第335回 モーツァルティアン・フェライン例会 2014年3月29日 
 
 

 事務局レター【第210号】/2014年3月

 【編集者】澤田義博/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●3月例会(第335回)のお知らせ

『モーツァルトからベートーヴェンへ――「精神」は受け継がれたか』 樋口隆一氏

 日時:2014年3月29日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2500(会員・一般共)


――――― 樋口隆一氏からのメッセージ

 1792年10月、若きベートーヴェンがウィーンに旅立とうとするとき、ワルトシュタイン伯爵が「ハイドンの手からモーツァルトの精神を受け取るように」と記念帳に記入したことは良く知られている。すでにベートーヴェンは1787年、モーツァルトに師事する目的でウィーンに赴いたことがあった。しかし急遽ボンに戻らざるを得なくなったのは、最愛の母が重体との報せが届いたからであった。

  その後、モーツァルトは1791年に世を去ったが、ベートーヴェンはハイドンに師事する幸運を得て1792年11月にウィーンに赴き、生涯その地に留まった。ウィーンでのベートーヴェンはハイドンに師事したが、この老大家に対する態度は、決して従順なものではなかった。ハイドンはウィーンでの最初の出版にピアノ三重奏曲集を選び、ハイドンも無名な弟子の助けになればと、その表紙に「ハイドンの弟子」と書くことを勧めたが、怒ったベートーヴェンはそのアドヴァイスに従わなかったという。

  恩師ハイドンに対するベートーヴェンの複雑な心理は、弦楽四重奏曲集作品18の作曲にも見て取れる。いうまでもなく弦楽四重奏というジャンルこそは、ハイドンが確立し、モーツァルトもまた「ハイドン四重奏曲集」を献呈してハイドンの功績を讃えたものであった。こうしたジャンルに進出することは、現実の師のハイドン、心の師ともいえるモーツァルトの聖域に足を踏み入れることを意味しており、若きベートーヴェンにとって、6曲からなる弦楽四重奏曲集作品18の作曲は大きな決断と決心を必要とすることであったに違いない。

  ベートーヴェンが弦楽四重奏曲の作曲を始めるのは、ようやく1799年になってのことであるが、その前に、ふたりの先輩の作品をパート譜から総譜に写すことによって弦楽四重奏曲の作曲を学んでいる。1794年には、ハイドンが1772年に作曲し、74年に出版した弦楽四重奏曲集「太陽」の第1番変ホ長調の写譜をしているし、1798年夏になると、モーツァルトがハイドンに捧げた「ハイドン・セット」から、《ト長調》K387の全楽章と、《イ長調》K 464の第3・第4楽章を写譜したあと、いよいよ自作の作曲に取りかかるのである。特にモーツァルトの弦楽四重奏曲イ長調K464と、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲イ長調作品18-5を比較してみると、興味深い一致が目に付く。これら2作品の比較を中心に、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンにおける弦楽四重奏曲というジャンルを媒介とした「精神」の伝達について考えてみたい。 


 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。 会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 

 

●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

  4月12日(土)   田辺秀樹氏

  5月10日(土)   山田高誌氏

  6月14日(土)   久元祐子氏の予定です。 

 

 


●お知らせ 

会員へのお知らせ

 スイスとロヴェレート・ツアーですが、まだ参加人数に3~5名の余裕がありますので、迷っている方も是非ご参加下さい。                       会長 澤田義博 

 

 


●1月例会の報告(第333回/1月18日)
   ♪モーツァルティアン・フェライン新年会

 1.澤田義博会長「新年の御挨拶」

 フェラインの新年会もこれで12回目を迎えることとなった。その時間の積み重ねもさることながら、毎回、会を重ねるごとにその内容が濃くなっていることは、季刊「モーツァルティアン」の質の向上と相俟って実に喜ばしいことである。
 今年のキーワードは「切磋琢磨」としたい。勿論言うまでもなく、フェラインは会員の皆様がモーツァルトの音楽を楽しむ場であるが、同時に、お互いに刺激し合って切磋琢磨する場でもある。その機会は例会の講師の先生方のお話、会員間での話、季刊、この新年会、その気になれば、いくらでもある。 互いに刺激を得て、モーツァルトの理解を深めることが大切である。

 

