ」(シュナイダーハン弦楽四重奏団)、 ハイドン「セレナーデ」~第2楽章(バリリ弦楽四重奏団)、「バリリの感謝の声」、ハイドン:「セレナーデ」~第2楽章(ヴィーン・コンツェルトハウス四重奏団)、モーツァルト:弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」(ヴィーン・フィルハーモニー弦楽四重奏団)、ハイドン:弦楽四重奏曲 Op.33の4(ヴェラー四重奏団)

モーツァルトをはじめとする作曲家にとって、弦楽四重奏曲等の室内楽は自身の家族や友人との楽しみとしての演奏のために作曲されることが多い。そのため、作曲家にとって愛着は格別なものがあると考えられる。

そのような味わいにあふれた作品群に造詣の深い幸松先生からお話を伺えた有意義な一時であった。(文責:大野康夫)

 

 


●会員の皆様へのお知らせ

新年度会費納入について

来月4月より新年度を迎えます。このあとお送りする季刊「モーツァルティアン・第72号」に振込用紙を同封いたしますので、会費納入をよろしくお願い致します。

 年会費は5000円、家族会員(夫婦、親子など同居家族2人)は6000円。締め切りは5月末日とさせていただきます。なお、例会に出席予定の方は、例会場でも受け付けています。(F)

アンケートご協力のお願い

 ご依頼状とご回答用の葉書を同封させて頂いております。どうぞ忌憚のないご意見をお聞かせ下さい。(S) 

 

 


●情報コーナー

 コンサート情報  ★こちらからどうぞ(K・M) 

CD情報(価格はタワー新宿店初回入荷分価格)  ★こちらからどうぞ(Y)

第290回 モーツァルティアン・フェライン例会 2010年2月20日

 
 

 事務局レター【第165号】/2010年2月

 【編集者】澤田 義博/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●2月例会(第290回)のお知らせ 

「バリリ四重奏団を中心としたウィーンの四重奏団の誕生と闘争の軌跡」   お話:幸松 肇氏(作曲家)

 日時:2010年2月20日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥2500(会員・一般共)

 

 


今月は、作曲家で室内楽に造詣の深い幸松肇先生を初めてお迎えしました。先生からのコメントをご紹介します。 

 


 戦後、LPレコードの発展によって、新しいファン層の獲得に成功したウィーン・フィルの楽員によるクァルテット、バリリ四重奏団を中心とし、それに続くウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の活動などに触れながら、約200年に亘るウィーン室内楽の歴史を総括し、伝統奏法の理想郷を実現したウィーン最高位の弦楽四重奏団、ヴェラー弦楽四重奏団の誕生と破滅の悲劇に言及して、真の意味でのウィーンに於ける弦楽四重奏団が、崩壊を辿っていく軌跡を説明することが今回の講演の中心となる。

ウィーンにおける近代クァルテットの伝統的奏法は、ウィーン音楽アカデミーのフランツ・サモヒルの功績のよるところが大きい。確かにサモヒルは、教育者として、アルバンベルク四重奏団のピヒラー、ウィーン・ムジークライン四重奏団のキュッヒル、ウィーン四重奏団のヒンクなどを育て、オーストリア政府から名誉章、ウィーン市から科学芸術一等名誉章、日本政府からも数多くの生徒を教えた功績により叙勲されている。

しかし、サモヒルは、作曲家が次々と新しく要求するテクニックに応えるため、昔はせいぜい二百か三百人のホールで弾けばよかったのに、現在では四千人から五千人収容のホールに合致する奏法が必要ということで、楽器の音量を大きめにする奏法を推奨したのだ。これによって、ウィーンのクァルテットの音量は、肥大化し、あの優雅で、ふくよかな伝統が失われてしまったのだとも考えられる。

 1970年代に最高潮に達したウィーンらしい奏法は、徐々に変質し、今世紀に入って、ついにアルバンベルク四重奏団も解散、21世紀期待の星、アーロン四重奏団に、昔の伝統の面影が感じられることを期待したい。

こうなった背景には、一方でクラシック音楽の世界が、現在のオーケストラ中心の管弦楽曲やオペラ中心の声楽曲に偏りすぎているためとも考えられる。

ウィーンにかつてのような、せいぜい最高で八百人程度(これはコンツェルトハウスのモーツァルト・ザール程度)の聴衆を対象とした、室内楽の復興を望みたい。 

 