 例会或いは季刊の質は年々高度になりつつあると私は考えている。しかし、大きなイベントを行うためには、やはり会員数の増加が不可欠である。経済力、聴衆の動員力がないと、例会はマンネリ化してしまうリスクがある。
 会員数が当初考えていたより増加しないのは、現在フェラインが過渡期にあると言う事が最大の要因である。諸先輩が逝去されたり、病のため外出できないなどの理由で年々退会者が相当数出ている。
 一方、新入会員は毎年10人以上いらっしゃるのだが、純増ベースで見ると純増は数名程度になってしまう。 従って、この点は各会員の助力が極めて必要である。私はこの種の会は150名程度が適正な人数であると考えている。
 現在の100数名から、可及的早期に適正人数に持っていきたいので、皆様のご協力、新入会員紹介を切に願う次第である。 

2.山崎博康氏「クラクフにまつわるモーツァルトの自筆譜について」

 第2次大戦中にベルリンのプロイセン国立博物館にあったモーツァルトの多数の自筆譜がポーランド南部のクラクフ市のヤギエウォ大学の図書館に保管されている。
 戦後ドイツはそれらの自筆譜の返還を、求めているが、ポーランドはその依頼を拒否している。ポーランドでナチが破壊の限りを尽くしたためである。 そして、現在両国の外交問題化している。両国の和解の動きがないわけではないが、そう簡単ではない。
 小生もポランスキー監督の映画「戦場のピアニスト」を観た時、まず感じたのはポランスキー監督の怨念であった。それも並大抵ではない怨念である。同じ怨念を多くのポーランド人は抱いている。
 山崎氏はモーツァルトの精神に沿った解決法がないものかと問題提起しておられるが、この怨念が続く限り解決は難しいと言わざるを得ない。 果たして時間が解決してくれるのだろうか? 今後の動きを見守って行きたい。 大変興味深い問題提起である。 

 

3.小沢純一氏「コジ・ファン・トゥッテ 感情描写におけるホルンとトランペットの役割分担」

 小沢氏のお話は国際モ-ツァルト・シンポジウム報告「モーツァルト研究の現在」の中の先原章仁氏の論文のサーヴェイであった。この論文は「コジ」の中でのホルンとトランペットの役割分担について分析している。
その結論はホルンは真情を吐露する時、トランペットは芝居がかったブッフォ的な場面に用いられており、トランペットが通常よりホルンに代わって用いられている場合が多いという点である。全体としてこの分析は納得的であると思われる。
 特に29番のデュエットはこの二人が実は本当に似合いのカップルだということを示していると主張するモーツァルティアンが多く(私その一人である)、この分析はその証明になっている。私にはどうやらモーツァルトは第2幕で新たに生まれたカップルが本物だと音楽で語っているように思える。大変面白い分析と着眼点であると考える。

演奏の部

 1.笠島三枝子 ソプラノ独唱 「コジ」より「女も15になったら」     Pf伴奏 真部淳
   田中  進  バリトン独唱 「フィガロ」より「踊りをなさりたければ」  Pf伴奏 真部淳
   笠島・田中  2重唱「コジ」より「いとしい人よ、心を捧げます」    Pf伴奏 真部淳  

 フェライン新年会恒例となった、お二人のソロとデュエットである。 第1の感想はお二方とも上達されたなー。 と言う事である。田中さんの小道具は毎年楽しみなのであるが、今回はポケット・チーフだった。
 今年は前述の小沢氏のお話と同じ「コシ」の中から、選曲されている。こういう形のコオーディンネーションは大変好ましい。来年、更にどの程度上達されたかを聴かせて頂くのが楽しみである。 

 

 

2.真部 淳   ピアノ独奏 幻想曲ハ短調K475

 真部さんはチャレンジ精神旺盛で、今回も一流のプロでもなかなか弾きこなせない難曲にチャレンジされた。 小さなミスはあっても曲の本質はきちんと把握されていると感じた。あのご多忙な時間の中で一体いつ練習されるのだろうという素朴な疑問に襲われた。

 


3.木村好伸  フルート独奏   アンダンテCdurK315  ピアノ 石黒裕丈 石黒裕丈   ピアノ独奏    幻想曲ニ短調K397

 フェラインの例会ではおなじみのお二方である。 木村さんはプロもびっくりという名演奏で、これまた、真部さんと同じく忙しいビジネスマン生活の中でいつさらわれるのかと思われた。
 石黒さんのピアノには本当に音楽性を感じさせられる。 例会の部屋に入ったら良いピアノの音が聴こえるので、誰かと思ったら、やはり石黒さんだった。お忙しいとは思うが、もっと演奏活動に時間を割かれてはどうかと思う。 

司会、オーディオ・音響/石津勝男、倉島収
 (文責:澤田)

 

 ●2月例会の報告(第334回/2月2日)
コンサート  ジェラール・プーレ(Vn)、川島余里
  於: 銀座十字屋ホール 

 2月の例会はコンサートで、しかも今年最大の目玉であるマエストロ・プーレのリサイタルであった。マエストロのフェライン例会への出演はこれで4回目となる。銀座十字屋共催では2回目である。聴衆の反応は予想を上回る感動だった。早速来年もと言う事になり、来年7月前半(日付は未定だが、原則土曜日で、難しい場合は日曜日)予定となった。会場の収容人数は通常100名前後だが、今回は140席特別にご用意頂き、ほぼ満席だった。

1.モーツァルト  ヴァイオリン・ソナタ ホ短調K.304
 前日のコンサートの疲れがまだ残っている様子で、好調な出だしとは言えなかったが、 この曲の本質は当然のことながら、きちんと押さえられていた。

2.シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティ―タ第2番より)
  マエストロはこの曲辺りからエネルギーを取り戻した様子で、見事なバッハだった。 バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ及びパルティ―タをこのように音楽性を感じさせ、弾きこなせるヴァイオリニストは世界に一体何人いるだろうか?せいぜい数人だと思う。もっと聴きたい方はフランスのARIONレーベルのマエストロのCD(2枚組)をお求めになることをお勧めする。

3.モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ K.379 ト長調
 パリ風の優美さを湛えた華麗な傑作である。特に第2楽章の変奏曲は絶品で、第5変奏も見事としか言いようがない。この曲になるといつも通りのマエストロの演奏になり、聴衆の感動も高まり始めた。

4.フランク ヴァイオリン・ソナタ イ長調
  前回も聴いた名曲であるが、銀座十字屋の中村会長のリクエストで再度プログラムに入れることになった。 この曲はいつ聴いても傑作だと思う。 その美しさはたとえようもない。 フランクはベルギー生まれだが、活動の地はパリだった。フランス音楽となるとマエストロの右にでる人いない。この曲はこう弾くのだと教えてくれているようだった。聴衆の感動は最高潮に達し、会場は熱気であふれた。ピアノの川島さんとの調和も会を重ねるごとに益々よくなっており、ぴったりと息の合った演奏だった。
アンコールはフォーレの「ロマンス」とファリャの「スペイン舞曲」だった。会場の熱気は更に高まって、この名演は終わりを告げた。私の印象では過去4回の内、最高の出来栄えだったと感じられた。

(文責:澤田)

第334回 モーツァルティアン・フェライン例会 2014年2月2日
 
 

 事務局レター【第209号】/2014年2月

 【編集者】澤田義博/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 


●2月例会(第334回)のお知らせ 

 ジェラール・プーレ(Vn)、川島余里(P)コンサート(銀座十字屋と共催)

日時:2014年2月2日(日)午後5時(午後4時30分開場)
←日曜日です。開始時間にも注意!


会場:銀座十字屋ホール 東京メトロ銀座駅(9A出口徒歩2分)、東京メトロ銀座一丁目8出口徒歩2分、JR有楽町駅徒歩5分


チラシ・チケット販売開始しています。枚数に限りがあります。
 早めに下記へ電話またはメールでご連絡下さい。
 当日いらしても、席がご用意できない場合があり得ますので、必ず事前の予約をお願い致します。
 現在まだ若干数残っています。予約は澤田会長。石津副会長、または川口副会長にお願いします。

 全席自由 1ドリンク付 一般5,000円 フェライン会員は500円引きの4,500円です。

 澤田 090-2223-8101
 石津 090-5191-3404
 川口 03-3485-4680
 澤田義博   ysawadaamadeus.jp@nifty.com
川口ひろ子  fortuna-h@kuf.biglobe.ne.jp 