 多数の方々のお越しをお待ちしております。なお、会場では、先生の著書「世界の弦楽四重奏団とそのレコードードイツ・オーストリア編」の即売がございますので、この機会にぜひお求めください。また例会後恒例のパーティにもご参加ください。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  3月13日(土) 田辺 秀樹氏(一橋大学教授)
  4月10日(土) 倉島 収氏(本会副会長)
  5月15日(土) 杉 理一氏(ニュー・オペラ・プロダクション代表)
  6月27日(日) 久元 祐子氏(ピアニスト) 【会場】渋谷・松濤サロン
 7月10日(土) 中村 信童氏(フルーティスト)

 

 


●1月例会の報告(第289回/1月16日)

モーツァルティアン・フェライン新年会

 新年会と名を変えたこの全員参加型例会も今回で9回目を迎え、新年に相応しい、賑々しい会となった。最初に澤田会長代行はその挨拶の中で、フェラインの活動をより楽しいものにする事、更なる質の向上、会員数の一層の増加、この3点について、会員皆さん一人一人のご協力をケネディ大統領の就任演説を引用し、お願いした。 

第1部 挨拶とお話

・秋野美津子さん 入会の挨拶を兼ねて、現在良く聴いていらっしゃるモーツァルトについてお話された。歌曲では「夢の姿」、最近プーレさんの影響もあり、ヴァイオリンソナタにも、とても興味を感じていらっしゃる様子。これから、更に様々なジャンルの曲にチャレンジしたいとの事。モーツァルトの世界に是非耽溺して下さい。

・遠座公一郎氏 弦楽四重奏曲ハイドン・セットについて特に思い入れをお持ちで、その理由の一つはハイドン・セットで就職の面接をパスされた為だそうである。現在はクラリネット五重奏などを良くお聴きになるそうである。

・佐藤 浩氏 モーツァルトとラウル・デュフィについて、CDとプロジェクターを駆使されてお話になった。デュフィの作品で特筆に価するのは、モーツァルトを始め、音楽家に対するオマージュの絵画である。デュフィはなかんずくモーツァルトを敬愛していた。1930年代にデュフィの友人であったシャルル・ミュンシュのリハーサル会場でよくスケッチをしていたそうである。筆者もデュフィのファンで、特にモーツァルト頌(ブルーのモーツァルト頌)が大好きである。2003年のパリでのデュフィ展ではその実物が展示されておらず、とても失望した記憶がある。

・山田健二氏 ピアノ協奏曲17番第3楽章の山田氏の解釈につき、お話された。モーツァルトが飼っていた、むく鳥がこの曲をさえずったと言う、魔笛を予見させる、いわくつきの楽章である。その特徴は;木管の活躍、ピアノと木管(特にフルート)の対話、オーボエ、フルート、ファゴットが旋律を引き継いで行くが、あたかも一つの楽器のように聴こえる。短調のパッセージも出て来て、管とピアノの暗い対話もある。しかし、暗雲は解消し、再び明るい色調となり、ピアノがそれをリードする。そしてトゥッティで力強く終わる。

 

・真部 淳氏 「モーツァルトが後世の大作曲家に与えた影響の考察」という興味深い、本格的なお話だった。特に「ジュピター」のベートーヴェン、シューベルト、ブラームスに対する影響について実際に該当箇所をピアノで例示しながら、解説された。持ち時間が短く、もっと聴きたかったとの会員も多かったので、いずれ是非、他の多くの例も含め、例会でのご講演をお願いしたい。

・岩島富士江氏 第1部の最後はいつもモーツァルトのピアノ変奏曲の連続演奏を行って頂いている岩島さんのピアノ演奏でした。今回は「お母様聞いて頂戴」K.265の一部を演奏頂き、第1部を華やかに締めくくって頂いた。

 

第2部 演奏

・塚本正人氏(ヴィオラ)、礒山秀子さん(ピアノ) ヴァイオリン・ソナタのヴィオラ用編曲版 K.304
 何より、特筆されるべきは、全曲を暗譜でお弾きになった塚本氏の熱意であろう。大変なご努力だと思います。礒山さんピアノ演奏お疲れ様でした。

 

・笠島三枝子さん、ソプラノ独唱、ピアノ伴奏 真部 淳氏 「別れの歌」K519, 「すみれ」K.476
素敵なドレスで毎回聴衆を楽しませる笠島さんは難曲のリートに挑戦された。真面目な練習のあとが伺え、また、真部さんのアドバイスと息の合った伴奏の宜しきを得て、立派な演奏でした。「すみれ」を暗譜で歌われたのには驚きました。確か、ドイツ語は勉強したことはありませんと仰っていたと思います。

・田中 進氏:バス・バリトン独唱、ピアノ伴奏:児玉ゆかりさん
「おいで愛しのツィター」K.367bではツィターに託した恋人への思いを見事に歌い上げ、「おおイシス」(魔笛より)では、最低音のFも軽々とクリアされました。毎回サプライズを見せて頂く田中さん。今年のサプライズは難曲「おおイシス」を見事に歌いきられたことでした。毎年聴く度に真剣な練習のあとが如実に伺える歌唱でした。ピアノ伴奏もぴったりとして、田中さんを応援していました。

 

・小高根真理子さん:ヴァイオリン、柴田民子さん:ピアノ ヴァイオリンソナタK.378、ヴァイオリンコンツェルトK218(一部)
 第2部の最後はプロのヴァイオリニスト小高根さんの演奏でした。ヴァイオリンは後ほどお聞きしたら、フランスの名器「ガン」だそうです。さすがプロの演奏、会場の緊張感が高まりました。まず、最初にヴァイオリンソナタ名曲の一つ、K378でした。まだパリの影響を色濃く残していますが、その優美さ、華麗さは既にモーツァルトのものになっています。その繊細さが見事に表現されていました。K.218も好演でした。柴田さんのピアノ演奏、伴奏も見事でした。

 

・山本廣資氏 CDとお話
やむを得ない所用のため、遅れて到着された山本さんは残り時間の関係で、ご挨拶にとどめざるを得ませんでしたが、それでも最近の話題のCDを5枚程ご紹介され、朝比奈/大阪フィルの交響曲40番を会員のリクエストで出だしの部分を少しだけ聴くことが出来ました。

最後に 恒例の全員合唱で「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を岩島さんの伴奏とご指導で歌いました。今年のフェラインの活動が実り多きものになるよう祈りつつ。この曲を歌っていると、不思議に心が洗われるような気がします。(文責:澤田義博)

 

 


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●1月例会の楽しかった会員発表風景、その後の楽しい懇談会の様子の写真が出来ました。 

  1月例会は、「新年会」と改めた年始恒例の会員参加例会でした。しかし、最初のご三方の発表時に、カメラ係がオーデイオ係や進行役などを兼ねていたため、忙しくて、つい取り忘れてしまいました。ここにご三方に改めて、新年ですので謹んで、お詫び申し上げます。

   各会員の熱心な発表の様子が写されていますが、中でも会員の素人芸の発表を引き締め、盛り上げてくれた岩島会員や小高根会員に感謝いたします。
   引き続いて「デリ・フランス」に会場を変えて、発表者を中心にワインパーテイが始まりました。発表者の皆さん、ご苦労様でした。発表のための苦労話などが交わされ、また今回の反省を込めて、来年はどうするかの議論もあったようです。

   今回の写真は、担当の倉島のカメラで撮影しておりますので、焼き増しを希望する方は、倉島までお申し出、お願いします。    (O.K.)

第289回 モーツァルティアン・フェライン例会 2010年1月16日

 
 

 事務局レター【第164号】/2010年1月

 【編集者】若松 茂生/石津 勝男/近藤 光宏/山本 廣資/古田 佳子 bxp00423*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います)

●1月例会(第289回)のお知らせ 

 モーツァルティアン・フェライン新年会

 日時:2010年1月16日(土)午後2時

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」8F・811号室(JR「お茶の水」下車・徒歩3分)

 例会費:¥1500(会員・一般共)

 

 


明けましておめでとうございます。昨年、その名も「新年会」と改めた年始恒例の会員参加例会も、9回を迎えました。プログラムは以下の通りですが、出演順ではありませんのでご注意ください。(正式なプログラムは会場でお配りします) 

 