フランスの大御所で、世界的な名声を博す巨匠、ジェラール・プーレ氏にフェラインで4度目のコンサートを開催して頂けることになりました。
 今回も銀座のど真ん中の十字屋ホールで、100年以上の歴史を持つ老舗の銀座十字屋さんと共催となります。
 (プーレさんの演奏会については日本のモーツァルトの愛好会の中で、フェラインが最初で、かつ4回と言う回数も最多です) 

   《プログラム》

  モーツァルト:ヴァイオリンソナタ K304 ホ短調 

  モーツァルト:ヴァイオリンソナタ K379 ト長調 

  フランク   :ヴァイオリンソナタ イ長調 

  バッハ    :シャコンヌ (無伴奏ヴァイオリン・パルティ―タ第2番より)

         ♪―――――♪―――――♪

  プーレさんは、すっかり日本びいきとなり、取り分けフェラインの雰囲気をすっかり気に入ってくれています。
 季刊誌に載りましたプーレさんと澤田会長と真部理事の三人の鼎談会で澤田会長からのリクエストでK.304,真部理事からのリクエストでヴァイオリンソナタK.379をプーレさんが引き受けて下さいました。
また銀座十字屋さんのご要望でフランクは前回の曲をもう一度弾いていただきます。
プーレさんとはこちらからリクエストをお願い出来るような親密な関係になり、今回も素晴らしい演奏が期待できそうです。

プーレさんのバッハはARIONからCDが2枚組で出ていますが、素晴らしい演奏です。
ホールは100名強収容できますが、ホーム・コンサートの雰囲気で、フランスの至宝の演奏を身近でお楽しみ下さい♪

なおコンサートの休憩時間には、フェライン、銀座十字屋さんの会員のためにアペリティフ・カクテルを予定しています。
  また終了後はフェラインとの懇親会を予定しています(場所は当日お知らせします)。

 

 

 

 今後のフェライン例会

 3月29日(土)    樋口隆一氏

 4月12日(土)    田辺秀樹氏

 以下、5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。 

 

 

 

 今回のレターは、例会と例会との日数がありませんので、 1月例会の報告は、3月のレターに掲載させていただきます。

 1月18日の新年会は、懇親会にも30人の方が出席され、大変盛り上がり、お時間が来ても皆さんなかなか席を立たれず、楽しいパーティーとなりました。
 澤田会長からの新年の挨拶は、会員同士「切磋琢磨」しましょうがキーワードでした。
 皆さんとさらにモーツァルトについて学び、深めていく一年といたしましょう
3月レターには、会長からのメッセージも載せていただく予定です。

 午年の今年は、活歩活歩と 活き活きと歩みを進めて、 これまで以上にフェラインが発展していきますように 皆さんとともに盛り上げていきたいと思います。

(文責 笠島 三枝子) 

 

 

 

●お知らせ 

 ロヴェレート・ツアー日程変更のお知らせ

 ロヴェレート音楽祭の日程が他の国際行事と重なり日程が変更になりました。 当初9月18日~21日の予定でしたが、9月11日~14日となり、スケジュールを調整してツアーを組みます。ほかの都市も回りますので、ツアーの日数は全体で8日前後になると思います。
 現在、旅行社に複数の案を。提案依頼中です。ホテルの手配などがありますので、参加希望の方は、早めにご連絡下さい。楽しい企画を準備しています。是非ご参加下さい。 

 追伸
 「久元先生の4月4日の紀尾井ホールでのコンサートのチケットは、ご購入時にモーツァルティアン・フェラインの会員ですと言って頂ければ自動的に500円割引になります。」

(会長 澤田義博) 

 

 

 

第333回 モーツァルティアン・フェライン例会 2014年1月18日
 
 

 事務局レター【第208号】/2014年1月

 【編集者】澤田義博/川口ひろ子/笠島三枝子/大野康夫/倉島 収 mozartian_449*yahoo.co.jp  (スパムメールが増えてきましたのでリンクを外しました。お手数ですが*を@に替えて送信願います) 

 

●1月例会(第333回)のお知らせ 

 モーツァルティアン・フェライン新年会

 日時:2014年1月18日(土)午後2時(午後1時30分開場)

 会場:お茶の水「クリスチャンセンター」(JR「お茶の水」下車・徒歩3分) 