 司会:石津勝男、倉島収/進行:川口ひろ子


 第1部 挨拶とお話

 1.澤田義博/新年の御挨拶。

 2.秋野美津子/御挨拶、今好きなモーツァルトのCD。

 3.遠座公一郎/御挨拶、私の愛したモーツァルト。

 4.佐藤浩/お話と音と映像:CDをバックに音楽に関係する絵画を紹介。 

 5.山田健二/お話とCD:ピアノ協奏曲17番 第3楽章の山田的解析。

 6.真部淳/お話とピアノ演奏:モーツァルトが後世の大作曲家に与えた影響を考察。

 7.山本廣資/私のCD情報から。


 第2部 演奏

 1.塚本正人/ヴィオラ独奏「ヴァイオリン・ソナタK304のヴィオラ版 第1楽章と第2楽章の一部」(伴奏:礒山秀子)

 2.田中進/独唱「おおイシスとオシリス(魔笛より)、おいで愛しのツィターよ K367」(伴奏:児玉ゆかり)

 3.笠島三枝子/独唱「別離の歌 K519、すみれ K476」(伴奏:真部淳) 

 4.小高根真理子/ヴァイオリン独奏「Vソナタ K378&V協奏曲 K218の一部」(伴奏:柴田民子) 

5.岩島富士江/ピアノ独奏「“お母様聞いてちょうだい”による7つの変奏曲 K265」

 6.全員で合唱「アヴェ・ヴェルム・コルプス K618」(ピアノ伴奏:岩島富士江) 

 

 5時頃終了予定。お話の続きはパーティー会場で。会場:「デリ・フランス」お茶の水店/TEL:03(5283)3051


 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  2月20日(土) 幸松 肇氏(作曲家)「バリリ弦楽四重奏団を中心としたウィーンの弦楽四重奏団について」
  3月13日(土) 田辺 秀樹氏(一橋大学教授)
  4月10日(土) 倉島 収氏(本会副会長)
  5月15日(土) 杉 理一氏(ニュー・オペラ・プロダクション代表)

 

 


●12月例会の報告(第288回/12月12日)

 三大交響曲の成立   お話:西川尚生氏(慶応大学准教授)

 1788年の夏、モーツァルトは三大交響曲を作曲した。第39番変ホ長調K543(6月26日付)、第40番ト短調K550(7月25日付)、第41番ハ長調「ジュピター」K551(8月10日付)が各々「自作目録」に記入されたが、これらの交響曲が作曲された理由については、いくつかの説がある。

 

 〈成立の背景について〉
 1788年2月、同盟国であったロシアを助けるため、オーストリアが対トルコ戦争に突入したことにより、ウィーン市民は数年にわたって苦しい生活を強いられることになった。
モーツァルトの最大の顧客であった貴族達も出征したり、自分の領土へ帰ったりして公開演奏会も開きにくくなったことやケルントナートーア劇場の閉鎖されたことなどは、モーツァルトの経済的困窮の外的要因となった。

 〈プフベルク書簡の謎について〉
プフベルク(1741~1822)はウィーンの織物商でモーツァルトとはフリーメソンの仲間であった。モーツァルトがこのプフベルクに宛てた書簡は21通のほとんどが借金の申し込みであった。モーツァルトは死去するまでに総額で1451フロリンもの大金を借りている。
しかしウィーン時代のモーツァルトは晩年に至るまでかなりの高額所得者だったことが判明している。宮廷作曲家としての体面を保つためのそれに見合う生活費、病気がちの妻の療養費、貴族や友人たちとの社交費などが困窮を引き起した可能性があるが、真の原因は未だにわかっていない。

 

 〈三大交響曲の作曲理由〉
 (1)ロンドンでの演奏を想定して作曲されたという説モーツァルトはウィーン時代初期からイギリス行きを口にしていたが1788年にそれを実行に移そうとした形跡はなく、イギリスから招待が来た記録も残っていない。
 (2)ウィーンでの予約演奏会のために作曲されたという説日付不明のプフベルク書簡との関連で、三大交響曲が秋のカジノ演奏会用に作曲されたと推定されているが、デクスター・エッジによれば、この手紙に書かれた演奏会は、三大交響曲とは関係がなく、春先の四旬節の演奏会のことを指しているという。
また、彼は三大交響曲がこの夏の野外演奏会用に作曲されたのではないかという仮説をたてているがその記録は今のところ発見されていない。
 (3)三大交響曲を三曲一セットの曲集として出版するために作曲したという説 D・ウィン・ジョーンズによれば、モーツァルトは1787年12月にアルタリア社から出版されたJ・ハイドンの三曲セットのパリ交響曲に刺激を受け同じ出版社から出版するために三大交響曲を作曲したのではないか。