 例会費:¥2000(会員・一般共)


 【出演予定者】(敬称略/出演順ではありません)

お話の部

♪澤田義博会長  新年のご挨拶

♪山崎博康    クラクフにまつわるモーツァルトの自筆 譜について

♪小沢純一    コジ・ファン・トゥッテ 感情描写におけるホルンとトランペットの役割分担

 演奏の部

♪笠島三枝子   ソプラノ独唱 「コジ」より「女も15になったら」 Pf伴奏 真部淳

♪田中 進     バリトン独唱 「フィガロ」より「踊りをなさりたければ」 Pf伴奏 真部淳

♪笠島・田中   2重唱「コジ」より「いとしい人よ、心を捧げます」 Pf伴奏 真部淳

♪真部 淳     ピアノ独奏 幻想曲ハ短調K475

♪木村好伸    フルート独奏 アンダンテCdurK315 pf伴奏石黒裕丈

♪石黒裕丈    ピアノ独奏 幻想曲ニ短調K397

♪司会、オーディオ・音響/石津勝男、倉島収

♪企画進行/川口ひろ子 

 

 

 例会後は恒例の懇親会へのご参加をお待ちしております。皆さんで新年をお祝いいたしましょう。
会場:「デリ・フランス」お茶の水店/03(5283)3051

 

 


●今後の例会のご案内(会場記載のないものはお茶の水クリスチャンセンターです)

 2月 2日(日)17:00(会場:銀座十字屋ホール)
ジェラール・プーレ(Vn)コンサート(銀座十字屋と共催) 
チラシ・チケット販売開始しています枚数に限りがあります。早めに下記へご連絡下さい。
 全席自由 1ドリンク付 一般5,000円
フェライン会員は500円引きの4,500円です。
 澤田 090-2223-8101
 石津 090-5191-3404 

 3月29日(土)    樋口隆一氏

 4月12日(土)    田辺秀樹氏

 以下、5月・山田高誌氏、6月・久元祐子氏の予定です。 

 

 


●お知らせ 

 ロヴェレート・ツアー日程変更のお知らせ

 ロヴェレート音楽祭の日程が他の国際行事と重なり日程が変更になりました。 当初9月18日~21日の予定でしたが、9月11日~14日となり、スケジュールを調整してツアーを組みます。ほかの都市も回りますので、ツアーの日数は全体で8日前後になると思います。
 現在、旅行社に複数の案を。提案依頼中です。ホテルの手配などがありますので、参加希望の方は、早めにご連絡下さい。楽しい企画を準備しています。是非ご参加下さい。 

 追伸
 「久元先生の4月4日の紀尾井ホールでのコンサートのチケットは、ご購入時にモーツァルティアン・フェラインの会員ですと言って頂ければ自動的に500円割引になります。」

(会長 澤田義博) 

 

 

 
●12月例会の報告(第332回/12月7日)

 「ヴェルディとモーツァルト」    加藤 浩子氏(音楽評論家)

 今年生誕200年を迎えたイタリア・オペラの大家ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)の記念行事のため、執筆にイタリア旅行にと超多忙の加藤浩子先生に、標記の珍しいオリジナルのタイトルで、ご講演頂いた。生憎、田園都市線の飛び込み事故で電車がストップし、1時間遅れで始まったが、休憩時間を返上する勢いで、盛会のうちにほぼ予定通り終了できた。

  モーツァルトが本格的なイタリア・オペラ・セリアを初めて書いたのは、ミラノのスカラ座の前身であるドゥカーレ(大公)劇場のためだったが、一方のヴェルディがミラノでの修業時代に師事したヴィンチェンツォ・ラヴィーニャは、スカラ座のチェンバロ弾きであり、モーツァルトの上演にもかかわっている。そんなラヴィーニャから、ヴェルディは《ドン・ジョヴァンニ》を徹底的に叩き込まれたというミラノを舞台とする二人の不思議な縁から、先生のお話が始まった。ヴェルディの活動期、スカラ座ではモーツァルト・オペラの上演は少なく、19世紀のイタリアでは他のイタリアの劇場でも、モーツァルトのレパートリーはそれほど愛されたわけではない。そのため、ヴェルディがモーツァルトから受けた影響はそれほど大きくはないようだが、研究好きな彼は、ベートーヴェンやモーツァルトの古典派の作品を、人一倍、研究した人でもあった。ここでは、ヴェルディの作品群の中から、モーツァルトの痕跡と指摘されるものを探ってみようと試みたものである。

  ヴェルデイ・オペラにおける《ドン・ジョヴァンニ》の影響について、専門家から指摘される例は、第1幕フィナーレを飾る舞踏会の場面と、《リゴレット》や《仮面舞踏会》における舞曲との関係である。そのため初めにフルトヴェングラー盤のDVDで、メヌエット・二拍子のコントルダンス・三拍子のドイツ舞曲を伴奏に歌が進められ、クライマックスに至る部分を聴いた。続いて《リゴレット》のパバロッテイ盤で第1幕の幕開けの舞踏会の場で、舞台上の楽団が舞曲を奏で、それを背景にドラマが進行し、貴族たちのメヌエットを踊る場、公爵が伯爵夫人を口説くメヌエットの場面などから、次第に音楽が高揚して第1幕第1場のクライマックスに突入する場面を見た。確かに舞曲の利用が場面の雰囲気と、主役の性格作り、そして劇的なクライマックスに寄与している点は共通し、類似性があるように思われた。

  同様の例としては、《椿姫(トラヴィアータ)》第1幕での、ワルツと愛の告白の二重唱が同時進行する場面も有名であり、ここでも隣の舞踏室からワルツが聞こえ愛の二重唱が進行して雰囲気を出しており、DVDでこの場面を確認した。続いて、《仮面舞踏会》における例として、第3幕のフィナーレを飾る舞踏会の場面では、リッカルドのメヌエットの旋律に乗ったアリアから楽団が舞曲を奏でて、後に続く舞踏会の雰囲気を伝え、伯爵が倒れる部分の映像を見た。さらにヴェルデイの最後のオペラである《ファルスタッフ》の第3幕第2場の例もDVDで確認したが、どの例をとっても、ヴェルディが《ドン・ジョヴァンニ》から得たものは、ヴェルディのオペラのドラマトゥルギーに、無視できない影響を与えていると言えるのではないかということで、前半を終えた。

  モーツアルティアンがヴェルディを「苦手」と感じる理由のひとつは、大声、絶叫調の歌唱スタイルにあるのは否めない。しかし近年、研究が進んだ結果、ヴェルディのオペラは初演当時、決して大声、絶叫調で歌われていたわけではないことがわかってきた。ヴェルディが彼の激しいドラマに応じた歌唱を要求したことは事実であるが、当時の劇場は今日の大劇場に比べて半分以下の規模であり、大声歌唱には向いていなかった。劇場人として音響効果を含めて劇場を知り尽くしていたヴェルディが、当初からいわゆる「黄金時代」の歌手たち(カラス、テバルデイ、デル・モナコ、ゴッビなど)のような場にそぐわない歌手を、想定していたわけではないことが、最近、分かってきた。ヴェルディはプッチーニやヴェリズモ・オペラよりも、むしろ、モーツァルトを得意とする歌手が歌った方がふさわしいとされ、感情を重視するプッチーニなどと異なり、ヴェルディは楽譜通り歌う、きっちりとした様式感が必要であるという、最近の傾向のお話があった。

  そして「黄金時代」のイタリアオペラの代表例として、デル・モナコの《アイーダ》よりアリア「清きアイーダ」をDVDで聴き、その絶叫調の古くさい歌い方から、最近のロッシーニ・ルネッサンスがもたらしたベルカント歌手の復活により、ロッシーニの延長線上でヴェルディに挑戦する歌手が増えており、今後この傾向は加速すると語られた

 そして、現代のヴェルディの名歌手は、例えばフリットリやメゾのバルチェッローナの例を挙げ、モーツァルトを得意とするひとが少なくないとされていた。その結果、ピリオド奏法の復活がモーツァルト演奏に革命をもたらしたように、ベルカントの復活は、ヴェルディにまとわりついていた「悪しき伝統」を変える可能性があり、その時、ヴェルディはモーツァルトにより近い作曲家とみなされるようになるのではないかと結ばれた。 


 (以上、2013/12/08、文責;倉島 収) 

 

 

 



 

 
 

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