ハイドンのハ長調、ト短調、変ホ長調のセットとモーツァルトのセットは順序は違うが調性の組合せは同じであり、特にハイドンのト短調の第二楽章の冒頭部分はモーツァルトの同じト短調作品の第二楽章と良く似ている。モーツァルトの自作目録の日付についてA・タイソンのすかし紙の研究によれば三大交響曲の作曲は前年の12月頃から行われた可能性があり、ハイドンの出版時期と重なるという。そして日付は必ずしも完成した日付ではなく何曲かまとめて記した可能性もあるようである。

またモーツァルトに刺激を与えた作曲家として同時代のウィーンに於けるライバルであったレオポルト・コジェルフの3曲セット、特にト短調の交響曲も仲々魅力的である。またモーツァルトがザルツブルグ時代から尊敬していたミヒャエル・ハイドンの交響曲三曲セットも三大交響曲のモデルになったかもしれない。

この三曲セットより前に作曲されたミヒャエル・ハイドンのニ長調交響曲MH287のフガート部分には、モーツァルトの「ジュピター交響曲」に影響を与えたと思われるところがある。

 以上の三つの仮説を検証した結果、三大交響曲の作曲理由として状況証拠がいちばんそろっているのは三つ目の出版目的という説であろう。また作曲の動機としては自己の芸術的欲求のためよりも演奏会や出版を目的とした“生活の糧”のためであったのではないかと考えられる。

 西川尚生先生のお話は最新の情報や研究成果を踏えたもので、私たち会員にとってモーツァルトを深く聴き込むための良い勉強になったとことをご報告致します。(文責 石津勝男)

 

 


●若松会長より新年の挨拶

モーツァルティアン・フェラインの皆さま、明けましておめでとうございます。当地グレン・ロックは、大晦日の朝に雪が降り、雪景色の正月を迎えました。元旦早々に山歩きに出かけ、2時間半雪の山道を歩いてきてからお雑煮を祝いました。

 大晦日の聴き納めはエドウィン・フィッシャーのピアノ協奏曲第25番。ピアノ協奏曲の《ジュピター》です。それら毎年恒例のフリッチャイ指揮の《ハ短調ミサ》。今回はモノ盤で聴きましたが、マリア・シュターダーの天使のような清楚な声が、モノ盤で聴くとマリアのような慈しみを持った声に聴こえてきました。

 新年の聴き初めは、やはりフィシャーのピアノ協奏曲第17番。そして新年恒例のペーター・マーク指揮の《フリーメーソンの音楽》です。

 年年歳歳モーツァルトを聴いてきて、いつでも新鮮に聴こえてくるのが不思議です。聴いても聴いてもモーツァルトは深くて広くて遠い。「永遠」には追いつけないということでしょう。

モーツァルトは、人の心を爽やかにし人の命を豊かにする「喜びの音信(おとずれ)」です。皆さまもどうか今年もモーツァルトとともにお元気で一年をお過ごしください。

 2010年度は澤田新会長の下でフェラインが一段と飛躍することを祈っております。小生も微力ながら山本さんと一緒により充実した内容の「季刊」を目指してまいります。皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。   グレン・ロックにて 若松茂生

 

 


●情報コーナー

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●12月例会のあとの楽しい懇談会の風景の写真が出来ました。 

  12月例会は、西川久生慶応大学准教授のお話しで、「三大交響曲の成立」という興味深いテーマであった。講義の後に質疑応答の時間があり、質問がとりわけ多かったことは、出席者の関心が非常に高かったことの現れであろう。

   引き続き「デリ・フランス」に会場を変えて、先生を中心にワインパーテイが始まっていた。

   今回の写真は、担当の倉島のカメラで撮影しているので、焼き増しを希望する方は、倉島までお申し出いただきたい。          (O.K.)

なお、容量不足のため、飲み会の写真は削除した。(3474~3483) 

 
 
 
 

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